C級2組
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アマチュアの参加(第3期~第5期) 現在の順位戦は純粋な棋士のみの棋戦だが、第3期(1948年度)~第5期(1950年度)はアマチュア選手の参加を認めていた。これは、当時の日本将棋連盟が財政難のため、毎日新聞社に名人戦契約金の増額を求める根拠として、棋士の増員を行った一環である。 アマ名人戦上位4名の希望者がC級2組(またはC級乙組)に参加した。1期のみの特別参加だが、成績優秀者はそのまま正規の棋士に編入可能になっていた。1949年に主催が朝日新聞社に代わると、その翌年を最後にアマチュア参加枠は廃止された。 アマチュアの参加者は三好幸男(第3期)、高橋誠司、大前吉章(第4期)、加納和夫、内山龍馬、宮本茂(第5期)の6人。高橋が5勝3敗、加納が7勝5敗と勝ち越したが、プロ編入はならなかった。他の4人は負け越している。 奨励会員の参加(第4期) 第4期のみ、奨励会員から4人が参加した。C級1組に昇級した2人(清野静男、神田鎮雄)は三段から六段に、残留した2人(増田敏二、浅沼一)は二段から四段に昇段して正式に棋士となったので、これも棋士増員の一環だった。 降級点2つ付いたまま昇級(第37期) 木下晃は降級点が2つ付いていてフリークラス陥落の危機という状態だったが、第37期で9勝1敗の成績でC級1組へ昇級した。同様の状態であった窪田義行も第61期にC級1組へ昇級している。 22年間、降級点無し(第41期~第62期) 第41期から順位戦に参加した武市三郎は昇級こそしなかったものの22期にわたって降級点が付かず、当時の将棋界の七不思議の一つとまで言われた。しかし、2004年度の第63期で初の降級点が付くと続く第65期も降級点、第66期は5勝5敗で降級点は免れたものの第67期で3つ目の降級点が付きフリークラスへ陥落。その後、順位戦復帰の成績を収めることができずフリークラスの年齢制限により2014年に引退した。 年齢差59歳の対局(第45期) 1986年8月25日のC級2組、明治生まれ74歳の小堀清一と高校一年15歳羽生善治の年齢差59歳対局が行われた。終了が深夜0時半過ぎに及ぶ熱戦となり、羽生が勝利。午前8時ごろに清掃員にとめられるまで感想戦をしていたという。この勝利で羽生は公式戦14連勝を記録。この後、小堀の順位戦最終結果は2勝8敗となり、この期限りで現役を引退した。 C級2組在籍棋士が初のタイトルホルダーとなる(第51期) 第51期順位戦でC級2組に在籍中の郷田真隆が第33期王位戦を制して王位を獲得した。C級2組在籍棋士がタイトルホルダーになったのは初である。後に高見泰地も同様にC級2組在籍のままで叡王のタイトルホルダーになった。 順位戦はC級2組、竜王戦は1組(第54期、第80期~第81期) 第54期順位戦でC級2組に在籍する先崎学が、第9期竜王戦では1組に在籍した。C級2組在籍棋士が竜王戦1組になったのは初である。後に八代弥も同様にC級2組在籍のままで竜王戦1組になった。その後、先崎は翌期にC級1組へ昇級したが、八代は順位戦も竜王戦も留まったため初の2期以上となった。 制度上最速でフリークラス陥落(第63期) 熊坂学は初参加の第61期順位戦から3期連続で降級点を喫し、制度上最速でフリークラスへ陥落した。フリークラスのまま2015年に引退。 遅刻のペナルティで持ち時間9分となるも勝利(第67期) 中村亮介は遠山雄亮との対局で開始時刻の午前10時に間に合わず遅刻し、午前11時57分に姿を見せ、対局が始まったのは午前11時59分となった。中村は規定により5時間51分のペナルティを科されて持ち時間は9分となり、相手の遠山は通常通りの持ち時間6時間のままとなったが、結果は中村が勝利した。 タイトル経験者初の順位戦陥落(第68期) 前述の通り、第68期では、タイトル経験のあるベテラン棋士の昇降級が集中するという特異現象が発生したが、当期はC級2組でも、元棋聖の有吉道夫九段と初代棋王の大内延介九段が累積3つ目の降級点を喫し、順位戦陥落時の年齢規定により引退となった。タイトル戦(番勝負)出場経験者が同規定により引退となった前例は、丸田祐三(第54期・1995年度)・関根茂(第60期・2001年度)が存在したものの、タイトル獲得経験者が同規定により引退となったケースは当期が初めてであった(その後、第75期(2016年度)にタイトル通算2期の森雞二と、元名人の加藤一二三も同じ理由で引退することになる)。 昇級者3人全員が全勝(第70期) この期は阿部健治郎、中村太地、船江恒平の3人が10戦全勝で昇級を果たした。