日本の高校野球 学校にまつわる記録・エピソード

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日本の高校野球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/15 06:48 UTC 版)

学校にまつわる記録・エピソード

外地からの参加

第二次世界大戦前は、日本領である台湾朝鮮満州租借地といった外地の学校も予選および全国大会に参加していた(春は台湾のみの参加)。1921年の夏の第7回大会に釜山商(釜慶高等学校)(朝鮮)、大連商が外地の学校として初出場していた。準優勝した例もあったが戦後、台湾・朝鮮・満州らは日本領では無くなったため参加がなくなった。

これまでの海外勢の戦績(決勝)
開催年 大会 外地の学校 結果 対戦相手
1926年 夏・第12回 大連商 準優勝 1-2 静岡中(静岡)
1931年 夏・第17回 嘉義農林(台湾) 準優勝 0-4 中京商(愛知)

少数部員の活躍

選抜大会では出場対象の学年が2学年しかないことから、部員の総数がベンチ入り選手制限に満たない高校の快進撃が時折起きた。有名処では1974年の池田(徳島…部員11人で準優勝)、1977年の中村(高知…部員12人で準優勝)があり、1987年は大成(和歌山)、2017年は不来方(岩手…21世紀枠での出場)が部員10人で選抜大会に出場した。

分校・連合チームの参加

日本高等学校野球連盟(高野連)の大会参加資格規定では、「参加チームは、その学校の代表であることを要する」としており、原則として1校1チームでの出場が求められるが、本校との距離等の問題で本校と同一チームと出来ない分校は高野連に単独加盟することができる[30]。この例が適用され、都道府県大会に参加した学校は複数存在するが、実際に全国大会に出場した経験を持つ学校は、1997年の選抜大会に出場した日高中津分校(和歌山)のみであり、夏の選手権大会に出場した分校チームはない。

また、1997年の規約改正で全国高等学校体育連盟の定めた指針に準じる形で、学校が統廃合される場合に限り各都道府県高野連の承認を得た上で、新旧学校による連合チームの出場が認められるようになった。同年の高知大会では高岡宇佐分校・高知海洋の連合チームが出場した。逆に野球部側の希望で連合解消もできる[注 20]。また、2011年には東日本大震災に被災して部員数が減少した高校同士による連合チームの出場を容認する特例措置を設けられていた[31]2012年夏の選手権地方大会からは条件が大幅に緩和され、部員が8人以下の学校同士による連合チームの結成や部員を他校から借りるケースが認められるようになった[32][33][34]。 これらの形で各都道府県大会に出場する連合チームがあるが、春・夏の甲子園に出場した連合チームはまだない[注 21][注 22]

中高一貫校

中高一貫校では中学3年の夏の大会終了後に高校の野球部の練習に参加できる特例がある[35][36]

出場辞退

出場校の不祥事(暴力事件やその他の問題行為、出場選手の期末試験免除等学校側の規約違反など)により地方大会、及び全国大会の出場を辞退するケースがある。これらは後日高野連からの処分も受けることもある。また地方大会では規定人数未満などやむを得ない理由で出場を辞退したケースもある。全国大会では第8回の新潟商が出場直前に急病人が続出し、出場を辞退している。以下は選抜大会・選手権大会における全国大会出場決定後に辞退した学校の一覧。

開催年 大会 校名 辞退の要因 代替出場校 代替出場校の成績
1922年 夏・第8回 新潟商(新潟)[注 23] 部員の急病による人数不足 なし[注 24]
1935年 春・第12回 浪華商(大阪) 兄弟校の経営トラブルと学校の不審火 中京商(愛知) ベスト8
1939年 夏・第25回 帝京商(東京) 未登録選手[注 25]の出場[注 26] 早稲田実(東京)[注 27] ベスト8
日大三中(東京) 選手資格に抵触する選手の出場[37][注 28]
1952年 春・第24回 門司東(福岡) 野球部員への期末試験免除 長崎商(長崎) ベスト8
1958年 春・第30回 浪華商(大阪) 一般生徒の恐喝事件 和歌山工(和歌山) 初戦敗退
1965年 春・第37回 高知商(高知) 野球部員の他校野球部員への傷害事件 今治南(愛媛) 初戦敗退
1967年 春・第39回 津山商(岡山) 応援団員の暴行致傷事件 倉敷工(岡山) 初戦敗退
1971年 春・第43回 北海(北海道) 一般生徒の暴力事件 芦別工(北海道) 初戦敗退
1975年 春・第47回 門司工(福岡) 一般生徒の住居侵入・暴行未遂事件 佐世保工(長崎) 初戦敗退
1984年 春・第56回 函館有斗(北海道) 部員による乗用車でのひき逃げ事故 砂川北(北海道) 初戦敗退
1987年 春・第59回 東海大浦安(千葉) 引退した3年生部員による傷害事件 常総学院(茨城) 初戦敗退
1992年 春・第64回 神戸弘陵(兵庫) 野球部員の喫煙 育英(兵庫) ベスト8
2000年 春・第72回 敦賀気比(福井) 野球部員の無免許運転による事故 高岡第一(富山) 初戦敗退
2005年 夏・第87回 明徳義塾(高知) 野球部員の喫煙と部内暴力 高知(高知) 初戦敗退
2006年 春・第78回 駒大苫小牧(北海道) 卒業した3年生部員の飲酒・喫煙 北海道栄(北海道) 初戦敗退
2021年 夏・第103回 宮崎商(宮崎)[注 23][注 29] 部員のCOVID-19感染 なし[注 30]
東北学院(宮城)[注 31] なし
2022年 春・第94回 京都国際(京都) 部員のCOVID-19感染 近江(滋賀) 準優勝
広島商(広島)[注 31] なし

