夜会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/28 13:37 UTC 版)
夜会(やかい)とは、字義通りには夜に開かれる舞踏会や晩餐会のことを指すが、以下では、シンガーソングライターの中島みゆきが1989年から行っている舞台について述べる。
概要
コンサートでもない、演劇でもない、ミュージカルでもない「言葉の実験劇場」をコンセプトとして、1989年に開始した。1998年までは毎年開催されていたが、スケジュール上の都合で、現在は不定期開催である[注 1]。開催場所は2004年までの13回は、一貫して渋谷のBunkamura・シアターコクーンで、Bunkamuraの主催事業(オフィシャルサプライヤーシリーズ)として開催されていたが、2006年の公演は、青山劇場で行われ、また同公演からは大阪のシアターBRAVA!でも開催されるようになった。2008年11月 - 12月の夜会VOL.15からは東京については赤坂ACTシアターで開催されている。現在は東京公演はTBSテレビ、大阪公演は毎日放送の主催で行われる。
シアターコクーン時代はチケットの入手が非常に困難だったことでも知られる。席種によっては1万円を超えるチケットもあり、当時としては通常のコンサートよりも高価であった。また開演が20時、終演が22時40分頃と通常の音楽公演よりも遅かった。小学生以下の入場は禁止されている。
夜会のオリジナル曲の一部は、中島のオリジナルアルバムに収録されることがある[注 2]。また、夜会曲のみで構成されたオリジナルアルバムもある[注 3]。
沿革
開始当初は明確な主題が存在せず、それまで中島が行ってきた通常のコンサートの延長線的存在であったが、1991年からは古典(故事)や日本神話などに着想を得た内容となり演劇色が強くなり、1994年からは完全なオリジナルストーリーとなった。また、舞台上で歌われる曲は当初は中島が1993年までに発表した楽曲と各回毎に書き下ろされた少数のオリジナル曲で構成されていたが、1995年からはテーマ曲である『二隻の舟(二雙の舟)』を除き、全て各回毎に書き下ろされたオリジナル曲で構成される様になった。
2013年よりそれまでの夜会で歌われた楽曲を披露するガラコンサート『夜会工場』を始める。現在VOL.2まで開催されている。
舞台
- シアターコクーンで上演されていた頃は、非常に大掛かりな舞台装置を使用したことでも知られている。
- 夜会1989と夜会1990では、バンドもステージの上で演奏していたが、VOL.3からは床下にオーケストラピットの様な空間が設けられ、その中で演奏するという形態に変わる。
公演一覧
- 夜会 (1989年11月17日 - 12月9日、全20公演)
- 本格的な撮影が行われず、資料的な映像しか残されていない。未映像化作品。
- 夜会1990(1990年11月16日 - 12月8日、全20公演)
- この回から完全映像化され、発売のために収録されている。
- 夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN (1991年11月13日 - 12月7日、全20公演)
- この回からストーリー性が打ち出されるようになった。中国の故事「邯鄲の夢」をテーマに、1人の女性が夢の中で見た少女から老婆になるまでに至る自己の一生を描いている。
- 夜会VOL.4 金環蝕 (1992年11月12日 - 12月11日、全23公演)
- 夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に (1993年11月14日 - 12月11日、全22公演)
- 夜会VOL.6 シャングリラ (1994年11月11日 - 12月10日、全23公演)
- 夜会VOL.7 2/2(1995年11月26日 - 12月25日、全23公演)
- 夜会VOL.8 問う女 (1996年11月25日 - 12月25日、全24公演)
- 夜会VOL.9 2/2 (1997年11月25日 - 12月27日、全25公演)
- 夜会VOL.10 海嘯 (1998年11月23日 - 12月25日、全25公演)
- 夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン(2000年11月22日 - 12月25日、全26公演)
- 夜会VOL.12 ウィンター・ガーデン (2002年11月26日 - 12月24日、全22公演)
- VOL.11の再演。VOL.11で谷山浩子だった役には当初は吉田日出子が予定されていたが、吉田の急病のため、香坂千晶に変更。未映像化作品。
- 夜会VOL.13 24時着 0時発 (2004年1月3日 - 1月28日、全20公演)
- 夜会VOL.14 24時着 00時発(2006年1月27日 - 5月14日、全36公演)
