主要な設定など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:48 UTC 版)
原作に準じた設定で記述する。 のらくろ(野良犬黒吉) 主人公。顎と手足以外は真っ黒で、大きい目が特徴。口のあたりにあるゴマ粒のようなものは口ではなくヒゲである。後述の通り雑種。「野良犬黒吉」(現在では戸籍名「のら山黒吉」ということになっている)を略して「のらくろ」と自称する。性格は明朗快活、マイペースでお調子者のところもあるが、孤児であることにコンプレックスを感じている。好物は豚饅頭や豆大福で、かなりの健啖家。蛙が大の苦手であり、少尉時に演習をしていた時に、蛙が見に来た為に、部下に追い払わせた。それを機に戦争になったが、部下が言う事を利かずに防毒面を着けずに進軍を開始して仕舞い、負けそうになった。自ら急を報告に行く途中で、敵の仕掛ける地雷を発見出来た為に、辛うじて勝てた時もあった。猛犬聯隊に入営した際は大喜びをし、将校(ブル大佐)用のサーベルを勝手に下げたりして、自分の姿を鏡に映して見たりしていた。しかし銃の持ち方が逆だったり、口の聞き方が雑だったりと、あまり軍犬(軍人)や軍での制度について詳しくは知らなかった。入営直後は何かとへま(ドジ)をやらかし、重営倉入りするなど懲罰を受けることもあったが、次第に頓知を効かせたり、器用さや度胸のよさを発揮して聯隊の勝利に貢献、トントン拍子に出世する。伍長の時、師団司令部へ当番に行き、師団長(中将)から「用が出来たら呼ぶから当番室で待っておれ。」と、云われて当番室で待って居る間に、剣舞を踊ったり、居眠りをして師団長(中将)から叱られて居た。その後師団長(中将)より猛犬聯隊の聯隊旗(軍旗)の図案を任され、自分の腕をモチーフに聯隊旗を意匠(デザイン)する。曹長の最後は師団長へ河童討伐の報告へ行くブル大佐のお供をして、師団指令部から五千円の俸給を先に持ち帰る様云われて、持ち帰る時に本を買いに行った隙に泥棒に俸給を盗まれたと思い、捕まえた泥棒を滅茶苦茶に殴った。曹長で入学した士官学校で、怪物を退治し校長(中将)に「特別の計らいをしたいもの、将校に相応しい」と言われ、士官学校を卒業し、それと同時に少尉に進級(モデルである帝国陸軍の少尉候補者制度に準拠)し、ハンブルと共に官舎支給を受けその隣に住む事となった。後に聯隊旗手や駐屯守備隊長を務める。のらくろが大尉に進級した時に、モール大尉が少佐に進級して第ニ大隊長になるために、第五中隊長を後任で受け持ち務め、「大」「日」「本」の三つの勲章を授与されたが、思うところあり退役。なお兵長を経ずに進級したのではないかという誤解を受けることが多いが、兵長は日中戦争の延長に伴い新設された階級であり、原作者はそれ以前の兵役経験者であることもあり、のらくろの世界では兵長という階級自体が存在しないので二階級特進説は誤りである。戦後は聨隊除隊後大陸に渡り、ここでも金山を掘り当てて成功を収める。大陸でブル金山に就職するが、テキサス大佐の作戦で負け戦を戦っていた猛犬聯隊から予備役召集を受け、ブルドッグ大佐と共に軍隊に戻るが、始めは「なんだ予備さんか」「適当にあしらおう」と、この時の所属していたせみの軍曹、デブ伍長、がら伍長、ぬけ伍長等から嘗めて懸かられる事になる。しかし、元からの部下であったデカの接し形や、のらくろの以前の様な働きで、次第に嘗められない様になっていった。