夏の甲子園専門

夏の大会から9年後に春の大会が始まった。回を重ねるごとに春夏の甲子園出場の高校が増えてくる一方で、夏の甲子園しか出場できていない高校もある。原則1府県1校の夏と違い、春は1地区2、3校と甲子園の出場枠が狭いため、特に夏に比べ枠の数が少ない地区で顕著である(例:東北地区、北信越地区)。

北海道の旭川大1968年夏に甲子園へ初出場を決め、夏には10度出場しているが、春の甲子園には一度も出場していない。新潟の中越1978年夏に甲子園へ初出場を決め、2018年夏に新潟県勢最多の11度目の夏の甲子園出場となったが、春の甲子園には一度も出場していない(1978年と2015年は選抜補欠校になっている[注 32])。また岩手の福岡1927年夏から1985年夏まで10度甲子園に出場しベスト8進出も2度あるが、春の甲子園には一度も出場していない(1928年と1929年には、選抜されたが予算不足で辞退)。夏の甲子園に2ケタの出場経験があり春出場なしというのは旭川大と福岡と中越の3校しかない[注 33](戦前は満州・朝鮮・台湾からも出場があり、満州の大連商が夏12回出場し準優勝もありながら、春の出場がないという例がある)。長年福岡が春未出場の夏の甲子園最多出場校として知られていたが、2018年に中越が抜いた。

また佐賀北は夏5回の出場があり2007年夏には優勝経験があるが、春の甲子園には一度も出場していない。夏の甲子園優勝経験がありながら春の甲子園に出場経験がない学校は佐賀北と三池工(優勝した1965年夏のみの甲子園出場)の2校のみである。

夏の出場回数の方が極端に多い高校は他にもあり、青森の青森山田は夏は2004年から2009年までの6年連続で出場し、計10回出場して11勝をあげているが、春の出場は2005年2016年の2回のみで、いずれも初戦敗退に終わったため春は未勝利である。2ケタ以上の甲子園勝利がありながら春の勝利がない学校は2019年現在、青森山田と沖縄の浦添商(出場1回)だけである[注 34]

主に夏に強い学校を「夏将軍」「夏の○○」と呼ぶ。北海道の駒大苫小牧、京都の龍谷大平安(旧平安中→平安)、広島の広島商、愛媛の松山商、高知の明徳義塾(旧明徳)、沖縄の沖縄水産などが代表例である。

