チーム・ハルヒロ
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「灰と幻想のグリムガル」の記事における「チーム・ハルヒロ」の解説
クラン『暁連隊』に所属。 同期12人の中で、レンジが選んだメンバーとキッカワを除く6人が仕方なく組んだあまりものパーティ。最初はゴブリン一匹を倒すのにも四苦八苦していた。リーダーはマナト→ハルヒロ。見習い時代はマナトの仇であるホブゴブリンを狙い、執拗にゴブリンだけを狩り続けていたため、「ゴブリン・スレイヤー」という渾名をつけられていた。 ハルヒロ 声 - 細谷佳正 class:盗賊 本作の主人公。パーティの現リーダー。いつも眠そうな目をしている平凡な容姿の少年。 一見すると頼りなく、内心も他者に頼りたがる傾向がある。一方でパーティ結成当初から思い切りの良さや冷静さを持っており、困難な状況下でも最善を尽くし行動するため、仲間からの信頼は厚い。戦闘では主に敵の背後から奇襲する戦法を得意としており、のちに背面打突では決して二流でない称されるほどの技術を身に付ける。極稀に正体不明の【光る線】を見えた際は自然に体が動き、これが発動すると格上の敵をも瞬殺できるようになる。 盗賊ギルドを収めた際に与えられる通り名は【年寄り猫(オールドキャット)】。バルバラ曰く年老いた猫みたいに眠そうな目をしているからとのことだが、後にある願いも込められていたことが明らかになる。 1巻の中盤から、マナトの落命によりなし崩し的にリーダーとなってからは常に仲間の安全を最優先に心掛けるようになる。他のパーティのリーダー達と自分を比較し、ハルヒロ当人も本当にリーダーとして相応しいのか常に疑問を抱いてもいる。新たな神官としてメリイが加入した後は意思疎通に悩みつつ彼女と真摯に向き合い、信用関係を築き上げることに成功した。 2巻ではサイリン鉱山でのデッドスポットとの一騎討ちの際は、【光る線】が発動。賞金首を一人で討伐するという大金星を上げた。 3巻では後輩義勇兵のチョコと出会い、昔どこかで会っているおぼろげな記憶からチョコのことを意識していたが、デッドヘッド監視砦で死別してしまう。これに加えてモグゾーまで失ってしまう。 4巻ではモクゾーを失ったショックや、仲間が他のチームからスカウトを受けたことからパーティ解散の危機となるが、仲間たちはハルヒロ達の元に残ることを選び、新たな盾役としてクザクを迎えて再出発し、さらにソウマと出会い暁連隊に加入する。 5巻では偶然にも黄昏世界を発見。居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、危険を冒すタダに対し意見を述べたりミモリに告白されたりと慌ただしい日々となる。 6巻ではミモリの真剣な想いに対して嘘を吐いて付き合うことはできないと断るも、第三者を交えてのデートなどを通し次第にグリムガルでの生活に張りを感じるようになった。ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、メリイとクザクが一緒に居るところを目撃したときに抱いた気持ちから自分のメリイへの恋心を自覚した。その後のヒュドラたちとの戦闘ではゴッホたちを説得したりと自分の意見を通す意思も持つようになるなど成長も見せた。圧倒的な敵の数に悩まされる中、グリムガルへの退路を断たれ帰り道も崩壊、進退窮まる中でララとノノと出会い、二人と共にダルングガルへたどり着く。 7巻でのダルングガルでの生活の中、前々から感じていたリーダーとしての能力不足に日々悩むようになり、自分のせいで皆を巻き込んでしまったのではないかと精神的に自分を責める傾向が強くなっていく。更にクザク本人からメリイに振られたことを明かされ、それ以降は以前よりもメリイを意識するようになる。。 8巻にてダルングガルからグリムガルへ戻った際は思いがけず遠隔地であったためユメと共に偵察に出る。そこでロックスとフォルガンの戦闘に巻き込まれ、さらには戻らないハルヒロとユメを捜索しに出たランタとメリイがフォルガンに捉えられてしまう。生き延びるためにフォルガンに付いたランタに困惑するがメリイの救出を優先。支援の引き換えにハルヒロの左目を求めたセトラの要求を即座に了承し周囲を驚かせる。ロックとアーノルドの一騎打ちの隙に、ニャアの誘導でメリイを発見、救出に成功する。そこで待ち構えていたランタと一騎打ちになるが、強襲で勝利する。