外伝・番外編の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:01 UTC 版)
「とある魔術の禁書目録の登場人物」の記事における「外伝・番外編の登場人物」の解説
ヴィース=ワインレッド 「黄金」系の女性魔術師。SPマーク編に登場。 短いスカートに前の開いたシャツ、左右にそれぞれ黒く長い手袋と白いレースの手袋を付けている。「時間稼ぎ(タイムロス)」という異名を持ち、その名の通り時間稼ぎや足止めを得意とする。黄金系だが雇われのフリーの魔術師。 ソロモン神殿の二本の柱を由来とし、近代西洋魔術の儀式場出入り口にも配置される霊装「ヤッキンとボアズ」を自身の両手に対応させることで、手の位置や動作だけで魔術を発動させる。これにより手順を省いて高速化させ、多彩な攻撃を繰り出し速度と手数で攻める戦術を得意とする。ただし、「明け色の陽射し」のような儀式魔術と比べると速度は勝るが威力は劣る。主に用いるのは土属性の「天使の力」だが、他の属性も使いこなせる。 イギリス清教と学園都市に雇われ、制裁開始まで海洋資源調査船「ブルーリサーチ」で「宵闇の出口」の脱出を阻止する依頼を受けていたが、互いに「宵闇の出口」の魔術師だと誤認したためにマーク=スペースと交戦し撃破される。 フレイス 英国の「黄金」系魔術結社「暗闇を拭う夜明け」に所属する女性魔術師。SP上条編に登場。 年齢は20歳くらい。楽天的かつ大雑把でマイペースな性格をしている。自身の結社の得意分野でもある、タットワの配色を四大元素に応用した四色のカードを使う術式を扱い、火水土風の現象を自在に発生させる。 彼女の結社が扱う前述の術式は、現在の魔術業界では真空管とLSIの関係のように高度な技術に取って代わられ時代遅れとなっている。それによって結社自体も衰退し、今では知名度も低くなり存続が危ぶまれている。 衰退した自身の結社を復興させるための宣伝材料を欲して大きな仕事を成し遂げようとしていた所、微細乙愛の作りだした密着微生物の人工変異体の存在を知り、それを絶滅させるべく学園都市に侵入する。その際に「警備員」と交戦中に上条とインデックスを巻き込み、行動を共にする。微細との戦闘を終えた後、腐敗浄化用の霊装を応用して人工変異体の絶滅に成功する。 「赤き洪水」の少女 イギリス人の魔術師の少女。本名不明。神裂編SSに登場。 年齢は10歳位で金髪碧眼に、丈の短い高級なワンピースを着た少女。大航海時代に十字教圏の列強が行った海外侵略が他の文化圏に与えた影響を調べるため、中南米、太平洋、アジアなどの遺跡を調査して回っている。その一つとしてアップヒル島の岩礁跡でルーン文字の遺跡を発掘していたところ、魔術を目撃した現地の島民に「島を守りに来た神の使者」と祭り上げられ、周辺諸島から受けた差別と迫害を怨む彼らによって復讐を求められる。島民は説得に応じず、拒否して立ち去れば今度はアップヒル島が周辺諸島から報復としてリンチを受け滅ぼされる可能性があったことから、苦悩の末に承諾する。 北欧神話の原初の巨人ユミルの血が旧世界全てを洗い流す洪水となった伝承を元にした魔術「赤き洪水(ユミルズオーシャン)」を扱う。体内の血中塩分濃度と海水の塩分濃度を均質化させることにより、「偶像崇拝の理論」で自身の血流と付近の海流を対応させ、自在に操作することができる。支配下に置かれた海流は赤く変色し異様な粘性を持ち、絡めとった対象の動きを封じる。津波を起こして相手を沖の彼方まで流したり、海中から巨大な塩の杭を生み出して攻撃することも可能。ただし、ユミル化した異質な血が全身に回らないように血流を止める必要があり、虚血による組織の壊死や塩分濃度による細胞破壊を防ぐためにも長時間は使えず、洪水に呑み込まれなかったアース神族に由来する術式で回避されるおそれがある。 計画を阻止しに来た神裂と交戦するも、スキーの神ウルの伝承を利用した水上スキーの術式で「赤い洪水」を無力化され、神裂の超人的身体能力の前に敗北。