  • 北海(旧北海中)は夏は39回出場、夏の甲子園の出場校で全国最多出場、春は13回出場[注 35]
  • 駒大苫小牧は夏は7回出場し、2004年から3年連続で決勝に進出して2年連続優勝・準優勝1回だが、春は4回出場で2勝[注 36]
  • 秋田(旧秋田中)は夏は19回出場、第1回大会の準優勝校。春は5回出場で1勝。
  • 秋田商は夏は18回出場、春は6回出場。
  • 日大山形は夏は18回出場し、1983年から2017年までの間には12回夏の甲子園出場がありベスト8とベスト4進出が1回ずつあったが、春はその間出場がなく1982年の次の出場が2018年であった。
  • 鶴岡東(旧鶴商学園)は夏は7回の出場があるが、春は1978年を最後に出場していない。2020年春の選抜に42年ぶり2回目の出場が決定していたが、新型コロナウイルスにより大会中止となり出場は幻になった(記録上は2020年春の出場もカウントされるため春の出場回数は1978年と2020年の2回)[注 37]
  • 酒田南は夏は10回の出場があるが、春は1回のみで2002年を最後に出場していない(未勝利)。
  • 仙台育英は夏は29回出場し優勝1回。春は14回出場[注 38]し準優勝1回。
  • 日大東北は夏は8回の出場があるが、春は出場がない。
  • 作新学院は夏は16回出場し優勝2回、春は10回出場し優勝1回。2011年から2021年まで夏は10大会連続出場し[注 39]、2016年に優勝、2011年にベスト4に進出していたが、この間の春の出場は2012年と2017年のみで2回戦が最高。
  • 前橋育英は夏は6回出場、2013年初出場初優勝。春は2回出場で1勝。
  • 花咲徳栄は夏は7回出場し優勝1回。春は5回出場[注 37]で3勝。
  • 日本文理は夏は12回出場し準優勝1回。春は5回出場で3勝。
  • 松商学園(旧松本商)は夏は37回出場し優勝1回。春は16回出場し[注 40]準優勝が2回。
  • 佐久長聖(旧佐久)は夏は9回の出場がありベスト4が1回、2012年から2018年までは1年おきに出場していたが、春は1回のみで1997年を最後に出場していない(未勝利)。6度選抜補欠校になっている[注 41]
  • 富山商は夏は16回出場しベスト8が2回。春は6回出場で2勝。
  • 高岡商は夏は22回出場しベスト8が1回。春は5回出場で1勝。
  • 星稜は夏は21回出場で準優勝2回。春は15回[注 38]出場でベスト8が4回。
  • 近江は夏は16回出場。春は6回出場。夏と春共に準優勝1回。
  • 龍谷大平安は2019年春までに通算75回出場し、夏の大会では優勝が3回、準優勝が4回あるが、春は長年にわたりベスト4が最高で優勝がなく、2014年の大会において38回目の出場で初めて優勝した。
  • 智弁和歌山は夏は26回出場で優勝3回。春は14回[注 38]出場で優勝1回。
  • 鳥取西(旧鳥取中→鳥取一中)は夏は23回出場、第1回大会からすべての大会の予選に参加している。春は4回出場で2勝。
  • 浜田は夏は12回出場でベスト8が1回。春は4回出場。
  • 石見智翠館(旧江の川)は夏は11回の出場でベスト8は2回とベスト4が1回あるが、春は1994年の1回のみで、その時は甲子園史上2度目の完全試合で敗れたため春はまだ勝利やヒットはおろかランナーも出したことがないという記録がある。
  • 倉敷商は夏は11回出場しているが春は4回しか出場しておらず、うち1回は新型コロナの影響で中止となっている[注 37]
  • 松山商は夏は26回出場し優勝5回、春は16回出場し優勝2回。1966年以降に夏は優勝2回・準優勝2回あるが、春は1962年を最後に勝利がない。甲子園通算80勝のうち4分の3の60勝が夏の勝利である。
  • 明徳義塾は夏は優勝1回。春はベスト4が最高。
  • 大分商は夏は15回出場しベスト8は4回、春は6回[注 38]出場しベスト8は1回。
  • 鹿児島商は夏は13回出場して14勝に対し、春は12回出場して1勝と春の勝率が極端に低い。
  • 沖縄水産は夏は9回出場して20勝・準優勝2回(20勝はすべて春初勝利の1996年以前のもの)。春は3回出場でわずか1勝である。

春の甲子園専門

春の出場のみという高校は、2022年夏現在、甲子園の出場回数は最高でも4回である。兵庫の三田学園、福岡の博多工がそれぞれ4度春の大会に出場しているが夏の出場はない。その2校と同じく春に4回出場した東京の二松学舎大付は、春は準優勝の経験がありながら夏は東京大会・東東京大会の決勝で10回敗れていたが、2014年に初出場(以後は春夏ともコンスタントに出場)。同じく東京の国士舘(春10回[注 37]・夏1回)は2005年に夏の初出場を果たすまで春は7回出場し、夏の未出場校では最多だった。山口の岩国は2000年まで春は6回の出場があったが、夏は2000年が初出場だった(ちなみに春夏通算8回目の出場となった2003年夏にベスト8に進出するまで甲子園未勝利だった。春はまだ勝利がない)。博多工は過去3度夏の福岡大会決勝に進出するも、現在のところ夏の甲子園出場は実現できていない。21世紀以降に限定すると北海道の鵡川は春は2002年・2004年・2009年の3度出場があるが夏の出場はない。他に和歌山の海南(旧海南中、春14回[注 42]・夏4回)や大阪の上宮(春8回・夏1回[注 43])のように、春の出場回数の方が極端に多い学校は出場枠の多い大都市圏を中心に多数存在する。例えば東海大相模(神奈川)は、2000年、2011年、2021年のセンバツを制覇したほか、1992年(準優勝)、1995年、2005年、2006年、2018年と近年もセンバツで好成績を残しているが、夏の甲子園は1977年の次の出場が2010年(準優勝)であった(その後、2015年に優勝)。