止めを刺す直前にメリイに制止され、クロウの援護によって撤退に成功する。 9巻でのメリイとの会話ではフォルガンについたランタの態度や行動から、本当に裏切ったとは思わないと語っている。その後現れたセトラに約束通り左目を差し出そうとするが、はぐれた仲間の捜索への協力を提案される。その条件として「左目の所有権はセトラだがハルヒロに貸し与える」「セトラが飽きるまで恋人のようにふるまう」ことを求められる。飽きるまでという条件に高を括ってこれを了承するが、セトラから「飽きないかもしれない」「子供は何人欲しい?」とメリイの目の前で言われて困惑、気まずい雰囲気になっている。その後仲間たちと合流、襲撃してきたワイバーンを退けることに成功する。 10巻では千の峡谷を抜けた後はロックスと別れ、オルタナを目指す道中で巨大猿グォレラの群れと遭遇し、苦戦を強いられるもセトラの機転で逃げ切る。その道中、元義勇兵の謎の男性ジェシーが運営するグモォの村ジェシーランドに辿り着き、偵察に向かうがジェシーに重傷を負わされる。仲間たちとジェシーの交渉で滞在を許可され、メリイの治療を受けて後に意識を取り戻し、寄り添っていたメリイとの距離が縮まる。しかし直後に追撃してきたグォレラの群れの襲撃で、目の前でメリィを殺されてしまう。 11巻では最終的にグォレラの群れの撃退に成功するも、メリィを失ったことに絶望する。しかしジェシーから蘇生方法があることを提示され、その結果起こりうることに不安を感じつつもメリイの蘇生を願う。処置の最中、セトラからメリイは別人になる可能性が高いと警告を受け、中止することを勧められるが最終的にメリイは蘇生に成功する。直後のモンスターの襲撃の最中、なぜかそれらに対する知識を持ち、さらに炎熱魔法を使うメリィに驚く。しかし全てを受け入れると心に決め、再び仲間たちとオルタナを目指す。 12巻では、エメラルド諸島のドラゴンにまつわる事件に巻き込まれる。仲間と共に事件を解決し、その際の出来事からドラゴンライダーと呼ばれることになる。 13~14巻では商人ケジマンの護衛としてオルタナへの帰路につく。その途上で発見したレスリーキャンプを通してパラノと呼ばれる異界に入ってしまう。そこで出会った少年アリスCや先に迷い込んでいたイオ様隊との共闘の末にパラノを脱出するが、再び記憶を奪われオルタナの開かずの塔で目覚める事態に陥る。 15巻では記憶喪失者を偽って近づいてきたひよむーからの仲間になる誘いを受けるがこれを拒絶。記憶喪失のまま仲間と共に諸王連合軍から追撃を振り切って逃走中にジン・モーギス将軍率いる本土からの援軍と出会い、オルタナ奪還作戦に協力させられる羽目になる。その作戦の過程でオルタナに潜入中に師匠のバルバラと再会するが、オルタナ奪還の戦闘で死別してしまう。 16巻ではモーギスにシホルを人質にされる形で、ゴブリンと同盟を結ぶ使者の任務を強制される。なんとか任務を成功させるがシホルを返されるに至らなかった。ここでランタやユメと再会し、仲間と共にシホル奪還の為に強硬手段に出るが、遺物(レリック)を手に入れていたモーギスに切り伏せられ、忠誠を誓わされる羽目になってしまう。 17巻ではお嘆き山の攻略部隊に参加。ここでレンジやトッキーズと再会する。戦いの終盤、援軍として現れたシホルを目撃。必死に呼びかけるもシホルは記憶を奪われており連れ戻すことは叶わなかったが、生きていたことに安堵する。 18巻ではドワーフの鉄血王国への使節の一員となる。その道中でメリイと互いの気持ちを伝えあい、晴れて恋人となった。 ランタ 声 - 吉野裕行 class:暗黒騎士 パーティメンバーの1人。口と性格が悪く空気も読めないお調子者。身長168cmで天然パーマ(本人は気にしている)の少年。 初めは戦士のギルドに入る予定だったが、本人曰くかっこいいからという理由で、ギルド抜けすることが出来ない暗黒騎士になってしまう。 口が悪くセクハラ発言が絶えないため、パーティメンバー(特に女性陣)から顰蹙を買うことは日常茶飯事。一方で嫌われることも厭わず現状に即した発言・行動をするなど、良くも悪くも現実的な思考をもつ。モクゾーが死んだときは自分なりの弔いをする、レンジに勧誘された時は断ってチームハルヒロに残るなど、なんだかんだ言って仲間への情は篤い。ハルヒロのことはチキン呼ばわりするものの、自分にとって思いもしないことを考え、リーダーとしての責務を果たしていることは内心認めている。