その後は周辺諸島への攻撃を取り止め、自分の誤解を解き平和的解決を図るため、島民の説得を試み続ける。 レアシック ルーン魔術を得意とする魔術師。神裂編SSに登場。 ロングコートを着た青年。貴重な文化的資料としてのルーン石碑を酸性雨から守るため、火力発電所や石油コンビナートといった大気汚染を及ぼす施設を破壊して回っている。しかし、環境保護を謳っているものの、海洋などのルーン石碑以外の地域の環境汚染には全く意に介さず、その思想は非常に身勝手で独善的。 レーザーによる研磨工作機械を使ってルーンを刻むという戦法を用いる。これにより、通常なら仕掛けるのに時間がかかるような複雑かつ精密なルーンの陣を短時間で大量に配置することが可能。作中では「昼間(Dagaz)」と「真夏(Jera)」のルーンを大量設置し、高温と乾燥をエスカレートさせる事で発火を誘発していた。また、術式の詳細は不明だが、両肩を自ら切断し断面から炎を噴出させて跳ぶことができる。 学園都市協力機関であるデンマークの製鉄所爆破を目論むも、テロを阻止しに来た神裂達に妨害される。自傷してまで計画続行を目指す狂的な執念を見せるが、身勝手な「環境保護」を訴える姿勢を改めない事に心底うんざりした神裂に叩きのめされた上で捕縛された。なお、レアシックが懸念していたルーン石碑は、事件後に神裂達が手配したことで博物館などに保護される。 オーレンツ=トライス イギリス清教から討伐対象に指定されている魔術師。神裂編SSに登場。 不老不死を専門に研究している。レイヴィニアによると、特に野望はなく、単に命を弄ぶのが好きなだけの酔狂な人物だという。魔道書の「原典」の永久自動保護機能を人体に装備する「原典アーマー」を作り出そうとしているが、他者からは理論が既に破綻していると評され、神裂によると「自殺行為」。自身の拠点を「ビフロスト」と称し、通常の手段では行けない特殊な場所に隠しており、地上との接点は宇宙空間を経由させている物資搬入コンテナのルートのみ。 神裂編SS第6話の敵役にも拘わらず、神裂とレイヴィニアに雑魚扱いされ適当に倒された不憫な人物である。 セートルア 北欧神話系の魔術師。神裂編SSに登場。 北欧系五大魔術結社の一つ「神の剣の文字を知る者」に所属する青年。北欧系魔術師でありながら十字教の聖人の性質を持ったブリュンヒルドを「混ぜ物(ヘル)」という蔑称で忌み嫌い、彼女の存在が北欧神話文化を壊すと危惧する。5年前彼女の結社に総攻撃を仕掛けて滅ぼした後も、生き残り放浪する彼女に対し執拗な迫害を行い続け、半年前には捕縛し拷問にかける。その後、ブリュンヒルドの復讐によって五大結社は全て壊滅し、構成員は一人残らず重傷を負う。 収容された教会で、神裂達の事情聴取に対し五大結社の独善的な主張を力説するも、ブリュンヒルドに通信術式で今までの所業を糾弾され、「主神の槍」が完成間近という彼女の挑発に対し、恐怖で自ら舌を噛み切りかける。 ブリュンヒルド=エイクトベル フィンランド出身の北欧神話系女性魔術師。「聖人」であり、天然のワルキューレでもある。神裂編SSでラストボスとして初登場。 神裂と同程度の年齢で、長い金髪と色白い肌の女性。羽飾り付きの帽子、膝上丈のワンピースの下に男物のズボンを重ね、肘と膝のプロテクターと防弾ベストという、中世騎士の甲冑を現代の素材で作ったような不思議な印象の服装をしている。クレイモアのような超重量の剣を好む。 十字教の聖人と北欧神話のワルキューレの両方の性質を併せ持つ。ただし、二重聖人のアックアとは違って聖人とワルキューレの力は同時には扱えず、どちらか一方の力が強まると一方の力が極端に弱まるという状態にある。3ヶ月ほどの周期で力の増減を繰り返すが、五分五分に拮抗した時は互いの力を相殺してしまうため、周期のうち数日間は両方の力を失い常人並みとなる。 元々は、北欧圏の伝統的な生活をひっそり営むことを目的とする小規模で無害な魔術結社に所属し、そこで平穏に暮らしていた。だが5年前、北欧系五大魔術結社に自身の結社を滅ぼされ、迫害から逃れながら放浪生活を送る。