ディーヴァとその仲間
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「BLOOD+の登場人物」の記事における「ディーヴァとその仲間」の解説
ディーヴァ 声 - 矢島晶子 小夜の双子の妹であり、もう一人の翼手の女王。身長160cm台前半。小夜よりも白い肌で青い瞳を持ち、黒い髪を腰まで伸ばしている。初代ジョエルの翼手研究の一環として、人間らしい育て方をされた小夜とは対照的に実験動物として扱われ、名前も与えられず塔に幽閉されていた。『ディーヴァ』の名は、彼女の歌を聞いた小夜がその歌声の素晴らしさに因んで名づけた(ディーヴァとはイタリア語で「歌姫」の意)。自分の身の回りの世話を担当していたアンシェルをファースト・シュヴァリエとする。 1883年、小夜が興味本位で塔の鍵を開けたのを期に、アンシェルとハジ、そして小夜を除く初代ジョエル・ゴルドシュミットの屋敷の関係者全員を殺害して出奔。以後、シュヴァリエの数を増やし、アナスタシア、エヴァ・ブラウン等に擬態して歴史の表舞台に立ち、世界を動かしながら翼手の災厄を振り撒いてきた。 人間らしい育てられ方をされなかった為、小夜とは異なり社会性や倫理観に縛られず、人間を襲って吸血する事に抵抗を覚えない。よって摂取している血液量の違いから、翼手としての戦闘能力は小夜よりも上である。性格は子供のように無垢でありながら凶暴・残忍な面をも合わせ持つ。ネイサン曰く好き嫌いが激しいため、捕食のためであっても無闇に一般人を襲うようなことはしない。 物語中盤、小夜を追って「動物園」にやってきたリクの血を吸ったことで彼を気に入り、後に小夜のシュヴァリエとなった彼を強姦、自分の血を与えて殺した。その後はリクに擬態していることが多くなり、体型も少年のそれに変化させ、服装も古風なドレスからセーラースタイルの上下に変わっている。また、声もリクのものとディーヴァ本来のものを状況によって使い分けている。 リクとの子供を身篭り、アンシェルにより摘出されるが、その結果自らも気付かぬ内に小夜に対しての致死毒性を失う。最期は小夜との決戦で彼女と差し違えたが、前述の通り血の効力を失っていたため、ディーヴァのみが結晶化した。最後は眠る我が子達を愛おしげに見つめながら静かに逝く。 育った環境上、感情の表し方を知らず不器用ではあったが、本心では誰よりも家族愛を、姉としての小夜を求めていたと監督は語っている。漫画版 アニメ版以上に子供っぽいおきゃんな性格になっており、それ故に凶暴さと残忍さも増している。自分に正直に行動するため、シュヴァリエ達もいささか手を焼く場面も見られ、自ら望んで血分けしたアンシェルとシャール以外のシュヴァリエには興味がなく冷淡である。自分の婿としてリクを選ぶという設定も同じだが、漫画版ではアニメのようにリクを強姦はしておらず、交配も成らなかったため子供を生んでいない。 アニメ版では小夜に対しての愛情は屈折したものになっており、意図的に小夜の心を傷付ける言動を行なっていたが、漫画版では小夜の事をかなり一途に慕っており、小夜に再会して明確な拒絶をされるまでは、小夜を傷付けてしまうことに関しては無意識だったり、良かれと思ってさえいるところがあった。ディーヴァ自身が小夜を殺そうと決意するのも、小夜に憎まれていると認識した後の最終決戦のみである。最後はアニメ版同様小夜と一騎討ちの戦いを行なったが、小夜を殺そうとして躊躇ってしまい、その直後にネイサンによって小夜の血が付いた刀で体を貫かれ、共に死のうとする小夜を留めて、ひとり絶命した。 アンシェル・ゴールドスミス 声 - 中田譲治 ディーヴァ側シュヴァリエの長兄で、ゴルドシュミット家の分家であるゴールドスミス家の出身。身長180cm台後半。現在の肩書きはゴールドスミス・ホールディングス総帥であり、表向きでは現在のジョエルの叔父にあたる。