高速 (列車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/31 21:33 UTC 版)
高速(こうそく)とは、列車種別の一つである。
日本では私鉄で使われた種別であり、名古屋鉄道および近畿日本鉄道が運行していた。いずれも、有料特急が運行されている路線における「特別料金不要の特急」と同等と見なされる種別として設定されていた。急行より上位で特急より下位の種別であり、他の私鉄各社における近似種別としては、快速急行・準特急に相当する。
日本国外では中華人民共和国の高速鉄道においてもこの種別が使われたことがある。
日本
名古屋鉄道
名古屋鉄道(名鉄)では、1977年(昭和52年)より、1990年(平成2年)10月29日まで運行された列車種別。設定当初に「高速急行」とされていた時期を除き、「高速」が正式名称である。 停車駅は特急とほぼ同じで、名鉄3400系電車等で運用されていた。今の常滑、河和、知多新線系統の全車一般車特急の運用になるが、当時は本線系統で運用された。
近畿日本鉄道
近畿日本鉄道(近鉄)でも列車種別の一つであり、かつて上本町駅(現:大阪上本町駅)より伊勢志摩方面への臨時列車「伊勢志摩号」に使われていた種別である。1982年(昭和57年)から1987年(昭和62年)にかけて 1日当たり最大4往復程度運行されていた。設定当時は「直通急行」という種別名だったが、「急行」と勘違いした利用客の誤乗が多かったため、「高速」に変更された。「高速」という種別は、中京圏(名鉄沿線)では急行の上位種別として認識され、且つ「特急」の補完的な意味合いでも使われていたので、近鉄でもこの種別を使用することとなった。
近鉄では、定期列車として同方面へ運行されている列車として最も速い列車は有料の特急であり、その中でも目的地まで速達する列車(甲特急)と、同区間で比較的多くの駅に停車する列車(乙特急)がある[1]。
「『高速』伊勢志摩号」は、停車駅が甲特急と乙特急の中間程度に絞られており、上本町駅 - 鳥羽駅間を、鶴橋駅・大和八木駅・東青山駅・伊勢市駅・宇治山田駅・五十鈴川駅の6駅のみの停車で運行されていた(東青山駅は年始時期には通過)[2]。また、特別料金は不要であり、乗車券のみで利用できた。
使用車両は、一般車両(通勤形車両)の中でも編成中にトイレ付き車両を連結した2610系や1200系など長距離列車向けの形式、または団体専用列車用として製造された20100系が充当されていた。主要な列車として扱われなかったため、「『高速』伊勢志摩号」の所要時間(表定速度)は、乙特急よりも停車駅が少ないにもかかわらず、乙特急より10分程度遅く設定されていた。
「高速」の使用を廃してからは、停車駅は同じで「臨時快速急行」という種別で運転されていたが、1990年代前半に消滅した。
2021年6月20日に2610系クロスシートで上本町から鳥羽間でクラブツーリズムのツアー列車として34年ぶりに復活予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大予防の観点から催行中止となった。
バス
バスにおいては、神姫バスの「三田ー大阪・新大阪」線が「高速」の種別を名乗っている。2018年4月に1日1往復で運行開始し、半年に1度の定期ダイヤ改正による増発と、コロナ禍による臨時ダイヤ減便改正を経て、2021年4月1日ダイヤ改正で区間運転も含めて34往復(平日)となった。関西学院大学への通学、三田から大阪への通勤・用務、三田エリアから大阪空港へのアクセス他、三田地区の工業団地、イオンモール神戸三田など、経由地に細かい設定がある。高速道路を経由するが、「高速バス」という意味での表記ではなく、種別としての「高速」であり、神姫バスホームページにおいて種別欄に「高速」と表記されている。(一部のノンストップ便や停車停留所が極端に少ない便は、「関学EXP」「ウッディEXP」表記となり、「高速」「特急」より上位の「エクスプレス」種別となっている)
運行開始から半年後の2018年10月1日改正ダイヤでは4往復となり、内2往復が住宅地エリアを経由となった。「三宮」発着の「特急」と一部運行区間が重複したが、「高速」の方が停車停留所が少なく、「特急」より格上であった。
2021年4月1日ダイヤ改正で経路変更が行われ、「三宮特急便」との重複区間が減少、また重複区間においては停車停留所が同一となり、「特急」より上位とは言えなくなった。
2021年10月1日ダイヤ改正で4往復(平日)増便と発表されたが、神姫バスホームページの種別欄から「高速」表記が消え、空欄となった(種別欄に「エクスプレス」表記は残っている)。一部停留所に設置されている電光掲示板では、2021年4月1日から「高速」表記が無くなっており、代わりに「大阪線」表記となっていた。バス停貼り出しの時刻表では2021年10月1日改正以降のものも「高速」表記が残っている。
鉄道と異なり、同一路線に「普通」「各停」が運行されているわけではないので比較対象がなく、上位種別とは言いがたい面もあるが、三田エリアにおいては、準急、快速、急行などがあり(普通と急行には「直通」(鉄道で言う特別通過を行う)の補助表記のある便もある)、「高速」(「特急」も)は上位種別となっている。
参考
日本国外