春夏両方の出場経験はあるが、勝利したのは春だけという高校も存在し、香川の丸亀城西(旧丸亀商)、兵庫の県尼崎は春は7勝しているが夏の勝利はない。北海道の北照は春は5回出場、ベスト8を2回経験しているが夏の勝利はない[注 44]。なお、和歌山の向陽(旧海草中)は出場回数は春15回・夏7回と倍の差があるが、勝利数は春7勝・夏14勝と逆転している。夏は1929年に準優勝、1939年・1940年は連覇を達成しているが、春はベスト8が最高である。

主に春に強い学校を「春将軍」「春の○○」「桜の○○」と呼ぶ。愛知の東邦(旧東邦商)、愛工大名電(旧名古屋電工→名古屋電気)、広島の広陵(旧広陵中)などが代表例である。

  • 健大高崎は春は5回[注 38]出場し、ベスト8は2回とベスト4が1回。夏は3回出場し、ベスト8が1回のみ。夏の群馬大会決勝では5度敗退している。
  • 浦和学院は春は11回出場し23勝で優勝1回。夏は14回出場し12勝でベスト4が1回。
  • 東邦は春は30回出場、夏は17回出場。甲子園通算75勝のうち約4分の3の56勝が春の勝利で、春は優勝が5回(最多回数)、準優勝が2回あるが、夏は優勝経験はなく準優勝が1回のみである。夏の東海大会と愛知大会の決勝では12度敗退している。
  • 愛工大名電は甲子園通算24勝のうち16勝が春の勝利で、春は2004年準優勝、2005年優勝と好成績を残すも、夏は1981年に3勝(ベスト4)、1988年に1勝を挙げた以降、平成に入ってから8度目の出場までいずれも初戦敗退。平成最後(9度目)の夏出場となった2018年にようやく1勝を挙げ、平成時代夏未勝利を免れた。令和では2度目の夏出場となった2022年に3勝(ベスト8)。夏の愛知大会決勝では11度敗退している。
  • 近大付は春は7回出場し優勝1回。夏は5回出場し2勝。夏の大阪大会決勝では8度敗退している。
  • 報徳学園は春は21回出場し優勝2回。夏は15回出場し優勝1回。
  • 神戸国際大付は春は5回出場し、ベスト4が1回。夏は3回出場し、ベスト8が1回。夏の兵庫大会決勝では5度敗退している。
  • 箕島は春は9回出場し優勝3回。夏は8回出場し優勝1回。
  • 倉敷工は春は11回出場、夏は9回出場。春と夏共にベスト4が2回。夏は2003年を最後に出場していない。夏の東中国大会夏の岡山大会決勝では7度敗退している。
  • 広陵は春は3回の優勝があるが、夏は準優勝4回で優勝はまだない(1927年は高松商に1対5、1967年は習志野に1対7、2007年は佐賀北に4対5と、3度目までは丁度40年周期で準優勝していた。4度目の決勝進出となった2017年は花咲徳栄に4対14で敗れ、またも優勝ならず)。
  • 高知は春は19回出場し優勝1回、準優勝1回。夏は13回出場し優勝1回。夏は2009年を最後に出場していない。夏の高知大会決勝では17度敗退している。
  • 福岡大大濠は春は5回出場し2017年と2021年にベスト8に進出しているが、夏は3回出場でベスト8が1回。夏は1989年を最後に出場していない。その2017年春の甲子園に出場した三浦銀二や、3学年下の山下舜平大などプロ入りした好投手を複数輩出しており、「春は投手力」と言われる典型例とも言える。
  • 清峰は春は準優勝が1回(2006年)、優勝が1回(2009年)あるが夏はベスト16が最高である。また長崎県勢自体も夏はベスト4が最高(2007年の長崎日大他)である。

野球部新設校の快進撃

新設の野球部(最近[いつ?]では主に女子校の共学化)が突如として地方大会や全国大会を勝ち進むことがある。選手権大会では、駒大苫小牧(南北海道)は1966年に、明野(茨城)は1979年に、共に創部3年目で出場した。選抜大会では、八千代松陰は1980年に、東筑紫学園は1993年に、上宮太子は2000年に、共に創部3年目で出場した。済美(愛媛)は創部2年目の2003年の夏までは目立った成績はあげられなかったが、その年の秋の四国大会でいきなり優勝し、2004年春の選抜でも快進撃は続き優勝、夏の選手権で準優勝(共に初出場)に輝いた。同様な例に、神村学園(鹿児島)の2005年春選抜準優勝などがある。また、2002年夏の選手権で、創部2年目でベスト8に進出した遊学館(石川)は実質創部1年4ヶ月後である。2011年春の選抜に出場した創志学園[注 45](岡山)は前年春の創部後、全員1年生で秋季中国大会準優勝を果たし、創部2年目で甲子園出場となった。この記録は史上最速で全国大会に出場した記録である。しかし結果は初戦敗退に終わった。なお創志学園は2010年、2011年夏の岡山大会は初戦で敗退しており、2012年夏に初勝利を挙げるまで甲子園出場経験がありながら夏の地方大会未勝利という珍しい状況であった。

