超電導リニアとは? わかりやすく解説

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超電導リニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/13 15:41 UTC 版)

超電導リニア(ちょうでんどうリニア、英訳:SCMaglev, Superconducting Maglev, Superconducting Magnetic Levitation Railway[1][2])は、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)および東海旅客鉄道(JR東海)により開発が進められている磁気浮上式リニアモーターカーである。超電導電磁石(超伝導電磁石)を利用するため、開発を推進するJR東海では超電導リニアと呼んでいるが[3]国土交通省では「超電導磁気浮上方式鉄道」という呼び方もしており[4]、また「JRマグレブ」という呼び方もある[5]。マグレブ (Maglev) とは英語の“magnetic levitation”(磁気浮上)を省略した呼称である。日本では、「リニアの父」こと京谷好泰が開発・研究を進めていた。


注釈

  1. ^ ガスタービンからの排気によって屋根の一部に煤が付いて黒くなっている部分がある。
  2. ^ 心臓ペースメーカーへの影響は、かつて宮崎実験線で当時のJR東海の会長が主治医とともに乗車した記録がある。もちろん問題はなかった。また、高温超伝導体による反磁性を利用した磁気シールドに関しても研究されている。高温超伝導体による磁気シールドに関する研究
  3. ^ 当時、国内では超電導に関しての知識の普及が遅れており、永久電流が流れる超伝導現象は永久機関と同類であるとの誤解をする者もいて超伝導の研究者は変人呼ばわりされたという。その後、日本とアメリカの関係者の会合で日本側が超伝導磁石に関する発表を行ったところ、突然アメリカ側の参加者達が日本側が当時アメリカで機密事項になっていた超伝導に関する技術を盗み出したとの嫌疑により会議を中断したという。その後、出典を書き留めていた日本側の説明により事態は収まり、会議は再開されたという。この事は超伝導の研究の重要性を十分に理解していなかった日本側の上層部にも研究の重要性を認識させる契機となった。
  4. ^ また、近年、開発が進められている超伝導線材やインバータに使用される大容量パワーエレクトロニクスの素子や複合材料を中心にまだまだ開発の余地があるとの意見もある。

