清滝一門
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「りゅうおうのおしごと!」の記事における「清滝一門」の解説
九頭竜 八一(くずりゅう やいち) 声 - 内田雄馬 本作の主人公。福井県大野市出身。2000年8月1日生まれ、第1巻時点では16歳。段位は第1巻時点で八段、第5巻で竜王位を防衛(竜王2期獲得)したことにより史上最年少の17歳で九段に昇段。順位戦はC級2組から1組に昇級(第7巻)、16巻時点ではB級2組。第14巻で帝位を獲得し二冠となる。 家族構成は両親と兄が一人、弟が一人。 6歳で清滝九段の内弟子として修行を開始し、小学校3年生のときに小学生将棋名人戦で当時の史上最年少優勝者となる。このとき準決勝で神鍋歩夢を、決勝で月夜見坂燎を破り、さらに供御飯万智と知り合っている。彼らとはそれ以来ずっと交友が続いている。その後奨励会に入り、中学校3年生のときに15歳2か月で史上4人目の中学生棋士としてプロ入り。16歳1か月で竜王に挑戦し、フルセットにまでもつれ込みながら奪取、16歳4か月で史上最年少のタイトル保持者。他にも帝位戦リーグ入りを果たすなど順調にキャリアを積み上げてきたが、竜王奪取後から大スランプに陥り、公式戦11連敗を喫する。そんな矢先に雛鶴あいと再会し、紆余曲折を経てあいを内弟子として育てることになる。 少年のころから極めて優れた才能を見せており、関係者からは期待されていた。その例の一つとして、奨励会入会直後の6級のときに月光聖市とアマ名人の記念対局の記録係を務めたが、感想戦で両対局者が気付かなかった23手の即詰みを指摘して一同を驚嘆させている。銀子からは将棋の歴史の中で五本の指に入る才能を持っていると評価されている。 あいの育て方について悩んでいた際、師匠の清滝と同じ道を歩めていたことを知って嬉しさのあまり涙を流すなど清滝のことを心から尊敬している。 中学在学中にプロ入りし、もともと勉学が得意でなかったことから、高校には進学せずに関西将棋会館近くのアパート(2DK)に住んでいた(当初は一人暮らしだったが、あいが同居してからは二人暮らし)。あいが内弟子になる以前は、研究仲間が頻繁に立ち寄ることに加え、盗まれて困るようなものもないなどの理由から部屋に鍵はかけないことが多かった。 居飛車党で相掛かりや一手損角換わりなど、力戦調の棋風を得意とする。プロデビュー戦では頓死して以降、三連敗を重ねている山刀伐八段に勝つため、第3巻では生石の指導を仰ぎゴキ中など振り飛車系の戦型に挑戦しオールラウンダーへの棋風改造を図る。二週間ほどの特訓で付け焼刃ではあったが振り飛車を体得し、「三連続限定合駒」を見切ることにより山刀伐から奇跡的な勝利を挙げて改めて自身の天才性を示す。名人が挑戦者となった竜王戦七番勝負ではハワイでの開幕局で敗れて以降3連敗を喫し、精神的に追い込まれたことで周囲との関係に亀裂が入りかけるが、あいやその他の周囲の人々の励ましによって立ち直り、最後の審判問題が絡んで差し直しとなった第四局の大熱戦を制してからは、その勢いで4連勝して防衛に成功する。 女心に疎い一面があり、しばしば致命的とも言える失言をしてしまう。シャルロットに対する「師匠にはなれないけどお嫁さんにしてあげる」発言(第2巻)などが代表例。自らに好意を寄せるあいや銀子に対しても、当初はあくまで将棋仲間としての意識しか持っていなかったため、そのせいで騒動に巻き込まれることも多い。第11巻で銀子と両思いであることがはっきりしたが、二人きりのときは別として、対外的には恋人関係としての振る舞いは見せていない。 数多くの女子小学生に囲まれているという境遇に置かれていることから、周囲からしばしば「ロリコン」「ロリ王」「ロリキング」「クズ竜王」と揶揄される。本人はそう言われるたびに否定しているものの、弁解が難しい行動も見られる。しかし本人は桂香に惚れており関係を発展させたがっているが、桂香からは弟扱いしかされない。