【ソ連軍】(それんぐん)
旧ソビエト連邦の正規軍。地上軍、海軍、空軍、防空軍、戦略ロケット軍で構成されていた。
全体的傾向として、安価だが西側より性能で劣る兵器を大量に配備すること、人命に対する意識が希薄であること(歩兵による人海戦術)などが挙げられる。
特に第二次世界大戦中はその傾向が顕著で、その直前のスターリンによる赤軍粛清により有能な将校の殆どが粛清され、戦争初期にはまともな指揮がとれる将校が存在しなかったことから有効な作戦を実行できず、敵に対し正面からの無謀な突撃を繰り返すという有様だった。
当然、地雷原や機銃陣地に兵士を突撃させ大量の犠牲の上制圧するなど日常茶飯事であり、しかも戦争初期は「銃は二人で一つだ。前の奴が倒れたら銃を拾って撃ち続けろ!」というほど物資が不足していた。
物資不足は後に連合国側からの援助により解消されるが、同国は第二次世界大戦において2000万人もの戦死者を出している。
冷戦期には社会主義勢力の頂点に君臨し、アメリカ軍に対抗し軍拡を続けていたが、経済力に不相応な軍拡だったため、ソビエト連邦を崩壊させた。
しかしその強大な軍事力は周辺国に影響を与えるには十分で、日本でも「自衛隊の育ての親」とも言われる程、長い間日本の安全保障に置いて重要な位置を占めていた。
また冷戦当時、東欧の共産主義国にはソ連軍部隊が駐留しており、現地で叛乱・暴動などが発生したら駐留先の国軍と共に鎮圧にあたるなど、ソ連の影響力を東欧諸国に植えつける道具としても使われた。
関連:赤軍 ロシア軍

ソビエト連邦軍
(ソ連軍 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/30 18:32 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2019年10月)
|
ソビエト社会主義共和国連邦軍 Вооружённые силы Союза Советских Социалистических Республик |
|
---|---|
![]() |
|
創設 | 1946年2月25日 |
再組織 | 1992年5月7日、ロシア連邦軍として再編成 |
解散 | 1991年12月26日(事実上解散)、1992年5月7日(ロシア連邦軍の設立により正式に解散) |
派生組織 | |
本部 | ソビエト連邦、モスクワ市 |
指揮官 | |
党書記長 (第一書記、筆頭書記) |
ヨシフ・スターリン ゲオルギー・マレンコフ ニキータ・フルシチョフ レオニード・ブレジネフ ユーリ・アンドロポフ コンスタンティン・チェルネンコ ミハイル・ゴルバチョフ |
ソビエト連邦 |
---|
![]() |
最高指導者 共産党書記長 |
レーニン · スターリン マレンコフ · フルシチョフ ブレジネフ · アンドロポフ チェルネンコ · ゴルバチョフ |
標章 |
ソビエト連邦の国旗 ソビエト連邦の国章 ソビエト連邦の国歌 鎌と槌 |
政治 |
ボリシェヴィキ · メンシェヴィキ ソビエト連邦共産党 ソビエト連邦の憲法· 最高会議 チェーカー · 国家政治保安部 ソ連国家保安委員会 |
軍事 |
赤軍 · ソビエト連邦軍 ソビエト連邦地上軍 · ソビエト連邦海軍 ソビエト連邦空軍 · ソビエト連邦防空軍 戦略ロケット軍 |
場所 |
モスクワ · レニングラード スターリングラード ·クレムリン · 赤の広場 |
イデオロギー |
共産主義 · 社会主義 マルクス・レーニン主義 スターリン主義 |
歴史 |
ロシア革命 ·ロシア内戦 ·大粛清· 独ソ不可侵条約· バルト諸国占領·冬戦争· 独ソ戦 ·冷戦 · 中ソ対立 · キューバ危機 ベトナム戦争 · 中ソ国境紛争 アフガニスタン紛争 · ペレストロイカ ·チェルノブイリ原子力発電所事故·マルタ会談 · 8月クーデター ソビエト連邦の崩壊 |