- 夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋 (2008年11月20日 - 2009年2月15日、全35公演)
- 夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋 (2009年11月18日 - 12月18日、全23公演)
- VOL.15の再演。初演時タイトルの「元祖」が「本家」に変わっている。
- 夜会VOL.17 2/2 (2011年11月19日 - 2012年2月21日、全36公演)
- 夜会VOL.18 橋の下のアルカディア (2014年11月15日 - 2014年12月16日、全23公演)
- 夜会VOL.19 橋の下のアルカディア (2016年11月17日 - 2016年12月17日、全23公演)
- VOL.18の再演。
- 夜会VOL.20 リトル・トーキョー (2019年1月30日 - 2月27日、全20公演)
- 渡辺真知子と共演。
- VOL.6以来25年ぶりに既存曲と書き下ろし楽曲を織り混ぜたスタイルで上演される。
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
夜会工場
- 夜会工場VOL.1(2013年11月22日 - 12月22日、全13公演)
- 香坂千晶、植野葉子と共演。未映像化作品。
- 夜会工場VOL.2(2017年11月26日 - 2018年2月18日、全18公演)
映像作品
概要
- 夜会1989の映像の一部は『THE FILM of Nakajima Miyuki』収録の「二隻の舟」の中で見ることが出来る。
- VOL.11(ツンドラ・バード~陽紡ぎ唄~朱色の花を抱きしめて、六花)とVOL.12(街路樹、氷脈、記憶)の映像は『夜会の軌跡 1989〜2002』で見ることが出来る。
- VOL.4及びVOL.6からVOL.10までは映画監督の根岸吉太郎が映像作品の監督を務めていた。
- VOL.4からは、ステージの映像に加えて、撮り下ろしの映像が使用され、独立した映像作品としての趣が強くなる。
- VOL.5は映像作品の他に、公演の制作過程を記録したドキュメント作品も同時発売された。
- ビデオ収録は基本的に中盤の2日間に行われている。シアターコクーン時代の公演のチラシには、当該日はカメラが場内に入る旨の告知があった。
- VOL.17は2013年11月9日から2週間限定でイオンシネマほか全国80館で上映された[1]。
発売日 | タイトル | 発売元 | 形態 | 製造番号 | |
---|---|---|---|---|---|
1st | 1991年11月7日 | 夜会1990 | ポニーキャニオン | VHS LD |
PCVP-50640 PCLP-00214 |
2nd | 1992年10月21日 | 夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN | PCVP-51011 PCLP-00383 |
||
3rd | 1993年11月3日 | 夜会VOL.4 金環蝕 | PCVP-51293 PCLP-00481 |
||
4th | 1994年11月2日 | 夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に | PCVP-51527 PCLP-00531 |
||
5th | 1994年11月2日 | ドキュメント夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に | PCVP-51528 PCLP-00532 |
||
6th | 1995年11月1日 | 夜会VOL.6 シャングリラ | PCVP-51742 PCLP-00577 |
||
7th | 1996年11月7日 | 夜会VOL.7 2/2 | PCVP-51942 PCLP-00614 |
||
8th | 1997年11月19日 | 夜会VOL.8 問う女 | PCVP-52235 PCLP-00660 |
||
9th | 1999年12月1日 | 夜会VOL.10 海嘯 | VHS DVD[注 4] |
PCVP-52764 PCBP-00159 |
|
10th | 2003年12月3日 | 夜会の軌跡 1989〜2002 | ヤマハミュージックコミュニケーションズ | DVD | YCBW-00008 |
11th | 2004年12月15日 | 夜会VOL.13 24時着 0時発 | YCBW-10002 | ||
12th | 2008年11月19日 | 夜会VOL.14 24時着 00時発 | YCBW-10017 | ||
