後の作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:02 UTC 版)
「ウィリアム・スタイロン」の記事における「後の作品」の解説
スタイロンの次の作品『ソフィーの選択』(1979年)は、『ナット・ターナーの告白』で得た熱烈な支援にはほとんど合わない内容であった。スタイロンはホロコーストの非ユダヤ人被害者について書くことで、これはこれでやや小さな議論を呼んだ。小説の内容はポーランドのカトリック教徒でアウシュヴィッツの生き残りであるソフィー、その愛人で才気あふれるが危険なところのあるユダヤ人ネイサン、ソフィーに憧れる若者スティンゴを絡めた話を描き、1980年の全米図書賞を受けたうえに全米でベストセラーになった。1982年の映画『ソフィーの選択』はアカデミー賞の5部門でノミネートされ、ソフィーを演じたメリル・ストリープが主演女優賞を獲得した。 1985年にはフランスの「プリ・モンディアル・キノ・デル・デュカ賞」を受賞した。この年スタイロンは深刻な鬱病となり、その経験を1990年に自叙伝『見える暗闇』に著した。これは狂気に落ち込む様子を内面から描くことができたものであった。スタイロンの小説『シャデラク』は1998年に同じ題で映画になり、スタイロンの娘スザンナ・スタイロンが助監督を務めた。スタイロンの他の2人の娘も芸術家であり、パオラは国際的に評価される現代舞踊家、アレクサンドラは『すべてが有能な女達』(All The Finest Girls、2001年)を書いた小説家である。スタイロンの息子、トマスはイェール大学の臨床心理学教授である。 スタイロンの他の作品では、戯曲『イン・ザ・クラップ・シャック』(In the Clap Shack、1973年)およびノンフィクション短編集『この静かな埃』(This Quiet Dust、1982年)がある。 スタイロンは2006年11月1日、マーサズ・ヴィニヤードにおいて肺炎で死んだ。81歳。
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