ソビエト社会主義共和国連邦軍(ソビエトしゃかいしゅぎきょうわこくれんぽうぐん、ロシア語:Вооружённые силы Союза Советских Социалистических Республик、略称:ВС СССР(ヴェーエスエスエスエスエル))は、ソビエト連邦(ソ連)が保有していた軍隊である。通常は略してソビエト連邦軍またはソ連軍と呼ばれる。ラテン文字でBC CCCPと書くのは誤り[1]。
歴史
前身である赤軍は、国軍ではなくソビエト連邦共産党の軍隊であった。第二次世界大戦終結後の1946年2月25日に、赤軍からソビエト連邦軍へと名称を変更し、名実ともにソビエト連邦の国軍となる。冷戦期には東側諸国に駐留することにより各国政府に軍事的圧力を加え続け、ハンガリー動乱・プラハの春では、軍事介入によって東欧の民主化を阻んだ。しかし1991年12月26日、ソ連崩壊により解散し、ロシア連邦軍を始めとする各国軍に分割された。衛星国への駐留軍は、ソビエト連邦の崩壊後に段階的に撤退し、1994年8月30日の旧東ドイツの駐屯地からの撤退を最後に東側諸国からの撤退が完了した。
軍事ドクトリン
マルクス・レーニン主義思想に基づく軍事ドクトリンがソ連軍の根底にある。1945年からスターリン主義の時代では、第二次世界大戦の戦訓が重視されていたが、1953年から1958年の移行期においては、核兵器開発に力を入れるようになり、核戦力と通常戦力を組み合わせたものになっていった。ソ連軍には陸海空軍の軍種別の戦略が策定されることはなく、統合的な戦略が策定される仕組みになっていた。
機構
ソ連の軍事組織は基本的に、地上軍(陸軍)、海軍、空軍、防空軍、戦略ロケット軍の五軍種から構成されるが、国家保安委員会、内務省にも準軍事組織・特殊部隊を編成して維持していた。ソ連軍の最高司令官はソビエト連邦共産党書記長であり、書記長は軍事だけでなく、経済などあらゆる政治的な権限を持っていた。党書記長は国防会議の議長も兼ねていた。
戦時では国防会議は中央軍事会議となり、ソ連軍の指揮監督を担当し、平時では軍事戦略を策定した。中央軍事会議を構成したのは党書記長、国防大臣、3人の第一国防次官、10人の国防次官、軍事科学局長、5軍種の各総司令官、民間防衛長官、鉄道建設長官、後方長官、装備担当国防次官、監察総監であったと考えられている。(民間防衛長官以下の6人は推考も含まれる)
中央軍事会議の下には参謀本部があり、5軍種は参謀本部を通じて国防大臣の指揮監督を受けていた。ソ連の参謀本部は10局をもっており、作戦、情報、編成・動員、軍事科学、通信、地誌、装備、暗号、軍事援助、ワルシャワ条約機構をそれぞれが担当していた。またこれに合わせて、政治本部、科学技術委員会、海軍担当次長で構成された。平時は中央軍事会議と国防大臣の指揮を受け、作戦の立案や軍事行動の調整の業務を行った。
参謀本部は、艦隊、防空管区、地上軍軍管区などの作戦部隊に指令を伝達した。作戦部隊は作戦行動については参謀本部の指揮下におかれて運用された。ソ連軍は伝統的な陸海空軍だけでなく戦略ロケット軍、国土防空軍が編成されており、特に戦略ロケット軍は核兵器やミサイルなどの兵器を保有していたことから重視されていた。
5軍種
軍事行政単位
ソ連軍は、16個軍管区(Военный округ)に分かれていた。

- モスクワ軍管区
- レニングラード軍管区
- 北カフカーズ軍管区
- 沿ヴォルガ軍管区
- ウラル軍管区
- シベリア軍管区
- バイカル軍管区
- 極東軍管区
- バルト軍管区
- 白ロシア軍管区
- 沿カルパチア軍管区
- キエフ軍管区
- オデッサ軍管区
- カフカス軍管区
- トルキスタン軍管区
- 中央アジア軍管区
軍事教育
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
戦歴
戦歴、特に非公式に参加したものは、「ベテランに関する」連邦法別表「ロシア連邦市民が参加した戦闘行動の国家、都市、領土及び実施期間のリスト」を参考にした。
公式に参加したもの
非公式に参加したもの
冷戦時代、ソ連は世界各国の共産主義政権、民族運動を支援するために極秘裏に軍事介入していた。アメリカ側も、戦争のエスカレーションを避けるために公式の場では言及しなかった。