2016年・第98回選手権大会では、日本全国にキャンパスを展開する通信制高校クラーク記念国際の本部校(北海道深川市)が北北海道大会を制し2014年春の創部から3年目で、通信制高校としても初の夏の甲子園出場を果たした。なお同校は前述した創志学園の兄弟校でもある。

2014年・第96回選手権大会の秋田代表・角館(2代目)は角館(初代)と角館南が合併しこの年の4月に開校した。これにより「前身校に甲子園出場経験がない新設合併開校1年目の高校による夏の甲子園出場」が実現したが、合併相手の角館南は女子校であり、他の男女共学の高校とは合併していないため、秋田高野連発行のパンフレットでは角館(初代)の開校・創部年(1925年開校・1931年創部)が引き継がれている[注 46]。この事例を適用した場合、創部1年目…すなわち甲子園出場経験がない男子硬式野球部がある男女共学の複数の高校が合併し誕生した新設合併校の開校1年目での夏の甲子園出場、あるいは競技そのものに新規に参入した選手が全員1年生の高校の夏の甲子園出場は、未だかつてない(2022年現在)。

都立高校と甲子園

都立高校は、夏の地区予選である東京大会が東西に分かれた1974年まで甲子園には出場できず、初出場したのはエース・市川武史を擁した1980年夏国立とかなり遅い(箕島に0-5で敗戦。現在も国立は西東京代表唯一の都立校である)。その後城東1999年2001年の夏に、2003年夏にも雪谷が出場した。また、選抜高等学校野球大会においては西東京の日野が2002年、2010年、2017年の3大会に21世紀枠推薦校として選出され出場とはならなかったが、2014年には同じく21世紀枠として選出された東東京の小山台が初めて都立高校として出場した。しかし前述の夏の大会を含めいずれも勝利を挙げることは出来ていない。つまり100年近く続いている大会で東京都のみ公立高校が甲子園大会で勝利しておらず、長い甲子園大会の歴史とは裏腹に都立高校にとって甲子園は程遠い存在となっている。その理由として歴史的に東京では私立高校を多く抱えていることが大きい。よって都立高校に甲子園出場の可能性が出てくるだけでも都立の星と報道される場合が珍しくない(都立高等学校参照)。全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)東京大会、東西東京大会では甲子園出場経験のある小山台(1949年、2018年、2019年)、雪谷(2009年)を含め、日比谷(1946年)、東大和(1978年、1985年)、日野(2013年)が準優勝し甲子園出場をあと一歩のところで逃している。

町立、村立、組合立高校。株式会社立、通信制と甲子園

町立高校は、1993年の選抜大会で知内(北海道…知内町立)が出場している。市町村合併により、市立に転換することが多く、町立は15校(北海道14校、福岡県1校)、村立高校は北海道に3校しかない。

また県境をまたぐ通学圏を持つ学校は「組合立高等学校」と呼ばれ、利根商(群馬…利根沼田学校組合立)が第4回明治神宮野球大会(高校の部初年度)に出場している。

大智学園は通信制であるが、株式会社立の高等学校となっている。定時制・通信制高等学校の大会に出場経験はあるものの、甲子園・神宮大会などの出場経験はない。通信制高校では前述したようにクラーク国際が出場しているため、大智学園も高野連に登録すれば出場できると考えられる。

身体障害者、特別支援学校の出場

日本学生野球憲章では都道府県の高等学校野球連盟に加入できない特別支援学校学校教育法の扱いが異なる)の出場を認めていない。しかし1983年、『北城ろう学校高等部』が当時の高野連会長牧野直隆の計らいで特例として沖縄県予選に出場を果たした[注 47]。この話は戸部良也『青春の記録 遥かなる甲子園 聴こえぬ球音に賭けた16人』、小野卓司の『廃校の夏〜風疹児たちのプレイボール』(講談社刊)としてノベル化や映画化された。2015年秋からは鹿児島高等特別支援学校の選手が連合チームに参加している[38]ほか愛知県の豊川特別支援学校の生徒が5校連合チームに参加している。

また東京都立青鳥学園特別支援学校の久保田浩司教諭が特別支援学校の生徒に甲子園を目指すサポートをする「甲子園夢プロジェクト」を設立し、神奈川の慶応の練習に特別支援学校の生徒が参加[39]するなどの実績もある。