出典

  1. ^ Test Ride of Superconducting Maglev by The US Secretary of Transportation, Mr. Ray LaHood”. JR東海. 2012年5月22日閲覧。
  2. ^ CENTRAL JAPAN RAILWAY COMPANY Annual Report 2011”. JR東海. p. 23. 2012年5月22日閲覧。
  3. ^ LINEAR-EXPRESS”. 東海旅客鉄道. 2012年5月13日閲覧。
  4. ^ 鉄道:超電導磁気浮上方式鉄道(超電導リニア)”. 国土交通省. 2012年5月13日閲覧。
  5. ^ 古関隆章「リニアモータカー : JRマグレブのほかに開発されているさまざまなリニア式鉄道」『日本機械学会誌』第115巻第1118号、日本機械学会、2012年1月、16 - 19頁。 
  6. ^ J. R. Powell and G. T. Danby, ASME Winter Annual Meeting, 66-WA/RR-5, 1966
  7. ^ Electromagnetic inductive suspension and stabilization system for a ground vehicle アメリカ合衆国特許 3,470,828(1969年10月7日許可公開)
  8. ^ Powell and Danby's Grand Idea: 50 Years of Maglev History” (英語). ブルックヘブン国立研究所 (2016年3月8日). 2017年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月6日閲覧。
  9. ^ Powell and Danby's Grand Idea: 50 Years of Maglev History - YouTube
  10. ^ Benjamin Franklin Medal Laureates James R. Powell and Gordon Danby, 2000 Benjamin Franklin Medal in Mechanical Engineering, for the invention of a novel repulsive magnetically-levitated train system using superconducting magnets and subsequent work in the field, フランクリン研究所
  11. ^ “超電導リニア世界記録 鉄道先進国フランスの反論”. 乗りものニュース. (2015年4月28日). http://trafficnews.jp/post/39739/ 2016年3月14日閲覧。 
  12. ^ “JR東海、「超伝導リニア」の有人走行試験で世界最高の590km/hを達成 累積走行距離は121.8万kmに達す”. トラベル Watch ニュース. (2015年4月16日). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/698138.html 2016年3月14日閲覧。 
  13. ^ a b “超電導リニア、世界最速603km/hで走った本当の意味”. 乗りものニュース. (2015年4月21日). http://trafficnews.jp/post/39573/ 2016年3月14日閲覧。 
  14. ^ a b c 超電導リニアの歴史 鉄道総合技術研究所
  15. ^ Study of Japanese Electrodynamic-Suspension Maglev Systems
  16. ^ リニア新幹線物語』pp.23 - 25
  17. ^ 超電導リニアモーターカー』p.57
  18. ^ a b c 超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価 - 超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会 2009年7月28日
  19. ^ 国土交通省報道発表資料 第19回「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」の開催結果について
  20. ^ 誘導集電方式による車上電源について
  21. ^ 超電導リニア用Bi系高温超電導体パワーリードの開発
  22. ^ 『鉄道ジャーナル』通巻402号 pp.78-83
  23. ^ a b 超電導リニアモーターカー』p.25
  24. ^ 荒川好夫『国鉄広報部専属カメラマンの光跡』交通新聞社DJ鉄ぶらブックス019〉、2017年3月7日、73頁。 
  25. ^ a b 超電導リニアモーターカー』pp.25 - 27
  26. ^ a b 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.57 - 58
  27. ^ 「浮上式鉄道の超電導極低温技術」特集 第1章 総論」『低温工学』第16巻第5号、一般社団法人 電気学会、1981年、259-262頁、doi:10.2221/jcsj.16.259 
  28. ^ a b 超電導リニアモーターカー』p.27
  29. ^ a b c 超電導リニアモーターカー』pp.30 - 32
  30. ^ a b 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.61 - 70
  31. ^ 『交通科学博物館50年史』交通科学博物館、2013年、p.17
  32. ^ 「保存車両」関東エリア一覧 - 鉄道フォーラム
  33. ^ a b 超電導リニアモーターカー』pp.35 - 37
  34. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.70 - 75, 83
  35. ^ “リニア走行実験 7ヵ月ぶり再開”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1992年5月22日) 
  36. ^ a b c 鉄道ジャーナル』第21巻第5号、鉄道ジャーナル社、1987年4月、88-89頁。 
  37. ^ a b 超電導リニアモーターカー』pp.39 - 41
  38. ^ a b c 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.75 - 99
  39. ^ a b 超電導リニア 実験車両 MLX01 公益財団法人鉄道総合技術研究所
  40. ^ 山梨リニア実験線 試験車両の改良について - JR東海ニュースリリース、2009年3月27日付
  41. ^ 「万博リニア」閉幕後も献身 名古屋に残って腐食試験 - CHUNICHI WEB PRESS(中日新聞) 2005年9月15日付
  42. ^ JR東海博物館(仮称)における展示概要について - 資料2 展示車両 (PDF)
  43. ^ a b c d 『JR電車編成表 '09冬号』 ジェー・アール・アール、2008年、ISBN 9784882830504、111頁。
  44. ^ 超電導リニアの新型車両の概要について JR東海、平成22年10月26日
  45. ^ “超電導リニア、新市場へ加速 三菱重・日本車両がタッグ JR東海、試験走行を再開”. 日本経済新聞. (2013年9月1日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD290EM_Z20C13A8XX1000/ 2016年3月14日閲覧。 
  46. ^ Rail Magazine(レイル・マガジン)公式twitter (2020年3月25日) 2020年4月22日閲覧。
  47. ^ 鉄道ピクトリアル 1992年7月号 72頁
  48. ^ 超電導リニアモーターカー』pp.19 - 20
  49. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.24 - 25
  50. ^ 超電導リニアモーターカー』pp.24 - 25
  51. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.53 - 56
  52. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』p.57
  53. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.58 - 60
  54. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.60 - 67
  55. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.67 - 76
  56. ^ 超電導リニアモーターカー』pp.37 - 39
  57. ^ 疾走する超電導 リニア五五〇キロの軌跡』pp.82 - 99
  58. ^ 鉄道ジャーナル』第32巻第3号、鉄道ジャーナル社、1998年3月、78頁。 
  59. ^ リニアが世界最速590キロ 長距離走行記録も更新 産経ニュース 2015年4月16日
  60. ^ リニア新幹線、世界最高速度となる時速603kmを記録 JR東海 マイナビニュース 2015年4月21日



超電導リニア

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磁気浮上式鉄道」の記事における「超電導リニア」の解説

詳細は「超電導リニア」を参照 鉄道総合技術研究所JR総研)及び東海旅客鉄道JR東海)により開発進められている磁気浮上式鉄道超電導電磁石によるリニアモーター使用する超電導リニア方式)で、将来中央リニア新幹線営業運転される。基礎技術から日本独自に研究・開発が行われており、技術的には既に実用段階達している。山梨に42.8kmの実験線があり、一日走行距離は約3,000kmに達する。2003年当時JR東海社長だった葛西敬之は、最高速度700km/hを目指す技術者向けに発言し、その直後有人走行では世界最高の581km/h(ギネスブック認定)を記録2015年には603km/hを記録して世界最高速度更新した2014年12月から実験線延長する形で東京 - 名古屋間の建設始まっており、開業2027年大阪まで開業2045年目指している。

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超電導リニア

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分岐器」の記事における「超電導リニア」の解説

詳細は「超電導リニア#分岐装置」を参照 超電導リニア(JRマグレブ)の山梨実験線では、各種方式試験結果モノレール関節可撓式に類似したトラバーサ方式」を採用している。

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「超電導リニア」を含む「分岐器」の記事については、「分岐器」の概要を参照ください。

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