ニコニコ生放送で解説を担当した際には、聞き手の鹿路庭珠代の胸に視線が釘付けになり、それをコメントで指摘されて全国に恥をさらす。終いには月夜見坂・供御飯の前で「おっぱいしか見てませんから!!」と叫び、自ら巨乳好きであることをカミングアウトしてしまう。 竜王防衛後は棋力がさらに高みに上ったと評されるが、本人は頭の中の将棋盤が目の前に現実感を伴って出現してなかなか消えないという症状に苦しんでいる(その症状の影響でまともに熟睡できないほど)。7巻では自身の読みの力と将棋ソフトの演算力を組み合わせた効率重視の将棋で順位戦において連勝を重ねていくが、かねてより引退を表明していた将棋界の重鎮、蔵王九段との対局で将棋ソフトの根本的な弱点を突かれ敗北し、C級1組への昇級も厳しくなってしまう。しかし同時刻に行われていた八一以外のC級2組棋士の対局結果により、繰り上がりでC級1組に昇級することが決定する。 12巻で行われた帝位戦では挑戦者決定戦で名人を下して於鬼頭との七番勝負に挑む。第一局では於鬼頭がソフトの最善手を狂いなく繰り出したことでリードを奪われるが、封じ手でソフトを超える一手を繰り出して一気に討ち取り、先勝。この後の感想戦で、その底なしとも思える実力から「西の魔王」と呼ばれていることが明らかになる。 15巻では夜叉神家の経営する会社にアパートが買収され立ち退きの対象となる。天衣に勧められるがままに西宮北口駅前のタワーマンションの一室を購入して引っ越し、天衣・晶との3人暮らしとなった。また編集者としての万智の勧めにより、初の著書「九頭竜ノート」を出版している。 得た弟子は正式に認めた順番にあい、天衣、シャルロットの3人。 雛鶴 あい(ひなつる あい) 声 - 日高里菜 本作のヒロイン。2007年10月7日生まれ、第1巻時点では9歳(小学3年生)。好きな戦法は相掛かり。 石川県七尾市にある和倉温泉の旅館『ひな鶴』を経営する夫妻の一人娘。前年に『ひな鶴』で行われた竜王戦第七局で、勝利への重圧から廊下に倒れていた八一に水を差し出したことで八一と知り合う。 元々祖父が将棋好きだった影響で家に将棋盤や棋書などが一通り揃っていたこともあり、八一の将棋を見たことを機に将棋を始めたところ、わずか3ヶ月で『将棋図巧』の詰将棋を全問解くほどの棋力を身につける。しかし両親(特に母親)は将棋が嫌いで、将棋を続けることを反対されたため、学校が春休みに入ったのを機に大阪に向かい、面識のある八一の家に押しかけた。紆余曲折はあったものの最終的に内弟子としての弟子入りが認められたため、春休みが終わると同時に正式に八一の家に引っ越し、学校も大阪の小学校に転校している。 その後、研修会D1、マイナビ女子オープンで祭神 雷を破り本戦入りするが、本戦では1回戦で月夜見坂燎に惨敗して、マイナビ本戦一回戦勝利を条件とした女流棋士デビューを逃すものの、その後に桂香のマイナビ本戦1回戦の前日にC1に昇級を果たし、女流2級で女流棋士デビューを果たす。銀子と天衣が対局した五番勝負では観戦記者デビューを果たす。その後、女流名跡戦予選決勝に進出したことで女流1級に昇級。予選決勝で岳滅鬼を破り、女流名跡戦リーグ入りを果たしたことで女流初段に昇段した。 16巻では女流名跡戦リーグを勝ち抜けて挑戦者となり、釈迦堂里奈との初タイトル戦に臨む。序盤は連勝してスタートダッシュを決めるが、彼女自身の強さが逆に釈迦堂の全盛期の強さを呼び覚まして連敗を喫してしまう。最終局ではそれまで培った膨大な研究で負かしに行った釈迦堂の癖を読み切って、終盤の怒涛の詰めで彼女に勝利。女流名跡のタイトルを奪取し、女流三段に昇段。祝勝会では女流枠で出場するプロ棋戦で勝利を挙げて「最短最速でプロ編入試験受験資格を得て合格する」事を宣言した。 元々将来的に温泉旅館を継ぐ前提で両親からの教育を受けており、9歳ながら家事は一通りこなせる。特に料理は「佃煮を海苔から自作する」「あいの作った金沢カレーを食べた八一が、あまりの旨さに意識を飛ばす」などかなりの腕前。 