終戦後に犬の国に帰国した後は、デブ伍長は助けてくれる様になっていた。のらくろは職を転々とした後喫茶店で珈琲の入れ方の修行をして、自分の店舗を開業しマスターとなって、軍隊務め時代から行きつけで、馴染みであった焼き鳥屋の娘のおぎんちゃんと恋愛結婚する。プロポーズの言葉は「ぼくのお嫁さんになるかい?」。場所は押し入れだった。後に息子をもうけることとなる(上記参照)。 ブル(ブルドック) 太った白いブルドッグ。「ブルドッグ」を略して「ブル」と自称する。猛犬聯隊の聯隊長、階級は大佐。威厳が漂うガンコ親父風の犬物で、また、時として感情に任せた行動に出ることがあるが、根はひょうきんなところもあり、情が深い。陸軍が好きな一人息子がいる。のらくろの才能を認め、よく重要な任務を命じるが、『のらくろ武勇談』で、のらくろが瀕死の重傷を負ったときは「今思えば、私がのらくろ中隊に無理な攻撃をさせたのが悪かった。とんだことをした」と猛反省しきりだった。のらくろにとっては厳格な聯隊長であるとともに父親代わりともいえる存在。のらくろが退役するとき、自分が大切にしていた宝刀の「興亜丸」を餞別に贈った。聯隊長の職を退いてから、大陸にて偶然のらくろと再会した。戦後は聨隊解散後ブル商事を興し社長に就任。従兄弟のテキサス大佐は後述の通り、士官学校の生徒隊長としてのらくろ達の恩師となり、その後に退役したブル聯隊長の後任にもなった。のらくろの息子時代には一時期漫画連隊を率いていたことがある。 モール忠太 テリア。猛犬聯隊第二大隊第五中隊長、階級は大尉、後に(のらくろ達の大尉進級と同時に)少佐に進級、大隊長(第二大隊)を務める。のらくろの上官で、ブル聯隊長と同様に、のらくろの良き理解者であり良き相談相手でもある。海軍の好きな一人息子がいる。平時は温厚な性格だが、ふざけた態度をとる者には手厳しい。のらくろも「うちの中隊長殿は話が分かる」と評しており、温情をかけてもらったことがある一方、演習中に抜け出して食事をしていた事、地震を恐れて樽をかぶった事、贅沢な飲食店に何度も出入りしていた事、自分の軍刀を落とし紛失した事、演習中に「回れ右」の号令を掛けてふざけた事、敵軍のゲリラ戦法に引っ掛かった事等に附いて叱責されていた。特に、のらくろが曹長の時に軍人(軍犬)の魂でもある軍刀を紛失した時は、鉄拳制裁の上「お前なんか軍人を辞めてしまえ!」と厳しく叱責した。しかし、『のらくろ武勇談』で、のらくろが豚軍の銃弾を受け瀕死の重傷を負った時には、涙を流しながら「どうぞ神様、私の命と代えてもよろしいですから、どうかのらくろの命をお助け下さい」と心優しい一面を見せる。のらくろを自分の息子の様に育て、かつ新兵の頃から厳しく指導したもう一犬の父親的存在である。体格は痩せており、ブル聯隊長と対照的な存在である。戦後の聯隊解散後(※猛犬軍の1聯隊である、ブル大佐の率いる猛犬聯隊と、同じ師団に所属しているであろう、飛行聯隊等の他聯隊や、今迄の上官である師団長の下に、他にも存在している筈の聯隊等の存廃は不明である。)には、議会の議員の選挙に出馬し、次点繰り上げ当選で市議会議員となる。戦後版で、フルネームが判明。尚、単行本版で、時たま1ページが入るフルカラーのページと、テレビアニメ版は体毛色が薄茶色になっていた。 デカ 黒い鼻の白い犬(犬種不明)。のらくろが軍曹時代に猛犬聯隊に二等兵として入営、のらくろの班に所属する。たい焼きが大好物。