浜名湖高校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 23:35 UTC 版)
静岡県浜松市にある、男女共学の県立高校で、通称浜高。別々の中学校で柔道をしていた主人公達が、この高校で集結し物語が始まる。主人公達の入学当初は柔道部がなく、5人の1年生部員だけで柔道部を立ち上げる。なぜか上級生が入部することはなかったが、創部2年で高校柔道選手権の団体戦優勝という全国制覇を成し遂げる。浜名湖は作者の出身地である静岡県浜松市に実在する地名で、鰻の養殖と競艇が行われていることで有名。 粉川巧(こがわ たくみ) 本作の主人公で浜高柔道部のポイントゲッター。入学当初は168 cm65 kgで軽中量級。後に中量級となり、エピローグでは78 kg以下級。初期の頃は「巧」と「タクミ」の両方で呼ばれていたが、途中からは「巧」に統一されている。名字の粉川を読めずに「こながわ」と読まれた事もある。小学生の時に消防士だった父親が他界し、看護婦の母親と二人暮し。母は気の強い男勝りの性格で、親子関係は良好のようだが巧は頭が上がらない様子である。地元で行われたインターハイでは母が父の遺影を持って駆け付けている。 得意技は左右の背負い投げと一本背負い。2年インターハイで軽中量級で準優勝、翌年のインターハイでは優勝している(決勝の相手はいずれも鳶嶋雅隆)。後に腕返しを体得する。 性格は熱血柔道バカ。普段はのんびりしているが、厳しい練習が全く苦にならないほどの柔道好き。また柔道が絡むと頭に血を昇らせ前後の見境もなくなるため、ライバルの藤田とは衝突をくり返す。才能と努力が相まってめきめき実力を高め、強敵相手では類稀な実力を発揮して大金星を上げる反面、油断によるポカも多い。県大会、全国大会と進むにつれて浜高不動のエースに成長していく。 得意技の背負い投げに磨きをかけてからは「超高校級」と称された。地区大会では個人戦に出場するというだけで関係者を騒然とさせた。千駄ヶ谷に敗れたインターハイ団体戦と鳶島に敗れた個人戦準優勝以降は全国区となる。卒業後は世話になった指導者の伴に誘われ、尊敬する先輩、柴田のいる立体大に推薦入学で進学した。 保奈美とは幼馴染にして周囲公認の彼氏彼女の間柄。人目も憚らずイチャつくことがあり、浜高柔道部では「バカップル」と思われている一方、「小学生並の進展度」と言われたこともある。桜子や別所愛子に好意を持たれるものの、それには全く気づくことがなかった根っからの朴念仁。 ギャグシーンなどにもそれなり加わっており、三溝の代わりに「三バカ」に加わっていることも多々あった。桜子と保奈美が体操着に道着の上だけ羽織って練習する姿を覗き見して、杉、宮崎と共に「ケダモノトリオ」と言われたこともあった。 連載時に三回行われた読者人気投票で、主人公でありながら最初の二回は桜子の後塵を拝して一位を取れなかったため、来留間大志に罵倒されたこともある。三回目にやっと一位を獲得した時には発表自体が伏線となっており、謎のADとして最後まで正体を明かさなかった(正体を明かしたときにはやはりツッコまれた)。 第17回全国高等学校柔道選手権大会のポスターに描かれた。 杉清修(すぎ せいしゅう) 柔道部主将。入学当初は179 cm72 kgで中量級。得意技は内股や大内刈りおよび返し技全般で、後に奇襲技のすくい投げを会得する。 巧とは中学時代からの親友で、同じ浜名湖高校に進学した。団体戦では安定した強さを発揮するも、個人戦では同じ階級にいた三工の藤田にことごとく阻まれ、最後まで個人成績は県大会止まりに甘んじた。また追い込まれると意外な底力を見せる。メンバーからの呼び名は名字である「杉」。