13th | 2010年10月13日 | 夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋 | DVD Blu-ray |
YCBW-10028 YCXW-10001 |
|
14th | 2013年11月11日 | 夜会VOL.17 2/2 | YCBW-10037 YCXW-10005 |
||
15th | 2015年11月11日 | 夜会VOL.18 橋の下のアルカディア | YCBW-10060 YCXW-10007 |
||
16th | 2018年12月19日 | 夜会工場VOL.2 | YCBW-10086 YCXW-10013 |
||
17th | 2019年11月27日 | 夜会VOL.20 リトル・トーキョー | YCBW-10094 YCXW-10014 |
出版物
今までに、以下に示す出版物が発表されている。
- シナリオ集
発売日 | タイトル | 出版社 | ISBN |
---|---|---|---|
1992年11月10日 | 夜会Vol.3 KAN TAN | 角川書店 | ISBN 978-4048833226 |
1993年11月14日 | 夜会Vol.4 金環蝕 | ISBN 978-4048833493 | |
1994年11月30日 | 夜会Vol.5 花のいろはうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に | ISBN 978-4048833936 | |
1995年11月30日 | シャングリラ | ISBN 978-4048834292 | |
1997年4月25日 | 邯鄲 夜会1991 | 幻冬舎 | ISBN 978-4877284312 |
金環蝕 夜会1992 | ISBN 978-4877284329 | ||
1997年12月25日 | 花のいろはうつりにけりな 夜会1993 | ISBN 978-4877285425 |
- 小説
発売日 | タイトル | 出版社 | ISBN |
---|---|---|---|
1996年12月6日 | 2/2 | 幻冬舎 | ISBN 978-4877281380 |
1997年12月20日 | 問う女 | ISBN 978-4877282004 | |
1999年8月25日 | 2/2(文庫) | ISBN 978-4877287719 | |
1999年12月10日 | 海嘯 | ISBN 978-4877283407 | |
2001年1月15日 | ウィンター・ガーデン | ISBN 978-4344000728 |
- 写真集
発売日 | タイトル | 著者 | 出版社 | ISBN |
---|---|---|---|---|
2000年1月15日 | 夜会―中島みゆき | 田村仁 | 幻冬舎 | ISBN 978-4877283544 |
脚注
注釈
出典
- ^ a b 中島みゆき「夜会」劇場初公開&11年ぶりベスト盤,サンケイスポーツ,2013年8月26日
- ^ “中島みゆき「夜会」最新作が劇場版に!過去最多46曲を収録した6年ぶりの書き下ろし作”. シネマトゥデイ (2015年11月6日). 2015年11月6日閲覧。
外部リンク
夜会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 09:39 UTC 版)
「BLACK BLOOD BROTHERS」の記事における「夜会」の解説
ゼルマン・クロック 声 - 福山潤 始祖「闘将アスラ」の三世で、800年の時を生きる古血。赤髪・赤眼の美少年の容姿で、「緋眼のゼルマン」と呼ばれる。本来、相当な集中力を要する「視経発火」を自由自在に操る。視経発火とは文字通り「見るだけで敵を発火させる」能力であり、戦闘において圧倒的なまでの優位性を有している。しかも灰になれば蘇れないという吸血鬼の特性上、火は銀並みかそれ以上の抗吸血鬼効果を持つため、対吸血鬼戦では絶大な効果を発揮する。特にアグニの火矢と言われる「螺炎」の威力は兵器の域に達する。闘将の血から受け継いだ高い戦闘センスも相まって、特区内ではセイに次ぐ力の持ち主である。「闘将」の血統の定めとして同族内での闘いを宿命付けられているが、もはや血族内の生き残りは自分一人となっており、内心にくすぶる闘いへの渇望に苛まれている。 出身地は現在のポーランド地方で、世界中を気ままに旅していたが、数年前、特区内で混乱を起こしてくれることを期待したザザの手引きで特区に移り住んだ。気まぐれな性格で、特区内においてはどの組織にも属していないが、彼を担ぎ上げた若い吸血鬼達によって特区非公認組織「夜会(カヴン)」のリーダーとなっている(本人は我関せず)。