十三人(ラウンズ)
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「機巧少女は傷つかない」の記事における「十三人(ラウンズ)」の解説
マグナス / 赤羽 天全(あかばね てんぜん) 声 - 小野友樹 銀の仮面で素顔を隠している男子学生。紅い瞳をしている。 夜会のトップランカー「十三人」の一人で第一位。登録コードは〈元帥(マーシャル)〉。次期魔王有力候補の筆頭。「機巧技術科」コース所属。 魔力も技術もずば抜けており、総合成績歴代一位で学院始まって以来の天才と言われている。優秀な人形師でもあり、彼の少女型人形は彼が作った禁忌人形であるという噂がある。他の学生からは「偉大なる者(マグナス)」と敬意を持って呼ばれている。 ゴスロリドレスを身に纏う乙女型人形「戦隊(スコードロン)」を6体所持し、複数の自動人形による集団戦闘を得意とする、「ひとり軍隊(ワンマンフォース)」。その戦力は軍艦数隻に匹敵する。 雷真からは転入早々から因縁を付けられ、撫子の遺灰を受け取ったり、雷真の戦闘を何度か見物している。雷真のことを高く評価している。 その正体は雷真の兄、赤羽天全。赤羽一門始まって以来の天才であり、その才能から鬼神、神童と呼ばれ、赤羽一門の開祖をも越える逸材と目されていた。しかし、突如雷真を除く赤羽一門の全員を皆殺しにし、行方をくらませた。雷真が夜会入りした理由そのものであり、兄であると同時に妹の仇でもある。その目的は神を造ることらしいが、詳細は不明。 本人は自分が天全だと否定していないが完全に認めてもいない。しかし、撫子と同じ外見の火垂を連れていることなどから、ほぼ確実だと思われており、7巻で雷真と交戦した際、赤羽の秘術である紅翼陣のことを詳しく口にしたため、雷真からは赤羽天全だと断定された。その後も雷真自身が引き出した様々な情報から日本軍からも天全であると見なされるが、そのことが逆に雷真に疑念を抱かせている。 16巻・上で真の目的が明かされる。天全の目的は、最愛の妹「赤羽撫子」を蘇らせることだった。撫子の身体は大きく6つに分けられ、「戦隊」を構成する6体の乙女型人形の生体部品として使われ、それぞれの乙女型人形に組み込まれた魔術回路も撫子の蘇生作業に必要な性能を兼ね備えるものだった。また、雷真の壁として立ちはだかることで、雷真の人形師としての技量を、撫子の蘇生作業を引き継がせることができるレベルに高めるべく密かに鍛えていたことも明らかになった。 同じく16巻・上にて、撫子の魂を引き揚げる代償に死亡した。火垂(ほたる) 声 - 花澤香菜 マグナスの乙女型人形。魔術回路は圧力に関するものであり、余剰で熱を生む。 雷真の妹(赤羽撫子)にそっくりな外見をしているが、マグナスに敵対する雷真に対して敵意を示している。また、マグナスからモノ扱いをされていると感じ、いくらでも代わりが存在すると考え落ち込む姿を見せたり、いろりからもらった懐炉を大事にするなど、人間のような情緒を見せる。雷真と話をする機会を持ち、雷真とマグナスの関係に興味を抱くが、雷真からはマグナスとの関係や火垂と同じ容姿をしている撫子については聞かされていない。 高い瞬発力に凄まじい耐久力を兼ね備えており、シンとも互角に渡り合うほどの戦闘力を持っている。16巻・上で撫子の脳が格納されていたことが明らかになった。 玉虫(たまむし) マグナスの乙女型人形。魔術回路は魔力吸収。対象の魔力を奪うドレイン系の魔術回路であり、制御が非常に難しいとされる。撫子の消化器が格納されていた。 鎌切(かまきり) マグナスの乙女型人形。魔術回路は空間転移。こちらも扱いが難しい。撫子の感覚器が格納されていた。 蜻蛉(かげろう) マグナスの乙女型人形。魔術回路は衝撃反射。撫子の筋繊維が格納されていた。 蜜蜂(みつばち) マグナスの乙女型人形。魔術回路は生命力供給。撫子の心臓が格納されていた。 姫蜘蛛(ひめぐも) マグナスの乙女型人形。魔術回路は魔力の経路を作る能力。繋がった者同士は、意思疎通、感覚情報の交換、魔力の授受などを行える。撫子の神経系が格納されていた。 アスラ・オーエン 英国インド領からの留学生。四回生で第二位。登録コードは〈三千世界天子(アバタール)〉。浅黒い肌の大人びた風貌に理想に燃える少年のような真っ直ぐな黒い瞳を持つ男子学生。貧しい生い立ちから、列強諸国による軍拡競争が世界にもたらす弊害を憎んでいる。 『自分が「魔王」となった暁にはその権威を平和を願う同志たちと共に分かち合う』という理想を掲げ、魔術結社「新機関(ノヴム・オルガヌム)」の結成を提唱して下位の手袋持ち達を次々と傘下に加えて行く。弁舌が立ち集団を的確に率いるカリスマもあり、ロキも「将としては自分よりも上」と認めているが、「自分は周囲が思っているほど清廉でも高潔でもない」と自嘲するなど、どこか影がある。 存在自体が禁忌であるシュメル人であるが、本人はそれを否定している。その魔力は強大で、〈約束された子ども〉であるロキをも凌ぎ、未だ学生の身でありながら歴代の魔王と比肩するほど。16巻での日輪綺羅との戦いでも数度見ただけでジブリールの構造を理解し、魔術回路の切り替えを実行してみせるなど頭脳や技術も並外れている。 11巻では、グローリアに賛同して(実質的には銀薔薇であるグローリアに利用され)学院内の王妃派のリーダーとして活動していた。しかし12巻の後半でロキに敗れ、夜会の参加資格を返上した。インドラ 甲冑をまとった武人姿のアスラの自動人形。魔術回路は「雷霆神器(アンダルギア)」。自身や人形使いの体を雷に変換して縦横無尽に移動させる能力を持つ。 オルガ・サラディーン 学院の学生総代。第三位。〈金色のオルガ〉の異名を持つ精霊使い(ジン・マスタリー)。 一度はシャルロットを退けシグムントを破壊するものの、精霊使いの能力を取り戻したシャルロットに敗北して夜会を去る。 結社の幹部〈金薔薇〉の孫娘であり、ブリュー家と因縁のあるセト家の人間である。 同じ十三人のオーガスト・ヴェイロンとは恋人であるが、結社によってその記憶を除去(魔術による外科手術)されていた。後にアリスによってヴェイロンと会わされ、記憶を取り戻す。 夜会終了後、シャルロットを次期学生総代に推薦した。トール オルガの自動人形。赤い竜の姿をしたシグムントの同型機。彼と同じく「魔剣(グラム)」の魔術回路を持ち、またトールはそれを2つ持っている。シグムントを「兄弟」と呼ぶ。皮肉っぽい性格だが、散り際に自身の『器』をシグムントのために提供した。 フェリクス・キングスフォート 声 - 梶裕貴 学院の風紀委主幹。学院の三回生で、第四位。登録コードは〈銀槍の乙女(ヴァルキュリア)〉。 容姿が整った美男子で女子に人気があり、シャルから慕われていたが、夜会を勝ち抜くためには手段を選ばず、自動人形が立て続けに襲われ魔術回路を奪われるという「魔術喰い」騒動を起こしていた冷酷な人間性の持ち主。 「魔術喰い」騒動が起きた際、雷真に「魔術喰い」の犯人を倒すことを条件に参加資格を与える取引を持ちかけたが、実は雷真を利用してシャルロットに罪を着せることが目的だった。結局、雷真と夜々に真相を暴かれて、夜会の参加資格を剥奪され、キングスフォート家の信用は、失墜する。このことで雷真はキングスフォート家から恨みを買う。エリザ 声 - 能登麻美子 フェリクスの自動人形。ルネサンス期に作られた。 魔術回路は「魔術喰い(プレデター)」および「白い幻霧(ホワイトミスト)」を始めとするほかの自動人形から奪った魔術回路。「魔術喰い」は、喰らった自動人形の魔術回路を自分のものにすることができるが、その能力は使い捨てで一度使用し終えた魔術回路は再装填することができず、使用回数にも限度があるため予め大量に魔術回路を取り込む必要がある。「白い幻霧」は、人形自身の体を白い霧に変換し、宙に浮かんだり相手に纏わりつき拘束するといったことが可能。霧には触れた物質を腐食させ崩壊させるという特性があり「金剛力」で硬化した夜々を傷つけたが、夜々の体液を取り込んだことで体がゲル状になり、夜々の〈破却水月〉で跡形もなく吹き飛ばされる。 ソーネチカ・スニートキナ 〈女帝〉の異名を持つロシアからの留学生。第五位。登録コードは〈凍土の炎帝(ノーザンクルス)〉。メリハリの効いた肢体に前世紀の貴婦人めいたデザインの特注学生服をまとう、縦ロール盛髪のド派手な少女。常在戦場の覚悟と淑女の品格を併せ持つ、竹を割ったような武闘派。ロシアの帝室の血筋で「アインの石」を受け継ぐ。魔王の座を手に入れ、〈血の日曜日〉事件で失墜した帝室の権威を取り戻すことを目的としている。 シャルとオルガとの闘いでは、シグムントの魔術回路まで破壊したオルガに深い怒りと失望を覚え、シャルのためにオルガとの闘いを預かった。 11巻の終盤で偶然、硝子の置いていった金剛力の魔術回路を拾った。13巻では「アインの石」と引き換えに雷真に忠誠を誓わせるが、夜会の最中に地下から現れたギュネスの乱入による混乱の中で灰薔薇に心身を乗っ取られそうになるが、雷真によって自分を取り戻し、夜会から去って行った。「アインの石」を受け継ぐ立場であったことから、以前より灰薔薇に目をつけられていた。〈血の日曜日〉事件も灰薔薇によって引き起こされたもの。ヨルムンガンド ソーネチカが従える三体の鋼鉄の単眼巨人。魔術回路は「因果性置換(テオレイン)」の縮小限定版。過去を呼び出すことで装甲の再生や伸縮、別の魔術回路への切り替えを可能とする。三位一体となって全長約20mの大蛇型自動人形に変形する機能を持つ。 シャルロット・ブリュー 声 - 高本めぐみ 本作のヒロインの1人。愛称はシャル。学院の二回生で第六位。登録コードは〈君臨せし暴虐(タイラントレックス)〉。学生からは「暴竜(Tレックス)」と呼ばれ恐れられていたが、オルガとの戦いに勝利した後は敬意を持って「ヴァリアントレックス」と呼ばれるようになる。夜会のトップランカー「十三人」にも名を連ねる若き天才魔術師。倫敦のブックメーカーがオッズ三倍をつけるほどの、次期魔王候補有力株の一角。 もとは名門貴族だったブリュー伯爵家の令嬢で、ある事件をきっかけにバラバラになった家族や自動人形を取り戻すために魔王を目指している。自分の生まれに確固たる自信と責任を持っており、「私は女王陛下から一角獣の紋章と北の領地を賜った、ブリュー伯爵家のシャルロットよ!」を合言葉に「高貴なる者の義務(ノブリス・オブリージュ)」に従って邁進する。 金髪碧眼の美しい少女であるが、自分の胸囲に対してはコンプレックスがあり、パッドで上げ底している。人付き合いが苦手で、大きな暴力沙汰を起こすなど、問題行動を取ってしまうことが多かったため恐れられており、加えて夜会は無慈悲な生存競争であるとの考えからシャルロット自身も他人と関わることに消極的だったことも相まって友人と呼べる存在はいなかった。しかし、参加資格を奪うために挑戦してきた雷真と知り合い、「魔術喰い」事件の解決後は友人関係になる。それからは雷真に何かとおせっかいをやく。当初は雷真に惹かれつつある自分を認められずにいたが、3巻での事件を境に雷真への好意を自覚するようになる。妹のアンリエットと再会し、その後、雷真やロキ、フレイと行動を共にする中で、徐々に人当たりも良くなり、自分と同じく周囲と打ち解けられずにいた日輪には自分から声を掛け、親友となった。 オルガとの戦いでは力及ばず、トールによってシグムントを破壊される。その後オルガとのリターンマッチを制するべく、幼い頃に不仲となった守護精霊ロッテと和解し、精霊使いの力を再び得た。