オーケストラ‐ピット【orchestra pit】
読み方:おーけすとらぴっと
「オーケストラボックス」に同じ。
歌劇場
オーケストラ・ピット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 05:33 UTC 版)
「バイロイト音楽祭」の記事における「オーケストラ・ピット」の解説
バイロイト祝祭劇場の大きな特徴の一つが、この劇場のオーケストラ・ピットにある。ピットは指揮台から階段状に舞台の下に下っていく構造になっており、客席からオーケストラはまったく見えない。これには、客席へオーケストラからの音が直接届かないため、歌手の言葉がよく聞こえるという利点と、譜面台のライトを隠して完全な暗闇を作れるという二つの利点がある。しかも通常の歌劇場とは違い、客席からは指揮者すら見ることが出来ない。つまり指揮者の入場の拍手すらなく、暗闇の中から音楽が鳴り始まるため、観客は視覚に惑わされることなく音楽だけに集中することになる。また、歌手にオーケストラの旋律がよく聞こえるようにする工夫として、第1ヴァイオリンが普通とは逆の、客席から見て右側に座る。 上述のように、上演中の劇場内はかなりの高温になる場合があるため、オーケストラのメンバーはTシャツや短パンといったラフな姿が多く、ピット最下段にいる打楽器奏者にいたっては半裸に近い姿になることもある。指揮者も同様にくだけた服装のままのことが多いが、彼らは終演後舞台挨拶に出るために、急いで正装に着替えなければならない(ただし最近は指揮者のみが正装で挨拶に出ている)。 ヴァイオリニストの眞峯紀一郎は、その独特な形状と音響について、演奏家の立場から次のように説明している。 祝祭歌劇場のピットでは、オーケストラの音がまず「反響板」にぶつかり(この反響板が、聴衆からオーケストラと指揮者を隠す“覆い”にもなっています)、そこに反射した音が舞台に届きます。ですから、歌手たちが舞台で聞く音は、我々が弾いたタイミングよりワンテンポ遅れているのです。そのためオーケストラは、舞台から聞こえてくる声に合わせるのではなく、指揮者の棒に対して忠実に演奏しなければなりません。
※この「オーケストラ・ピット」の解説は、「バイロイト音楽祭」の解説の一部です。
「オーケストラ・ピット」を含む「バイロイト音楽祭」の記事については、「バイロイト音楽祭」の概要を参照ください。
オーケストラピットと同じ種類の言葉
- オーケストラピットのページへのリンク