輪止めとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 工業 > 装置 > 装置 > 輪止めの意味・解説 

手歯止め

(輪止め から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/01 03:02 UTC 版)

手歯止め(てばどめ、てはどめ)、または輪止め(わどめ)、ハンドスコッチ (Handschoch)、チョック (Chock) とは、鉄道車両自動車航空機などが車庫などで長時間停車する際に、車両や機体が勝手に動き出さないように、車輪レールの間やタイヤ地面の間に噛ませるくさび形の器具のことである。

概要

鉄道車両や大型自動車バストラック)などはブレーキに空気ブレーキを使用している場合があるが、この場合エンジンやエアーコンプレッサーなどが稼動していない状態(無人の状態)で長時間停車すると、自然と空気圧が弱まり、ブレーキが緩解されてしまう。これにより、車両が流転(勝手に転がり動くこと。「転動」とも言う)してしまう可能性があり、それを防ぐために使用される。手歯止めはあくまで流転を防ぐためのもので、カーキャッチャーのように走行中の車両を止めるためには使用できない(乗り越えたり、脱線転覆する恐れがある)。

自動車の手歯止め

右前輪に手歯止めを噛ませた自衛隊の軽装甲機動車

バスやトラックなどの大型車両は2個を車載し、携行していることが多く、ほとんどの手歯止めは製造が容易で安価な製もしくはゴム製である。タイヤの幅に合わせた厚みのあるものが使用される。使用中にわかりやすくするため、黄色などの目立ちやすい色に塗られ、二つ一組としてロープで繋がれていることが多い。乗用車においては車載に便利なよう製の折りたたみできるものが市販されており、パンク修理やタイヤチェーン装着のためにジャッキアップする際に、車両を安定させる目的で使われる。あらかじめ車載工具に含まれている車種もある。

鉄道車両の手歯止め

手歯止め
軽量型の手歯止め

鉄道事業者によっては「ハンドスコッチ」(ハンスコと略す)とも称される。形状は自動車用のものと類似している。鉄道用は強度の問題から金属製が主流だが、安価で軽量な木製やプラスチック製のものも存在する。車輪やレールの幅に合わせているため自動車用より薄い。

手歯止めを差した状態のまま車両を出発させようとすると、車輪が手歯止めに乗り上がるなどの原因で脱線する危険や、空転により車輪やレール、各種の機器を破損させる恐れがある。これを防ぐため、使用中は運転台や車外などに「手歯止使用中」など何らかの表示を行うのが一般的である。過去には、手歯止めが使用されていることを知らずにそのままに出区させようとして走行不能となり、列車が遅延や運休となった事例が存在する。また、モニタ装置を装備する車両では、各車両の手歯止め掛けにセンサーを取り付けて、どの車両のどの手歯止めが戻されていないか警報を表示する機能を備えることがある。

なお、抜本的な対策として、車両が勝手に動き出すことを防ぐことはできるが、動力で乗り越えて進もうとした時には壊れて、車両が脱線することなく通行できるようになる、ちょうどの強度を持った手歯止めを開発するということも行われている。

関連項目


「輪止め」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



輪止めと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「輪止め」の関連用語

輪止めのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



輪止めのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの手歯止め (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS