過速度検知装置とは? わかりやすく解説

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過速度検知装置

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 09:45 UTC 版)

過速度検知装置(かそくどけんちそうち)とは、速度超過を検知し、警報を鳴らしたり非常ブレーキをかけたりする装置のことである。OSRとも称され、以下本項でもOSRと表記する。

概要

信越本線横川 - 軽井沢間においては、碓氷峠の急勾配があり(最大66.7)、勾配を下る上り線では、旅客列車は38km/h、貨物列車など旅客列車以外の列車は25km/hに制限速度が設定されており、この速度を超えた場合、いかなる手段を持っても列車を安全に停止させることができないとされていた[1]

この条件に対応して、速度制限よりわずかに低い速度(旅客列車35km/h、それ以外22km/h)で警報を鳴らし、制限速度を超えた場合は即座に非常ブレーキをかけ、列車を安全に停止させるための装置として開発されたのがOSRである。

この区間専用の補助機関車である国鉄EF63形電気機関車では、急勾配に対応して多数の安全装置が搭載されており(詳細は当該記事を参照)、OSRもその一つである。EF63形では、中間台車の二輪の間にフランジのない車輪を取り付け(遊輪と称する)、動輪が空転しても正しい速度を検知できるようにした。

国鉄では1968年直流電化から交流電化へと改められた奥羽本線福島 - 米沢間の板谷峠(最大38‰)に導入された国鉄ED78形電気機関車国鉄EF71形電気機関車にもOSRを装備したが、路線条件が碓氷峠と異なることから速度制限は旅客列車で70km/h、貨物列車で41km/hとされた。また、OSRの検知方式もED78形では非動軸である中間台車から検知したが、EF71形では設置場所の問題もあって動軸で検知する方式を採った。

1990年には、大井川鐵道井川線での線路付け替えによるアプト式の採用に伴い製造されたED90形電気機関車にも、最大90‰の急勾配に対応してOSRが装備された。こちらは速度制限は19km/hに設定されているほか、ピニオンギアが噛み合うというアプト式の構造上の特性から、速度を正確に測定することが可能なため、速度測定用の遊輪の設置は省略されている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 山之内秀一郎「新幹線がなかったら」によると、試験運転中に非常ブレーキを動作させたにもかかわらず、勾配が緩くなるまで25km/h程度で走り続けたという。

参考文献

関連項目


過速度検知装置 (OSR)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:47 UTC 版)

国鉄EF63形電気機関車」の記事における「過速度検知装置 (OSR)」の解説

下り勾配通過時に速度正確に計測する装置であり、中間台車設置され直径340mmの小型車輪により正確な速度検知を行う。これは、下り勾配での走行では、旅客列車38km/h・貨物列車は25km/hの上限を超えてしまうと列停止不可能となるからである。運転時には制限最高速度設定を高(38km/h)もしくは低(25km/h)のいずれかに設定し旅客列車では35km/h、貨物列車では22km/hを超える警報鳴り制限速度超える非常ブレーキ作動させるまた、非常ブレーキ作動して速度が10km/hとなると形式牽引列車とのブレーキ力を協調させるため20秒間非常ブレーキ力を約33%弱めて形式牽引列車の間を連結する連結器破損車輪滑走防止する速度検知装置(SR1段ユルメ)を装備する。さらに1975年10月発生した脱線事故対策としてOSR機器の改造更新1979年から実施され更新後は速度照査部分デジタル化三重系に強化電源機器変更により信頼性の向上図った

※この「過速度検知装置 (OSR)」の解説は、「国鉄EF63形電気機関車」の解説の一部です。
「過速度検知装置 (OSR)」を含む「国鉄EF63形電気機関車」の記事については、「国鉄EF63形電気機関車」の概要を参照ください。

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