さらに半年前、運悪く力を失う時期に襲撃を受けて五大結社に監禁・拷問される。そこで親しくなったセイリエの境遇を知り、共に脱出しようと五大結社への反攻を決心するが、実行前にセイリエが自殺を図ってしまい絶望する。そして、北欧神話の主神オーディンの力を手に入れ、その力で植物状態のセイリエを蘇生させるべく行動する。 オーディンの持つ北欧神話最強の武具「主神の槍(グングニル)」を再現した霊装を使った天候制御能力を持ち、純白の落雷や純白の溶岩などの様々な天候や自然災害を出現させて自在に操作することができる。また、「槍」の完成のために「最後のルーン」と呼ばれる特殊なルーンを地球の中心核に刻む必要があり、中心核への干渉方法として海洋牢獄の遠隔制御技術を利用したり、そのセキュリティを解除する為にエーラソーンから技術情報を得る、「真の中心核」の表面に傷をつけるため、磁力の流れを逆算して液状外核の「流れ」に干渉するという科学的手法と魔術の適応の可否を検証するためレシアックを利用する、「主神の槍」を使う資格が人間にあるかを確かめるためアルファルを製造していたスラッパールに接触するなど、準備を整える過程で神裂SS各話の魔術師や魔術設備と接触している。 準備を終えると、北欧系五大結社を壊滅させて復讐を遂げる。その後、魔術通信を逆探知して追ってきた神裂と、出力70%の未完成な「主神の槍」を用いて交戦する。その途中、神裂から自分を含む数多の聖人の経験から、失った者の蘇生は不可能であり、その試みは無意味であると説得されるが、葛藤の末に感情が爆発し暴走。最終的には、神裂に「聖人」の力を強引に上乗せされてワルキューレの力を半減させられた事で弱体化して敗北し、「主神の槍」や「最後のルーン」を失いイギリス清教に捕縛された。 その後、第三次世界大戦での協力で釈放され、目を覚ましたセイリエと共に平和に過ごしていたが、「主神の槍」関連の技術を狙う「グレムリン」の襲撃を受け、駆けつけたシルビアやレイヴィニアと共闘する。以降はセイリエを守るためにオッレルス達に協力する事を決め、フロイライン=クロイトゥーネ争奪戦では美琴と交戦した。後に彼女の「主神の槍」の技術を狙った襲撃は、その事実と情報によってグレムリンの敵をわざと増やすための作戦で、オティヌスにとってブリュンヒルドの槍と技術は無価値なゴミでしかなかった事が判明する。「グレムリン」包囲網ではシルビアと行動を共にし、太平洋上でヘルと交戦するが、オティヌス討伐時には彼女を憎悪するシルビアと共にオーデンセに向かい、オティヌスを始末しようとしたがオッレルスに止められて失敗する。あとがきで作者はブリュンヒルドは「話せば分かる人間」であると解説しており、上条とオティヌスが対話を諦めなければ戦闘はまた違ったものになったとされている。 セイリエ=フラットリー 北欧系五大魔術結社に捕らわれていた間、ブリュンヒルドの牢獄へ食事を運ぶ係を務めていた9歳の少年。神裂編SSで初登場。 彼も何らかの理由で五大結社に捕らわれていた人間で、粗末な服を着て鉄の足枷を嵌められている。ブリュンヒルドが精神を閉ざし拷問の効果が半減するのを防ごうと画策した結社の人間から、彼女と親しくするよう脅される。ブリュンヒルドと交流を深め親しくなるが、強い自責の念に駆られ、ついには罪の意識に耐えられなくなって自殺を図り、一命は取り留めるものの植物状態となり、ベルギーの病院で眠り続けていた。事件解決後の神裂達の調査により、植物状態ではなく結社の魔術師が何らかの回復阻害魔術をかけて眠りから覚めないだけであり、精神が破壊されたわけではないので目覚める可能性があると判明する。 新約4巻時点では、入院生活は続いているものの無事意識を回復し平和に過ごしている。 フラック=アンカーズ 魔道書強奪事件を起こした魔術師。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。 物々しいジュラルミンケースを携えた大柄な男。自分の力では夢に手が届かない事を悟り、自分より強く、同じ指向性を持った魔術師に師事する道を選んだ。 