その後のオルガとの再戦では鏡の精霊でもあるロッテの力でシグルドの魔剣の光の反射を繰り返して体外に魔剣の力を循環させて解き放つ「マグナムオーパス」を使い、圧倒的な出力で勝った。 ステーキなどの肉類を好む(成長期に栄養が足りなかった反動である)。 BL趣味のきらいがあるらしく、雷真とロキのカップリングを連想させる話題には激しく食いつく。シグムント 声 - 中田譲治 シャルの自動人形であり、彼女のよき理解者。彼女の先祖が退治した悪竜から作られたと言われる禁忌人形で、四枚の翼を持つ鋼色の鱗のドラゴンの姿をしており、普段はシャルの帽子の上や肩に乗るほどの大きさ。構造上肉を食べないと活動に支障をきたすらしく、好物はチキン。150年ほど生きており、思慮深い性格と確かな人を見る目で、孤立した立場から不安や焦燥に駆られがちなシャルに度々助言を与え、心を支えている。意地っ張りな彼女の張り詰めた心をほぐすために茶化すことも多く、それで取り乱したシャルが「お昼のチキンを○○○(トウモロコシや粉ミルクなど、御馳走のイメージとは程遠い微妙な食品)にするわよ!」と反目する掛け合いが定番になっている。人形も公正に見ている雷真を気に入り信頼もしている。また、夜々とも仲がよく、彼女の相談相手でもある。 宇宙の真理に関わるといわれる秘法、物質の生成・消滅を司る魔術回路「魔剣(グラム)」を搭載しており、戦闘時は全長八メートルにも及ぶ巨大な姿になり、シャルを背中に乗せて戦う。サイズはより小型に抑えて機動性を上げたり、さらに巨大化して力任せに敵を粉砕したりと調節可能。主力武器は物質を光とともに消滅させる(光は物質が消滅する時の副次作用)反物質粒子砲「ラスターカノン」と、その出力を抑えて使い勝手を良くしたショットガン状の砲撃「ラスターフレア」および追尾ミサイル状の砲撃「ラスターセイバー」。 シャルがオルガと初めて闘った際にシャルを直接殺そうとしたトールに激昂し、巨大化した状態で飲み込むが、体内からラスターカノンを受け、その直後、胸を突き破って外に出たトールによって魔剣の魔術回路を破壊される。同時にイブの心臓も機能が弱まり、死が近づいた。シグムントを生かそうとする雷真によって硝子が連れてこられ、彼女の執刀を受ける。それでも死は避けられず、死の直前に硝子に頼んで心臓を造ってもらい、最後の僅かな魔力を振り絞って心臓を覆い、卵を作り、雷真に託した後死を迎えた。 トールも含め、全ての魔剣の本体は異界ヴァルハラにおり、雷真達のいる世界にいる魔剣は本体ではない。それは物語でのおよそ120年前に亡くなった竜王によって一本の魔剣に一つずつ与えられた『器』によるものであり、『器』さえあれば別の魔剣のそれでも構わないよう。そのうえ、トールの『器』を食べたシグルドは実質シグムントの子供だったためにシグルドの体に宿る形で生き返った。ただし、新しい心臓により二度目の人生では寿命がある。 シグルド シグムントの子供であると同時にシャルへの贈り物。トールとの闘いの末に傷ついたシグムントの魔術回路と硝子の持つ雪月花シリーズと同じ心臓が合わさって造られた卵から孵った。魔剣としての出力もさることながら、精霊使いの力を取り戻したシャルと共にオルガに再戦を申し込んだ。圧倒的な力で打ち勝ち、トールから『器』を譲られ、それを取り込んだことでシグムントの人格を得た。 ロキ 声 - 岡本信彦 学院の二回生で第七位(後に第九十九位に自主降格)。登録コードは〈自ら廻る焔の剣(セイクリッドブレイズ)〉。 真珠色の髪に紅い眼をした美男子。操作の難しい鋼の自動人形「ケルビム」を自在に操る。 実戦演習では負け知らずで、極めて優秀な成績(本人曰くAAA+平均)であり、キンバリーの予想をはるかに上回る速さで禁書の模写を完成させた。マグナスの対抗馬と目されるほど相当な魔力の実力をもつ魔術師であり、ケルビムの設計を一から組み直す所からかなり腕の立つ人形師でもある。周囲からは「剣帝」と呼ばれ、降格後もいまだに「十三人」と同格に見なされている。 