八一が隠し事をしている時は自白剤を本気で購入しようと考えたり、嘘をついていた八一から「どうしたら信じてくれるの?」と聞かれた際に「拷問します」と返答するなど、ヤンデレの気質が有る(作者曰く「実は作中で一番ヤバい子」)。また、順位戦の聞き手という公の場で八一の巨乳好き疑惑について糾弾したり、親しい女性を全員リストアップして提出しろと八一に迫ったりと、かなり嫉妬深い一面がある。とはいえ八一の一番弟子として八一に献身的に尽くしており、普段から家事を完璧にこなすだけでなくタイトル戦でも八一の精神的支えとなり、竜王防衛に大きな貢献をした。研修会や女流棋戦において数多くの大人たちとの真剣勝負を繰り広げていることから、小学生とは思えないほどの凄まじい気迫も併せ持つ。また、アニメ版では対局の際に目の瞳孔が変わる。 詰将棋で鍛えたプロ棋士顔負けの終盤力を武器とするが、逆に序盤には穴があり、女流棋士との対局ではそこを突かれて劣勢に立たされることが多い。だが、師匠である八一は「あいの終盤力は序盤で劣勢に立たされているからこそ発揮される」と見抜いており、必要最低限の基礎は教えているが、あえて序盤に関する指導は行っていない。 感情が昂ると金沢弁が出る癖があり、特に八一が他の女性に対して好意を示した際に「ししょーのだら!」、恋と将棋双方のライバルである銀子に対して「だらぶち」と出る。 第14巻で拠点を東京に移すことになり、内弟子関係を解消し八一の下を去った。当初は「ひな鶴」別館に住むと思われたが、大阪時代からネットで研究会を行っていた山刀伐の伝手を頼って、珠代が居着いているマンションに移り、珠代と二人暮らししている。 空 銀子(そら ぎんこ) 声 - 金元寿子 本作のもう1人のヒロイン。八一の姉弟子(ただし弟子入りの時期は2週間しか違わない)。大阪府出身。2002年9月9日生まれ。血液型はB型[要出典]。第1巻時点では14歳(中学2年生)で奨励会二段、女流二冠(女王、女流玉座)だったが、その後15歳で女性として史上初の三段への昇段を果たす。第9巻では、マイナビ女子オープンの女王戦五番勝負で挑戦者となった天衣と激突。第二局までは力の差を見せつけて圧勝するが、第三局で女流棋士相手に初めて千日手となり、指し直し局では天衣の奇策に一時は投了寸前まで追い詰められる。だが、唯一の打開・逆転手を読み切って3連勝し女王の座を防衛、連続5期獲得により永世称号である永世女王を獲得した。 2歳で将棋の駒の動かし方を覚え、4歳で清滝九段の内弟子になる。小学校2年生で小学生名人戦で優勝し、八一の最年少記録を塗り替え、翌年奨励会入会。11歳で奨励会在籍のまま女流二冠となる。女流棋士との対局では公式戦58戦無敗(第9巻時点)という圧倒的な強さを誇る(後述の「白雪姫」も、実は「黒星がついたことがない、すなわち降り積もる白星一色である」ことと、白髪(銀髪?)であることに由来している)。13歳のときにテレビの取材を受けた際に付けられた「浪速の白雪姫」というキャッチフレーズが一般にも定着しており、街を歩いているとサインを求められることも多い。 髪にはいつも、八一から贈られた雪の結晶デザインの髪飾りをつけている(「白雪姫」=「雪」という単純な連想から)。タイトル戦で和装する際にも外さないほどで、本人もまんざらではないようだが、八一は「髪飾りをつけているのは自分への嫌がらせ」と本気で思い込んでいる。将棋界では多くの人間から「八一の(将来の)嫁」として認識されているものの、八一と面と向かう際には基本的に好意を表に出さず、二言目には「死ね」気に入らないことがあれば手や足を出す、雑務を押し付けるなどの扱いから八一からは怖い人として認識されている。 性格はかなり頑固で極度の人見知り。また料理が大の苦手。幼いころに心臓関連の難病(心室中隔欠損症と推定される)を患っていた影響で身体が少し弱く、特に夏を苦手とする。食事の際はソースを大量に使う癖があり、お好み焼きを食べる際も表面を真っ黒にするほど。また、14歳という年齢ながらも、あい曰く「つるつる」らしい。 