カドミウムとは? わかりやすく解説

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カドミウム【cadmium】


カドミウム(Cd)

カドミウムによる環境汚染は,従来亜鉛精錬所メッキ工場電気機器工場などの周辺でみられました。大量のカドミウムが長期間わたって体内に入ると慢性中毒となり,腎臓障害をおこし,カルシウム不足となり骨軟症をおこします。「イタイイタイ病」の原因物質はカドミウムといわれています。 
食品規格基準 玄米1.0mg/L以下 
排水基準 0.1mg/L以下 
環境基準水質)0.01mg/L以下 
大気汚染防止法有害物質排出基準1.0mg/Nm3以下

カドミウム


物質名
カドミウム
英語名
Cadmium
元素記号
Cd
原子番号
48
分子量
112.411
発見
1817年
原子半径(Å)
1.49(1.66)
融点(℃)
321.1
沸点(℃)
764.3
密度(g/cm3
8.64
比熱(cal/g ℃)
0.055
イオン化エネルギー(eV)
8.993
電子親和力(eV)
0


カドミウム(Cd)


カドミウム

読み方かどみうむ
【英】:Cd

亜鉛族元素のひとつ。人体にとっては有害で、イタイイタイ病原因となる。また、発がん性がある。

 カドミウムは亜鉛水銀などとともに第12族元素亜鉛族元素)のひとつで、人体有害な物質です。日本では骨がもろくなるイタイイタイ病引き起こすことでよく知られています。カドミウムとその化合物国際がん研究機関IARC)によって発がん性物質分類されています。
 カドミウムは生物体内蓄積され人体では約30年残留するといわれています。このため食物連鎖によって濃縮され長期わたってその毒性さらされる危険があります。また喫煙によって血液中のカドミウムやストロンチウム濃度上昇することが知られています。


カドミウム


カドミウム

カドミウムは、原子番号48元素記号Cd原子量112.411、密度8.65 g/cm( 25 )、融点320.8 沸点765 銀白色重金属です。主な用途には、ポリ塩化ビニルPVC)の安定剤、プラスティック・ガラス製品着色
料、ニッケル・カドミウム蓄電池電極材料などがあります。カドミウムは、 土壌中、鉱物中等など天然広く存在し多く食品には、天然由来のカドミウムが含まれていることが確認されています。
カドミウムの暴露による慢性毒性としては、腎の近位尿細管再吸収機能障害認められています。

カドミウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/30 07:11 UTC 版)

カドミウム インジウム
Zn

Cd

Hg
48Cd
外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 カドミウム, Cd, 48
分類 貧金属
, 周期, ブロック 12, 5, d
原子量 112.411
電子配置 [Kr] 5s2 4d10
電子殻 2, 8, 18, 18, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 8.65 g/cm3
融点での液体密度 7.996 g/cm3
融点 594 K, 321 °C
沸点 1038 K, 765 °C
融解熱 6.21 kJ/mol
蒸発熱 99.87 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 26.020 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 530 583 654 745 867 1040
原子特性
酸化数 2, 1(塩基性酸化物
電気陰性度 1.69(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 867.8 kJ/mol
第2: 1631.4 kJ/mol
第3: 3616 kJ/mol
原子半径 151 pm
共有結合半径 144 ± 9 pm
ファンデルワールス半径 158 pm
その他
結晶構造 六方晶系
磁性 反磁性[1]
電気抵抗率 (22 °C) 72.7 nΩ⋅m
熱伝導率 (300 K) 96.6 W/(m⋅K)
熱膨張率 (25 °C) 30.8 μm/(m⋅K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 2310 m/s
ヤング率 50 GPa
剛性率 19 GPa
体積弾性率 42 GPa
ポアソン比 0.30
モース硬度 2.0
ブリネル硬度 203 MPa
CAS登録番号 7440-43-9
主な同位体
詳細はカドミウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
106Cd 1.25% > 9.5 × 1017 y εε2ν - 106Pd
107Cd syn 6.5 h ε 1.417 107Ag
108Cd 0.89% > 6.7 × 1017 y εε2ν - 108Pd
109Cd syn 462.6 d ε 0.214 109Ag
110Cd 12.49% 中性子62個で安定
111Cd 12.8% 中性子63個で安定
112Cd 24.13% 中性子64個で安定
113Cd 12.22% 7.7 × 1015 y β- 0.316 113In
113mCd syn 14.1 y β- 0.580 113In
IT 0.264 113Cd
114Cd 28.73% > 9.3 × 1017 y ββ2ν - 114Sn
115Cd syn 53.46 h β- 1.446 115In
116Cd 7.49% 2.9 × 1019 y ββ2ν - 116Sn

カドミウム: cadmium [ˈkædmiəm])は、原子番号48の金属元素で、元素記号Cd である。亜鉛族元素の1つであり、化学的挙動は亜鉛と似ており、常に亜鉛鉱にカドミウムも含まれているため、亜鉛精錬の際に回収されている。

有害物質として知られる[2]。人体にとって有害であり、体内に吸収されると腎臓に機能障害を引き起こすことなどにより、取り扱いおよび鉱山などからの排水の管理には注意を要する。日本ではカドミウムによる環境汚染により、富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病が問題となった[3]。また、カドミウムとその化合物は、WHOの下部機関IARCより、人体に対して発癌性を有する (Group1) と勧告されている。

ホタテガイ中腸腺(ウロ)には、カドミウムが蓄積することが知られている。

歴史

1817年ドイツの科学者フリードリヒ・シュトロマイヤーにより、菱亜鉛鉱(炭酸亜鉛)から不純物として発見された[4]。同年には、同じくドイツのカール・ザムエル・ヘルマン酸化亜鉛から発見している。

名称

カドミウムの由来には、諸説が有る。例えば、フェニキアの伝説上の人物であるカドモスが由来という説も有る[5]。また、ギリシャ語菱亜鉛鉱を意味するカドメイア (Kadmeia) に由来するという説も有る。

性質

カドミウムの単体は、安定な六方最密充填構造 (HCP) をとる。銀白色で展性に富む軟金属である。比較的酸化されにくく金属光沢を保ちやすいものの、湿気の多い空気中では徐々に酸化されて灰色になり、金属光沢も失う。

塩酸および希硫酸などとは徐々に反応し、無色の2価の水和カドミウムイオンを生成する。

外部リンク


出典:Wiktionary

カドミウム

出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 13:49 UTC 版)

名詞

カドミウム

  1. 原子番号 48元素記号 Cd金属元素単体常温常圧では銀白色固体

発音(?)

か↗どみ↘うむ

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翻訳


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