フレイの弟であるが、ややフレイに対しても高圧的な態度をとる。しかし、本心は姉のことを気にかけており、順位を下げたのも、フレイの夜会初戦の相手となりそうな雷真をフレイの代わりに倒そうとしたからである。 人工的な「約束された子ども(プロミストチルドレン)」として養父のブロンソンにより心臓を機巧化されたサイボーグ魔術師兵の側面を持ち、常に魔力暴走や心停止の危険に晒されている。 雷真とは実力を認め合うものの犬猿の仲で、毎度子供じみた口喧嘩を繰り返している。しかしいざとなると雷真の窮地に助け舟を出すなど、仲間としての意識が徐々に芽生えつつある。怒りや愚痴を吐露する際、「俺は謙虚で寛大だが、(どうにも許せないものが三つある)」と前置きをするのが口癖。雷真とは同じ血液型らしい。 Dワークス事件収束後は、借りを作ったキンバリーに頭が上がらない。フレイとともに、機巧化された心臓をもとに戻すために魔王を目指す。 雷真と共に騒動の解決に実戦を重ねることで、元々高い実力は更に磨かれていった。後に心眼を習得。接近戦にさらに強くなり、遠距離攻撃にすら反応できるようになる。夜会では雷真に僅差で敗退するも、16巻にて最後まで残った雷真が「夜会の外で天全と戦闘を行い、死に至らしめた」と判断されたため繰り上がりで魔王となる。強大な念動と、複数の魔術回路を巧みに使い分ける戦闘スタイルから〈蒼穹の魔王(ジ・アズール)〉の二つ名を戴く。ケルビム ロキの自動人形で、機械的なしゃべり方をする。口癖は「I'm ready」。 全身金属製で、鋼板が人型に組み合わさったような外観をしている(雷真曰く「痛そう」なデザイン)。ブレードになっている両腕と、背中からミサイルのように飛来する8本の短剣を駆使して戦う。 「熱風操作(ジェット)」の魔術回路を搭載し、熱風を収束した高熱の刃は、硬化した夜々をも切り裂く。風の噴射を利用して、地面を滑るように移動できる。巨大な剣に変形し、ロキが魔術で振り回したり、上に乗って飛行することも可能。 Dワークスの「エンジェル」シリーズであり、その戦闘能力は「ガルム」をはるかに凌ぐと言われ、整備性も極めて良好であるが自律性が低く、操作が難しい。「剣の結界」という自動防御機能があり、背中の短剣群が術者を中心に円を描き、その円内に踏み込んだ者を自動的に切り裂く。 6巻最後、新学期の「五十番目の夜」では、更なるチューン(シャルには基本設計からやり直したとも推測される)を施された姿を現す。所々に金色(ルシファーの残骸)のパーツが使われ、挙動も機械音の無い、なめらかなものになっている。 アスラとの戦いの末に破壊され、折れたブレードはその後も魔具として使用されている。 ジブリール 破壊されたケルビムに代わる新型のロキの自動人形。イオネラ作で、盾、剣、天使、砲の4形態に変形可能なエンジェルタイプの異端。姿はケルビムより人間に近く、ルシファーに似ている。OSはケルビムのものを採用しているためしゃべり方は変わらない(より賢くはなっているらしいが)。ロキが制御しなくとも翼が自動制御し意図した通りに飛行できる新機構がある。 「完全統制振動(フラガラッハ)」「風の剣舞(シルエイティ)」「永劫の火(フェニックス)」「雷霆神器(アンダルギア)」の四つの魔術回路を搭載し、変形させることで各形態に割り当てられた魔術回路が使用可能になる。魔術回路は「熱風操作」ではなくなったが、新たな魔術回路たちを用いて以前と同じ能力をおおかた再現しているほか、フィンブレードを空間転移させ攻撃し、炎を噴射させ移動など、ケルビムを上回る性能を持つ。魔活性不協和の原理を超越しているかに思われるが、イオネラ曰く「ずる」。ロキやグリゼルダといったトップクラスの念動の使い手を必要とする。 土門 日輪(どもん ひのわ) 本作のヒロインの1人。学院の二回生で第八位。