中心核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:01 UTC 版)
詳細は「太陽核」を参照 太陽の中心には半径10万キロメートルの核(中心核)があり、これは太陽半径の約2割に相当する。密度が156 g/cm3(およそ水の156倍)であり、このため太陽全体の2 %ほどの体積の中に約50 %の質量が詰まった状態になっている。その環境は2500億気圧、温度が1500万 Kに達するため物質は固体や液体ではなく理想気体的な性質を持つ、結合が比較的低い量子論的な縮退したプラズマ(電離気体)状態にある。 太陽が発する光のエネルギーは、この中心核においてつくられる。ここでは熱核融合によって物質からエネルギーを取り出す熱核融合反応が起こり、水素がヘリウムに変換されている。1秒当たりでは約3.6×1038 個の陽子(水素原子核)がヘリウム原子核に変化しており、これによって1秒間に430万トンの質量が3.8×1026 Jのエネルギー (TNT火薬換算で9.1×1016 トンに相当する)に変換されている。このエネルギーの大部分はガンマ線に変わり、一部がニュートリノに変わる。ガンマ線は周囲のプラズマと衝突・吸収・屈折・再放射などの相互作用を起こしながら次第に「穏やかな」電磁波に変換され、数十万年かけて太陽表面にまで達し、宇宙空間に放出される。一方、ニュートリノは物質との反応率が非常に低いため、太陽内部で物質と相互作用することなく宇宙空間に放出される。それ故、太陽ニュートリノの観測は、現在の太陽中心部での熱核融合反応を知る有効な手段となっている。
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