あいに対しては悪感情をあからさまにしており、あいを弟子に取ることについても一門の中で最後まで反対していた。 趣味はサッカー観戦。特に監督の指示やゴールキーパーのコーチング、サポーターの応援が選手(特にメンタル面)に与える影響などに注目して観戦することが多い。 幼少のときは八一より将棋が強かったが、ほどなくして八一に追い抜かれ、引き離される一方となる。それでも、八一に自分だけを見てもらえる場である公式戦での対局を目指し、女性初の正棋士となるため努力を続ける。女流棋戦では無敵だが、奨励会では必ずしも勝ち続けているわけではなく、自分の才能に限界を感じていた。三段への昇段が壁となっていたが、6巻で幸運に恵まれて昇段できたものの、その先に待ち受ける三段リーグの恐ろしさに圧倒されそうになる。そして、孤独に潰されそうになりながら野田駅で降りたところを八一に出迎えられ、彼と同じ場所に立ちたいという願いを胸に抱く。そして「四段に上がれるのなら死んだって構わない」という壮絶な覚悟を決めた。 将棋の実力は、八一については「将棋の歴史の中で間違いなく5本の指に入る」と評価する一方で、自らの才能については「女の将棋指しの中では史上最強かもしれないが、男性棋士を含めたら上位千人にも入らない」と自己分析している。生まれつき将棋の才能に恵まれた棋士(八一やあい)を「将棋星人」、そうでない棋士(自分や桂香)を「地球人」と呼んでいる。 10巻で開幕した第63期三段リーグではスタートダッシュを決めることに成功したものの、中盤で3連敗を喫し、プロ入りが遠ざかった絶望から追い詰められて、包丁を握りしめ「自分を殺して」と嘆願するまでに錯乱。それを見かねた八一が福井に連れて行き、そこで八一と想い合っていたことを知るとともにとテレビで目にした名人のスピーチから本来の自分を取り戻し、創多との対局で、それまでの将棋経験を完全に自分の糧とし、先述の「将棋星人」の領域に遂に到達。創多の連勝を止め、プロ入りに望みを繋いだ。 その後は連勝を続け、13勝3敗で最終例会に臨むが、三段リーグ独特の雰囲気と、長い対局によって体が悲鳴を上げ始める。それでも最後の力で対局に臨み、最初の対辛香戦で、彼との過去を思い出すも、それに揺らぐことなく見事勝利。最終局となる対鏡州戦では一時心臓が止まりかけるも、強引に肋骨に衝撃を与えて心臓を動かし吐血。それでも指し続け、激闘の果てに詰将棋の如き勝利への一手を見出して勝利。彼女と創多以外の3敗者が全て敗れたため、15勝3敗の1位で四段に昇段。八一でもできなかった一期抜けで史上初となる女性の正式なプロ棋士となり、その場に駆け付けた八一から正式に告白を受け、お互いとの公式戦対局を目指すことを誓い合った。しかし棋士として初の公式戦となった竜王戦6組の対祭神雷戦で敗れ、直後に体調不良による休場を発表。女流のタイトルも全て返上となった。 女流棋戦のタイトルで得た対局料・賞金を使って、関西将棋会館から徒歩15分ほどの場所に研究用のワンルームマンションを購入しており(第9巻)、以後奨励会の対局前などは実家を出てその部屋に籠もるようになった。ただ食事はほぼ全て出前に頼っており、某出前サイトのランクが「ゴッド」に達してしまったほど。その様子を心配した桂香が、八一に料理を持たせてマンションに配達を頼んだこともある。 清滝 鋼介(きよたき こうすけ) 声 - 関俊彦 八一・銀子の師匠。1966年11月1日生まれ、第1巻時点では50歳。段位は九段で、順位戦はC級1組(7巻でB級2組から降格)竜王戦は2組。タイトル獲得経験はない。 順位戦では苦労しており、C級2組で9勝1敗という成績でありながら順位の差のいわゆる「頭はね」で昇級できなかったことが複数回ある。さらにC級1組、B級2組、B級1組でも頭はねを経験し、その後A級へ昇級するも、4勝5敗の成績でまたしても順位の差で降級の憂き目に遭う。しかしその後再びA級に上がり、名人へ2回挑戦した。 娘の桂香が幼いころに妻を亡くし、その後自身の母も死去してからは娘と二人暮らしだったが、4歳の銀子と6歳の八一を内弟子に取る。