中心極限定理を用いた手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 01:01 UTC 版)
またこれとは別に、簡単で擬似的な方法として、12個の一様乱数 [0,1] の和から6を減ずる方法もよく用いられる。中心極限定理によって、独立した複数の一様乱数の和の分布は正規分布に近づく。さらに、12個の一様乱数 [0,1] の和の分散は1となるため、6を減ずるだけで正規分布に近い確率分布が得られ、計算に都合がよい。 1990年代以降のパーソナルコンピュータは浮動小数点演算処理装置の内蔵によって三角関数や対数関数の演算が速くなっているため、1つの正規乱数あたり12回もの一様乱数生成を要するこの方法より、1つの正規乱数あたり1回の一様乱数生成で済むボックス=ミュラー法を用いた方が、一般的によく知られた多くの擬似乱数生成器との組み合わせにおいては高速である。 但し、非常に高速な擬似乱数生成器を用いるならば、中心極限定理を用いた手法はボックス=ミュラー法を用いるよりも十分に高速な正規乱数の生成が可能である。 ボードゲームやテーブルトークRPGなどの遊戯において、複数個のサイコロの目の合計を使用している例がよく見られるが、これは中心極限定理によって正規乱数(の、ごくごく粗い近似)を生成し利用しているといえる。
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