のんきで、頼りなさげなところもあるが、怪力の持ち主で体重も重く、ぶら下がって重みで鉄棒を曲げたり、太鼓を打って皮を叩き破ったことがある。また、追い払う時に銃の台尻で殴り飛ばし、蛙討伐での、蛙軍との開戦の引金を引いてしまったこともある。体が大きいので入営当初は駆け足が苦手で、入営最初の演習教練では着いて来る事が出来ず、「あぁ苦しい。もっとゆっくり駆けて下さい。」と弱音を吐いたりしていたが、のらくろが大尉進級、及び自らの伍長進級直後の山猿軍との戦争では、のらくろに負けない健脚を見せる迄になっていた。のらくろに負けず劣らずの健啖家で、のらくろが炊事長の時に、一度聯隊の昼食用に作っている筈の鶏の煮物を二犬で平らげた事も。のらくろがブル大佐のお供で、師団指令部へ行き、先に俸給を持ち帰るのを迎えに行く。のらくろが本を買いに行った間、たい焼き屋に寄り、たい焼きを包んだ風呂敷包みを泥棒に盗まれた。のらくろが俸給を盗まれたと思い、泥棒を捕まえて滅茶苦茶に殴った後、警察へ付きだすから歩け。と泥棒を歩かして居る時に追い付き、五千円盗られたじゃないかと言うのらくろに、五千円は此処にあります。と云い、泥棒に俺はたい焼きを盗まれた恨みがあると、最後に一殴りした。のらくろの副官的務めを果たすうちにたくましく成長して行き、彼の右腕となる。のらくろと違い両親が健在の上、兄弟姉妹迄居るという正反対の家族境遇。自分も負傷しているにもかかわらず、足を負傷したのらくろの軍馬代わりになったり、のらくろの為に命をかけて奮戦するなど絶対的な忠誠心を持つ。豚軍との戦争の功により、“猛犬”勲章を授与され軍曹に進級。のらくろの退役後には猛犬軍で飛行士になる。戦後の猛犬聨隊解散後プロレスラーとなり、職を転々とするのらくろを大いに助ける。軍隊では標準語だったが、軍隊を辞めてからは、軍隊言葉でなかったらお国言葉でしか話せないということで、何時までも軍隊言葉で話すので、「もう軍隊の言葉で話さ無くて良い」と言われても直さないので、「別に恥ずかしい事では無い」と言われて九州弁、あるいは東北弁が入った話し方になっている。テレビアニメ版では最初からお国言葉でのらくろと同階級。 ハンブル ブルドッグと別の犬種とのハーフで、半分ブルドッグに似ているので「ハンブル」である。士官学校で出会ったのらくろの一番の親友となった。『のらくろ伍長』の「のらくろ突進隊」の巻で、ゴリラとの戦争で聯隊長のブル大佐から斥候に行く様に命令を受ける、他の中隊の上等兵として初登場。ゴリラ戦役後一時は旅団司令部に配属していた。のらくろと一緒に軍曹で士官学校に入学し、(※連載版では怪獣の退治をのらくろと行った事で、のらくろと共に先に卒業を果たしている。)卒業、入学前の軍曹の時には、旅団司令部に配置されていたが、聯隊に復帰時にはのらくろと同じ第五中隊に配属となる。のらくろとともに活躍する機会が多いので、のらくろが出世すると大抵ハンブルも出世する。卒業時に、軍曹から少尉への進級をしている。また、のらくろの官舎の隣の官舎を支給された。ちょっとのんびり屋(拳銃で魚釣りをして、失敗している)だが、勇猛さや智謀ではのらくろに決して劣らない。戦後は聨隊解散後探偵事務所を開く。 バクダン(爆弾) どんぐり眼が特徴で垂れ耳の軍曹。(犬種はビーグルの様な顔付き)「爆弾」を片仮名表記して「バクダン」と自称する。士官学校でのらくろやハンブルと出会い、以来親友になる。