ハルヒロからは友達になれないが、だからこそ本音を遠慮なくぶつけ合うことができる、ある意味対等で特別な存在と見られていた。 マナトの落命、サイリン鉱山での戦闘を経てモグゾーのことを「相棒」と呼ぶようになる。いつか義勇兵を辞めた時、一緒にラーメン屋を開くことを夢見ていたがモグゾーの死でそれが叶わなくなる。 クザクを加えた後、偶然にも黄昏世界を発見。居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、意外な形でイヌイとセクハラを通して交友を深める。イヌイと同じくセクハラに便乗するキッカワやトキムネも加え、シホルへセクハラする同志を得るがパーティ内での人望をますます失うこととなった。 ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、圧倒的な敵の数に悩まされる中、グリムガルへの退路を断たれ帰り道も崩壊、進退窮まる中でララとノノに出会い、二人と共にダルングガルへたどり着く。 ウンジョーの助けを借りダルングガルから脱出した後、ユメがハルヒロと偵察に出かけたことに苛立ってしまう。クロウ達と行動を共にしなくてはならなくなったハルヒロとユメの帰還を待つことができず、ハルヒロの指示を無視して別行動を提案するという強硬手段に出る。最終的にランタの提案でランタとメリイがハルヒロたちを探しに出発、クザクとシホルが待機となり、自身はメリイと共に千の峡谷にてフォルガン一党に拘束されてしまう。 そこでタカサギに挑むも敗北し、生き延びるためタカサギに弟子入り・フォルガンへの加入を志願してジャンボに認められる。このとき嘘でもハルヒロ達を裏切れないと恭順を拒絶したメリイを、自分が目をつけていた女性だとして手出しさせないことを約束させた。 様々な種族が共存し自由に生きるフォルガンを目の当たりにし、義勇兵に戻ることに疑問を感じる。 後にカツハルに助けられたクザクとシホルと対峙、タカサギが目の前にいたということもありクザクに対し本気の攻撃を開始、メリイは無事なので奪い返しに来るよう意味ありな発言を残して去る。その後はハルヒロが必ずメリイを助けに来ると読み、タカサギと共に待ち伏せる。 ハルヒロとの一騎打ちは本気の戦いになり、一手先を取ったハルヒロに敗北。メリイの制止とクロウの介入もあり、止めを刺さされずタカサギと共に撤退しそのままハルヒロ達とは別れた。 フォルガンについたのは自分とメリイが助かるために現実的な選択であったことの他、義勇兵以外の生き方を目の当たりにしてハルヒロたちにもこれを見せて今後どうするかについて意見を聞かせて欲しいというのが真意だった。 ハルヒロたちと本格的に別れた後はタカサギに修行をつけてもらうが、数日後に短い書き置きを残して姿を眩ませる。 激怒したタカサギに追撃を受けた際、フォルガンに染まれば自分自身でなくなると啖呵を切り、これに呼応したゾディアッくんが進化する。 追撃を振り切り、ゾディアッくんとのやり取りを通して自分が仲間も含めて他者に(好かれるなどを)何も期待していなかったこと、それでいて負担も何もかもを他者に押し付けてきていたことを自覚する。直後に獣に襲われるも、タカサギから刀を投げて寄こされて窮地を脱し、最終的に見逃された。 その後は自分自身の心に従うことを信念に単独でオルタナを目指して旅を続け、その途上でフォルガンが諸王連合に降ったことを知る。三年後に諸王連合がオルタナに侵攻したのと同時に帰還。乱戦の中、ユメと再会する。 当初から、ユメに対して好意を寄せているような素振りを見せてはいたが、三年後に再会したハルヒロに、自分は「ユメのことが好きだ」とついに本音を語る。他者に好かれることを期待していなかったランタが、他者への好意(幸せでいて欲しいという愛情)を吐露し、精神的に大きな成長を見せた。ゾディアッくん 声 - 佐藤結良 ランタの召喚する悪霊。仮面を被った毛むくじゃらの魔物の姿をしている。ピンチの時に助言を求めても「とっとと死んでスカルヘル様に抱かれよ」などというばかりで全く役に立たない。 後にランタの精神的成長に呼応し、戦闘時は禍々しい甲冑に長薙刀を備えた姿に変身できるようになった。この姿ではゾディーと呼ばれる。 マナト 声 - 島﨑信長 class:神官 パーティのまとめ役。爽やかな青年で、仲間のことを大切にしていた。 何をすればいいか分からず途方に暮れていたハルヒロ達をまとめ、戦闘から日常生活まで、様々な面でハルヒロ達を導いてきた。 