連続出場・隔年出場・ブランク出場

夏の連続出場

和歌山中学(現・桐蔭)は1915年夏の第1回大会から1928年夏の第14回大会まで14年連続出場し、14年連続出場は現在でも甲子園史上最長記録である。戦後の連続出場最長記録は2007年夏から2019年夏までの聖光学院の13年連続である(選手権大会が中止となった2020年夏も代替大会で優勝しており、これを含めれば14連覇である。2021年は福島大会の準々決勝で敗退。この年に出場したのは日大東北)。

2011年までは1998年夏から2004年夏まで続いていた明徳義塾の7年連続が戦後の連続出場最長記録だった。2005年夏に8年連続出場を決めていたが不祥事による出場辞退で連続甲子園出場は止まってしまった。2012年智弁和歌山が8年連続出場とし、戦後の連続出場を更新。これを2015年に聖光学院が9年連続とし上回った。明徳義塾はその後2010年夏から2017年夏まで8年連続出場した。7年以上の連続出場を2度達成したのは明徳義塾が史上初である。

春の連続出場

岐阜商・長良(現・県岐阜商)は1932年春の第9回大会から1951年春の第23回大会まで戦争による中断期間を挟んで15年連続出場し、15年連続出場は現在でも甲子園史上最長記録である。戦後の連続出場最長記録は1966年春から1971年春までの平安(現・龍谷大平安)の6年連続である。

春夏連続出場

和歌山中学は1915年夏から1929年春の第5回大会まで12季連続出場し、こちらも甲子園史上最長記録。戦後の連続出場記録は1986年夏の第68回大会から1990年夏の第72回大会までの福井商の8季連続出場。

隔年出場

花巻東2005年夏から2015年夏まで奇数年のみの1年おきに出場という珍事が6回続いていた。6回というのは隔年出場の最長記録である(2017年夏の出場を逃し隔年出場記録がストップしたが、2018年夏と2019年夏に初の連続出場を果たした)。

ブランク出場

春の選抜で21世紀枠は松山東が82年後(前回1933年、次回2015年)、一般選考枠は県和歌山商が70年後(前回1937年、次回2007年)に出場。夏の選手権は関西学院が70年後(前回1939年、次回2009年)に出場している。

兄弟校・系列校同士の対戦

私立学校兄弟校又は系列校同士が対戦することもある。

開催年 大会 試合 勝利校 結果 相手校
1972年 春・第44回 決勝 日大桜丘(東京) 5-0 日大三(東京)
1983年 夏・第65回 1回戦 東海大一(静岡) 13-1 東海大二(熊本)
1997年 夏・第79回 2回戦 佐野日大(栃木) 2-1 宮崎日大(宮崎)
1999年 夏・第81回 1回戦 長崎日大(長崎) 5-0 日大三(西東京)
2002年 夏・第84回 3回戦 智弁和歌山(和歌山) 7-3 智弁学園(奈良)
2013年 夏・第95回 2回戦 日大山形(山形) 7-1 日大三(西東京)
2021年 春・第93回 1回戦 東海大相模(神奈川) 3-1(延長11回) 東海大甲府(山梨)
夏・第103回 決勝[40] 智弁和歌山(和歌山) 9-2 智弁学園(奈良)

