パラダイス・カフェとは? わかりやすく解説

パラダイス・カフェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 14:02 UTC 版)

パラダイス・カフェ
中島みゆきスタジオ・アルバム
リリース
録音
ジャンル J-POP
時間
レーベル ポニーキャニオンAARD-VARK
プロデュース
チャート最高順位
中島みゆき アルバム 年表
大吟醸
1996年
パラダイス・カフェ
1996年
わたしの子供になりなさい
1998年
『パラダイス・カフェ』収録のシングル
  1. 旅人のうた
    リリース: 1995年5月19日
  2. たかが愛
    リリース: 1996年11月21日
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パラダイス・カフェ』は、1996年10月18日に発表された中島みゆきの24作目のオリジナルアルバムである。

制作、レコーディング

東京ロサンゼルスの2ヶ所で、それぞれ現地のスタジオ・ミュージシャンを交えて1曲ごとに2回ずつレコーディングを行い、中島自身が気に入ったテイクを選曲し、そのうちの8曲はロサンゼルスにてレコーディングされたものが採用された[3][注釈 1]。また、ライブ感を出すためにヴォーカルとバンド演奏の同時録音を行った[4]

プロモーション

本作の発売を記念して、渋谷パルコにてイベント『miss M.のパラダイス・カフェ』が1996年10月17日から27日まで開催された。イベントでは、本作の全収録曲をそれぞれイメージした11種類のオリジナルカクテルなどが提供された(カクテル名は各楽曲のタイトルだった)。

リリース

1996年10月18日に、ポニーキャニオンからCDAPO[注釈 2]の2形態でリリースされた。

現行盤のCDは、2001年ヤマハミュージックコミュニケーションズから発売されたものである。

記録

オリコンアルバムチャートでは最高7位を記録し[1]1977年にリリースされた3rdアルバム『あ・り・が・と・う』から本作品まで、中島のオリジナルアルバムが同チャートで22作連続で最高10位以内を獲得した。

収録曲

CD[5]
APO
全作詞・作曲: 中島みゆき
# タイトル 作詞 作曲・編曲 編曲 時間
1. 旅人のうた〈2nd Version〉(WANDERERS SONG) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
2. 伝説(LEGEND) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
3. 永遠の嘘をついてくれ(LIE TO ME ETERNALLY) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
4. ALONE, PLEASE(LEAVE ME ALONE, PLEASE) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
5. それは愛ではない(THIS IN NOT LOVE) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
6. なつかない猫(UNTAMED CAT) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
7. SINGLES BAR 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
ストリングスアレンジ: David Campbell
8. 蒼い時代(BLUE GENERATION) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
9. たかが愛(IT'S ONLY LOVE) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
10. 阿檀の木の下で(UNDER THE SCREW PINE TREE) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
ストリングスアレンジ: David Campbell
11. パラダイス・カフェ(PARADICE CAFE) 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
合計時間:

楽曲解説

  1. 旅人のうた〈2nd Version〉
    • 日本テレビ系のテレビドラマ家なき子2』(1995年[6]の主題歌として発表された楽曲のアルバムヴァージョン。テンポも速く歌唱も少し落ち着いたものなっており、歌詞の構成もシングルヴァージョンと一部異なっている。
  2. 伝説
  3. 永遠の嘘をついてくれ
    • 吉田拓郎に提供した曲のセルフカヴァーで、オリジナルはアルバム『Long time no see』(1995年)[7]に収録されている。
    • 楽曲制作の経緯は、1994年に泉谷しげるの呼びかけでニューミュージックの御大が集まったチャリティー・コンサート『日本を救え!』で、拓郎が、中島の「ファイト!」をカバーしたことに始まる。演奏し終えて、自分の作風のような曲だと感じながらも、自分にはもう「ファイト!」のような曲を創れないと感じた[8]。その後、拓郎は『Long time no see』のレコーディング中に中島を食事に誘い、楽曲提供を依頼した。作風については「遺書のような曲を(お願いします)」と要望したが[8][9]、拓郎のファンだった中島は「これを(拓郎の)最後の曲にはしない」という条件で引き受けた[9]
    • 歌詞は「あなたの歌に心を揺さぶられてきたのに、その歌が噓だったなんて言わないでくれ、噓なら噓で構わない、ならば永遠の噓をついてくれ」という叱咤の気持ちがこめられている[10]
    • 2006年つま恋ライブでは、この曲で吉田と共演を果たした[11]
  4. ALONE, PLEASE
  5. それは愛ではない
  6. なつかない猫
    • 曲中で中島が猫の鳴き声を真似ている箇所がある。
  7. SINGLES BAR
  8. 蒼い時代
  9. たかが愛
  10. 阿檀の木の下で
    • 太平洋戦争末期から日本に返還される前までの沖縄を擬人化したような曲。この曲について中島は本作リリース当時のインタビューで、曲の構想自体はかなり以前から存在したが、沖縄(に関する問題)を外側から見るだけでなく自分のこととして考えなければ歌にすることが出来ないという思いがあったことを語っている[13]。なお、タイトル中の「阿檀」とは、日本国内では主に沖縄に生息する植物である。
  11. パラダイス・カフェ