旧市街のゴブリンを狩っていた際に遭遇したホブゴブリン達に追い詰められ、逃走を図るも敵の攻撃を背中に受け、それが致命傷となり死亡する。 「俺は、みんなに仲間扱いしてもらえるような人間じゃない気がする」と言っているが、その真意が語られることは無く、死に際にハルヒロに謝罪と仲間を頼み息を引き取る。 本人自身も呆れるほど外面がいいが、自分の本心がどこにあるのか分からないと述懐するなど複雑な内面を持つ。狡猾な一面もあり、最初は仲間たちのことも必ずしも肯定的には見ていなかった。 死の間際に「元の世界」で近しい人たちに冷淡さを詰られ、拒絶された記憶を思い出し、グリムガルでは仲間たちと共に歩んでいくのが自分の望みだったと自覚しながら死んでいった。アニメ版では死後ハルヒロの精神世界の中でよく現れる。 モグゾー 声 - 落合福嗣 class:戦士 パーティメンバーの1人。温厚な性格だが、ハルヒロ曰く怒らせると怖い。パーティの盾役として常に前衛で戦い、その中で才能を開花させパーティの柱として成長していく。 ハルヒロからは『装備は優先してモグゾーの装備を揃えていきたい』と言われておりタンク役として活躍するようになる。 手先が器用で料理も得意。パーティの料理番として、当初は当番制にしていた料理を一人で引き受けていた。ランタから「相棒」と呼ばれており、義勇兵を辞めたら二人でラーメン屋を開くことを約束していた。 兵団指令を受けて参加した作戦で訪れたデッドヘッド監視砦で、賞金首のゾランの猛攻から仲間を守り戦い、作戦に参加していたレンジたちと協力してゾランを倒すも、戦いの中で受けた傷が致命傷となり死亡する。共に戦ったレンジ達からはその才能を惜しまれ、カジコからは「順調に成長していれば名を成していた」と言わせた。 「大きくて愛らしい」と評価してくれたメリイのことを意識していたが、その想いは告げられることは無かった。 ユメ 声 - 小松未可子 class:狩人 パーティメンバーの1人。天真爛漫な性格で誰とでも仲良くなれる癒し系。関西弁のような微妙な言葉を使い、よく言葉を間違えては仲間に訂正されている。弓の腕は悪いが、狼犬が欲しいからという理由で狩人になった。当初はパーティ内の癒し系だと思われていたが、その独特な空気は所長のブリトニーや狩人ギルドの師匠で厳しいことで有名なイツクシマをも混乱させるほど。イツクシマに至っては、ユメのことを「娘」として溺愛するほどである。 マナトの落命後、仲間がすれ違っている時に本音を吐露し涙するハルヒロを慰めるために抱きしめ合った。これによりハルヒロが精神的に安定しサイリン鉱山での冒険は何とか成功するが、デッドヘッド監視砦にてモグゾーを失ってしまったことで再びパーティの危機を迎える。シホルと共にカジコからスカウトされかけるもハルヒロについていくこと選択、シホルと共にハルヒロに一連の経緯を伝えパーティとして再スタートとなる。 クザクを加えた後、偶然にも黄昏世界を発見。居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、ランタのセクハラに便乗するメンバーが増えたことで耳年増状態となりシホルの悩みの種が増えるようになった。ランタからの貧乳扱いにも慣れたことで自分から胸を揉んで大きくするよう努力していることを語り、胸を成長させる秘訣について皆の前でシホルにアドバイスを求めるなど、ランタと違い無意識でのセクハラもごくごく普通のこととなっていった。 ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、グリムガルへの退路を断たれ帰り道も崩壊、進退窮まる中でララとノノに出会う。二人と共にダルングガルへたどり着く。道中で大怪我を負った際はメリイによって回復したが、ダルングガルでは魔法も若干ながら使用可能であることを知らなかったハルヒロによって強く抱きしめられる。ユメ自身はハルヒロが錯乱していることや自分を心の底から心配してくれたのだと笑って許していたが、この行動にランタが嫉妬したことが後々にランタが暴走するきっかけとなった。 ダルングガルでの生活の中、ランタが性欲限界宣言をしてシホルやメリイから完全に危険人物扱いされ粗雑な扱いをされていくようになる中、女性陣の中で唯一これまで通り接するが度を越えたセクハラの場合は物理的に埋めやすくする計画に賛同するなど優しさと厳しさを併せ持つようにもなる。一応ランタのセクハラには憤慨しているが、好きな子をいじめたがる子供の行為だと受け止めており、ランタは自分や皆のことが好きなのだからしょうがないと母性的な優しさを見せるようになる。