B級2組以下の対局数が10局に定着した第27期以降、同一クラスで3人が全勝で昇級したのは初めての事であった。このこともあり菅井竜也が順位6位・9勝1敗と本来なら昇級してもおかしくない好成績ながらも昇級できなかった。因みにその1敗は船江との兄弟弟子対決で付いたものである。 60年ぶりのC級2組~名人位獲得経験者初の降級規定に伴う引退(第73期~第75期) 加藤一二三は、プロ入り1年目の1954年(第9期)にC級2組で11勝1敗(1位)の成績を収めC級1組へ昇級。そこからA級まで4期連続で昇級した。その後、B級1組との往復を4度経験しながらも、62歳を迎える2001年度(第60期)までA級に通算36期在籍した。1982年には名人位も獲得している。しかし、2002年度以降は加齢によって順位戦の成績が振るわなくなり、2004年(第63期)にはB級2組に、2009年(第68期)にはC級1組に、2014年(第73期)にはC級2組にそれぞれ降級。名人位獲得歴のある棋士がB級2組以下に降級して以降も順位戦に出場し続けたのは史上初であった。このことにより、60年ぶりにC級2組順位戦に出場するという、史上最長の間隔記録を残すことになった。加藤はC級2組に降級した後も順位戦に出場し続けたが、2014年(第73期)~2016年(第75期)と3期連続で降級点を喫し、順位戦陥落時の年齢規定により引退することとなった。 中学生初の五段(・六段)昇段と順位戦全勝(第76期) 藤井聡太は、初出場の第76期順位戦C級2組において、無敗のまま8勝目を挙げたところで自分より上位の1敗者がいなくなったため、2018年2月1日の9回戦・梶浦宏孝戦に勝てば他の結果に関係なくC級1組への昇級(と1位通過)が確定する状況であった。藤井はこの梶浦との対局に勝って昇級を確定させ、同日付けをもって五段に昇段となった。将棋棋士が中学生のまま五段に昇段したのは史上初である。過去には、加藤一二三が中学生のうちにC級1組への昇級を決めた例があるものの、当時の規定により五段昇段日は中学校を卒業した直後の(1955年)4月1日となっていた。 なお、藤井は約半月後の2月17日に第11回朝日杯将棋オープン戦を制して初優勝し、「全棋士参加棋戦優勝」を満たして六段に昇段している。こちらも中学生のまま六段に昇段した史上初の快挙である。順位戦の昇級・昇段が早々に決まっていたために実現した高速昇段であった。 さらに、3月15日のC級2組最終戦でも藤井は三枚堂達也との対局で勝ち、中学生初の順位戦全勝を達成した。 降級点の直後に昇級(第79期) 出口若武は初参加の第78期でいきなり降級点を喫した(3勝7敗)が、翌79期で見事昇級を決めた(9勝1敗)。降級点持ちが昇級した例は過去にもあるが、直後に昇級するのは非常に珍しい。
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松永正一(まつなが しょういち) 声 - 岡和男 65歳。七段。福島県会津地方出身で、棋士歴40年のベテラン。C級1組の残留をかけて順位戦で零と対局した。奇矯な行動で零を困惑させ、対局後は八つ当たり気味に鰻重をおごらせるなど、夜中まで連れ回した。零との対局後に引退するかと思われていたが、将棋への好悪だけでは言い表せない感情を涙ながらに吐露した後、引退を撤回して棋士を続ける意思を語った。大人げないが愛嬌のある好人物。舌禍癖があり、インタビューはテレビの放映にほとんど採用されない。 松本一砂(まつもと いっさ) 声 - 木村昴 / 演 - 尾上寛之 26歳。五段。身長181センチメートル。山形県出身。棋風は「攻撃的というより攻撃しかしてこない」と零に評されている。明るく素直な性格で、あかりのファンの1人。「大きな生き物同士」である三角(スミス)と仲が良い。櫻井と一緒に登山に行った時に彼に助けられ、以来櫻井の信奉者である。 山崎順慶(やまざき じゅんけい) 声 - 安元洋貴 / 演 - 奥野瑛太 五段。スキンヘッドに眉なしの魁偉な風貌。五段で停滞したまま新人戦で4期の優勝を果たしたことから、あと1回の優勝で「永世新人王」になると周囲から揶揄されている。自身の棋力に限界を感じ始めると共に、零と二海堂に対して嫉妬や羨望を抱き、新人戦での対局を経て再起を誓う。二海堂との対局を千日手により体調悪化を促して勝利するが、対局後二海堂が入院することとなり、ひそかに紫陽花の花を病室に届けた。なお、二海堂には送り主が誰か気づかれていた。 趣味は将棋と共に祖父から教わった、レース鳩の育成。努力すればするほど結果が出ることからのめりこむようになった。
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