肯定論者の主張とは? わかりやすく解説

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肯定論者の主張

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 09:57 UTC 版)

張作霖爆殺事件ソ連特務機関犯行説」の記事における「肯定論者の主張」の解説

中西輝政著書歴史書き換え始まった!』において、『文藝春秋1954年12月号に載った「私が張作霖爆殺した」(いわゆる河本告白記)が、河本義弟作家平野零児による口述筆記であり、平野戦前治安維持法何度警察捕まったとされる人物であると主張し事件に関する内容の「殆ど全部伝聞資料」であるとし、文藝春秋平野持ち込んだ原稿ではないことや、当時英国情報部も独自の調査ソ連犯人説を採用している事などを根拠ソ連関与肯定する主張をしている。 中西文藝春秋の『諸君!2006年6月号瀧澤一郎(元防衛大学校教授)らによる『あの戦争仕掛人誰だったのか!?』と題する座談会の中の「張作霖爆殺犯人ソ連諜報員か」との中で『日本側の史料として特に重要なのは、田中隆吉証言です。彼は東京裁判で「河本大佐計画実行された」などと検察証人として証言していますが、その根拠はすべて伝聞で、特にこの人物の背景もう一度掘り下げて調べる必要があります。またそれ以降出た数々の「河本大佐供述書」も、二十数年後中共作成したもので信憑性はずいぶん低い』と主張している。中西はまた事件当時英国陸軍情報部極東課が調査しソ連仕業だとの報告本国報告報告受けた英国政府日本政府関東軍仕業判断した事を知り念のため再調査した所、やはりソ連謀略であるとの結論出した主張している。また河本がやったと主張したのは「そういう洗脳工作によって河本大作本当に自分でやった」と信じていたのかも知れません」とソ連工作員洗脳されたと主張している。 この説を前述の「誰も知らなかった毛沢東」を根拠に「実証」されたものであると、田母神俊雄「真の近現代史観」懸賞論文第一回最優秀藤誠志賞受賞論文および著作田母神塾―これが誇りある日本の教科書だ』のなかで、爆破下方線路側からのものではないとの判断根拠ソ連コミンテルン陰謀説主張している。それによれば張作霖乗車していた客車破壊車両上部集中している事から、車両の走る線路路盤仕掛けた爆弾炸裂したのではなく、上から攻撃されたとし、客車の上部が破損しているが、客車足回り破損していない。よって状況が違うから関東軍関与はなかったと主張している。また加藤康男も『謎解き張作霖爆殺事件」』の中で当時写真を基に列車の上部が破壊し客室内部が焼損しているのに対し客車側面足回り破損しておらず、外部からの強い衝撃受けたにも関わらず殆ど脱線もしていないことに疑問呈している。 『正論2006年5月号によれば、この謀殺周到に計画されたものであり、日本軍特務機関がやったように見せかけたとしている。特別列車爆破されたとき、張作霖乗っていた車両の隣の客車にはソ連諜報員イワン・ヴィナロフ乗車しており、事件現場写真撮ったとしており、中西は『諸君!2006年6月号で『エイティンゴは、橋梁線路爆破ぐらいでは致命傷与えられないから、自分たちが爆破直接関係したと言って客車写真撮って、それを自分功績証拠として、その壊れた客車写真自分回顧録にわざわざ載せて、そして自分がやったんだとはっきり言っているんですね』と、写真ソ連工作員直接撮影したとしている。 前述田母神親交があり彼の歴史観影響与えたといわれている元谷外志雄は『日本東京裁判史観苦しんでいるのです。「日本侵略戦争始めた」という嘘の歴史を基に、中国韓国アメリカ日本いまだに貶めている』と述べている。プロホロフは、これにたいし「そうかもしれません。ただ、東から西への大規模な軍の移動というのは、ありませんでした強兵知られていた極東ソ連軍は、配備されたままでした」として、対日戦をせずに対独戦にソ連勝利できたという元谷の主張同意したほか、「東京裁判でも、日本人実行者命令者証言があり、関東軍犯行説定説化していったのです。しかし東京裁判でも、ニュールンベルグ裁判でも、ソ連自国国益のために、日本人を含む多く証人偽証をさせているのです。これらの裁判の証言信用していけません」としている。なお彼は物的証拠があるとすればロシア連邦大統領古文書保管所にあるはずだと主張」している。 瀧澤は、「日本犯行説」の根拠としてよく引用される河本大作の「手記」と立野信之小説昭和軍閥に関して疑問呈しており、「なぜ中国の歴史家たちが学術論文傍証小説引用するのか理解に苦しむ。」とし、立野宅には党員作家小林多喜二隠れており逮捕されたこともあるように、立野とは「プロレタリア作家であり、このような人物書いたものは「自虐史観」に囚われる可能性十分に考えられる」としている。また河本大作の手記が世に出ると「日本犯行説」を当然のものとして疑わない多く著者たちは、この「手記」をこぞって引用したが、しかしこれは河本自筆ではなく義弟作家平野零児が「私が河本口述を基にして筆録したもの」と主張しているものであり、本当に口述を基としているのかの証拠もなく信頼性が低いもので、また平野は「中共」の収容所から帰国した人物で「マインド・コントロール」が解けないまま、特殊目的持ってこの「手記」を記述したことも十分に考えられるとしている。そして著書GRU帝国』について「出版され間もない頃、筆者はたまたモスクワ本屋で見つけ、おもしろいので一気読み終えたとりわけ張作霖爆殺の「ソ連犯行説」は興味深く読んだが、情報出所明示されていないのが気になり、他の裏付け情報現れるのを待っていた。ところが、出版から五年以上たった今でも、なにも出てこないのである。ここが「ソ連犯行説」の最大弱みなのだ。この「新説」はロシア新聞や雑誌でも紹介されてはいるが、根拠となっているのはいつもコルパキヂ=プロホロフ説なのである。」と批判しつつ、一方でソ連犯行説」も「日本犯行説」も、現段階では決定的説得力欠けており、特に「日本犯行説」に数々捏造疑惑があるのに反して、「ソ連犯行説」は、あと一つ二つソ連側資料出てくれば決着し、これは時間の問題だとしている。

※この「肯定論者の主張」の解説は、「張作霖爆殺事件ソ連特務機関犯行説」の解説の一部です。
「肯定論者の主張」を含む「張作霖爆殺事件ソ連特務機関犯行説」の記事については、「張作霖爆殺事件ソ連特務機関犯行説」の概要を参照ください。

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