中学の同級生である巧は物語の開始当初、下の名前の「清修」と呼んでいたが、いつの間にか他メンバーと同様に名字で呼ぶようになっていた。 スキンヘッドが特徴で、実は美形。実家は浄土真宗の寺。宮崎と並ぶ浜高のギャグ要員だが学業は優秀で、エピローグでは一浪して東大へ進学している。反面、浜校メンバーのまとめ役の座は斉藤に奪われており、自ら頭脳戦には向いていないと発言したりもしている。ほかにも、桜子によれば女子に人気あり、バレンタインデーではかなりのチョコを貰っている描写があった。薫というイタズラ好きで小生意気な2学年下の妹がいる。 単行本巻末企画「絵筆をもってね!」ではネタ要員として幅広い人気を博した(例:FBIに連れられた宇宙人・杉など)。 「桜子が好きなのでは」と作中では宮崎や、読者からは「絵筆をもってね!」で指摘されていたのを、本人は否定していた。エピローグにおいて、桜子に片思いを寄せていたことが明らかにされたが、桜子が巧に片思いをしていることを知って自重していたと思われる描写がある。二人の関係についてのその後は描かれていない。 斉藤浩司(さいとう こうじ) 柔道部副主将。入学当初は173 cm68 kgで軽中量級。得意技は多数ある。豊富な柔道知識を持ち、試合中にアドバイスをしたり解説役をこなしたりする。柔道に関する記憶力は確かで選手の名前や試合内容などもよく覚えている。また、アマレスなどの知識を披露したこともあった。柔道に対する姿勢はかなりストイックで、作中で杉らと方針を巡って深刻な対立に発展したほどである。強化方針は理論派で練習の量より質を高める工夫をこらす。 浜高メンバーきっての良識派だが、ギャグセンスは無い。開いているのかわからない細目と、逆立てたツンツンヘアが特徴(合宿所の風呂場で髪を降ろしていたら巧から「あんた誰?」と言われたこともある)。 記憶力は良い割に学業成績はふるわず普通。浜高入学も地元地区のレベルが高く成績が足りなかったことによる。昇段試験での初対戦以来、同階級の巧とはチームメイトで良きライバル。個人戦では激戦を繰り広げた。 地区では「技のデパート」と称されるテクニシャン。得意技は一本背負いや背負い投げ、体落とし、足技などの立ち技から谷落としや腕返し、帯取り返しといった奇襲技、さらには寝技、関節技、跳び関節まで枚挙に暇がない。裏技習得においても斉藤は幾つもの裏技を習得していた。インターハイでは怪我、個人戦では活躍の場が無く終盤まで作中で無名の選手扱いだったが、県大会における対三方ヶ原工業高校の3人抜きや、全国大会で優勝候補である東名大藤沢の津末・原を下すなど、その実力は物語終盤の選手権で遺憾なく発揮される。鳶嶋雅隆をして「浜高の第三のポイントゲッター」と言わしめた実力者であり、藤田を下して高校日本一となっていた橘との戦いでは三溝の活躍や藤田のアドバイスもあって、息をもつかせぬ攻防で三階級も上の橘を翻弄して引き分けに持ち込んだ。 2年インターハイ県大会個人戦準決勝の石塚戦で肩の肉離れを起こすアクシデントがあり、療養のためレギュラーを外れる。だが、優れた指導者の片鱗を見せ、仲安・石野の成長を促した。復帰に喜びを隠せない様子から、桜子からは根っからの柔道バカと評される。インターハイ全国大会で、肩を保護するテーピングを外す作業を手伝って貰ったことから別所愛子と親しくなる。大会後文通していたが、メンバー達に発覚。さらには桜子の失言で後輩たちも知るところとなり、三バカからはしばらく練習中に集中攻撃をする・教科書に落書き・「恋泥棒」というあだ名を付ける等数々の嫌がらせを受けた。普段は冷静な試合運びを信条とするクールな斉藤だが、愛子が応援に現れると別人のように気合いを前面に出して戦う。 家は母が一人でラーメン屋を経営しており、弟3人妹1人がいる。なお家族全員目の形が同じ。