口が達者で、士官学校時代はのらくろと口論になることもあったが、仲間に対する頼み事や話し方が上手(爆弾に「熊が攻めてきたので当番を代わってくれ」と言って目的をばらしてしまったハンブルの前で、目的を気づかれないように鉢巻を説得した)。力が強く、時に工兵としても活躍する。他の部隊から来たが、卒業後には、猛犬聯隊の第五中隊に配属される。士官学校の6人の中ではのらくろ、ハンブル、爆弾の3犬がモール大尉が隊長として率いる第五中隊において、小隊長としてその後の物語でも活躍する。後に、のらくろ,ハンブルや、他の中隊に配属された,トンガリ,鉢巻,カメと一緒に大尉に進級し、それぞれ中隊長の勤務に就く。のらくろが第五中隊に配属された。戦後は不動産屋を始め、大通りに店を持つこととなった。 はちまき(鉢巻) 立ち上がった耳の先端が折れ曲がった軍曹。(犬種は秋田犬の様な種類、わさお君と同種の様)「鉢巻」を平仮名表記して「はちまき」と自称する。そこによく自前の手拭を巻いている(基本的に軍務関係のときはしていなかったが、豚京城を攻略したときや恐竜退治の時は一時的に着けている)。のらくろたちと同時に士官学校に入学し、親友になる。豚軍との戦争中に工兵部隊を引き連れ、河川に架橋した。自叙伝によれば頭が良いらしい。のらくろやハンブルと一緒に出世(※単行本版。連載版では、のらくろとハンブルが先に卒業をしている。)する。名前が片仮名書きされることもある。戦後は聨隊解散後手先の器用さを活かすために板前の修業をし、後に料亭を開店した。 トンガリ 耳が真っすぐとんがって(※日本犬;白い柴犬の様な種類)いる軍曹。のらくろが伍長の時に、第三中隊に所属をしていた伍長として初登場し、剣道大会で勝ち進んで来た。決勝戦でのらくろと対戦し、蜂に刺されそうになったのらくろが、蜂から逃げながら討った手に敗北した。のらくろたちと同時に士官学校に入学・卒業(※単行本版。連載版ではのらくろとハンブルが先に卒業をしている。)した親友の一人。自ら発言することは少ないものの、頼れる親友でもある。戦後は生命保険の会社などいくつかのブローカーをしている。軍隊では標準語だったが、軍隊を辞てからは、関西弁が入った話し方になっている。 カメ(メガネ) のらくろたちと同時に士官学校に入学・卒業(※単行本版。連載版ではのらくろとハンブルが先に卒業をしている。)した親友の一犬。軍曹。6人の中では『のらくろ小隊長』では活躍していたが、後の作品では影が若干薄くなってしまった。しかし、ちゃんと『のらくろ総攻撃』のときなどは戦っている様子も見られた。また、揃っての進級時には必ず顔を見せる他、のらくろ達への新型兵器の考案をする様に言われた時にも出てきている。垂耳で顔に特徴がないため階級章を見ないと他のモブキャラ的な犬たちと区別しにくい。また、守備隊長の那智大尉とよく似た姿形でもある。戦後は聨隊解散後メガネをかけて名前(愛称)もメガネと改名(本名は、カメである)、小学校の教師となった。 破片 小さな、ぶち模様のチン。のらくろが大尉時代に猛犬聯隊に二等兵として入営(『のらくろ武勇談』で初登場)。入営時、身長は辛うじて合格域だったが、あまりの軽さに不合格となった。そこで、のらくろとデカの弁当を勝手に食べて体重を水増しし、再検査で合格した。瓦斯マスクが窓際に置かれているのを見て、「ややっ!怪物。怪物覚悟しろ!やあっ!」っと窓を叩き割って叱られたり、あわてんぼうでそそっかしいところは、入営直後ののらくろを思わせる。