筆頭シュヴァリエとして他のシュヴァリエを統率しており、翼手としても強大な力を有している。 翼手化時には、巨大なドラゴンのような姿に変化する。また、翼手化せずとも巨大な衝撃波を掌底から発射したり、ソロモンの腕を吹き飛ばしたり出来る等、高い能力を見せている。最終話で再び現われた時には腹に大穴が開き、頭部と右腕は人間という、人間と翼手の悪しき面を合わせ持つアンシェルの本性を象徴するような姿になっていた。また兄弟の中では唯一、自由に擬態化する能力を発揮。初登場のロシア編では殺害したエリザベータになり代わり、メット決戦ではディーヴァに擬態して小夜を欺いた。 人間だった頃は、初代ジョエルの助手でディーヴァの世話を担当していたが、ディーヴァに魅せられ、ボルドーの惨劇の当日にディーヴァのシュヴァリエとなったと公式HPでは説明されている。また、ハジを買って来たのも彼である。 ディーヴァの開放後は、どの人種が翼手に最も適しているかの研究の為に、様々な人種の人間をディーヴァのシュヴァリエとしていった。また、ディーヴァ、ひいては翼手の全ての謎を解き明かしたいとも思っており、ディーヴァの事を実験体として見ている節があるが、時には娘を想う父親のような一面もある。実際にはディーヴァに対して独占欲に近い愛情を抱いており、ディーヴァの花婿となれる立場にあったハジに対して嫉妬心を抱いていた事もあったと語っている。 動物学者として、翼手の生態解明に異常な情熱を注ぎ、アイスランドのキルベドに翼手開発の研究所を建設する等、翼手研究のスポンサー役を買って出ている。更に「デルタ計画」と呼ばれるプロジェクトを推進している。 作中では49話において初めて翼手化。ハジと対峙し、左翼をもぎ取るなど優勢に戦いを進めたが、ハジの起死回生の行動で塔にある避雷針に串刺しにされ、更に落雷に遭って死亡したと思われていた。しかし実際は死亡しておらず、最終話において、翼手の謎を解き明かしたいという野望を再建するためにディーヴァの娘達を強奪しようと小夜らを襲撃。口から出した光線でハジの左手を吹き飛ばすが、小夜の刀を用いたハジによって止めを刺され戦死した。 名前の由来は、ロスチャイルド家のアムシェル・マイアー・フォン・ロートシルト。 グレゴリー・エフィモヴィチ・ラスプーチン 声 - 名塚佳織 ディーヴァ側シュヴァリエの次男。実在の人物がモデル。ロシア革命直後にはソーニャという少女に擬態しており、ある時小夜と出会って彼女とひと時を過ごした。だが村の老婆に小夜の前で正体を明かされ、その老婆を殺害し翼手の本性を表す。その後現われたアンシェルから退却するように命じられたが、最後まで戦うことを決意し、小夜に戦いを挑むも敗れ、最後は小夜に微笑みながら結晶化し戦死した。漫画版 (BLOOD+A) 病弱な息子を心配する皇妃に取り入り、救済することを目的にロマノフ王朝の宮廷にいる人間を次々と翼手化させていった。美しいものに執着しており、自分が生み出した翼手でも美しくなければ殺してしまう一面も持つ。宮廷からは反感を買っており、ディーヴァに愛を求めるも捨てられ、最後はアンシェルによって瀕死状態にされ、川に捨てられるが、流されてソーニャに遭遇する。更に「ロシアン・ローズ」編ではシュヴァリエになったエピソードも書かれており、幼い頃から予知のような能力を持っていたことが分かる。 マルティン・ボルマン ディーヴァ側シュヴァリエの三男。実在の人物がモデル。姿はアニメ12話でカールが見ている写真で確認出来る。また、37話ではアンシェルとソロモンがマルティンに関する会話をしている。 アドルフ・ヒトラーの側近として活躍するが、ヒトラーの愛人エヴァ・ブラウンに擬態していたディーヴァと内通した為、アンシェルの怒りを買い、アンシェルの命を受けたソロモンによって1945年に殺害される。 続編のBLOOD#ではさらに、ディーヴァとポルマン文書を手土産に赤い盾に寝返ろうと画策したために殺害された事が明かされた。 