演奏者

旅人のうた〈2nd Version〉

伝説

永遠の嘘をついてくれ

  • Drums:大久保敦夫
  • E.Guitar:今剛
  • 12 strings A.Guitar:中村修司
  • A.Piano, Keyboards & Synth.Bass:中西康晴
  • Programming:浦田恵司
  • Background Vocals:比山貴咏史・木戸恭弘・岩崎元是・和田惠子・山根麻衣・山根暁

ALONE, PLEASE

  • Drums:Russ Kunkel
  • Upright Bass:Chuck DoManico
  • E.Guitar:Micheal Thompson
  • A.Piano:Jon Gilutin
  • Keyboards:瀬尾一三
  • Programming:浦田恵司・小笠原学
  • Background Vocals:Julia, Maxine & Oren Waters

それは愛ではない

  • Drums:Gregg Bissonette
  • E.Bass:Neil Stubenhaus
  • E.Guitar & Solo:Micheal Thompson
  • A.Guitar:Dean Parks
  • A.Piano:Jon Gilutin
  • Alto & Tenor Saxes:古村敏比古
  • Keyboards:エルトン永田
  • Programming:浦田恵司・小笠原学
  • Background Vocals:Julia, Maxine & Oren Waters

なつかない猫

  • Drums:Gregg Bissonette
  • E.Bass:Neil Stubenhaus
  • E.Guitars:Micheal Thompson, Dean Parks
  • Slide Guitar:Micheal Thompson
  • A.Piano & Organ B3:Jon Gilutin
  • Tambourine:斉藤ノブ
  • Background Vocals:Julia, Maxine & Oren Waters

SINGLES BAR

  • Drums:Gregg Bissonette
  • E.Bass:Neil Stubenhaus
  • E.Guitar:Micheal Thompson
  • A.Guitar:Dean Parks
  • A.Piano:Jon Gilutin
  • Keyboards:エルトン永田
  • Programming:浦田恵司・小笠原学
  • Strings Arrangement:David Campbell
  • Contractor:Suzie Katayama
  • Concertmaster:Sid Page

蒼い時代

  • Drums:大久保敦夫
  • E.Bass:美久月千晴
  • E.Guitar:古川望
  • Gut Guitar:中村修司
  • Keyboards:中西康晴
  • Programming:小笠原学

たかが愛

  • Drums:Gregg Bissonette
  • E.Bass:Neil Stubenhaus
  • E.Guitar & Solo:Micheal Thompson
  • E.Guitar:Dean Parks, 今剛
  • A.Piano:Jon Gilutin
  • Percussion:Walfredo Reyes Jr.
  • Keyboards:中西康晴
  • Programming:中山信彦・浦田恵司・小笠原学
  • Background Vocals Julia, Maxine & Oren Waters

阿檀の木の下で

  • A.Piano:Jon Gilutin
  • Strings Arrangement:David Campbell
  • Contractor:Suzie Katayama
  • Concertmaster:Sid Page
  • Keyboards Programming:瀬尾一三・浦田恵司・小笠原学

