肯定論者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 00:13 UTC 版)
「セカンドチャンス (キリスト教)」の記事における「肯定論者」の解説
海外ではアメリカの神学者ジョエル・B・グリーン(フラー神学校)、イギリスの神学者ウィリアム・バークレー(グラスゴー大学)などが、イエスの十字架死のあとの「よみ降り」は「よみ」の死者への福音宣教であったとし、「セカンドチャンス」という言葉は使わないものの、死後の回心の機会を説いている。 ドイツやオランダ発祥のプロテスタント系の新使徒教会の教理問答には、こう記されている。「質問546:死者の救いを手助けすることは可能ですか? ー はい、主に祈り、未信者として死んだ人のためにとりなし、その救いを願うことはできます。彼らがイエスキリストを信じるよう祈ることはできます」 神学者ジェイムズ・ベイルビー(米国ベテル大学教授)も、死後の回心の機会を述べている。 ドナルド・G・ブルーシュ(米国デュブク神学校名誉教授)、ガブリエル・ファカー(米国アンドーバーニュートン神学校名誉教授)らは、「福音はすべての人に伝えられなければならず、死後にも福音は伝えられる」とする「死後宣教論」(Postmortem Evangelism)を提唱している。 ウクライナのヴァレリー・クゼフ(プリャゾフスキー州立工科大学教員)は論文で、地獄に関する伝統的理解の間違いを指摘し、セカンドチャンス論を支持している。 日本では、東京神学大学元学長の熊澤義宣や、同教授の加藤常昭も、イエスは十字架の死後「よみ」で福音宣教をしたとし、死後の回心の機会を説教集などで説いている。その後、大川従道牧師(大和カルバリーチャペル)は「セカンドチャンス」という言葉を使い、テレビ放送の聖日礼拝でこの内容を説いた。また一般向けの著書『永遠と復活』(幻冬舎 2020年)でも同内容を説いている。 月刊『レムナント』主筆牧師の久保有政は、「よみ」(ヘブル語シェオル、ギリシャ語ハデス)は「地獄」(ゲヘナ)とは異なるものであることを強調し、8つの聖句をあげて、「未信者の死後界である『よみ』にも神の恵みはあり、福音を聞き回心する機会が与えられる」とするセカンドチャンス論を展開した。そのセカンドチャンス論のウェブサイトは、海外無償ボランティアの手により、9か国以上の言語に翻訳された。 また佐藤 博(『西洋キリスト教という「宗教」の終焉』(幻冬舎)等の著者)は、『セカンドチャンス肯定論』(レムナント出版)を著し、セカンドチャンスは神の愛を全うするものであり、聖書的福音だと説いている。 ジェフリー・A・トランバウアーはその著『初期キリスト教における未信者の死後の救い』において、「初期キリスト教には、未信者の死後の救いのために祈った多くのキリスト者たちの記録がある」とし、多くの実例を述べている。
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