ソロモン・ゴールドスミス 声 - 辻谷耕史 ディーヴァ側シュヴァリエの四男で、第一次世界大戦時のゴールドスミス家の出身。身長175cm前後。以前はアンシェルの弟(ゴールドスミス家の末弟)としてサンクフレシュ・ファルマシーのCEOを務めていたが、ディーヴァを裏切ると共に解任される。丁寧な口調に柔らかい物腰、更に類まれなる美貌ゆえか女性のファンが多い。フランスの片田舎の企業に過ぎなかったサンクフレシュを、CEOに就任してから僅か5年で世界企業にまで成長させた凄腕の経営者である。 翼手時は巨大な翼と剣状の腕が特徴的な姿となる。腕を変形させた剣の切れ味は凄まじく、通常時でも、翼手化したジェイムズの右腕を斬り落とす程である。 かつての本業は医師。ゴールドスミス家は第一次世界大戦の戦時景気で賑わっており、ソロモンは権力を拡大する事を意図した家族により軍に入隊するはずだったが、医学を学び、人を助ける道を志して家を出る。そんなソロモンに、当時彼の叔父と名乗っていたアンシェルは軍に入らずとも良いように計らい、勉学に務める環境を提供した。 第一次世界大戦末期にフランスで医師として働き始めた頃、アンシェルの城の地下でディーヴァと出会い、人間の業から逃れる為にシュヴァリエとなった。しかし、小夜や「赤い盾」といつ果てるとも知れない戦いを繰り広げ、人間以上の業の深さを見せるアンシェルに次第に反発するようになる。リセのダンスパーティで踊った少女が小夜とは知らず、その後カールと死闘する姿を見て運命を感じる。「動物園」を訪れた小夜に同族として共に生きるよう説得するが果たされなかった。小夜を守りたいと思うようになり、「赤い盾」本部襲撃の情報を事前にデヴィッドに漏らし、カールとの戦いに救援として駆け付け、コープスコーズを撤退させてクリスチーナ島の情報を教える。これはソロモンの裏切りを見越した上で仕掛けたアンシェルの罠だったが、ジェイムズの執念で核サイロに落下した小夜とカイをすんでのところで救出する。 小夜に対する愛を抑えられなくなり、40話でディーヴァやアンシェルに決別を宣言する。空軍基地で包囲された小夜を救出・拉致し求婚する。眠りの時期が近づいていた小夜が、種族維持の本能の高まりから、自分を受け入れるものと思っていた節があるが、結局は小夜の気持ちを崩すことは出来なかった。 46話では小夜に振られた事で自暴自棄になっていたが、ネイサンにディーヴァの子供を見せるために連行され、ネイサンに「お前のやっている事は無駄」と言われるも、小夜の願いを叶えるためディーヴァに切りかかる。しかし、返り討ちに遭い全身の血を抜き取られた上で、ネイサン宅の地下に囚われる。辱めを受けてもソロモンは小夜への想いを変えることなく、ネイサンの協力で逃亡する。ソロモンはジェイムズと戦闘している小夜の助けに向かい、彼女の援護をするが、ジェイムズに奪われた小夜の剣が左胸をかすめてしまう。戦いの後、その想いを感じた小夜とハジから血を越えて小夜のシュヴァリエとなったと認められるも、剣をかすめた所から結晶化が始まってしまい、小夜達と別れた後、路地裏でアンシェルに襲い掛かろうとした所で全身が結晶化して力尽きる。 裏切りが明らかになってからもディーヴァの寵愛は変わらず、アンシェルも最後までソロモンを憎みきれなかった。ディーヴァやアンシェルの意に添わぬシュヴァリエの粛正(シュヴァリエ殺し)を担当しており、暴走したカールの始末をアンシェルから命じられたが、兄弟愛は深く、カールのことを最後まで気に掛けていた。 名前の由来は、ロスチャイルド家のザーロモン・マイアー・フォン・ロートシルト。漫画版 性格が大きく異なり、翼手研究に余念が無く、冷酷非情である。アニメ版では温厚な性格をしていた彼の面影は一切ない。シャール(カール)を実験室モニター越しに「(シュヴァリエの)恥さらし」と罵ったり、更にシュヴァリエ化したリクを気絶させる為に全身を八つ裂きにしたり、それを阻んだ「赤い盾」のスタッフを殺害したりしている。