卒業後は家業を継ぐつもりでいたが、日の本大学から推薦入学の声がかかり進学。チームメイトとなった鳶嶋雅隆とは同部屋となっていた。最終成績は全国大会準優勝。 宮崎茂(みやざき しげる) 浜高の切り込み隊長。入学当初は160 cm58 kgで軽量級。得意技は背負い投げや巴投げで、後に逆一本背負いなどのレスリング技を会得する。背は小さいが気の強い生意気なタイプ。照れ屋な性格のため、保奈美や桜子についキツイ態度を取ってしまうこともあるが、周囲は彼の性格を理解しているので気にしていない。ノリの良い性格で杉と並ぶギャグ要員をこなした。また、三溝を加えて「三バカ」となることもあった。落ち込んでいても女の子に励まされると非常に復活が早かったりと、気持ちの切り替えが早い。 団体戦では軽量級のため、不利になることが多かった(団体戦ではミスマッチな重量級との対戦が多かった)が、技とスピード・気迫で立ち向かい、自分よりも重い階級の対戦相手であっても引かない戦いを見せ、金星をあげることもあった。個人戦の戦績は巧と並んで全国トップクラスで、最終成績では軽量級で全国優勝を果たしている。だがお調子者な性格が災いし、試合を優勢に運びながら背負いを払い腰で返され一本負けを喫したり、禁止技だとは露知らず河津掛けで警告を取られて反則負けしたり、女子の声援に浮かれ調子に乗ったために大ミスをしたりと、ここ一番でのチョンボも多い。スタンスとしてはスピード感あふれる柔道を得意とする。 一人っ子で家は酒屋を経営している。三溝とは幼馴染で序盤は行動を共にしていることが多かった。柔道部創設においては最後まで巧たちと一緒に部を立ち上げることに反対したが三溝の裏切りに遭い折れた。強化をめぐる柔道部の分裂騒動では最後まで杉の側についた。 長谷が試合後バク転を披露したのに対抗し、長谷戦勝利後バク転を披露した。アマレス技を習得するため、レスリング部に出稽古に行っている。 卒業後は藤田や平八郎と共に明政大学に進学。一足先に大学生になっていた玉城の後輩となる。 三溝幸宏(みつみぞ ゆきひろ) 巧と並ぶ浜高のポイントゲッター。愛称はミッタン。入学当初は195 cm110 kgで重量級。静岡県内では一番の長身である。 得意技は大外刈りや内股、払い腰で、後に立ち姿勢での関節技を会得する。変則技のヴァン・デ・ヴァル投げも得意としていたが、危険なために1年目の秋以降は作者によって封印された。 体は大きいものの末っ子長男という家庭環境もあって普段は気が小さい。性格改造のために街中でヤンキー相手に誰彼構わずガンを飛ばすということもさせられた。だが脱臼を押して試合に臨むなど、ここ一番では闘志にあふれる姿勢を見せる。重量級だが身長もあるバランスのとれた体型。その怪力は無差別級優勝者の橘をも上回るほどで、2年時の選手権団体戦県予選では藤田に瞬殺された悔しさのあまり床を殴りつけ、スプリングの仕込まれた会場の床全体を振動させるという描写があった。また、斉藤のアドバイスを受けた後輩の石野に不覚をとったときは悔しさを露わにし、怒りの形相で仲安を萎縮させた。 三バカの一人に数えられるが基本的に真面目な性格で、杉や宮崎のように単独でのギャグはない。ギャグ要員としてはジャイアントロボやターミネーターネタが代表的。文化祭ではクジびきでヒロインに抜擢され、シンデレラを演じた(保奈美が王子で桜子が魔法使い。杉と宮崎が継母と義姉、巧は馬車の馬、斉藤は役人A。)。 3人の美人で気の強い姉がおり基本的には逆らえない。宮崎とは幼馴染の腐れ縁。実は私立高に受かっていたにもかかわらず、無理矢理つきあわされ浜高入りしたと本人は涙ながらに語っていた。さらに、柔道を始めたのも中学時代に宮崎に(無理矢理)柔道部に入れられたせいである。