日本の新幹線に相当する中国の高速鉄道では高速鉄道種別の1つとして最高時速300km以上のCRH型電車を使用する種別として使われた。なお、中国の高速鉄道は現在、ほとんどの路線には最高時速を300kmに制限している。
インドでも急行の種類に高速急行(Superfast Express)が存在する。(英語版参照)
脚注
- ^ 近鉄部内では運転上、甲・乙に分けているが、一般には特急の種別を分けていない(参照:路線図(大阪線・山田線・鳥羽線・志摩線・信貴線・西信貴ケーブル)・路線図(名古屋線・湯の山線・鈴鹿線) )。
- ^ 伊勢志摩号の運転当時、同一区間を運転する阪伊乙特急の途中停車駅は、鶴橋駅、大和八木駅、名張駅、伊賀神戸駅、榊原温泉口駅、伊勢中川駅、松阪駅、伊勢市駅、宇治山田駅、五十鈴川駅の10駅であった。
高速鉄道
高速列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:16 UTC 版)
TGVTGV編成を使用する列車で、全車指定席。多くは高速新線(LGV)を経由するが、高速新線を通らない場合でも、TGV編成が使用されている場合は「TGV」となる。なお、パリとイタリアのミラノを結ぶ列車はフランス国鉄とトレニタリアとの合弁企業名でもある「Artésia(アルテシア)」の名称を用いていたが、合弁解消に伴い2011年12月11日のダイヤ改正から単なるTGVとされた。詳しくはアルテシアを参照。 TGV Lyriaパリとスイスのジュネーヴ・バーゼル・チューリヒ・ローザンヌ・ブリークを結ぶ列車で、全車指定席。スイス直通対応のTGV編成を使用する。 EuroStar(ユーロスター)英仏海峡トンネルを経由し、パリ・ベルギーのブリュッセルとイギリスのロンドンを結ぶ列車で、TGVタイプの専用編成を使用する。フランス国鉄の運営ではなく、ユーロスター社によって運営される。全車指定席で、専用の運賃・料金体系が採用されている。 Thalys(タリス)パリとベルギーのブリュッセル・オランダのアムステルダム・ドイツのケルンを結ぶ列車で、TGVタイプの専用編成を使用する。フランス国鉄の運営ではなく、タリス社によって運営される。全車指定席で、専用の運賃・料金体系が採用されている。
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高速列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 07:47 UTC 版)
高速列車ICEはパージング駅と中央駅にのみ停車し、特急のインターシティやユーロシティは東駅にも停車する。2006年5月28日以来、バイエルン州第二の都市ニュルンベルクとはニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線によって最高速度300km/hのICEによって結ばれている。ミュンヘン中央駅からはウィーンやブダペスト方面を結ぶRJや1日1往復パリとを結ぶTGVも乗り入れている他、スイスやオーストリア、イタリア方面とを結ぶユーロシティ、ドイツ国内、オランダ、フランス、イタリア、ハンガリー、クロアチアとを結ぶ夜行列車ÖBB Nightjetやユーロナイトも発着する。
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高速列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/08 08:41 UTC 版)
高速列車が周辺国とベルギーの間で運行されている。 TGVおよびユーロスター : ブリュッセル南駅発着。フランス各地およびロンドンと連絡。 タリス : ブリュッセル南駅、アントウェルペン中央駅、リエージュ=ギユマン駅に停車。パリ、アムステルダム、ケルンなどと連絡。他にガン、ブリュージュ、オステンドを結ぶ便と、モンス、シャルルロワ、ナミュールを結ぶ便がそれぞれ1日1往復運行されている。 ICE : ブリュッセル南駅、リエージュ=ギユマン駅に停車。フランクフルト・アム・マインと連絡。ドイツ鉄道はロンドン延長を望んでいる。 ベルギー国内には4本の高速鉄道路線があるが、国内相互の移動に用いることができるのはLGV2号線によるブリュッセル - リエージュ間のみである。
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「高速列車」の例文・使い方・用例・文例
- 川崎重工が超高速列車を開発中
- 川崎重工業は9月11日,efSET(イーエフセット)と呼ばれる新型の超高速列車を開発すると発表した。
- efSETとは「Environmentally Friendly Super Express Train(環境にやさしい超高速列車)」の略である。
- しかし,今後20年間に超高速列車の路線計1万キロが世界中で敷設される見込みだ。
- 超高速列車車両の需要が増しているため,川崎重工は自社で独自の車両を開発することを決めた。
- 高速列車が中国で衝突
- 7月23日,中国東部で高速列車が後続の列車に追突された。
- 首相はまた「速度よりも安全が重要だ。私たちはこの事故を教訓として扱う必要がある。そうすれば,私たちの高速列車を安全で国際的に競争力のあるものにすることができると私は信じている。」と述べた。
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