これらの事を笑顔で遂行していたところから、ソロモンの笑顔の解釈はアニメ版のような温厚さを表すものではなく、彼の闇の一面を表すものであるとされている。後に「始祖翼手はその姉もしくは妹のシュヴァリエとしか子を残せない」という仮説を証明したいがために、小夜との遭遇で動揺していたディーヴァを無理矢理リクと交配させようとしたが、嫌がるディーヴァに頬を切られて激怒し、自らディーヴァのシュヴァリエの除名を希望した。また、自分に秘密裏でコープスコーズの製造を行なったアンシェルに復讐すべく、リクを奪還し、アンシェルと対立する形となった。その後リンカーン・センターにてアンシェルと対峙するも、アンシェルに、コープスコーズの爪の効果を利用した弾を撃たれて行動不能となる。その後ヴァンに助けられ、ディーヴァ側のシュヴァリエの中で唯一生き残った。小夜に求愛はしたが、恋している様子は窺えない。全てが終わった後は「自分は長く生き過ぎた」とヴァンに告げ、彼の実験(=シュヴァリエを殺す方法を見つける)に付き合うと語った。 カール・フェイオン 声 - 佐々木望 ディーヴァ側シュヴァリエの五男。身長175cm前後。アンシェルの台詞によるとモンゴロイドだが、カールというドイツ語名である。 小夜が潜入したベトナムの全寮制女学校「リセ・ドゥ・サンクフレシュ」の理事長(後に辞任)で、この学校に出没するファントムの正体でもある。また、サンクフレシュ製薬会社のベトナム支社担当もしている。 元々はベトナムからの留学生で医学を学んでいたが、第一次世界大戦末期頃、ソロモンより少し後に、シュヴァリエの人種適合性を知るためにアンシェルらによって無理矢理シュヴァリエとされ、度々人体実験を施されていた。ディーヴァの愛を求めたが得られず、次第に同じような孤独な境遇の小夜に執着するようになり、小夜に度々戦いを挑んだ。 ベトナム戦争時、暴走していた小夜に右腕を切り落とされた為、結晶化の進行していた切断部分を右腕ごと自ら引き千切っている。その後、右腕には義手を着けていたが、29話で復帰した時点では、シフと同様にツメを発射できる新たな腕を着けられていた。 序盤で小夜と対峙するが、敗れて行方不明となる。しかし29話にて復帰。31〜32話でディーヴァと共に「赤い盾」の本拠地であった豪華客船を強襲し、「赤い盾」を崩壊させる。その後も小夜を追い続けていたが、アンシェルから小夜抹殺の責任者から外されてしまう。カールはそれに反発し、37話で独断でコープスコーズ5体を持ち出して小夜達がいるグレイの家を襲撃。小夜と戦い、遂には自ら彼女の血を吸って無理心中を図ろうとしたが、ソロモンの妨害もあり、最期は小夜に彼女の体ごと串刺しにされ、血を流し込まれて結晶化し戦死した。 実験動物扱いのシュヴァリエであるにも関わらず、ディーヴァからアンシェル達と同じくらいの寵愛を受けていたことから、アンシェル達から快く思われておらず同格と扱われなかった。それだけに孤独感は強く、孤独な小夜に惹かれて執着したが、小夜が大切な人々を守ろうとするあまり孤独であろうとしていたことに最後まで気がつかなかった、とソロモンは説明している。 名前の由来はロスチャイルド家のカール・マイアー・フォン・ロートシルト。漫画版 大きく扱いが異なり、人種もベトナム人ではなくフランス系白人。外見は少年で蝶のフリをして人を惑わすという理由で蛾が嫌い。ベトナム戦争で右腕を失ったのは同じだが、ディーヴァを危険に晒した失態をアンシェルに咎められ、シュヴァリエから除名されてしまう。そして『シャール』(カールのフランス語形)という名を与えられ、実験体となる。なお、『シャール』という名を与えられたのはアンシェルの独断によるものであり、ディーヴァには除名された後に名を変えられた事を知られていなかった。