注釈

  1. ^ 例として2001年優勝の報徳学園はエース大谷智久を1試合も登板させなかった。
  2. ^ 1979年は日程が消化できず、ベスト4に残った4校が優勝校扱い。また、2008年はわずか2日しか試合が実施されなかったため、優勝校無しとなった(準々決勝までに打ち切りの場合は優勝校無しとなる)。
  3. ^ ただし週末はプロ野球の生中継が優先されるため、遅れて放送されるカードが発生する。
  4. ^ 2004年は決勝戦が雨天により薄暮開催となったため生放送中止。2012年も雨天による薄暮開催の日程が組まれたため生放送中止になる予定だったが、試合そのものが順延となったため、生放送が復活している。
  5. ^ のちに1996年に小笠原、1998年に大東地方にそれぞれ地上波の中継局が設置される(大東諸島は当初は距離的な関係で小笠原中継局から分配して放送した)が、2011年7月の地デジ統合まではこの名残りでBS2での放送が行われていた。
  6. ^ 2004年4月より日和佐宍喰商と合併し、海部へと改組。戦績は海部に引き継がれている[11]
  7. ^ 実質的な創部は、大産大高大東校舎として開校した1983年度(公式戦には本校との合同チームで出場)。
  8. ^ 1997年秋季および1998年春季の県大会と関東大会も優勝、年間無敗で全ての公式戦(9冠)を制した。
  9. ^ ただし4度の優勝はいずれも秋季地区大会優勝校の出場が一部地区に限られていた時代のもの
  10. ^ 当時。1950年神奈川県に移転。
  11. ^ 東京代表の記録は1973年までの記録。
  12. ^ a b 1974年からの記録。
  13. ^ 1998年の第80回大会は東神奈川代表。
  14. ^ 同年夏の北信越地区の出場校は、日本文理(新潟)、佐久長聖(長野)、富山商(富山)、星稜(石川)、敦賀気比(福井)。
  15. ^ 1954年・第36回大会から1977年・第59回大会まで、記念大会以外で滋賀県勢が出場したのは僅か3回のみである。
  16. ^ a b 1942年の全国中等学校野球大会は記録に含まれていない。
  17. ^ 2008年の第90回大会、2018年の第100回大会は北大阪代表。
  18. ^ 1979年の国体に出場した都城は4校同時優勝という形で優勝している。
  19. ^ 試合終了後、スタンドでは相手校応援団を交えてのウェーブが起きた。
  20. ^ 春江工坂井(福井)は、坂井初年度の2014年の春から秋まで連合を組んでいたが、春江工最終年度となる2015年シーズンに向けて春江工の選手が単独チームでの出場を望んだため。両校は2015年に春季大会と選手権福井大会で2度対戦し、3年生だけの春江工がいずれも勝利している。
  21. ^ 軟式では、2011年・2012年に大津大津緑洋(西中国・山口)の連合チームが初めて全国大会に出場した。
  22. ^ 春の選抜では、2021年に富山北部水橋(富山)が21世紀枠の補欠校になっている。
  23. ^ a b 出場回数には数えられている。
  24. ^ 準優勝の長岡中の出場も検討されたが部員が帰省して人数がそろわないため見送られた。
  25. ^ 杉下茂を指す。
  26. ^ 実際は杉下茂(当時13歳)が不正行為を働いたわけではなく、事情を知らない対戦校(日大三中)から杉下が未登録選手だと指摘されたことが大きな問題となり、結局は止むを得ず辞退となったもの。杉下は帝京商へ転入直後に、それまで在籍した一ツ橋高等小学校から請われ、帝京商から許可を受けた上で東京府の高等小学校野球大会に助っ人として出場し優勝に導いたのだが、その直後の中等学校優勝野球大会で杉下がベンチ入りしていた(但し試合には出場していない)ことから、「未登録選手がいる」と問題視されてしまった。
  27. ^ 帝京商の出場辞退に伴い日大三中が代替出場校に選ばれたが、日大三中も出場辞退した結果。
  28. ^ 実際には、当時の監督である藤田省三が「借り物の優勝旗で甲子園には行けない」と語ったことがあり、それが遠因ではないかとみられている。
  29. ^ 甲子園で開会式は出場したものの、試合ができないまま不戦敗となり、やむを得ず甲子園を去った戦後初のケースとなった。なお同年春の大会には出場し試合を行っている(初戦敗退)。
  30. ^ 夏の甲子園で辞退したチームが出た場合、その地方大会で準優勝したチームが繰り上げ出場となるが、それがいつになるか不透明であるため。
  31. ^ a b 1回戦(初戦)は出場して勝利。
  32. ^ 1978年は前年秋の北信越大会決勝で福井商に0-3で敗戦している。なお1973年から1982年までの北信越地区出場枠は1.5であった。
  33. ^ 群馬の高崎商は1998年まで夏出場10回ながら春の出場がなかったが、1999年に初出場。
  34. ^ 沖縄水産は2回目の出場となった1996年、沖縄の興南は4回目の出場となった2010年、福島の聖光学院は3回目の出場となった2012年、長崎の海星は5回目の出場となった2016年に初勝利。
  35. ^ 春の北海道勢で最多出場している。
  36. ^ 2006年にも出場が決定していたが、前述の不祥事により辞退。
  37. ^ a b c d 交流試合では勝利を収めている。
  38. ^ a b c d e うち1回は新型コロナの影響で中止、救済措置として開催された交流試合では敗退している。