夜会の吸血鬼とも馴れ合わない一匹狼的な性格だが、コタロウとは初めて出会った時から意気投合し、食事を奢ったりするなど面倒を見る傍ら、吸血鬼の「血」の本質や血統が持つ運命を教えるなど、コタロウにとっては「もう1人の兄」とも言うべき存在となる。 いつもジャージとニット帽と言ういでたち。服装は全てサユカがコーディネイトしたもので、いずれもかなりのブランド品。本人は浮世絵や漢字など東洋風のデザインが好みで、以前はそういったプリントがされていたTシャツやスカジャンを購入していたが、買うたびにサユカに処分されるので買わなくなった。 特区インパクトの際にはその実力を遺憾なく発揮し、九龍の古血を圧倒した。しかしラウが振るった「真銀刀」の一撃からコタロウを庇って致命傷を負い、最期はサユカに見取られつつ眠りにつく。その血はサユカへと受け継がれた。 白峯サユカ(しらみね サユカ) 声 - 佐久間紅美 人の身でゼルマンに付き従うクールで知的な女性。ゼルマンに心酔しており、彼に絶対忠誠を誓っているが、日に日に不安定になっていく彼の内面を感じ取り、彼の身を案じている。ゼルマン以外の存在には関心がなく態度も冷淡だが、ある事情から立場上敵対関係にあったミミコ達と行動を共にし、様々なトラブルをともに経験するうちミミコとは友人と呼べる間柄になる。 生真面目な性格の反動か非常に酒に弱く、飲むと大トラで泣き上戸という最悪の酔っ払いになる。マンションの部屋には引き伸ばされたゼルマンの写真が壁に貼られており、起床した時と帰宅した時に必ず写真に口づけしている。また、証明書用写真の撮影と称してゼルマンを撮影するのが趣味になっている。「悪の女王と黒騎士事件」の時は無理やりミミコの逃避行に同行させられる羽目になり、不本意ながらも様々な職業を転々とした。 特区インパクトでゼルマンが死亡した際に彼の血を受け継ぎ、「闘将アスラ」の血統を持つ吸血鬼となる。吸血鬼となってからはゼルマンの形見となったニット帽とジャージ、スニーカーを身に付けるようになった。九龍の血統に襲撃され危うい所でセイの魂が乗り移ったバウワウ卿に救われ、以後は彼と行動を共にしながら吸血鬼の能力を磨く修行を行っている。その中で「闘将アスラ」の血に目覚め、一般の転びたてとは一線を画す力を身につけた。その後は特区内で大きな戦果を挙げるようになったためにレジスタンス達のアイドルに祭り上げられてしまい、ニット帽とジャージという服装はレジスタンスの女性達の間で大流行する事になるが、本人にとってはかなり不本意な状況であった。ひょんなことで九龍の血統に捕らわれていたコタロウをセイと共に解放したことで、ザザの計画を知らない内に潰す快挙を成し遂げるも、その際に、バウワウ卿に宿っているのがセイであることを知り戦々恐々とした気分に陥る。 最終決戦ではジローやカーサ達との力の差に圧倒されるが、九龍の血統の本部を急襲した時は自身にセイを乗り移らせることでバウワウ卿に隠した「真銀刀」のカモフラージュとなる。更にセイの手助けで「螺炎」を発動させ、「縮地」を用いた零距離射撃でザザに致命傷を与える大金星を挙げる。決戦後はセイをぞんざいに扱った事に恐れをなしたこと、覚悟もなく吸血鬼となったことから、これから始まる吸血鬼としての長い時間とどう折り合いをつけるか模索するため、特区から旅立った。 オーギュスト・ワイカー 声 - 黒田崇矢 夜会の幹部的存在で、多くの手下を従えていた。人間を蔑視する典型的な夜会の思考の持ち主。ジローが初めて特区を訪れた際、「銀刀」の異名を持つ強力な吸血鬼であるジローが他勢力につくことを警戒して幾度となく彼を襲撃するが、ことごとく返り討ちに合い、最後にはザザの策略により「九龍の血統」に染まりジローの手で討たれた。
※この「夜会」の解説は、「BLACK BLOOD BROTHERS」の解説の一部です。
「夜会」を含む「BLACK BLOOD BROTHERS」の記事については、「BLACK BLOOD BROTHERS」の概要を参照ください。
「夜会」の例文・使い方・用例・文例
- 夜会服
- 夜会服の着用は任意です
- 夜会用のドレス
- Hope and Learnへの寄付は、この夜会の最後に集めます。
- その女性の夜会服はブルーのコーディングで縁取りされていた。
- 私はその夜会に参加した。
- 私はその夜会社に泊まりました。
- 今夜会議に出席する予定です。
- 私たちは今夜会って話しましょう。
- 私たちは今夜会いましょうか?
- 私は今夜会社の人たちと夕飯を食べに行きました。
- 私はあなたに今夜会えるのを楽しみにしています。
- 夜会服は仕事をするには不便だ。
- 昨夜会社からの帰宅の途中で、私はチンピラの一団に徹底的に叩きのめされてしまった。
- 今夜会うことが出来ますか。
- ローブデコルテ 《女性の襟なし夜会服》.
- 必ず夜会服着用のこと.
- 夜会.
- 夜会に詩の朗読をして風趣を添える.
- その晩[夜会]は盛会だった.
夜会と同じ種類の言葉
- >> 「夜会」を含む用語の索引
- 夜会のページへのリンク