なお、この弟子の取り方については何かしらの理由がある模様で、本人以外にそれを知るのは娘の桂香のみ。 弟子である八一と銀子を実の子供のように大切に思っており、二人からの信頼も非常に厚い。また孫弟子にあたるあいのことも非常に可愛がっており、家出期間後に八一があいを引き取りに来た際には泣き崩れて拒否していた。 将棋大会の指導対局で角落ちの将棋をしたことが八一との出会いで、大人相手にも勝ちまくっていた八一を相手に、接戦を演出しつつ勝利するというプロの技術を見せて八一の憧れの存在となった。それ以後八一は清滝の指導対局ばかり受けるようになりそのまま弟子入りするが、清滝自身は最初から八一の持つ巨大な才能に気づいていたため自分が八一を育てることに気後れし、月光に弟子入りさせようと考えていたことを後に八一に明かす。しかし、竜王戦で名人と激戦を繰り広げる八一を見ながら、月光に「今でも私に彼を預けようと思いますか?」と尋ねられた際には「自慢の息子です。誰にも渡すわけがない」と返している。 普段は割と常識人なのだが、将棋に関しては「八一との対局に負けた腹いせで、関西将棋会館の窓から放尿」「八一の竜王奪取記念で、旅館のロビーで裸踊り」「立会人であるにもかかわらず対局開始直前になってトイレに行き、その間に対局が始まってしまった挙句『走れメロス』のような半裸の格好で飛び込んできて即座につまみ出される」など、変人的な行動が目立つ。ソーシャルゲームにはまり、課金を重ねる一面もある。 7巻にて、年齢による棋力の衰えを自覚したことでこれまでの将棋に対する姿勢を一新し、奨励会員からプロ棋士、さらにはJS研までといった幅広い人間を集めた革新的な研究会「清滝道場」を立ち上げている。 16巻にて、過去に釈迦堂里奈と恋仲にあった事が明かされる。将棋に関して意気投合した事から始まった出会いは発展し、一時は結婚寸前までいったが、結局は亡き妻を忘れられなかったのと、娘の桂香が成長と共にその妻に似てきた事から関係を解消している。 揮毫の文字は「俺の全盛期は明日」。坂井十三九段を師に持ち、月光は兄弟子にあたる。 清滝 桂香(きよたき けいか) 声 - 茅野愛衣 清滝九段の一人娘。大阪府出身。名前の由来は桂馬と香車から。1991年11月9日生まれで第1巻時点では25歳で、研修会C2クラスに在籍していた。 師匠の娘という立場もあって、八一・銀子が普段から何かと世話になっており、銀子が唯一心を開く人物(銀子曰く「銀は桂と香のとなりにいるから」)。八一曰く「隠れ巨乳」(スリーサイズは上から95・62・92)で、八一は何度となく男女の仲を目指してアプローチしているが、桂香からは弟扱いでまるで相手してもらえていない。 子供のころに父から将棋を教えられたものの、一度将棋を嫌いになってやめ、将棋を本格的に始めたのが高校3年生からのため、弟子としては八一・銀子の妹弟子となる。今では初恋の相手が将棋であると語るほど、女流棋士となるため真摯に将棋に向き合っているが、成果を出せずに苦しむときもあった。 女流3級の資格を得られるC1クラスへの昇級がなかなか実現できず、そうこうしているうちに研修会の年齢制限が近づいてきていることに焦りを感じていた。マイナビ女子オープンチャレンジマッチでは1回戦で焙烙に惨敗。誰もが勝つことは不可能と思う中で敗者復活戦に臨んだが、奇跡的な連勝により決勝に進出。その決勝では粥新田に投了寸前まで追い詰められるが、そこで粥新田がありえないような反則を犯し、ほとんどラッキーパンチで一斉予選進出を決めた。予選決勝で研修会で親しかった香酔千と対戦し、泣きながら彼女の夢を断ち切ると共に自らの夢の実現に近づく。本戦1回戦の釈迦堂里奈との戦いでは、竜王戦の3連敗で精神的に追い詰められた八一に自分が対局する姿を見てほしいと語って臨み、凄絶な勝利を収めて八一に大きな感動と勇気を与えた。マイナビ女子オープンのベスト8入りしたことで女流棋士としての申請を行っており、第6巻時点では女流3級。 