ウンジョーとの会話でも普段通りの独特の空気で接し、ウンジョーのハルヒロたちへの態度を軟化させた。 ダルングガルからグリムガルへ戻った際は思いがけず遠隔地であったためハルヒロと共に偵察に出る。これによりユメがハルヒロと出かけたことに嫉妬したランタが暴走、ランタとメリイがオークと不死族の集団に捉えられてしまう。ランタとハルヒロの本気の戦い、ロックとアーノルドの一騎打ちとフォルガンを率いるジャンボの仲裁など目まぐるしく状況が変わる中で混戦となってしまう。クザクともはぐれてしまい、シホルと共に逃亡を余儀なくされる。この時はランタがハルヒロによって斃されたという誤情報に困惑してしまい、ランタに対する自身の思いは友達や恋人として見たことはなく大切な家族の一員であったことを吐露する。 千の峡谷での戦闘では大黒狼と獣使いのゴブリンであるオンサと対峙、シホルを守るためオンサ達と共に崖へ落下してしまう。負傷して朦朧とした意識のなかで失っていた記憶を垣間見た。(転勤族の両親がおり、転校先では標準語をからかわれるなど辛い経験をしていたことが示唆されている。)同じく負傷したオンサ達とは一時休戦となり、協力して崖から脱出することを余儀なくされる。当初は仕方なく脱出を共にしていたが、風雨に晒されながら脱出路を探す中、ユメの独特な空気がオンサや大黒狼にも伝わったことで互いに体温を分けるようになる。ユメがオンサ達とはもう戦いたくないと話しかけたこともあり、脱出後は協力してハルヒロたちの危機を救った。 シホル 声 - 照井春佳 class:魔法使い パーティメンバーの1人。小柄で可愛らしい容姿の女の子。臆病で引っ込み思案な性格なためあまり自分の意見を発さない。涙脆く、よくユメに慰められている。一方でハルヒロやメリイからは慎重で思慮深いとその判断力を信頼されており、ハルヒロが動けないときに司令塔となりうるのはシホルだと思われている。物語が進むにつれて精神的にも強くなっていき、取り乱した仲間を慰めたり、他者からのセクハラ発言等には厳しい口調で相手を呼び捨てにするなどしている。ランタに隠れ巨乳と言われていたが、実は「隠れ」どころではなく巨乳の枠におさまらない爆乳。現在でも成長しているらしく、冒険が進むにつれシホルの外的特徴として目立ってきている。(防御力の問題からサイズの小さい服装で我慢しているが、ゆったりとしたローブ以外の服装がきついなど普段から苦労している。) 影魔法を得意とし主に仲間の援護を行う。一度は攻撃力を高めようと寄り道して電磁や氷結などの魔法も習得したが、本質は一つのことをとことん追求したいと思う一途な性格であるため、ゴッホに魔法のコツの教えを請い自分で考えて辿り着いたオリジナルの影魔法【ダーク】を編み出す。影のエレメンタルを直接召喚したかのようなダークはシホルの肩に乗るくらいの大きさで、戦闘では側で共に戦う。ダーク自身が成長していくため、既存の影魔法と大きく異なったポテンシャルを秘めている。 泣くことしかできなかった自分たちを導いてくれたマナトには好意を抱いており、マナトが落命する頃にはハルヒロも朧気ながらシホルはマナトが好きなのだと感じるほどであった。このことがハルヒロにとってシホルが想うマナトを救えなかったという自責の念となっており、マナトを救えなかったハルヒロがシホルと仲良くしてよいものかどうか、後々までハルヒロを悩ませる悔恨となっている。逆にランタに対してはユメと同様によく口喧嘩をしており、当初はあまり強く出られずユメに庇われることが多かったが、最近では自分から毒舌や殺意を向けて黙らせるまでになっている。 メリイを加えたサイリン鉱山での戦闘、モグゾーを失ったデッドヘッド監視砦、目まぐるしく状況が変わる中、ユメと共にカジコからスカウトされるも悩んだ末に断る、この頃から自分達はハルヒロについていくという意志を固めるようになる。 クザクを加えた後、偶然にも黄昏世界を発見。居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、関わる男性が増えたことでスタイルの良さに対するセクハラ発言に悩まされるようになる。単純にスケベなランタだけでなく羨望からくるユメの発言によってほぼ日常化し、特にユメがシホルの成長が著しい部分について形や重さまで皆に具体的な説明をしてしまうのが悩みの種になっている。