シフのモーゼスがベースとなったアニメ版とは違い、漫画版ではシャールに施された実験結果を元にコープスコーズが作られる事となる。小夜の高校に米軍を率いて突入した上、小夜をベトナムに呼び出すためリクを誘拐した。ソロモンやアンシェルを嫌悪し、ヴァンを必要以上に信頼していたが、結局裏切られる。 捕らえたリクとの交流を通じて、人間を見下す心境にも多少迷いが起きていた。最期は、ベトナムでヴァンの銃撃からリクがシャールを庇った現場をリクを傷付けたと誤解した小夜に殺された。ディーヴァから特に強い寵愛を受けていた為、シャール死亡の旨を伝えられた彼女は激昂し多数の人間を殺害している。その特別な寵愛が、アンシェル等から疎まれる原因にもなっていた。 ジェイムズ・アイアンサイド 声 - 大川透 ディーヴァ側シュヴァリエの六男。身長180cm前後。アメリカ海軍の原子力空母の副艦長を勤める。階級は中佐。第二次世界大戦末期のベルリン陥落時に連合軍の一員として従軍、瀕死の重傷を負うが、アンシェルに助けられシュヴァリエとなる。しかし、それはネグロイドの被験体が欲しいという彼の思惑からだった。シュヴァリエの中で最も冷徹、堅物で融通の利かない性格。 翼手化時には野獣が怪物化したような、普通の翼手よりさらに凶暴な姿になる。「堅牢な要塞」と自賛する硬い表皮によって弾丸やナイフなどあらゆる攻撃を防ぎ、中指の突きと肩のトゲで攻撃する。シフの肉体を移植されてからはカールと同様ツメを発射できるようになり、伸縮自在のツメも操れるようになった。 幼い頃に母親を失い、絶望していた自分を助けてくれたディーヴァに宗教的忠誠心を感じていて、ディーヴァを『ママ』と呼び、ネイサンからは「マザコン」と揶揄される。肌身離さず身につけるロケットにはディーヴァと並んだ写真が入っており、ネイサンによく掠め取られていた。 物語後半、アンシェルの命で小夜抹殺の責任者となり、ディーヴァが公演を予定していたコベントガーデンで戦う。翼手化し、プロの軍人らしい冷徹な戦いぶりで小夜を追い詰め、とどめを刺そうとするが、「小夜にふさわしい死に場所じゃない、またにして」とネイサンに止められてしまう。当然ジェイムズは激怒するが、本性を見せたネイサンに「殺すぞ」と恫喝され、やむなく撤退した。 クリスチーナ島でプロモーションビデオの撮影を行なうディーヴァ護衛のため、上陸してきた小夜らと対峙。コープスコーズの陽動でシフ達の分断に成功するが、小夜側はカイの機転で戦況を立て直し、戦力を集中してジェイムズを圧倒。ハジに自慢の装甲を破られ、小夜にとどめを刺されそうになる。結晶化しながら小夜とカイもろともサイロ(核燃料廃棄坑)に落下するが、突如現れたソロモンに右腕、小夜に左腕と左足を切断され、1人でサイロに突き落とされた。 ネイサンに助けられた後は、シフ(厳密にはコープスコーズ)の肉体を移植され復活するが、移植された肉体が白人ベースだったため、体の色が斑になった異様な姿によりディーヴァの寵愛を失う。以後は狂気に走るようになり、小夜に協力して自分を醜い姿にしたシフに対する復讐を企み、モーゼスに「カイを殺して小夜を苦しめれば、ディーヴァの血を与えて助けてやる」と嘘をつき、卑劣な罠を仕掛ける。モーゼスがカイ襲撃に向かった後、残るカルマンに真相を話して精神的に追い詰めるが、カルマンがモーゼスを止めに行き、カイの暗殺は失敗する。 ネイサン宅に監禁されたソロモンに対し、ディーヴァや自分への裏切りを罵り殴打。小夜の首を突きつけてやると言い、独断で小夜襲撃に向かう。ニューヨークの「赤い盾」アジトを襲撃し、休眠期間近で力を発揮できない小夜を追い詰めるも、戦闘中にソーンが出現してしまい、ソロモンの救援で小夜が体勢を立て直されたこともあり、表皮が脆くなった所に彼女の刃を受け、戦死した。 名前の由来はロスチャイルド家のジャコブ・マイエール・ド・ロチルド(通称ジェイムズ)。