パラダイス・カフェ

  • Drums:Russ Kunkel
  • E.Bass:Abe Laboriel
  • E.Guitars & Solo:Micheal Thompson
  • A.Piano & Organ B3:Jon Gilutin
  • Percussion:Walfredo Reyes Jr.
  • Keyboards:エルトン永田
  • Programming:浦田恵司
  • Harmony Vocal:中島みゆき
  • Background Vocals:Julia, Maxine & Oren Waters

脚注

注釈

  1. ^ 「伝説」「永遠の嘘をついてくれ」「蒼い時代」の3曲は東京にてレコーディングが行われた。
  2. ^ APOは、アモルファスポリオレフィン (Amorphas Poly Olephein) を基盤材料に使用していたCD。中島以外では、小比類巻かほるCHAGE&ASKAなどがAPO盤がリリースされている。

出典

  1. ^ a b パラダイス・カフェ | 中島みゆき”. ORICON NEWS. 株式会社oricon ME. 2024年3月8日閲覧。
  2. ^ パラダイス・カフェ | 中島みゆき”. ORICON NEWS. 株式会社oricon ME. 2024年3月8日閲覧。
  3. ^ 中島みゆき / パラダイス・カフェ [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2024年3月8日閲覧。
  4. ^ 中島みゆき / パラダイス・カフェ [再発]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2024年3月8日閲覧。
  5. ^ パラダイス・カフェ”. タワーレコード. 2024年3月8日閲覧。
  6. ^ 家なき子2”. テレビドラマデータベース. 2024年3月8日閲覧。
  7. ^ 吉田拓郎 / ロング・タイム・ノー・シー”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2024年3月8日閲覧。
  8. ^ a b 中島みゆき、囁かれる“引退説”を初めて語った! 吉田拓郎の引退には「キャハハ」と笑みを浮かべて”. 週刊女性PRIME. 主婦と生活社. p. 3 (2022年8月22日). 2022年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。
  9. ^ a b サエキけんぞう (2022年4月30日). “やさしいうそ(5) 「究極のうそ」編”. NHKネットラジオ らじる★らじる. 日本放送協会. 2022年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。
  10. ^ 桑原聡 (2022年9月3日). “モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら (135) 拓郎よ、フォーエバー”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社). オリジナルの2022年9月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220903022810/https://www.sankei.com/article/20220903-5S7XI2NM4VNCBLXSHDC6WYRLMY/ 2022年9月5日閲覧。 
  11. ^ 中島みゆきの救いと愛、ラスト・ツアーを瀬尾一三と語る”. ローリング・ストーン. CCCミュージックラボ (2022年4月30日). 2022年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。
  12. ^ はみだし刑事情熱系(1)”. テレビドラマデータベース. 2024年3月8日閲覧。
  13. ^ 朝日新聞 1996年11月11日夕刊

外部リンク


パラダイスカフェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/27 16:46 UTC 版)

パラダイスカフェ
ジャンル 少女漫画料理漫画恋愛漫画
漫画
作者 ひうらさとる
出版社 講談社
掲載誌 なかよし
レーベル 講談社コミックスなかよし
発表期間 1991年4月号 - 1992年7月号
巻数 全3巻
話数 全15話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

パラダイスカフェ』は、ひうらさとるによる日本漫画作品。『なかよし』(講談社)にて1991年4月号より1992年7月号まで連載された。

あらすじ

主人公・ユキオは家族の都合で全国各地を転々としていたが、1つの町に落ち着くことになった。ユキオは新しく通うことになった学校で、オコジョのミューを連れた男の子・ハルと出会い、オムレツを食べさせて貰う。「天使の羽」のようなその味に、学校への期待が高まったユキオ。しかし食堂が食券機での注文で、料理の味が美味しくないことにユキオは不満を持つ。食堂でそのことについてあゆみとゆーじと会話中、ハルに再会する。「食べ物だけでシアワセになれるのは問題」だとハルに言われ、ユキオは悔しい思いをする。食堂のことを考えると憂鬱になるユキオのために、父は楽園(パラダイス)みたいな食堂(カフェ)を開いてくれたのだった。卵料理で全校生徒を満足させた父は、校長から食堂をまかされる。