この時点ですでに「肩がこるほど重い」「両腕に乗せても辛い」と自身の胸について悩んでいる。 ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、圧倒的な敵の数に悩まされる中、グリムガルへの退路を断たれ帰り道も崩壊、進退窮まる中でララとノノに出会い、二人と共にダルングガルへたどり着く。この頃から仲間のことを本当に大切に思っているハルヒロのことを心の底から信頼するようになり、二人で話す機会が多くなる。ハルヒロがメリイのことを好きであると気付いており、ハルヒロが自分の身を犠牲にしてでも皆を守ろうとする危うさを心配するようになる。 ダルングガルからグリムガルへ戻った際、ハルヒロとユメが偵察に出たことで勝手な行動を開始したランタを制止しようとするも押し切られてしまう。クザクと共に残るがオークと不死族の集団の接近に気付かず、様子を見ていたカツハルに助言に従い避難する。後にハルヒロとユメと再会、ランタとメリイのため救出作戦を開始する。ランタとハルヒロの本気の戦い、ロックとアーノルドの一騎打ちとフォルガンを率いるジャンボの仲裁など目まぐるしく状況が変わる中で混戦となってしまい、ユメと共に逃亡を余儀なくされる。 千の峡谷での戦闘ではユメが大黒狼と獣使いのゴブリンであるオンサと崖下へ落下したことで、残りの大黒狼の群れと対峙する。多勢に無勢で力尽きかけるもロックスのサカナミとツガが駆け付け九死に一生を得る。瀕死の重傷ではあったが強力な回復魔法であるサクラメントによって五体満足で救助された。回復後はハルヒロとの合流のため出発、「(胸)をじっくり拝ませてもらった」という理由で同行してくれたツガの協力を得てハルヒロと無事合流することができた。 ジェシーランドにおいてジェシーによって自分達が日本人であることや日本の地名などを告げられるが、それを理解しようとしてもできないことを自覚。見えざる力が働いていることを朧気ながら感じた。 メリイ 声 - 安済知佳 class:神官 本作のヒロイン。見目麗しい完璧な美貌の持ち主。クールな性格で冷たい視線をしている。神官としての仕事も微妙であり、いい噂はひとつもなく、周りからは「性悪メリイ」や「恐怖のメリイ」と呼ばれている。ハルヒロより先にグリムガルで目覚めた先輩義勇兵で、昔はハヤシたちとパーティを組んでいた。 本来の性格は明るく元気でよく笑う、完璧な見た目を鼻にかけない仲間のことを大切にする女の子だった。所属していたパーティがサイリン鉱山でデッドスポットに壊滅させられ、その原因が自分の魔法力が尽き回復をすることができなかったせいと自分を責める。以降はいざという時に光魔法が使えずに仲間を死なせてしまう事態を防ぐため魔法力を極力消費しないよう心がけており、小さな怪我は放置し戦闘に支障をきたす大怪我をした時にのみ回復し、戦闘の要である魔法使いを護衛する後衛を務めるようになる。しかし、そのことを自分からは誰にも話さないため誤解を与えてしまい、いくつものパーティに属してはすぐに解雇させられていた。恋愛に関してはガードが固くデートの誘いにも応じない。パーティーメンバーとは恋愛はしたくないと考えていたが、セトラが加わって以降はハルヒロのことを強く意識する描写が増えている。ハルヒロのことを「ハル」と愛称で呼び、度々ハルヒロを支える場面が見受けられる。 マナトの穴を埋めるためにキッカワに紹介されてハルヒロ達のパーティに加わるも自分のスタンスを曲げずに皆からの反感を買うが、ハヤシから事情を聞いたハルヒロ達がなおも自分のことを仲間として受け入れてくれることから次第に心を開いていく。皆に心を開き始めた頃、メリイを気遣ったハルヒロの提案によりサイリン鉱山を冒険し、ゾンビとなってしまっていたかつてのパーティと思いがけず再会、メリイ自身の手で無に帰した。ハルヒロがデッドスポットとの一騎討ちで賞金首を一人で討伐するという大金星を上げたことで自分の過去との因縁に一応の決着をつけた。 デッドヘッド監視砦に向かう際、好みの男性を聞かれモグゾーの名を挙げる。モグゾーとしても「大きくて愛らしい」と評価してくれたメリイのことを意識していたが、ゾランとの戦いにおいて目の前でモグゾーを失ってしまう。かねてより仲間の死を神官である自分の力不足と思い自身を責める危うく脆い部分があったが、モグゾーの死も光の護法の効果が切れていたことに気付かなかったせいと自分を責め、そのことから自暴自棄になりお酒に溺れてしまう。