ちなみに本人は文化系クラブに入りたかった模様。 高校卒業後は天味大学に進学。橘と並ぶ同校のエースに成長する。全日本選手権ではベスト4に進むが、準決勝で巧と対戦し熱戦の末敗れた。 近藤 保奈美(こんどう ほなみ) 巧の幼馴染みで柔道部マネージャー。桜子に度々その座を脅かされるヒロイン。真面目な性格で斉藤と並ぶ良識派、また成績も杉に次ぐほど優秀だが天然ボケの気がある。身体が丈夫でないらしく、運動神経もゼロに近い。また、作中のあるシーンで「氷の微笑」を見せたこともあり、松原と薩川の関係を誤解して桜子に妙なアドバイスを送るなどしている。バレンタインの回ではいきなり少女漫画調になったりと浜高メンバーらしく変幻自在。 浜高柔道部を陰から支え続けるほか、試合中に「負けないで」コールをして巧の底力を引き出すこともあった。巧は幼馴染にして周囲公認の彼氏である。なお、巧は彼女に頭が上がらなかったが、同時に巧の最高の理解者でもあった。桜子とは中学時代からの親友で、彼女の特訓相手を務めたりもした。中学時代はおさげだったが高校進学を機におろした。 当初は巧の敗戦など、なにかあるとすぐに泣くことが多かった。回を追う毎に逞しくなり泣く機会は激減する。また、要求が「負けないで」から、「一本勝ちしなきゃ許さない」にまで大きくなっていると読者からツッコまれたこともあり、作中終盤テスト勉強のため自宅で巧と二人きりになったときは、物差し片手にスパルタ教師ぶりを発揮するなど手強い面も見せる。 麻里の入部で桜子が柔道を始めると2年生の間は唯一人の女子マネージャーとなる(3年生で薫が入部したことで解消される)。部費の使い道を巡るじゃんけん勝負に勝利し、待望の全自動洗濯機「愛人号」を購入して貰いランちゃんと命名している。 校内ではアイドル並のクオリティを持つ学年一の美少女とも言われ、桜子との美少女コンビとして有名だった。最初の大会ではその笑顔と素直さで赤石林業から情報を引き出している(赤石林業の酒井は“こんにちは”攻撃と呼んでいる)。ただし、巧との関係は校内で知られており男子生徒が嫉妬の炎を燃やすといった場面もあった。 エピローグでは巧専属の通訳を目指し海外留学をしており、彼女の帰国で幕を閉じる。 海老塚 桜子(えびづか さくらこ) 柔道部マネージャーおよび途中から女子柔道部員。4コマでは親友・保奈美の立場もあって「帯ギュのアイドル」に甘んじているが、実質的に裏ヒロイン。入学当初は160 cm、柔道を始めた時は48 kg以下級で、後に52 kg以下級、56 kg以下級と階級を上げていく。 保奈美とは中学時代からの付き合い。巧の昇段試験を応援しに行くことになっていた保奈美に付き添いとして同行し、交通事故で到着が遅れて体育館の陰でこっそり着替えをしていた巧と鉢合わせしてしまう。中学時代はまだトレードマークのポニーテールにしておらず、ショートカットにリボンだった。その半年後に同じ浜名湖高校に進学。巧、杉と再会を果たすが名前も覚えていて貰えないほどの扱われようだった。 柔道部のムードメーカー。熱血体質で体育会系のノリの良い性格。ただしギャグには一種のこだわりがあり、つまらないギャグには杉や宮崎、果ては三工の来留間大志や県警の西久保にまで厳しくツッコむ。試合に興奮すると我を忘れ、思わず隣にいた巧に抱きついたり、二階座席から足をかけて身を乗り出したりと大胆な行動をとってしまう。 持ち技は小内刈りと背負い投げの連携のみで、必殺技は相手がどんな体勢であろうと引っこ抜くようにして投げるハイスピードのバックドロップ(裏投げ)。登場人物からは「デンジャラスな投げ」「ダイナマイト・キッドばり」と言われていた。諦めが悪く、劣勢の試合後半になるほど動きにキレが増す戦いぶりから、袴田今日子や藤田から「戦い方が巧のそれと良く似ている」と評される。