  39. ^ 2020年の中止を挟む
  40. ^ 春の長野県勢で最多出場している。
  41. ^ 2001年、2005年、2010年、2011年、2016年、2020年。
  42. ^ 合併した大成の2回を含む。
  43. ^ 1989年の夏初出場まで、春は同年(準優勝)を含め6回出場。
  44. ^ 栃木の国学院栃木は2回目の出場となった2022年に初勝利。
  45. ^ 監督は05年春に神村学園で出場した長沢宏行
  46. ^ 能代商能代北(女子校)が合併し2013年に誕生した能代松陽(能代商時代に夏の甲子園に3回出場し、2022年夏に通算4回目の出場)も、角館と同様の理由で能代商の開校・創部年を引き続き紹介している。その他秋田では2000年代以前に新設合併で誕生した平成大館(2016年大館工・大館桂と合併し現在は大館桂桜)など硬式野球部がある高校とない高校が合併して誕生した高校について、硬式野球部があった前身校の開校・創部年をそのまま紹介、あるいは開校より創部が古いというデータを大会パンフレットで紹介したことがある。
  47. ^ 出場が認められたのは沖縄県大会のみであり仮に県大会で優勝しても全国大会へは出場できなかった。
  48. ^ 常葉菊川の野球部長としては2007年春に出場あり。
  49. ^ 大会中止。なお救済措置として開催された交流試合では加藤学園に敗れる。
  50. ^ 1988年夏1回戦勝利の滝川二(兵庫・対高田戦)、1993年夏2回戦勝利の鹿児島商工(鹿児島・対堀越戦)、2021年夏1回戦勝利の大阪桐蔭(大阪・対東海大菅生戦)がある。
  51. ^ 夏の大会は1回戦の対戦が免除され、2回戦から出場する5日目第3試合-7日目第2試合までの学校が大会初戦になる。また7日目第3試合は片方が初戦、もう一方は1回戦勝ち抜け校であるので、1回戦勝ち抜け校はその試合でも校歌が演奏される[58]
  52. ^ いずれの場合もテレビや大会のガイドブックでは代用の楽曲が「校歌」として扱われている。
  53. ^ ただし、引き分けや雨天ノーゲームなどによって再試合に至った場合は、1試合のみ行うことがある。
  54. ^ 事情を知らない全国の高校野球ファンから、「なんで兵庫県だけ甲子園を使うのか」「ずるい」という内容だった。
  55. ^ 三振や四球の状態で宣告が無い場合やアウトカウントの相違など明らかな問題に対しては抗議をすることが出来る。 - 高校野球特別規則第26条
  56. ^ 逆にこれが“何百球を独りで投げ抜いた”という根性論にありがちなドラマ作りがされる原因にもなっている。
  57. ^ 夏の大会は2003年から導入するとしていたが、雨天中止による延期が頻発したため、1日4試合で開催した。この場合、春は2日、夏は3日以上雨天中止などによる順延が生じていれば、準々決勝は4試合を一括開催するとしていた。
  58. ^ 本来なら春は2014年から同様に行うとしていたが、雨天中止と、2回戦の1試合で引き分け再試合が生じて順延が2日生じたために、準々決勝の翌日に予定されていた休養日は取り消しとなり、結果的に連続開催(準々決勝は元から1日4試合開催)となった。
  59. ^ これに合わせ、新潟高野連は当該大会での球数制限導入を一旦見送ることを決定、同会議への参画を求められ受諾している。
  60. ^ PL学園では3年生に1・2年生の“付き人”がつけられていたことはよく知られる。2013年、頻発した部内暴力の原因として付き人制度が禁止され、さらに野球部専用の寮も廃止され、下級生が上級生の練習着を洗濯することも禁止となり、一般生徒寮の関係者と経営母体のパーフェクト・リバティー教団のボランティアが洗濯するなど、学校及び教団の主導による改革が行われている。【高校野球 TVではわからないホンネと裏側】―思い出してもゾッとする 甲子園常連校の「野球部の掟」1 PL学園 ロッテ・今江敏晃日刊ゲンダイ2010年8月18日)
  61. ^ 黒田によればこのシゴキは4日間続き、その間風呂にも入れなかったと告白。最後は見かねたチームメイトの保護者が介入し事態は解決する。ニューヨーク・タイムズ特集『ヤンキース黒田は日本で苦痛によって作られた』より引用
  62. ^ 青森山田高校、野球部員死亡で謝罪。殴打した側の上級生野球部員は殺人過失致死で逮捕されることもなく書類送検のみ(暴行と死亡との因果関係の特定には至っていないという理由)で、その後の野球部の処遇については(出場辞退や廃部など)学校側からも高野連からも発表されていなかった。
  63. ^ 抗議はしなかったが佐賀北と対戦した帝京、長崎日大の監督も試合後、記者団へ微妙な判定は全て自分たちに不利だったというコメントを残している
  64. ^ 翌年の選手権大会のNHKにおける中継でこのシーンのVTRが流れた際には映像をバックネット裏のカメラに切り替える措置が取られた。
  65. ^ 野球規則3.17によるもの。「両チームのプレーヤー及び控えのプレーヤーは、実際に競技にたずさわっているか、競技に出る準備をしているか、あるいは一塁または三塁のベースコーチに出ている場合を除いて、そのチームのベンチに入っていなければならない。本条項に違反したときは、審判員は、警告を発した後、その反則者を競技場から除くことができる。」とされている。

出典

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