りん‐じく〔‐ヂク〕【輪軸】
輪軸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/11 18:51 UTC 版)
輪軸(りんじく)とは、大きな半径をもつ輪の中心部分に小さな半径をもつ軸を固定して同時に回転するようにした単純機械の一種。直径を異にする2つの滑車を貼り合わせたものとみることもできる[1]。
輪軸はてこと基本原理は同じであり、ともに小さな力を大きな力に変換する単純機械である。てこの場合、支点と力点の間の距離と力点に加える力との積は支点と作用点の間の距離と作用点で得られる力との積に等しくなる。同じように輪軸の場合、輪の半径と輪に加える力との積は軸の半径と軸で得られる力との積に等しくなる。
輪軸は回転式のツマミ、ドライバーなどに用いられている。
脚注
関連項目
輪軸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 04:44 UTC 版)
詳細は「輪軸 (鉄道車両)」を参照 車輪と車軸を合わせて輪軸と称する。車輪と車軸は別に作られて、車軸にプレス機で400 - 500 kN程度の強い圧力を掛けて車軸より小さな取り付け穴の設けられた車輪に圧入することで車輪が車軸に固定される。車輪1枚で300 kg前後の重量があり、両側の車輪に車軸、歯車装置などを含めると1 tを超える。 ほとんどの鉄道車両の車軸には、一番外側に軸受にはめ込む軸受座があり、その内側に車輪を取り付ける輪心座がある。ただし車輪より内側部分に軸受を設置する特殊な例もある。車輪より内側には、ディスクブレーキを使用する車両ではブレーキディスクや、動力車においては駆動装置用の歯車などが設置されている。ブレーキディスクについては、車輪より外側に設置したものもある。 車輪は、一番外側のレールと接する面をリム部、車軸を差し込む部分をボス部、その間を結ぶ円盤状の部分をディスク部という。またディスク部とボス部をまとめて輪心、リム部をタイヤとも呼ぶ。輪心とタイヤを別に作り、タイヤを輪心に焼嵌めしたタイヤ付車輪と、タイヤと輪心を一体に作った一体圧延車輪がある。タイヤ付車輪は、タイヤが摩耗した時にタイヤだけ取り換えられるという利点があるが、タイヤが弛緩したり割損したりするという欠点があり、そうした心配がなく焼嵌めの熟練作業が不要で、軽量で車輪の寿命が長く、品質が安定するといった利点のある一体圧延車輪が現代の鉄道車両に広く用いられるようになっている。路面電車などでは輪心とタイヤの間にゴムなどを挟みこんで騒音低減効果を狙った弾性車輪も使用されているが、ドイツではこれを高速鉄道に使用してエシェデ事故を引き起こす大きな原因となった。車輪には一般に高炭素鋼が用いられる。 車輪の輪心にはもともとスポーク状のものが多かったが、強度を向上したディスク構造のものが増えている。ディスク状のものはそれに働く応力を考慮して、リム部が外側に、ボス部が内側になるような湾曲した形状をしていることが一般的である。これに対して電動車などでは、電動機や歯車を装荷する場所を稼ぐために逆にボス部を外側にするように湾曲した形状をしていることがあり、この場合は必要な強度を出すためにディスク部が厚くなる。両面にブレーキディスクを取り付けられるようにほぼ直線的なディスク部形状になっていることもある。また軽量化のためにディスク部を波打たせた波打車輪もある。 車輪がレールと接する面を踏面(とうめん)あるいはタイヤコンタという。踏面の形状は走行特性を決定する重要な要因である。外側に行くにつれて半径が小さくなる円錐状をしているが、実際の踏面形状はさらに複雑に定められている。車両が曲線に入ると、曲線外側の車輪はより車輪内側の半径の大きな部分がレールに接触するようになり、一方曲線内側の車輪はより車輪外側の半径の小さな部分がレールに接触するようになる。すると、曲線外側の車輪の方が曲線内側の車輪よりも1回転で進む距離が長くなり、自然に曲線内側へ曲がっていくような運動をすることになる。これにより車輪には、直線路ではレールの中央に沿って、また曲線では曲線に沿って走ろうとする力が働く。タイヤが摩耗してくると円滑な走行が阻害されるため、削正を行って正しい踏面形状に戻す保守作業が行われている。踏面形状は、脱線への耐性が高く、走行安定性に優れ、摩耗が少なく検査の手間がかからないことが求められるが、しばしば条件が相反する難しいものとなる。踏面の円錐形の傾きを踏面勾配と呼び、大きいほど曲線を通過しやすくなるが、直線において蛇行動が発生しやすくなるという問題がある。 車輪の一番内側にはフランジが設けられており、脱線を防ぐ働きをする。国際鉄道連合 (UIC) が定める標準踏面形状では、フランジの高さは27 mm、角度は59度とされている。フランジ角度を大きくするほど脱線を防ぐ効果が大きいが、摩耗時の削正量が増大し、車輪の交換間隔が短くなって不経済であるという問題がある。新幹線では脱線防止を重視して角度を70度としている。
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