鉄道車両の台車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 03:49 UTC 版)
鉄道車両の台車(てつどうしゃりょうのだいしゃ)とは、鉄道車両において、車体に直結されていない、自由度のある走り装置のことである。
注釈
- ^ 固定軸受は単台車などと呼ばれることもあるが、固定軸受・単台車・一軸台車はそれぞれ構造が異なるものである。
- ^ 英語のsingle truck car が由来とされる。
- ^ ばね装置が固定軸車が1段階なのに対し単台車は2段階にあるということでもある。
- ^ 英語のLeading Truck(先台車)の頭文字より。
- ^ Hはドイツ語のHaupt(主の意)から。
- ^ 両端に付いているが、双方向に運転されるので、一般に両方とも先台車と言う。
- ^ 厳密には他の2軸の回転もあるがこれは上下動に分解して受ける。
- ^ 実際には上揺れ枕 - 台車枠間が一連の揺れ装置(左右動を行なう)をなしているが、これで代表させる。
- ^ 貨車用を中心に、構造簡素化のために固定またはそれに近い構造を採用するものも存在する。
- ^ 汽車製造のエコノミカル・トラックやバッド社のパイオニア形台車のように、円筒形の軸箱に巻き付けるように防振ゴムを取り付け、上下・前後動を許容する構造のものも存在する。
- ^ 特に東急車輛製造製の台車では1990年代までこのタイプの台車がメインとして作られていた。
- ^ ただし、1958年に製造が開始された国鉄DD13形ディーゼル機関車では、初期形に理由は不明ながらイコライザー式台車が採用された。2次形以降はウイングばね式に変更されている。
- ^ ことに長大編成の列車を沿線に人家すらまれな地域で運行し、脱線時の対応を基本的にすべて列車乗務員だけで行う必要があるアメリカの鉄道では、台車の軌道への追従性を少しでも上げて脱線の可能性を減らすことは、他国での事例と比較して非常に切実な課題である。
- ^ 「複合ゴム支持方式」という。(外部リンク「台車近影」該当ページ)
- ^ 軸方向の変位を受ける方法としては、玉軸受と緩衝ゴムを組合わせと玉軸受と皿ばねの組合わせにより軸箱内部で軸方向の変位を受ける緩衝方式と、軸箱の外部で軸方向の変位を受ける外部緩衝方式がある。
- ^ 円筒コロの外側に装備されている。
- ^ この方式を考案したのは大手機関車メーカーとしても著名であったボールドウィン・ロコモティブ・ワークス (BLW) 社で、この種のクロスアンカーの利用による輪軸の操舵は、蒸気機関車用1軸心向先台車という形でこれより早い時期に考案されていた。
- ^ 各輪軸を支持する軸箱の一方について前後方向の支持剛性を確保し操舵時の回転運動の中心とし、もう一方の軸箱を台車の回転角に応じてリンクで操舵させる方式。各輪軸は心皿を中心として点対称に前後方向の支持剛性が高い軸箱によって支持される。
- ^ このような事情から、20世紀中に開発・実用化された自己操舵台車はほぼ例外なく最高速度の低い路面電車や貨車、それに山岳線区用の機関車など各台車固有の1次蛇行動が発生する速度域よりも低い速度域で、しかも急曲線区間を抱える線区で運用される車両に適用されるに留まった。
- ^ それに先立ち、1970年に試作された自然振り子式の試験車である591系電車では軌道横圧の低減に主眼をおいて連接構造を採用し、各連接台車に前後車体とのリンク結合による自己操舵機構を組み込んで試験が行われた。だが、これは逆に両端の通常台車から軌道にかかる横圧が過大となるという現象が発生したため、連接構造共々量産採用が断念されている。
- ^ 近畿車輛(台車の首振り角に応じた輪軸操舵角をリンクにより機械的に与える方式)と住友金属工業(軸箱前後支持剛性を進行方向に応じ、前後非対称に設定する方式)の2社により試作されたC-DT955台車を381系に装着して長期試験を実施した後、実用化。
出典
- ^ 吉川1989。
- ^ 持永芳文・宮本昌幸 編著 『鉄道技術140年の歩み』 コロナ社2012年 p160、p162。
- ^ a b 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.998-1000「【台車の構造(電気機関車の)】」。
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000・1002「【台車の種類】6 単台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000「【台車の種類】3 動軸台車及び電動台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000「【台車の種類】1 主台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000・1002「【台車の種類】4 付随台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000「【台車の種類】2 先台車および従台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1000「【台車の種類】5 関節台車」
- ^ 『日本車輛製品案内 昭和5年(NSK型トラック)』 p.15
- ^ 野元浩『電車基礎講座』p.97
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1002「【台車の種類】7ダイヤモンド・トラックまたは菱形ボギー」
- ^ 例えばRP515 p.27 - 28。これを避ける場合は釣り合い梁軸箱守式、軸ばね軸箱守式などと称する場合もある。(『鉄道車両ハンドブック』、p.201 - 202。)
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1002「【台車の種類】10 軸ばね式台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1002「【台車の種類】11 ウィングばね式台車」
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1002「【台車の種類】12 つり合いばり式台車」
- ^ RP515 p.44。
- ^ RP515 p.31。
- ^ RP515 p.29。
- ^ RP515 p.33。
- ^ a b c 総研(2006)
- ^ 『鉄道車両メカニズム図鑑』, p. 55.
- ^ a b 『鉄道車両メカニズム図鑑』, p. 226.
- ^ 『鉄道車両メカニズム図鑑』, p. 225.
- ^ a b 下川嘉之「曲線を円滑に通過するための操舵技術」『計測と制御』第56巻第2号、計測自動制御学会、2017年、87-92頁、CRID 1390282681523924992、doi:10.11499/sicejl.56.87、ISSN 04534662、NAID 130005240488。
- ^ 日本国有鉄道編 『鉄道辞典(下巻)』、日本国有鉄道発行、1958年、p.1002「【台車の種類】 9マキシマム・トラクションボギー」。
- ^ 湯口徹『日本の内燃動車』成山堂書店、他
- ^ 久保敏、小山政明編『鉄道青春時代 - 国電 (1) 』(『鉄道ピクトリアル』2011年2月号別冊)電気車研究会、p.13。
鉄道車両の台車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/16 07:31 UTC 版)
ミンデンドイツ式の略称。板バネを使用した車軸の軸箱支持方式で、改良型のS型ミンデン式なども含め、住友金属工業製などの台車に見られる。ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市ミンデンには、西ドイツ時代から鉄道研究機関(ミンデン研究所)が存在しているが、戦後、ここで開発された台車に「ミンデンドイツ式」(Minden-Deutz:略称MD)という名称が付けられたのが始まりである。ミンデンドイツ式台車は、旧西ドイツ国鉄時代を含めて、ドイツ鉄道の標準的な台車の一つとして採用されており、ICE1の中間客車にも採用されている。 詳細は「鉄道車両の台車史#ドイツ」および「鉄道車両の台車#軸箱守のないもの」を参照 このページは曖昧さ回避のためのページです。一つの語句が複数の意味・職能を有する場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。このページへリンクしているページを見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。 (window.RLQ=window.RLQ||[]).push(function(){mw.log.warn("Gadget \"ReferenceTooltips\" styles loaded twice. Migrate to type=general. See \u003Chttps://phabricator.wikimedia.org/T42284\u003E.");});
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