女子には珍しい左組み手であることも対戦相手が苦戦する理由になっている(別所愛子も同様)。 体育の成績が10段階評価で10という驚異的な運動神経の持ち主(50メートル7秒フラット・走り幅跳び5メートル以上など)でそれが災いして、女子テニス部部長の目に留まり執拗に勧誘されたこともあったが断った。だが、来留間麻里の入部にあたり兄・大志のゴリ押しに負け、その練習相手として女子柔道部員にさせられた。しかし、嫌々参加した大会で白帯ながら悪運も手伝い目覚しい快進撃をみせ、結局大学まで柔道を続ける羽目に陥る。桜子が柔道を始めたことで彼女の人気は不動のものとなるが、ストーリーの進行上勝ち上がることを運命づけられた男子部員たちと異なり、桜子の試合は本筋とはほぼ無関係なため勝敗も含め、毎回なにが起きるか分からないところが読者を引きつける要因となっていた。 保奈美や麻里と違い、特定の恋愛対象がいないことを度々嘆いていたが、実際には袴田豊のみならず杉や藤田ら、多くの男性キャラに密かに想われていたが、それらに気付くことはなかった。別所愛子と斉藤の文通交際の橋渡しに協力している。また卒業後、芸能界入りした永田賢に抱きつかれた写真が写真週刊誌で記事になっている。最終話直前で巧に片想いをしていたことが判明。普段は明るく陽気で悩む素振りすら見せない桜子が失恋のショックで酔い潰れ、涙を見せている。同じく杉が密かに桜子に好意を持っていたことが明らかにされたが、二人がその後どうなったかについては何も語られていない。 普段はコンタクトレンズを使用しているが、柔道の試合になると外す。視力は相当悪いようで、コンタクトレンズを外すと髪型を麻理に似せた巧を麻理と見間違えるほど。 読者人気が非常に高く、人気投票では第1回・第2回において主人公の巧を抑えて1位を獲得し、第3回でも2位に入っていた。なお、主要7人のキャラの中で唯一家族が登場しなかった。好きな芸能人は寺田農で、カラオケは坂本冬美や石川さゆりなど演歌を好むという渋い一面がある(コミック参照)。 仲安 昌邦(なかやす まさくに) 巧たちの1学年後輩で階級は不明。得意技は内股や体落しで、後に身長が急に伸びたため使っていなかった、中学時代の得意技一本背負いを再び使い出す。 赤髪・金髪・黒帯と入部希望者の中で一番目立つ存在で、厳しい練習に耐えて残った新入部員。柔道経験者ではあったが2年生5人には及ばず補欠要員となる。 入部直後に長髪を切り、赤髪こそやめたものの金髪のままでいたため、遅刻した巧と杉の代わりに出場したインターハイ県予選では、選手登録の際に「仲安・C(チャーリー)・昌邦」と偽名を使うことを強いられた。以後、「チャーリー」は度々ネタにされている。また怪我をした斉藤に代わってインターハイ本選の前半ではレギュラーを務めた(この時のみ黒髪に染め、インターハイ後に金髪に戻している)。 とりわけ巧に心酔しており、個人的にも仲がよい。卒業後は巧を追うようにして麻理と共に立体大に進学した。 来留間麻理は中学時代の同級生で、二人が付き合っているかどうかは微妙であったが、最終回のエピソードの時点では付き合っていることが判明している。 石野 雪久(いしの ゆきひさ) 巧たちの1学年後輩。階級は不明。得意技は大外刈りで、後に払い巻き込みに変化した。 柔道初心者だが陸上部での経験や上背の高さを生かして日々コツコツと努力している。潜在的素質が見られ、厳しい練習に耐え抜く根性もある。巧と杉が遅刻したインターハイ県予選では仲安とともに補欠出場し、大外刈りで一本勝ちする。 無口で存在感が薄いために作者が描き忘れることもある不遇なキャラクター。