手先が器用なところと頭の回転の速さはのらくろも認めている。のらくろの勇猛さはデカに、機転が利くところは破片に受け継がれたようである。"破片"との渾名は破片のように小さい体格であったことから名付けられた(当初はチビスケなどと呼ばれていた)。豚軍との戦争の功により一等兵に進級した。連載版では後期のキーパーソンだが、性格、行動がのらくろと類似した主人公型のキャラクターであるためか、戦後版は未登場。なお当時のらくろは守備隊駐屯地にいたので他の部下共々詰所暮らしであり、ここで破片はのらくろからライフハックなどを教わっているので、彼にとってはのらくろは上官であると共に犬生(人生)の師匠でもある。のらくろに除隊(予備役)許可の書状が着いた時に見付け「大変だ大尉殿がお辞めになる」と泣いていた。 穂高 猛犬聯隊第二大隊長、少佐。モール大尉の上官。外見はカメと変わりないが額に皺がある。『のらくろ総攻撃』で後にも先にも1度しか登場していないが、豚軍との戦争の時敵地の偵察に第五中隊からのらくろ中尉を指名し、斥候司令を出す。「のらくろ中尉に行ってもらえば確かだ」と絶大な信頼を寄せる。 那智 猛犬聯隊第三大隊第十一中隊長・大尉。『のらくろ総攻撃』で羊の国や豚の国を熊の国から守る猛犬守備隊の隊長として派遣(豚勝将軍からの依頼)される。垂れ耳の白犬で、姿形はカメと酷似であり、階級章等で将校である事を見分けないと、大勢の兵卒者のモブキャラクターと見分けが付かない。熊閣下にそそのかされた豚勝将軍が軍を率いて守備隊に夜襲を仕掛けるが、守備隊が難無く撃退する。豚勝将軍からいじめられていた羊の国は独立国となったが、犬の国に盗られたと思い、逆恨みした豚勝将軍が再び熊の国から武器の援助を受け、守備隊に対して繰り返しの不法襲撃を重ねるため、本国の猛犬聯隊本部へ援軍を要請する。のちに敵地道路の偵察中だったのらくろ中尉から本隊到着の連絡を受ける。 テキサス 猛犬士官学校生徒隊長兼教官。ブル聯隊長の従兄弟のブルドッグ。階級はブル大佐と同じく大佐。尾が長く額の皺が印象的。のらくろ曹長他5名の軍曹(ハンブル、爆弾、鉢巻、トンガリ、カメ)に対し、全員予科練の服装になるように命じる(※単行本版でのらくろ以外は軍曹だが、曹長と軍曹ではそれぞれ軍刀と銃剣で扱う剣が違い公平に教育しにくいため、最初はのらくろにも同じ軍曹として共に教育を受けるように命じた。のちの小隊教練では曹長に戻し、小隊長の任務を命じた)。これらの候補者を将校にするための教育や実戦などを行う(※単行本版では、在学中に何回となくドジを踏み重ねるのらくろに「貴様は馬鹿のようで、利口なようで、利口なようで、馬鹿のようで、一体どっちが本当なのだ?」と呆れる事もあった)。連載版では怪物を退治した2犬に「特別の計らいをしたいものだ」と、のらくろとハンブルの卒業を認める校長閣下(階級;中将)が、卒業時に卒業証書を渡している。(単行本では漫画猛犬軍監督(田河水泡)より承認了解を得て、候補者たちを将校(少尉)に進級させた)。テキサス大佐の上官である校長閣下は2駒のみの登場。この時のみ敬語を使う姿が見られた。テキサス大佐は、教官としては優秀な犬物であるが、実戦に不慣れな点が仇となり、山猿との戦いで現地視察無しの無謀な作戦を立案したために大敗し、予備役のブル予備大佐とのらくろ予備大尉に召集令が下ることになる。 師団長 中将。セントバーナード。のらくろ以外では非常に珍しい有色(非白色)の大型犬種。ブル聯隊長の上官。