ノンフィクション
ノンフィクション(non-fiction)とは、過去に現実にあった出来事(事実)に基づく物語として制作された作品(コンテンツ)、および、作品ジャンルのことである。
ノンフィクションの語源
ノンフィクション(non-fiction)は、接頭辞 non- と fiction で構成される語であり、「フィクション-ではない」という意味である。フィクション(fiction)は「創造」「創作」「虚構」「作り話」という意味。空想の産物である架空の物語のことである。つまり、ノンフィクションは「虚構ではない」「作り話ではない」という言い方で「事実を扱っている」と表現した語である。ノンフィクションが扱われるジャンル
フィクションやノンフィクションという区分は、事実に立脚した創作が可能である創作分野において用いられる。基本的には文芸・文学作品に関する用語である。加えて映画・ドラマといった映像作品の分野でもフィクション・ノンフィクションという区分はよく用いられる。音楽・絵画・彫刻などの分野では、この区分が用いられることはほぼないといってよい。
文芸の分野において、ノンフィクション(およびフィクション)という区分は、散文作品であることを半ば前提とする。詩歌のような韻文作品がフィクション・ノンフィクションという区分で扱われることは基本的にないといってよい。
ノンフィクションの用例
- ノンフィクション作品
- ノンフィクション作家
- ノンフィクション賞
ノンフィクションの類語
ノンフィクションと同じく「事実に基づいて書かれた物語」という意味で用いられる表現は他にもいくつかある。たとえば歴史書、あるいは伝記、旅行記、体験記、日記、歴史文学、ルポルタージュ、といった言葉は「事実に基づいて書かれた物語」という点において相通じる。これらの言葉は全て「ノンフィクション」にも該当する、といえる。言い換えれば、ノンフィクションは歴史書やルポルタージュなどの区分を包含する上位概念であるといえる。なお「ドキュメンタリー」は特に映像作品について用いられることが多く、「ルポルタージュ」はジャーナリズムの文脈において(ジャーナリストが現地取材を通じて得た情報を報告する文書という意味で)用いられることが多い。
「実話」「記録」「史実」といった言葉は「ノンフィクション」と同じ文脈でよく用いられるが、いずれも事象・事実・ストーリーそのものを指す意味合いが強く、作品区分としての「ノンフィクション」を代替する表現ではない。
ノンフィクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 02:59 UTC 版)
ノンフィクション(英: non-fiction)とは、史実や記録に基づいた文章や映像などの作品。また、その形態。ドキュメンタリーやインタビューなど多肢にわたる。
意義
ノンフィクションは本来はフィクション以外の書籍のジャンル全般をいう一般名詞であった[1]。ノンフィクションの語が使われるようになったのは20世紀の初めとされ、最初は雑誌がベストセラーを発表する際にフィクションとノンフィクションに二分したもので出版業界用語であった[1]。
ノンフィクションは特にルポルタージュや調査報道作品を指すジャンル名として用いられるようになっている[1]。
日本では筑摩書房が1960年4月から月刊で刊行を始めた全50巻の『世界ノンフィクション全集』によって消極的な定義で捉えられていた「ノンフィクション」が具体的なものになっていったと指摘されている[1]。作家の余技としてでなく、ノンフィクション・ライターが登場するようになったのは1960年代から1970年代にかけてである。雑誌社系の週刊誌の登場で、チーム取材による特集記事が需要が生まれ、文学者の余技ではない無名のライターによるノンフィクションの記事が成立した[2]。
武田徹は2020年の著書で、比較的客観報道に近い部類を「ルポルタージュ」、アメリカ合衆国のニュー・ジャーナリズムの影響を受けて物語性を強くした部類を「ノンフィクション」と区別した[3]。
主なノンフィクションの賞
脚注
- ^ a b c d 武田徹「「ノンフィクション」の生成 : 筑摩書房版『世界ノンフィクション全集』の史的位置づけ」『恵泉女学園大学紀要』第23号、恵泉女学園大学、2011年2月、3-19頁、ISSN 18812554、NAID 110008426936、2021年10月18日閲覧。
- ^ 立花隆『ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊』文藝春秋、2007年1月、28-35頁。 NCID BA80858497。ISBN 978-4-16-368680-6。
- ^ 武田徹『現代日本を読む』第3章 ISBN 978-4-12-102609-5, NCID BC02683886
関連項目
- ノンフィクション作家
- 紀実小説
- ルポルタージュ
- フィクション(対義語)
- ドキュメンタリー
「ノンフィクション」の例文・使い方・用例・文例
- その本は先天性の四肢麻痺の少年について書かれたノンフィクションである。
- 私はノンフィクションの歴史書を読むことが好きです。
- あなたは創作とノンフィクションのどちらが好きですか。
- 本をフィクションとノンフィクションに分類する.
- ノンフィクション刊行物を主題ごとのカテゴリーに分類するために図書館で使用されるシステム
- 出版物の独立した部分を成すノンフィクションの散文
- ノンフィクションというジャンルの著作物
- ノンフィクションという,著作のジャンル
- この映画はノンフィクションの本に基づき,1840年代から60年代のニューヨーク,ファイブ・ポインツの街の人々の生きざまを描いている。
- 篠(しの)田(だ)正(まさ)浩(ひろ)監督の,監督としての最後の映画は,リヒャルト・ゾルゲというソ連のスパイの人生についてのノンフィクション映画だ。
- キイスさんは大学で教えながら,解離性同一症に悩む男性についてのノンフィクション作品「24人のビリー・ミリガン」などを続けて執筆した。
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