最終回でもほとんどのメインキャラのその後が描かれたが石野だけは完全に洩れた(4コマにも紹介されていないし、全日本選手権の応援席にもいない)。 来留間麻理(くるま まり) 巧たちの1学年後輩。1975年10月25日生まれ。入学当初は149 cm40 kgで48 kg以下級。得意技は背負い投げや一本背負いで、後に内股からの隅返しを会得する。麻理の愛称については二転三転するが結局は桜子の決めた「おばけコアラ」に決まる。技のかけ声は「んしょ」。 三工の来留間大志の妹で、中学時代に段をとっていた実力者。天性の柔道センスを持ち、デビュー戦から一本勝ちを量産する。マネージャーであった桜子を兄の大志のゴリ押しにより練習相手として獲得、その数か月後には兄同様の強引さで桜子を大会出場にまで引き込んだ。袴田今日子に強い憧れを抱いており、インターハイ女子個人戦では予選から全国大会まで3度に渡り彼女と好勝負を演じる。インターハイ決勝では袴田に敗れ準優勝に留まるが、福岡国際で優勝し一躍世界レベルにまで達する。その後の高校女子柔道大会では完全に抜きん出た選手となる。 浜高のマスコット的存在で、読者人気投票でも常に上位にランキングされていた。仲安とは中学時代からの同級生で、タイプではないと言い切るものの、仲安の失敗には必要以上に手厳しかったり、福岡国際優勝後にわざわざ仲安を追い掛けて腕を組んで一緒に帰ったりしており、よく冷やかされていた。エピローグで二人は付き合っていることが判明した。 方向感覚が鈍いようで、高校に入学した当初は仲安に連れてきてもらうまで柔道場の場所を見付けられなかった。試合場で迷子になることは日常茶飯事である等、所々で天然ボケの傾向が見られていたが、エピローグでは全国ネットのニュース番組に生出演している最中に大学でも先輩にあたる巧との関係を追求されて動揺し、巧と保奈美が交際していることを暴露してしまう。一方でたまに発する本音は辛辣そのもの。柴田から失言を叱られ、涙を浮かべてごまかすなど兄同様に腹黒い面も持ち合わせる。 顔のつくりは兄そっくりだが、巧にも似ており、実際劇中では近眼の桜子が麻里と巧を見間違える事件も起きている。ただ、巧が物真似をした時は、麻理は心底嫌そうな顔をしている。 同作者の別作品『とめはねっ! 鈴里高校書道部』にて、オリンピックで金メダルを二度獲得していることが語られる。 倉田龍子(くらた りゅうこ) 浜高の数学教師兼巧達が1年生時の担任で、柔道部顧問。巧達が入学した時点では24歳。剣道では三段の実力者(必殺技は円月殺法)だが、柔道に関する知識は全く無いため、序盤は巧たちの指導に手を焼いた。母は彼女が小学生の時に死去し、以後は父の倉田典善と2人暮らし。西久保とはなんだかんだでいい関係。エピローグでは西久保と結婚し、二人で浜高柔道部を指導している。 柔道部発足前は宮崎と三溝が着替えを覗こうとしたほどの美人教師。開始当初は竹刀を片手に熱血指導をする姿が見られていたが、浜高柔道部の実力が高まり西久保が正式にコーチとなってからは顧問に専念した。 教師ながらノリが良く、明るく楽しい柔道部を地で行く浜高メンバーの一人としてみられており、大会では厳格な年配の指導者から「あれはどこの高校だ」などと怒られることも。また、失敗も多く最も代表的なものとしては新幹線の乗り間違えにより巧と杉が試合に遅刻する(ついでに藤田も)という大失敗を引き起こしたが、お土産のういろうでごまかした。麻理の優勝後、TV取材を受けた際にはいつになくまともなことを言うが、アングルが気に入らないと撮り直しを頼むなど行動はとかくマイペース。 単行本の表紙になった際は翌々巻の「絵筆をもってね!」で作者が「あれは龍子だ」とフォローのコメントを入れられるほど、読者に分かってもらえなかった。 龍子の縁で典善が、典善の紹介で西久保が、西久保のコネで伴が浜高を指導している。 