美味しいものを食べるだけで幸せだったユキオだが、丘の上に出来たフランス料理店の女性シェフとの料理対決がきっかけで、自分が作った料理で笑って貰えたことに喜びを感じる。ハルに助けて貰ったことに感謝をしたユキオは礼を言い、ハルに対して胸が高鳴るのだった。それ以来、ユキオはハルのことが気になり始める。ハルのことが好きだと自覚したユキオは、料理の腕を磨き始める。

正月、ユキオはハルの母親から「本のレシピをすべてマスターするまで高野家はあなたを認めない」と言われる。本のレシピをマスターしていくうちに、ユキオは料理をすることが楽しくなっていく。

ユキオの父が店を開く都合でウィーンに引っ越すことになったユキオ。ハルに料理を作り、想いを打ち明け、晴れて両思いとなる。しかし実は店は隣の町にあり、ユキオは皆と別れずに済むのだった。

登場人物

松本 ユキオ(まつもと ゆきお)
14歳。身長160cm。好きな食べ物がたくさんあり、嫌いな食べ物はない。
3年D組。食べるのが好き。料理がまったく出来ないことと、恋をしたことがないことがコンプレックス。母に貰ったスプーンをお守りにしている。

ユキオの学校関係者

高野 晴矢(たかの はるや) / ハル
身長175cm。血液型はB型。
3年D組。いつもオコジョのミューを連れている。ミューとは北海道に住んでいた頃に友達になった。
頭が良く、足も速い。冷静な性格。後輩にファンがいる。プリンの形が苦手。
あゆみ
3年D組。三食お菓子を食べて生きている。、油っこいもの、辛いもの、納豆トマトオクラ白菜が嫌い。
茶谷 ゆーじ(ちゃや ゆーじ)
3年D組の委員長。料理が上手。得意料理は肉じゃがとカレイの煮つけ。姉が3人いる。
金城寺 緑子(きんじょうじ みどりこ)
3年A組。あだ名は「ゴールド様」。学校で一番の大金持ち。学校の窓から見える丘にある金城寺農場を所有している。
品川(しながわ)
1年A組。好きなものは編み物とパステルカラー。嫌いなものはホラー映画と派手な服。
目黒(めぐろ)
野菜が好き。
伊島(いじま)
3年D組の担任教師。フランス料理が好きで、特にフランスパンが好物。パリに行ったことがないパリジャンフランス語が得意。
校長先生
好きな食べ物はプリンとゼリーで、それをバケツ一杯食べるのが子供の頃の夢だった。タッちゃんとは囲碁をする仲。

ユキオの家族

松本 タッちゃん(まつもと たっちゃん)[注釈 1]
4歳。身長105cm。血液型はO型。好きな食べ物はホッケ、板わさ、梅キュウ、肉じゃが、たまごふりかけ。嫌いな食べ物は女性が好むような甘いスイーツとお子様ランチ(特にケチャップ味のスパゲティー)。
ユキオの弟。大阪弁で話す。保育園を中退し、ユキオの学校に入り浸っている。第12話より幼稚園に入学。
松本シェフ(まつもと)
45歳。ユキオの父親。全国の中学校に革命をおこすと言われるほどの名コック。みんながシアワセな気持ちになれるレストランを開くのが夢。
松本 みよこ(まつもと みよこ)
ユキオの母親。故人。ユキオに「この世で一番素敵なことはお料理することと愛されること」だと教えた。

その他の人物

バイオレット高野(ばいおれっとたかの)
33歳。ハルの母親。売れっ子フードコーディネーターで、よくテレビに出ている。本名はムラサキ。
ジャン
ハルの父親。ハルが小学生の頃から妻と別居しており、パリで暮らしていたが、日本で暮らすことにした。シェフ。
ミヨコ
タッちゃんが通う幼稚園の先生。

書誌情報

脚注

注釈

  1. ^ 第1巻柱スペースの登場人物紹介に「松本タッちゃん」と記述されている。

出典

  1. ^ パラダイスカフェ(1)”. 講談社コミックプラス. 2021年1月7日閲覧。
  2. ^ パラダイスカフェ(2)”. 講談社コミックプラス. 2021年1月7日閲覧。
  3. ^ パラダイスカフェ(3)”. 講談社コミックプラス. 2021年1月7日閲覧。




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