電空協調制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/08 14:56 UTC 版)
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電空協調制御(でんくうきょうちょうせいぎょ)は、電空協和制御(でんくうきょうわせいぎょ)や電空ブレンディングブレーキ制御とも言い、鉄道車両において電気ブレーキと空気ブレーキを同時または切り替えてバランスよく使用し双方の短所を補うブレーキ制御方式である。
概要
新性能電車では通常、発電ブレーキおよび回生ブレーキ等の電気ブレーキと従来からの空気ブレーキを搭載し、大抵高速走行時は電気ブレーキ、低速時に空気ブレーキというようにブレーキを速度により使い分けている。
この際、電気ブレーキは立ち上がりが遅く不安定(回生失効、臨界速度の存在等)なため安定かつすばやく作動する空気ブレーキで補完し、常に適切な減速力を保たなければならない。このための制御のことをまとめて電空協和制御と呼ぶ。
電空協和制御には主に直流電動機を使用している車両に多い締切電磁弁制御やVVVF車に多い遅れ込め制御がある。
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電空協調制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 05:34 UTC 版)
現代の電車においては、常用ブレーキとして空気圧によるブレーキと電気ブレーキの2種類のブレーキ装置を備えていることが普通である。電車の編成中には、モーターを搭載した電動車(M車)と搭載していない付随車(T車)があり、付随車では電気ブレーキは使用できない。 電気ブレーキを使用すると、空気ブレーキに用いられる制輪子の消耗を抑えてメンテナンスコストの削減を図ることができる。電気ブレーキには発電ブレーキと回生ブレーキがあり、回生ブレーキを使用している場合は、エネルギーを回収して利用でき、さらに効率が良くなる。ただし回生ブレーキでは発生した電力を他で使ってくれる列車がいなければ制動力は低下し、発電ブレーキでは速度が低くなると制動力が低下し列車を停止させることが出来ない。このため電気ブレーキと空気ブレーキを統一して制御し、電気ブレーキによる制動力が不足する分を空気ブレーキで補うということをしている。このような制御のことを電空協調制御という。 回生ブレーキでは途中で回生ができなくなると回生失効するため、それに応じて空気ブレーキを必要なだけ立ち上げて、運転士が求める一定の制動力を維持しようとする働きもしている。また減速してくると回生ブレーキでは十分な制動力が得られないため、ある速度で回生ブレーキを切って空気ブレーキだけにするという制御も行っている。これに対して発電ブレーキでは回生ブレーキと比べて制動力が一定で安定しているため、単純に空気ブレーキのみを締め切るだけで良い。列車の速度が低下するとモーターの発電する電圧も低下するため、速度低下と共に抵抗器の抵抗値を下げ、常に抵抗器を流れる電流値を一定にしている。さらに列車の速度が低下すると十分な制動力が無くなるため、締め切っていた空気ブレーキを使用して列車を停止させる。 現在ではT車優先遅れ込め制御(Tしゃゆうせんおくれこめせいぎょ)、あるいは単に遅れ込め制御と呼ぶ方式を利用している車両も多い。これはブレーキを掛ける際に、まずM車の回生ブレーキを立ち上げる。求められる制動力が不足していると、続いてT車の空気ブレーキが立ち上がり、さらに制動力が強く必要とされる場合にはM車の空気ブレーキも立ち上がるという順序でブレーキが作動する。このようにすることで制輪子の消耗を抑えエネルギー効率を最大にしようとしている。
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