作者自ら「私の全てを背負ってもらいました」と語るほど思い入れの深いキャラ。モデルは女流棋士の飯野愛であることが明らかにされている。 夜叉神 天衣(やしゃじん あい) 声 - 佐倉綾音 第2巻より登場する「もう一人のあい」。2007年12月10日生まれで初登場時点では9歳。神戸市の豪邸に祖父の弘天(元博徒で現在は実業家)と暮らしている。JS研のメンバーからは(あいとの区別のため)「天ちゃん(てんちゃん)」と呼ばれている。「天衣」という名前の表記は、作者が佐藤康光のファンだったため、佐藤の棋風である『天衣無縫』から拝借したという。 父親は元アマチュア名人の夜叉神 天祐(やしゃじん たかひろ)、母親も大学時代将棋部に在籍しており、将棋が縁で結婚したという家庭のため幼少時から将棋に親しんできた。その両親が事故で亡くなり祖父の元に引き取られたが、祖父に甘やかされて育ったため、典型的な「高飛車なお嬢様」キャラとなってしまった。 元々は月光の門下だったが、月光から「研修会に入会するまで」という条件で八一に預けられ、最終的に八一自ら弟子に取ることを決意する。実は元々八一とも浅からぬ縁があったことが後に判明する。棋風は緻密な序盤戦術を活かした徹底的な受け将棋。好きな戦法は後手番一手損角換わりで、研修会で桂香に指された時は逆上してしまうほど思い入れがある。 マイナビ女子オープンでは鹿路庭などの女流棋士多数を撃破して本戦ベスト8に進出、桂香と共に女流3級の申請資格を得たが、この時点では申請は行わず。後に研修会C1クラスに上がり、あいに若干遅れて女流2級でプロ入りした。とはいえ、誕生日の関係で史上最年少女流棋士の記録はあい(10歳1か月)ではなく天衣(10歳0か月)のものとなった。メディアからは「神戸のシンデレラ」の異名で呼ばれている。第8巻では本戦トーナメント決勝(挑戦者決定戦)に進出し、女流初段に昇段した。さらに決勝で供御飯を破り、女王挑戦者となったことで女流二段に昇段した。銀子との五番勝負では3連敗でタイトル獲得はならなかったものの、人間的に大きく成長する結果となった。 普段の言動はお嬢様そのものだが、その言動の裏には八一や清滝一門への思いやりが非常にこもっている。しかし、それを指摘されると恥ずかしがって否定する(いわゆるツンデレ)。女流棋士デビュー後は、指導対局や聞き手の仕事において、大人のプロ棋士・女流棋士にも引けを取らない力をみせる(その際、「お嬢様」な言動はおくびにも出さない)。 12巻で八一への恋心を彼に打ち明けたが、彼は銀子の事が好きなため断った。しかし不意を突いて彼から口づけを奪い、銀子に向けられている八一の愛を奪うと宣言した。14巻では八一の住むアパートをまるごと買い取ったことを明らかにし、あいが去り抜け殻状態になっていた八一に対して同居することを宣言。結局八一にタワーマンションを購入させ、そこで晶も含めた3人での同居を始めた。 16巻では銀子の長期休場で空位となった女王・女流玉座の優勝者決定五番勝負に登場。4巻でのマイナビ女子オープン本戦以来となる登龍花蓮との対局に臨む。タイトル戦終了後に彼女のもとにやってきた八一に、亡き両親がスーパーコンピューターの開発者だった事と、今回のダブルタイトル戦でその両親が開発に参加していたスーパーコンピューター「淡路」を研究に使っていた事を明かす。 祖父により、「天衣が悲しい顔をするから」と、父親の使っていた将棋盤・駒、父親の書いた棋譜などを死後全て処分されてしまっていたが、鏡州らの伝手を使って探し出した父親の筆跡(棋譜)を使った将棋駒を八一からプレゼントされると、それまで内に秘めていた父親への想いが弾け号泣してしまった。 いわゆる歴女の一面があり、人間将棋企画の下見のため関ヶ原古戦場跡を訪れたときは大谷吉継好きであることが判明した。また徳川家康については、島津に打ち倒されれば良いと思うほど嫌い。
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