括弧内の期間は、ソ連の介入期間であり、実際の戦争の期間とは異なる。
- 朝鮮戦争(1950年 - 1953年):中国領内の基地から。
- ベトナム戦争(1961年 - 1974年):ベトナム、ラオス。南シナ海でのSIGINT
- アルジェリア戦争(1962年 - 1964年)
- 北イエメン内戦(1962年 - 1963年)
- モザンビーク(1967年 - 1969年)
- 第三次中東戦争(1967年):シリア、エジプト
- カンボジア内戦(1970年)
- バングラデシュ(1972年 - 1973年):海軍のみ
- 第四次中東戦争(1973年):シリア、エジプト
- アンゴラ内戦(1975年 - 1979年)
- エチオピア(1977年 - 1979年)
- レバノン内戦(1982年)
- 血の日曜日事件 (リトアニア)(1991年)
脚注
関連項目
ソ連軍(KGBを含む)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 05:27 UTC 版)
「フルメタル・パニック!の登場人物」の記事における「ソ連軍(KGBを含む)」の解説
スミノフ 声 - 岸野一彦 ソ連国家保安委員会(KGB)所属。階級は大佐。『戦うボーイ・ミーツ・ガール』の冒頭、ハバロフスクにてウィスパードの少女(クダン・ミラ)を用いて実験を行っていた。 最終的にはTDD-1による巡航ミサイル攻撃で研究所を壊滅させられ、また、ガウルンによって党本部に無断で行っていた研究が発覚したため、ルビアンカに拘束された。 セルゲイ・ハバロフ 短編『極北からの声』に登場するキャラクター。 ソ連海軍所属。プロィエクト671RTM型(ヴィクターIII級)原子力潜水艦“K-224”艦長。階級は中佐。 40代半ばの大食漢で、気さくな性格をしている。カリーニンとは同郷のよしみでよく話す間柄だった。アフガニスタンに息子が出征しており、カリーニンからアフガニスタンの情勢を聞きたがっていた。 作中では北極海において秘密裏に情報収集任務に就いていたが、その際ムサシ航空のボーイング747が付近に墜落した事を察知し、救援に向かう決断をする(それによって宗介が救助された)。 しかし、帰港後に命令無視を問われて艦長職を解かれ、極東艦隊での勤務となったとされる(カリーニンはシベリアに移送されたと推測している)。その際はすべての責任を負い、クルーには一切咎がないと供述したという。 キリエンコ ソ連軍参謀本部情報総局(GRU)所属。階級は中佐。 レイスが北朝鮮のスパイ候補として、訓練のためにモスクワに渡っていた当時、教官を務めていた。その後、『せまるニック・オブ・タイム』内において、モスクワへの潜入にあたっていたレイスが負傷して警察に連行された際、取調べ担当官として再会。情報交換と引き換えに、レイスの釈放やアフガンの核ミサイル基地攻略作戦に必要な情報の提供、瀕死の重傷を負っていたクルツの救助、およびZy-98シャドウ(狙撃仕様)の貸出しなどの便宜を図った。 最終決戦後、米国の機密情報である宗介達の生存情報をレイスを通じて渡した。 クリヴェンコ 短編『極北からの声』に登場するキャラクター。 ソ連の特殊部隊"スペツナズ"副官。階級は中尉。カリーニンの部下。 オスキン 短編『極北からの声』に登場するキャラクター。 ソ連海軍所属。ヴィクター型原子力潜水艦(671RTM型潜水艦"シチューカ")“K-224”機関部クルー。階級は曹長。 スヴェルドロフスクの炭鉱夫の家の出身で、登山経験もある。また、頭が切れて観察力もある。 カリーニンと共に墜落現場に向かい、生存者の救援に当たっている。
※この「ソ連軍(KGBを含む)」の解説は、「フルメタル・パニック!の登場人物」の解説の一部です。
「ソ連軍(KGBを含む)」を含む「フルメタル・パニック!の登場人物」の記事については、「フルメタル・パニック!の登場人物」の概要を参照ください。
「ソ連軍」の例文・使い方・用例・文例
- ソ連軍のページへのリンク