危うく暴漢に襲われそうになるが、偶然同じ店に居合わせたクザクに助けられる。このため後に再会したクザクには微妙に気まずい感情を抱いていた。 クザクを加えた後、偶然にも黄昏世界を発見。ルミアリスの加護が届かない世界で光魔法が使えなくなるも、居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、後から参加した者同士ということでクザクとの行動が増えていった。 ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、黄昏世界の居留地でクザクに告白されるが即座に断る。 ダルングガルでは再び光魔法が使えるようになる。全くの未知の世界の冒険の中、シホルやユメと固まって寝る、入浴中でも負傷したハルヒロ達の回復を優先するなど仲間たちとの絆を深めていく。 ダルングガルからグリムガルへ戻った際は思いがけず遠隔地であったためハルヒロとユメが偵察に出て戻ってこなくなった為、ランタと共に捜索に向かうがランタと共々フォルガンに捉えられてしまう。ランタがタカサギに挑んで敗北した直後、あっさり降参してフォルガンに加入を申し出た姿に失望する。自身も加入を勧められるが、嘘でも仲間を裏切ることはできないと拒否。慰み者にされかねない状況であったが、ランタが自分が目を付けていた女だから手出ししないで欲しいと偽ることで守られた。 チーム・ハルヒロとロックス、アララ、カツハルらによる合同作戦で救出された際、ハルヒロとランタの本気の戦いを制止する。これにより本気になったハルヒロがランタの命を奪う寸前で止めることができた。ロックとアーノルドの一騎打ちとフォルガンを率いるジャンボの仲裁など目まぐるしく状況が変わる中、ハルヒロと脱出に成功する。その後のハルヒロとの会話でランタが自分を守るために嘘をついていたことを察していた。 ハルヒロが自分の救出のためセトラに左目を提供するという事実を知った際は仰天、ハルヒロの左目を差し出さないで済むなら何でもするとセトラに懇願する。後に恋愛に疎いハルヒロの様子がセトラの好奇心を刺激、「左目の所有権はセトラだがハルヒロに貸し与える」という契約内容の変更によりハルヒロの左目の提供は形骸化、代わりにセトラと恋人のようにふるまうことが条件とされてしまう。このため救出されたばかりという状況にも関わらずハルヒロとセトラの関係にやきもきさせられている。 ジェシーランドにて追撃してきグォレルの大群と戦闘、ハルヒロたちを守るため命を落としてしまう。元義勇兵にして謎の外国人ジェシーにより蘇生することに成功する。ジェシーが行った蘇生方法はジェシー自身が身代わりとなりメリイを蘇生させるという回復の枠を超えた方法であり、蘇生した人間が他に存在することが示唆されている。(生死に対するジェシーの反応の軽さがジェシー自身もこの方法で蘇生していたためなのかは不明。) 蘇生後は神官が使えないはずの炎熱魔法を放つ、見たことが無いはずのものに対する知識がある等、やや異常な状態にある。メリイ本人も時折自分自身を失いそうな感覚に襲われ、不安を抱えている。 18巻にてあるものが憑りついていたことが明らかになった。 クザク 声 - 鈴木達央 class:聖騎士 パーティメンバーの1人。190cmを超える長身だが、姿勢が悪いためにヒョロヒョロして見える青年。 ハルヒロより後にグリムガルで目覚めた後輩義勇兵で、チョコが所属していたパーティメンバーの一人だったが、ハルヒロ達を含む多くの義勇兵が参加したデッドヘッド監視砦の戦いで仲間を全員殺されてしまいクザク一人だけ生き残る。砦の戦いでハルヒロ達の戦いを間近で目にしており、他のどのパーティに対してよりも彼らに憧れを抱いていた。 デッドヘッド監視砦の戦いから生還した後、自暴自棄になり泥酔したところを襲われかけていたメリイを助け知己を得る。その後、モグゾーを失ったパーティに自分から志願して参加した。盾役として前衛となった当初は戦闘の技量が低く、盾としてとても頼りなく前任だったモグゾーと比較されることに微妙な感情を抱いていたが、実は自分自身が最もモグゾーの事を意識しており彼の姿を常に頭に置いて自分なりに努力していたことを後にハルヒロに語った。自分なりのやり方で仲間を守りたいと研鑽した結果、盾役として成長、欠かすことの出来ない仲間としてパーティに受け入れるようになった。 パーティ加入後、偶然にも黄昏世界を発見。