ウッドストックと回転式シリンダーを備えた猟銃を模した霊装を魔を祓うパイプオルガンに対応させ、10名ほどの部下と協力して聖化を帯びた「和音」を自由に生み出し、広域に回避不能の攻撃を放つ術式を操る。雑音が入るだけでバランスが崩れて使えなくなる欠点を隠すため、「血を吸う猟銃」や釘を模した弾丸、意味ありげな詠唱により、「『神の子』の処刑と信徒に浮かび上がる『聖痕』の対応を、攻撃的に転化させたもの」と誤認させる。 「必要悪の教会」の増援を装ってフリーディアに接触し、彼女を騙して市民図書館を案内させたあとで昏倒させ、魔道書「死霊術書」の一節を「銃声」としてアーランズへ送信する。だが、その直後に図書館に現れた天草式と戦い、五和に術式のカラクリを看破され、建宮が吹き飛ばした本棚の下敷きになり、「原典」の知識に触れたダメージも加わって戦闘不能となる。 アーランズ=ダークストリート 魔術結社「目覚め待つ宵闇」のボスをしている青年魔術師。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。 人材の損失を嘆かず、「仕事」に没頭しすぎたせいで私生活との区別がつかなくなっている。 英仏共同の沈没船団引き揚げ事業を隠れ蓑に、ドーバー海峡でクトゥルフと眷属が眠る海底都市ルルイエを浮上させる計画を立てる。フラックから「死霊術書」の知識を受け取り、作業用フロートをルルイエに見立てるために、海底火山の噴火を模して海中で爆発を起こし、ライトや金属板、ガラスで通常の遠近法やユークリッド幾何学では説明できない曲線の光景を作り出し、一定以上の割合を超える精度のエミュレーションを得ようとした。 「眠れる邪神」クトゥルフの幻影を呼び出し天草式に精神攻撃を行うが、クトゥルフ神話群が持つ「物語性」という弱点を突かれ、天草式が敗北したという結末の偽情報を割り込まされて物語が一度終わってしまい、「次の物語」が始まるまでの時間に測量機器に細工された事で計画は失敗し、「人の手に負えない存在」を呼んだ過負荷が全身に回って倒れた。しかし、実は既存の神話や伝承に横槍を入れて組み換える際の自由度についての「許容誤差」の研究をしていたに過ぎず、実験データはストーンヘンジにいるヴェイズに送信されていた。 ヴェイズ 「目覚め待つ宵闇」のメンバー。 第一線の闇の中で戦い生き残ってきた屈強な魔術師。人は慢心した時に敗北を背負うと考えており、自身が停滞しないよう心がけている。 ガラスで作った宝石のイミテーションを利用して、クトゥルフ神話群のろくでもないものに直結する貴金属の一種、一切の光を遮る闇の中で邪神ナイラトホテプの召喚媒体となるトラペゾヘドロンにまつわる術式を使う。トラペゾヘドロンの箱という記号を与えた空間の中と外を徹底的に断絶する、大量の雷光を放つ「黒い煙」を天から落とす魔術のほか、切り札としてトラペゾヘドロンを呑み込み胃袋の闇を利用して邪神を召喚する事も可能。 倒れたアーランズの後を継ぎ計画を進め、ドーバーから送信された実験データを元に、ストーンヘンジを利用して「分類不能(ブランクペーパー)」の結果を出そうとしていた。迫り来るイギリス清教の魔術師を撃破し、駆けつけた天草式とも交戦。五和に追い詰められて体内で邪神の召喚を試みたがが、施術鎧を装備して現場に急行したフリーディアに仲間もろとも蹴散らされた。 ダッジ、ローティア 「目覚め待つ宵闇」のメンバー。 エミリア=フォーディア アイリ=ヘクセンフォビアの派遣した女性魔術師。赤毛のショートヘア、色白、長身が特徴。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。 柄のすぐそばに8桁のダイヤルが付いた「刀剣」型の霊装を扱う。霊装の本質はこのダイヤル部分で、歯車のように配置された細かい「宝石」がダイヤルを回す事で配置を変え、適宜状況に合った形状や性能の刃を自由に作り出す。大型トラックの車列を1台残らず両断する遠距離攻撃や拷問用の杭などの多様な攻撃手段を備えており、同時に「癒しの石」の逸話から対応したダイヤルの数字に合わせれば傷を治療する事も可能。 