将官である為、ブル聯隊長以下は「師団長閣下」と呼び、部下が多く滅多に敬語は使わないブル大佐が、師団長に対して敬語を使用しているのを見ることができる。本名は不明。体が大変大きい。のらくろが一等兵(少年倶楽部版では一等卒)時代に開かれた軍旗祭で、各隊員の展示物を巡っていったが、のらくろが製作した師団長によく似たびっくり箱に脅き逃げ出してしまった(もちろんのらくろはブル聯隊長に怒られた)。その後、のらくろが師団司令部の当番で来た時(出掛けて行く時に「師団長は大きいから怒られると怖いなぁ」と呟いているのが見られる。)に、猛犬連隊の軍旗の意匠の製作を依頼する。有色の犬は、少なくとも破片、のらくろが上等兵時に胃拡張で入院時に緋鯉を食べて腹痛を起こした事件の相棒、ヤケ大尉、赤城大尉、剣大尉などもいる(さらに単行本版で極く稀に1駒位が入る、フルカラーのページと、カラー版テレビアニメではモール大尉(中隊長)も茶系の体毛の有色種である)。 士官学校校長 中将。少年倶楽部の付録本にカラー印刷で執筆された(のらくろ漫画全集、のらくろ漫画集文庫の2巻にモノクロで復刻)、“のらくろ士官学校”の最後方の全171駒中の169駒と170駒の2駒のみの登場。小さな垂れ耳で、目が三角で小さく、口先が黒っぽい長い毛並みがある(犬種不明)。テキサス大佐の上官。師団長と共に将官である為、テキサス生徒隊長から校長閣下と呼ばれる。単行本の“のらくろ小隊長”の元になるが、単行本は全員で退治し、校長閣下の代わりに作者が登場する。連載付録版では、恐竜の退治はのらくろとハンブルが仕留めて、テキサス生徒隊長と共に「優秀な働きで、二人は特別の計らいをしたいものだ」と、卒業証書を渡し、その他のカメ、バクダン、はちまき、トンガリから「うまくやったな」といわれ、少尉として卒業させた。 多摩 少尉。守備隊の時に配属されてくる。のらくろ大尉から迎えられ食事が用意されていたが、デカ伍長が間違えて、違う部隊の少尉を呼んでしまい、待ちぼうけを喰らった。 嵐山 准尉。前述の多摩と共に、守備隊の時に配属されてくる。のらくろ大尉から迎えられ食事が用意されていたが、デカ伍長が間違えて違う部隊の准尉を呼んでしまい、多摩共々、待ちぼうけを喰らった。 せみの 戦後連載版で、登場。軍曹。第五中隊所属。のらくろが予備役召集で猛犬聯隊に予備役大尉として第五中隊の中隊長として出会った。のらくろを予備役大尉であることで、嘗めて掛かって来た。しかし、予備役となる前と同じ様な働きを見るに付け次第に嘗めて掛かるのを止めている。 ぬけ 戦後連載版で登場した。伍長。第五中隊所属。のらくろが予備役大尉として第五中隊の中隊長として着任した時に出会った。予備役大尉ののらくろを、予備さんか適当にあしらおうと、嘗めて掛かって来た。 デブ 戦後連載版で登場。伍長。第五中隊所属で、太っている部下。演習等ではサボる事ばかり考えている。注意しても、のらくろを嘗めて掛かっているので、言う事を聞かない。注意をすると直ぐに「私て、ええ処のボンボンやで。其の様な事はよう出来んわ」と言って動こうとしないのが常であった。しかし、のらくろの態度を見ているうちに、次第に嘗めて掛かるのを止めている。 がら 戦後連載版に登場。伍長。第五中隊所属の部下であるが、予備役大尉ののらくろを、せみの軍曹等と共に嘗めて掛かっていた。後には、のらくろの態度を見て嘗めて掛かるのを止めている。 やせポチ 二等卒。