居合わせたトッキーズと共に冒険し、抜け駆けしたトッキーズの救援や和解、それぞれのパーティで方向性が違うことを改めて再認識し、変わり者が多く命を落としかねない冒険をするパーティが多い中、仲間をきちんと生還させ収支も安定しているハルヒロの手腕は優秀であり、そのうえでメンバーの人格がまともなハルヒロのパーティは奇跡的な存在と改めて評価した。 ソウマやアキラと共に黄昏世界を冒険した際、自分と同じく後から加入したメリイと話す内に好意を抱き、黄昏世界の居留地でメリイに告白するも振られてしまう。グリムガルへの退路を断たれ帰り道も崩壊、進退窮まる中でララとノノに出会う。二人と共にダルングガルへたどり着く。 ダルングガルでの生活の中、ランタの性欲限界宣言には当初は同情もしていたが、その後のセクハラの内容が度を越えて下品であったためドン引きしてしまう。ランタが女性陣へ性行為を要求するなど具体的な性欲発散方法にまで言及したことで、ほぼ危険人物と感じるようになり、人格が酷いランタがなぜハルヒロのパーティにいられるのかを本気で悩むようになる。 ダルングガルからグリムガルへ戻った際、ハルヒロとユメが共に偵察に出たことに不満をもつランタを制止しきれず、ランタの身勝手な行動を許してしまう。シホルと共に残るがオークと不死族の集団の接近に気付かず、様子を見ていたカツハルに助言に従い避難する。後にハルヒロとユメと再会、ランタとメリイのため救出作戦を開始する。メリイの身を守るために命懸けの芝居を打ったランタとハルヒロの本気の戦い、ロックとアーノルドの一騎打ちとフォルガンを率いるジャンボの仲裁など目まぐるしく状況が変わる中で混戦となってしまい、皆と離れた状態で戦闘を続行せざるをえない状況に追い込まれる。 千の峡谷での戦いの最中、朦朧とした意識の中で失った記憶を恒間見る。(数多くの愛人をもつ父親、病弱な母、優秀な姉がいたらしい。友人に会いに出かけたことが最後の記憶となっている。)その後はハルヒロたちと合流し、何とか生還した。 ジェシーランドにおいてはセトラとハルヒロの関係に悩むメリイについて思案、ハルヒロであればメリイを安心して任せられると考え二人の関係を後押すすることで自分の気持ちで決着をつけた。その後のジェシーランドの戦いでは聖騎士としての本体の実力、長身と筋力を活かした凄まじい攻撃力を発揮し、楯役としてのモグゾーとは一味違うパーティの決定打としての役割を手に入れる。その後もパーティの突貫力として戦い続けるも膨大な敵の数に苦戦、ハルヒロたちを守り切れず倒れる中、目の前でメリイを斃されてしまった。 セトラ class:死霊術師 ランタ離脱と前後して一行に加わった少女。サウザンドバレーの隠れ里の一族、シュロ家の三女。自ら製作した人造人間のエンバを使役している。ニャアを使った周囲の探索に長けており、その中でも灰色のニャアのキイチとは深い絆がある。剣や弓、槍など一通りの武器も使いこなし、隠密の技や料理なども習得している。 容姿はかつてクザクが所属していたパーティにいたチョコに似ている。頭の回転が速く、努力家で多芸多才で同行後は何度もパーティの危機を救う。一方で誰に対しても言動がきついため、人付き合いは苦手である模様。 死霊術を生業とする家系に生まれながらニャアの育成に熱中していており、生家では面汚し扱いされ孤独な境遇にあった。フォルガンとの戦いでロックスからニャアによる探索の協力を依頼されてこれを断ろうとするが、メリイ救出の為にハルヒロから取引を持ち掛けられる。代償として人造人間の材料に使うためとして左目を要求するが、ハルヒロは躊躇なく了承。この一件でハルヒロに興味を持ち、協力を承諾してメリイ救出に貢献する。 その後、仲間を待っていたハルヒロとメリイの前に現れ、約束通り左目を差し出そうとするハルヒロに代わりの条件として、「自分が飽きるまでハルヒロはセトラの恋人として振舞う」ことを認めさせる。そのまま生まれ育った里を離れ、パーティーに同行する。 当初はハルヒロへの好意を隠すことなく、ことあるごとに過剰なスキンシップをしていた。ジェシーランドでハルヒロのメリイに対する感情を察してからは一歩引くようになり、その後は他のメンバーとも旅を通じて少しずつ打ち解けるようになっている。 エンバ セトラに作られた人造人間。セトラは基本エンバの肩に乗って移動する。 キイチ セトラが飼っているニャアの一匹。ニャアの中でも特に能力が高く、セトラにも非常に懐いている。
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