育った環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 17:17 UTC 版)
家庭 “90後”の家庭では多くの伝統が打ち破られており、“90後”の両親自身もまた市場経済社会とともに育った世代でもある。それまでの中国的価値、伝統を捨てながら、成功のキャリアを求め豊かな生活を求め、成長する中国とともに生きた世代である。彼らの親は自由と独立を主張し、事業での成功と高品質な生活を追い求めている。その親たちの子供が“90後”であり、その為子供の教育さえお金につながりやすい側面を持っている。成功を求め多忙な日常を送る両親が直接子供に語りかける時間が減り、その教育は自ずと塾や祖父母に代わったのである。 教育 90後は、義務教育の中で「減負(負担を減らす教育)」や「素質教育(個性や人間性を重んじて育てる教育)」など、多くの教育改革を経験することになった。1997年から続く改革によって、ただ丸暗記するだけの教育システムから自ら考える西洋式へと変わり、“90後”が受ける教育方法は一世代前の中国人たちとは異なるものとなった。教育の産業化が進み、学校からのプレッシャー強まり、また様々な教育機関が生まれた。 そんな中、“90後”の親たちは自分たちが競争社会から強いプレッシャーを感じている為、子供たちが学校での教育だけでは今の競争社会では勝ち残っていけないと感じ、幼いころから家庭教師をつけ、教育指導書を駆使し専門的な教育を施す家庭は少なくない。幼いころからのプレッシャーによって多くの“90後”は聡明に、多才に、また趣味の幅を広げ、自分を重要視するようになった。しかしその一方で、学習に対する焦慮感、挫折に対する対応力の低下、強い嫉妬心、インターネット依存などの問題も生み出した。“90後”は自分に自信を持っているが、打たれ弱く、デリケート、そして少し利己的といった特性を持っている。 情報 情報社会となった今、インターネットの急速な発展とともに“90後”の生活に様々な情報がはびこるようになった。1999年、中国で約400万だったインターネット利用者が、2010年には約4億人に膨れ上がっている。中国青年研究中心の調査によると、7-15歳の中国人児童の70%以上が一度はインターネットを利用したことがあるとのことだ。今では都市部に住む半数以上の子供たちが家庭でインターネットを利用している。“90後”は“80後”と比べても、より幼いころからインターネットを利用しており(“80後”はその多くが大学時代から利用している)、その依存度も高い。調査によると、90%以上の大学生が毎日インターネットを利用しており、パソコンはすでに学生の必需品となっている。インターネットの持つ不確実性やインターネット上での付き合いの不安定性に“90後”の心は奪われ、現実社会での人とのかかわりを避けるようになった。また、彼らの現実社会での交際能力に影響を与え、無関心や自閉症の原因となっているとも分析されている。インターネットは彼らの人格や人生観の形成に悪影響を与えている場合もあると言われる。
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