倉田典善(くらた てんぜん) 龍子の父。柔道六段を持ち県警の柔道師範を務める実力者。指導に手を焼く龍子に助言をしているうちに柔道部にも顔を見せるようになる。5人が出会った最初の昇段試験の時から、6人抜きした5人に目を付けていた。他校との合同練習を取り付けたり、稽古を付けたりと浜高柔道部の強化に寄与する。また、5人の最初の大会でアドバイスをしてコーチの役割を果たしたこともあった。第1話から登場している、脇役ながら重要な存在である。 西久保亨(にしくぼ とおる) 当初は、県警機動隊員であった。三工が大学生と練習していることに対抗して、浜高が典善の引き合わせで県警柔道部に通ったことがきっかけとなり、浜高の躍進の一助となる。他の隊員とともに仕事の合間に学校を訪ねて練習を指導していたが、2年目秋からは正式に浜高柔道部コーチとなる。 元国体強化選手の機動隊員だったが、2年目のインターハイが終わった後、退職して浜高柔道部のコーチに専念し、肩書きが「家事手伝い(実家は八百屋)」となり、部員達からは「日本一ゴツい家事手伝い」と揶揄された。千駄谷学園コーチの石丸とは大学時代のライバルだったが、10回以上対戦して接戦の末に全て敗れている。指導者として再び石丸とライバル関係になるが、柔道の理想像は同じもの(「技とスピード」「最後まで一本を狙いに行く」)である。 倉田典善に代わり作品中盤以降の浜高柔道部強化に寄与するが、その指導は他の部員の弱点を別の部員に教えて勝たせ、今度は負けた部員に相手の弱点を教えて勝たせ、部内での競争心を煽って向上心を植え付けるという一風変わったもので、一時的にではあるが部内の雰囲気が険悪になった。 喫茶店で龍子と柔道部の方針を話し合っているところを部員たちに見られたときは、動揺のあまり二人が深い関係にあるような誤解を招く言い回しをして、その後しばらく龍子に頭が上がらなくなったりもしていたが、エピローグでは龍子と結婚している。作中、巧達が2年の時点で30歳(「絵筆をもってね!」での作者コメントより)。 機動隊時代に人質救出のために突入した際には女装して主婦に変装しており、作中様々な形で登場した女装キャラの中でも一二を争うエグい絵面になっている。 ギャグや冗談は桜子のツッコミがはいるほど下手だが、お盆の時期と重なった地元開催のインターハイでレンタカーが手配できず、浜高メンバーを試合会場まで護送車で送り届けたり、柔道をする女子高校生などいないと言い張り、入部してきた麻理を女の子と認めず筋肉やあやとりで判別しようとしたり、正月に典善宅で酔っぱらい麻理にだけお年玉を渡し、自ら高校の柔道部で指導しているにもかかわらず、「コイツが高校生の筈がない」と言い張るなど、随所で強烈なボケをかましている。また、戦う男のバイブルとしてブルースリーの代表作『燃えよドラゴン』を見せ闘争心を高め、練習中はテーマ曲を流していた。なお、これを聞いて戦闘モードに入り乱闘になりかけた巧と藤田をヘッドバットで仲裁している。 27巻の表紙絵を飾るが、着流しから懐紙が覗く「任侠モノ」を思わせる画となっている。 杉薫(すぎ かおる) 杉清修の2つ下の妹。兄の試合に応援に来るので出番は多いが、彼女の本当の目的は巧や永田、石塚といった「いい男」に会うこと。腹黒く危険な中学生で、暁泉学園のメンバー抹殺のためバナナの皮を踏ませようとし、失敗すると階段から突き落としたことも(永田だけは巻き込まなかった)。麻理には年上相手にもかかわらず生意気な態度をとるが、永田の応援を通していつの間にか意気投合していた。 後に浜名湖高校に入学、女子マネージャーとなる。
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