漫画版 「赤い盾」本部を襲撃した際、ネイサンと共に小夜に挑むも、ディーヴァの歌を聞いて暴走した小夜に一瞬で一刀両断され戦死した。 ネイサン・マーラー 声 - 藤原啓治 ディーヴァ側シュヴァリエの七男。身長180cm前後。ニューヨーク・メトロポリタンオペラハウス(メット)のプロデューサー。歌姫としてのディーヴァのプロデュースを担当する。オカマ言葉や芝居じみた口調で話して軽薄を装いつつ、ディーヴァの「母親役」を演じている。しかし本性を露にした時はドスのきいた低い地声で話し、その威圧感は長兄であるアンシェルでさえ畏怖する程である。戦闘力も未知数で、翼手化したジェイムズの攻撃を人間の姿のまま、しかも片手で彼の腕を掴み上げて止める事ができた。翼手に満たされた世界を築くというアンシェルの野望に懐疑的または反対であり、アンシェルを除く他のシュヴァリエ達に理解を示し、それが狂気に駆られての行動やディーヴァへの離反であっても協力的で、ディーヴァの希望を叶え輝かせることに全身全霊をかけている。一方で小夜と正面から戦う意志は毛頭なく、常に傍観の立場を貫いていたりと、末弟でありながら底の知れない部分を持っている。 正体は小夜とディーヴァの母親SAYAのシュヴァリエ。小説版では、「何者か」が「本物の」ネイサンに擬態して入れ替わっていた可能性が示唆されていたが、真相は不明。小夜とディーヴァの最後の戦いでは、出産したディーヴァが確実に負けることを知っていながらその事を本人に話すことはせず、2人の女王の戦いを見届けた。 ディーヴァが斃れた後、自身はSAYAのシュヴァリエなので、その娘である小夜の血で結晶化しないことを利用し、小夜に自らの殺害を求め死を偽装。その後はヴァンが連行される場面にて、ヴァン達を糾弾する記者の中に彼が紛れている描写がある。しかし結局、彼の過去に関する確定的エピソードは描かれなかった。 戦闘能力は不明。人間の姿でさえ超音波を自在に操り、パワー・スピード共に翼手化したジェイムズを超えていることが伺えるが、本気を出すことはついになかった。 翼手化時には青紫のエイリアンのような頭部とカマキリのような腕を持つ翼手になる(わずかだが、SAYAに似ていた)。 名前の由来はロスチャイルド家のネイサン・メイアー・ロスチャイルド。漫画版 ディーヴァに全く相手にもされず、またディーヴァの非情さに動揺したりとアニメ版とは性格がかなり違う。更には小夜に激怒されて動揺したディーヴァに心臓を握り潰された挙句、内臓を引っ張り出されて瀕死の重傷を負い、散々な目に遭った。その後、ソロモンの手によって復活したものの、ジェイムズをあっさり見捨てたディーヴァに対しての不信や自身を引き裂かれたことからの恐怖心が拭えず、トラウマになる。最終決戦ではハジにトラウマを突かれ、ディーヴァを小夜の刀を使って殺害し、激怒した小夜に八つ裂きにされて死亡。その死体は小夜の血で結晶化していた。 BLOOD# 友人に騙され襲われかけた奏の前に現れ、彼女の窮地を救った。また、彼の口から自らの正体がSAYAのシュヴァリエであることが明言されている。 アレクセイ・ロマノフ 声 - 森川智之 歴史から消されたシュヴァリエ。そのため、何番目の兄弟かは不明。実在の人物がモデル。『BLOOD+ 〜双翼のバトル輪舞曲(ロンド)〜』に登場。 グレゴリーがシュヴァリエになった頃、ディーヴァのシュヴァリエとなったが、グレゴリー戦死の際に「ディーヴァを危険な目にあわせた」としてシュヴァリエから除名された。 ゲーム内では楊翔学園の理事長を務めている。更にD(デルタ)67に変わる薬としてE(イプシロン)88Vを開発し、それを手土産に再びシュヴァリエの座に返り咲こうとしていた。漫画版のアレクセイが少年の姿なのに対し、こちらは壮年の男性の姿をしている。 翼手化時は、飛行能力を得て口からの超音波により攻撃を加える。 会社の最上階で小夜とハジと戦う。小夜の投剣攻撃により敗れ戦死した。