ストーンヘンジへ出向いたフリーディアの命を狙い、イギリス清教の移送チームを襲撃、五和とフリーディアを除く全員を人質に取る。対馬を拷問して2人を誘き出そうとするが、フリーディアがヴェイズから奪っていたトラペゾヘドロンに対応する極悪な刃を霊装が勝手に製造した事で、自らの制御を離れて爆発してしまい戦闘不能となる。 アイリ=ヘクセンフォビア ポンド圏の某国の首相。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。 旧宗主国イギリスに魔術的基盤を握られ続ける事への不満から、「ポンド圏」とくくられる加盟40ケ国を率いて戦争を起こそうと計画する。ポンド圏首脳陣による会議の警備計画を立案したフリーディアを暗殺するため、雇ったエミリエに「目覚め待つ宵闇」を一人で相手にしても勝てるだけの戦力を貸し与えて派遣するが、作戦は失敗。イギリス清教側の魔術師に拘束されそうになり、棄教を強要された聖ジョージが隕石のような「何か」を降り注がせてローマ神官を神殿ごと破壊した伝承を利用した、半径20km圏内にある魔術の器物を徹底的に破壊する術式を発動するが、シンシアが標的設定を入れ替えていたために、地脈や霊脈で繋げられていた自国を含むポンド圏の国々の魔術的基盤を破壊する結果となる。 シンシア=エクスメント イギリス王室から委託されて星や宇宙の法則について調べる魔術サイドの研究施設「王立天文学研究機構」を、ほぼワンマンで束ねている13歳の天才少女。『必要悪の教会』特別編入試験編SSに登場。イギリス国籍ロンドン在住だが、出生のよくわからない移民で、1年の3分の2は世界各地の天文台を転々としている。天草式SSのラストボスであり、全ての事件の裏で暗躍していた黒幕。 本当の所属は「天草式十字凄教・外海分派」。出島で接触したオランダ人の船に乗って弾圧が続く日本から脱出したが、新天地では万人の平等を謳いながら公然と差別が行われ、古巣の日本へ帰る事もできず、やむなく新天地で隠れ住むしかなかった。その事情から、時と共にあらゆる日本人的な特徴を失ってもなお、何百年かかっても、どんな形であっても「日本」へ帰るという悲願を持ち、イギリスという国家そのものを学園都市に「身売り」させるような環境を整えていた。 持ち主の意思に応じて高精度に形を変える杖を作成しており、作中では大英博物館の「見本」のデータを片っ端から入手した事で、魔術の火薬庫とまで呼ばれる世界最大の博物館に収められたポンド圏の全霊装を操る力を得た。さらに、天草式の特徴である「『仕草』や『挙動』に魔術的記号を織り込み、呪文や供物もなく儀式を執行する」技術を活用する事で、戦闘中の霊装機能の複雑な切り替えを可能としている。 ポンド圏の国々の魔術的基盤が失われた場合、他の旧派から邪推される前に女王エリザードが大英博物館の霊装を「見本」として再興・修繕させようとすると予見し、「見本」をデータ化し地脈や霊脈を通して一斉配信する工程に横槍を入れるために、天草式SS全編にわたる事件を引き起こす。計画通り霊装の力を手に入れると、ポンド圏の魔術で自分を追っていたイギリス清教側の魔術師を全滅させ、イギリスから魔術という文化を絶滅させるために力の源である大英博物館を破壊しようとする。だが、最後に立ち塞がったのが同じ天草式の五和であったという誤算から、類感魔術で彼女も自分と同じ霊装の力を使えるようになったためにアドバンテージを失い、最終的に精神面で圧倒されて敗北。その後はイギリス清教によって身柄を引き取られた。 テルノア 声 - 石塚さより 元・魔術師の女性。ラジオドラマ(ドラマCD)版に登場。 過去に喉を潰されたため、人工器官を使用している。そのために呪文の詠唱はできないが、周囲の音に魔術的な干渉をすることで魔術を発動できる。「震災術式」を使って学園都市を破壊しようと目論む。
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