耳は尖っていて目がのらくろと似て大きく、体は小さめな白い犬。のらくろが二等卒時代の戦友で、演習で斥候にのらくろと行くが、敵の中隊に捕まる。 ジャン公 二等卒。呼称はジャン公二等卒で、小さめで耳の垂れた白い犬(犬種はビーグルの様である)。ゲストにも出る“目玉のチビちゃん”から出てきた。1931年の「のらくろニ等卒」の第5話へ登場した。のらくろとやせポチが演習中に戻って来ない為に、中隊長から見てくる様に云われて、捕虜になっていたのらくろとやせポチを救出した。 山猿軍、ゴリラ軍山猿大将。チンパンジー軍チンパンジー大将。かえるの国、かえる大将。豚の国、豚勝将軍(大将)。かっぱ大王。熊の国、熊(大将)閣下。 猛犬聯隊と戦う敵たち。 山猿の国)特に山猿軍とは何度も戦闘を繰り返し、それも山猿軍が一方的に攻撃を仕掛けているのだが連戦連敗となっている。何度戦っても勝てないので自軍の兵卒にさえ「我ながら愛想が尽きた」などと言われる有様だった。ゴリラの国)ゴリラ軍は山猿に頼まれて猛犬連隊を攻撃した。兵器や数では猛犬連隊に勝っていることも多いが、のらくろたちの活躍により、最後には敗北を喫する。最終的に山猿とは国境線付近を互いに非武装地帯化したのではないかと思われる講和条件で戦争を停止させている。チンパンジーの国)ブル大佐がデカ二等兵に刀を研がせたが、チンパンジーは刀を研ぎ終えたデカ二等兵から強奪し、大将に渡され「欲しけりゃ力で取りに来いとブルへ言え」と言われ戦闘になった。カエルの国)カエルはのらくろ小隊が、演習をしている処を、勝手に見学して、のらくろが代わりに話しを聞けと言われたデカ二等兵等が、銃の台尻で叩いたり、蹴飛ばした事で、戦闘になった。河童)河童大王とは行軍演習が行われている最中、豪雨に出会い帰軍の途中の川で、橋が流失しているので、修繕を始めると、出てきて橋を壊し始め、様子を見に行ったデカ二等兵が捕虜にされた為に、聯隊長共々聯隊が出動し、川を干す作戦で負け戦をした。熊の国)熊は始め猛犬軍の弾薬庫から武器弾薬を窃盗し、戦闘で負けると、豚軍の豚勝将軍(大将)を「豚の方が強いさ!戦闘を開始するなら、武器弾薬を提供するよ」と唆し、羊の国等を植民地にしていたのを、追い出され犬軍に敵意を抱いていた豚勝将軍に、開戦をさせた。 山羊、羊、豚。 大陸に棲み、それぞれ国家を持つ。羊の国等は始めは、豚の国の植民地にされていた。 豚の国)熊の国の熊閣下に唆された豚勝将軍が、猛犬守備隊に夜襲を掛けた事で、羊の国等は独立したが、豚勝将軍は猛犬軍が奪ったと判断し、守備隊長に意見を言われた時に「それなら、羊の国をこちらへ返すあるか」と言っていた。又は、今回の戦争が起きた理由を知っている者と聞かれた豚軍の兵士は「私知っている。羊の国を取り返す為。犬の国は悪い国」と言っていた。犬は日本内地と朝鮮、豚は支那(中国漢民族)、熊はソ連の(ロシア人)、羊は満州、山羊は蒙古を暗示させる地域に棲む。これらは当時の国際情勢と日本の外交政策を反映している。但し設定上はあくまで架空世界の話であり、当時の実在の国の実像とは必ずしも合致しない。のらくろが大陸にいた頃は親友になった者(犬の金剛、豚の包、山羊の汗、羊の蘭)もおり、一緒に金山の会社を興す。 ゲスト出演的なことが多いが人も適宜登場する。警官や荒間凄右衛門など。上記の通り作者の田河水泡自身も登場した。 単行本の表紙などには田河のトレードマークである後ろ足の生えたオタマジャクシのサインが描かれる。