BLOOD+A 生まれつき血友病を患い病弱であり、自分を何かと気遣ってくれた姉アナスタシアに擬態したディーヴァに懐いていた。しかし、彼女に血を吸われ一時的に瀕死状態に陥る。その後、ディーヴァにグレゴリーの代わりとしてシュヴァリエにされた。小夜と対峙し、彼女に姉であるディーヴァ殺害を止めるよう訴えるが、その際「姉様を殺そうとする方こそ人殺しだ」と発言したことが小夜の逆鱗に触れ、惨殺されてしまう。容姿はゲーム版と極端に異なっており、やや天然パーマが入ったような髪の可愛らしい少年であった。 島村 耕一 声 - 郷田ほづみ ディーヴァのシュヴァリエだが、本人が名乗ったこととシュヴァリエとしての能力以外のシュヴァリエとしての詳細は不明。『BLOOD+ ONE NIGHT KISS』に登場。 翼手化時は、巨大な成虫のような姿になる。 普段はホームレス生活を送っている。青山とは知り合いの関係である。赤間カヲルを殺害し、シュヴァリエの擬態能力で赤間に成りすまし青山を撃った。後に青山に見破られ本性を現す。青山を戦闘不能まで追い込んだ後に駆け付けた小夜と交戦して敗れ戦死した。 ヴァン・アルジャーノ 声 - 諏訪部順一 D67の戦略担当官。身長180cm台前半。フランスのマルセイユ出身。五人兄弟の末っ子。 常にキャンディーを持ち歩き、梅味のキャンディーが好きな様子を見せる。話しながら口にふくむ事も多い。甘党という訳ではなく、コミュニケーションツールとして使用している。 幼少時は喘息持ちで兄弟からも苛められていた。そのような経緯から必死で努力し、大学まで進学する。 ソロモンの下で翼手研究に従事していたが、ソロモンから重要機密を教えてもらえない事に反発し、アンシェル直属の部下となる。ソロモンがディーヴァの下を去ると、その後任としてサンクフレシュ・アメリカのCEOに就任した。コリンズの教え子でもあり、彼とジュリアの引き抜きの際にも暗躍した。 しかし、彼はデルタ計画の真相を知らされておらず、結局はアンシェル達翼手側にその立場を利用されているだけの存在だった。全てが終わった後、グラント国防長官との癒着がスキャンダルとなり、特別調査委員会に連行された。漫画版 表向きはシャールに忠実で、扱いの上手い部下として働いていたが、その目的はシュヴァリエを殺す手段を見つけることにあり、シュヴァリエの実験データを採る為に従順な下僕を演じていただけで、最後には実験の総仕上げとして彼を殺そうとした。その実験結果を基にコープスコーズを作り上げた。なお、シャールに対して屈折した感情を持っており、それを象徴するかのように、コープスコーズの容姿をシャールと瓜二つにしたり、シャールと接する時だけは彼に割られたメガネに付け替えるなどしている。 アニメ版と違って、最後にも司直の手が伸びることなく、立場は安泰であり、ソロモンを助けて同行している。 アーチャー 声 - 遊佐浩二 ヴァンの側近。控えめだが、ヴァンに対する忠誠心は高い。 元はヤンバル自然環境保護センターの生き残りで、有能さを買ってヴァンが引き抜いた。以後ヴァンの下で活躍してきたが、その正体はグラントとサンクフレシュの癒着を探っていたCIAの調査官であった。物語終盤でディーヴァのコンサートで翼手化したブレッドに殺されかけるが、辛うじて生存した。 コリンズ・アイストン 声 - 梅津秀行 「赤い盾」副長官。身長150cm台後半。ジュリアの恩師でもあり、大学時代のヴァンも彼の講義を受けた事がある。 翼手研究の成果を発表するという名誉欲にかられて「赤い盾」を裏切る。しかし、ディーヴァ陣営でジュリアの能力が自らよりも高く評価された事に嫉妬し、ジュリアを謀殺しようとしたが、デヴィッドに阻まれ失敗。以後の消息は不明。 「赤い盾」のメンバーには珍しい妻子持ち。
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