登録コードは〈魔軍を統べる黒曜姫(ダークプリンセス)〉。 名前で分かるように日本人。背丈は夜々と同じほどで、艶やかな桜色の着物に紫色の袴を着ている。 雷真の許婚。親同士が決めたことではあるが、彼のことをかなり好いている。雷真の言うことは絶対で、夜々の言うことにも惑わされることがない。その好意は夜々が強敵と認めるほど。学院に入ったのも赤羽天全がいるとの噂を聞きつけ、そこにいけば行方知れずになった雷真に会えると思ったからである。だが、花柳斎の元に雷真がいると聞きつけ日本へと帰り、雷真と丁度行き違いの形になってしまったが、その後雷真を追って祖母から勘当されるのもいとわずに再び学院へ戻ってきた。 土門の血の制限ゆえに、知り合いと呼べる相手がほとんど居らず、シャルとすぐに仲良くなった。基本的に恥ずかしがり屋だが、雷真のこととなると大胆になることもある。落ち込みやすい気質だが立ち直るのも早く、心は強い。犬は苦手。 特定の自動人形を所持しておらず、呪符に「神」を下ろし、それを行使するイザナギ流の「式神」使い。「十三人」の一人ということもあり、相当な魔力も持っており、その力は十分の一に制限されても他の「十三人」の攻撃を防ぎきれるほどである。 13巻の夜会でソーネチカに敗れて、夜会から脱落した。 ゼカルロス兄 第九位。無口で無愛想な青年。小妖精型の自動人形を使用し、〈土〉の魔術を使う。 セドリック・グランビル 声 - 種田梨沙 夜会執行部議長。第十位。キングスフォート家と並ぶ英国の重鎮であるグランビル家の御曹司。 時計塔破壊にまつわる一連の事件の後に軟禁状態から救出されたとされるが、アリス曰くそれも偽者であり、本人は既に死亡しているとのことである。 ゼカルロス弟 第十一位。兄のものと同型の自動人形を使用し、〈風〉の魔術を使う。 ヘイゼル・ヘイムダル 第十二位。国籍不明の一回生。登録コードは〈断黒絶刀(セイブルセイバー)〉。ブロンソンの実の娘であり、彼をお父さまと呼ぶ。プロミストチルドレンであるがホームにはおらず、ロキたちもその存在を知らなかった。ロキはヘイムダルが彼女の識別コードと推測している。 元々は非才であり、ブロンソンにとっては数多くいる婚外子の1人にすぎなかったため興味を持たれていなかった。しかしブロンソンの実験手術を受けてからは彼から称賛されるようになり、幸福を感じていた。優秀な姉の陰に隠れがちなアンリエットに自身の境遇から共感を覚えている。 ブロンソンが逮捕された原因の1人であるロキに烈しい敵愾心を持つが、その一方でロキとフレイの両親を殺したのがブロンソンであることは知らないらしくロキから「おまえだけが親を殺されたと思うな」と言われた際はその意味を理解できなかった。 対象を言葉で操る魔術〈勅命詔書(ロイヤルオーダー)〉を使い、剣術の腕もかなり立つ。 ドロシー・マクガフィン 第十三位。登録コードは〈死者の王(ノスフェラトゥ)〉。直情傾向でオルガに行き過ぎた敬愛を抱く死霊術師の女子学生。16歳とは思えないほど子供っぽい容姿。口が悪く、相手を面と向かって「ドグサレ」呼ぶ。 黒薔薇の孫であり、硝子をお姉さまと呼ぶようになり、その後もなし崩しにアリスの策に協力した。 オーガスト・ヴェイロン 登録コードは「下から一番目(ラスト・ワン)」。フェリクスの脱落により「十三人」の一員となった。学力試験を白紙で出すなど、普段はやる気のない態度が目立つが、想い人には一途。 実は、オルガと同じく〈結社〉の人間であり、彼女の恋人。スレイプニル 身にまとって使用する甲冑型の自動人形。魔術回路は「距離操作(ストライド)」で、文字通り距離を操作する魔術。
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十三人(ラウンズ)
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