このサインは年を経るごとに少しずつ変化し晩年には蛙の姿となった この他、田河の他作品からも次のキャラが参加(カメオ出演)している チビちゃん 「目玉のチビちゃん」の主人公である冒険少年。単行本「のらくろ武勇伝」で他の田河キャラと共に飛行機で大陸へ赴き、土古豚城陥落の提灯行列メンバーとなる。一緒に出るジャン公と名付けた垂れ耳の白い犬はジャン公ニ等卒としてのらくろがニ等卒時代に一緒に演習に出ていた。 凸凹黒兵衛 「凸凹黒兵衛」の主人公であるオスのウサギで、「凸凹医院」の息子。両親が白ウサギであるのに対し、自分はのらくろ同様の黒い体。原作では「のらくろ大陸行」でのらくろが大陸へ行く前に住んでいたアパートの住人として登場、その後「のらくろ出発」では白ちゃん・八ちゃんと共に大陸へ行くのらくろを見送る。また単行本では「のらくろ総攻撃」で他の田河キャラと共に大陸へ赴く猛犬連隊を見送り、白ちゃんと共にのらくろを励ます。「武勇伝」では白ちゃん・マメゾウと「わらわし隊」を結成して慰問に現れ、そして行列にも加わった。 白ちゃん 「凸凹黒兵衛」から参加。黒兵衛のガールフレンドであるメスの白ウサギ。「出発」と「総攻撃」・「武勇伝」で黒兵衛と共に登場。 八ちゃん 「蛸の八ちゃん」の主人公であるタコ。海底に住んでいたが人間に興味を持ち、人間社会に来ると田河水泡から服をもらって人間になり生活をしている。原作では「大陸行」と「出発」に登場、単行本では「総攻撃」から「武勇伝」まで登場し、連隊の見送りや慰問を行った。 小蛸 「蛸の八ちゃん」から参加した、文字通り小さなタコ。八ちゃんを追って人間社会にやってきて生活している。「総攻撃」から「武勇伝」まで八ちゃんと共に慰問を行った。 スタコラサッチャン 「スタコラサッチャン」(後に「ラッキーサッチャン」→「サッチャンとモンチャン」)の主人公である女学生。「武勇伝」で大陸にやって来て、提灯行列メンバーになる。 マメゾウ 「マメゾウ」の主人公であるオスの子ゾウ。「総攻撃」ではハンブルにバナナを贈り、「武勇伝」で黒兵衛・白ちゃん共に大陸に来る。 フサキチ 「マメゾウ」から参加。マメゾウの父でバナナ屋を経営。「武勇伝」でマメゾウの祖父・チイ子と共に大陸に来る。 チイ子 「マメゾウ」から参加。マメゾウのガールフレンドであるメスの子ゾウ。「武勇伝」で大陸に来てマメゾウと出会う。 窓野雪夫 「窓野雪夫さん」(第1話のみ「窓野雪夫君」、後に「雪夫さんと七曜組)の主人公である漫画家。田河水泡の家に住み込んで漫画の勉強をし、後に大陸へ行く。「総攻撃」と「武勇伝」に登場、「総攻撃」ではブル聯隊長と会話し、「武勇伝」では提灯行列の指揮を担当した。 七曜組 「雪夫さんと七曜組」から参加。大陸で雪夫と共に働く少女たちで、日代・月代・火の子・水江・木の子・お金ちゃん・土子ちゃんの7人からなる。「武勇伝」で提灯行列の整理係を担当。 平気の平左衛門 「平気の平左衛門」の主人公にして、その次作「平気の平助」の準主人公。武士だが気合術が得意。「総攻撃」でデカに千本針を贈り、「武勇伝」では平助と共に大陸に来る。 平気の平助 「平気の平助」の主人公。平左衛門の息子である少年剣士。「武勇伝」に登場。 ご隠居 「愉快なご隠居」の主人公である白髭の老人。「武勇伝」で他の田河キャラと共に大陸へ来る。
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