第95回記念選抜高等学校野球大会 (だい95かいきねんせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかい)は、2023年 3月18日 から4月1日 まで阪神甲子園球場 で行われた選抜高等学校野球大会 である。
概要
今大会は5年に1度の記念大会のため、平年より4校多い36校が出場する。
一般選考および神宮枠による選出枠は33校で2020年 [ 注釈 1] を除く直近10回の大会において、ベスト4の回数が多かった地方のうち、関東 (8回 東京 は別枠)、東海 (4回)、四国 (3回)は平年の基本枠から1枠増やされた。また、平年は東北 が対象6県から2枠の選出であるが、対象が5県でそれぞれ2枠ずつである北信越 と中国 に比べると割り当てが少ないことから、東北も1枠増やされた[ 1] 。その後、神宮大会で近畿代表の大阪桐蔭が優勝し、近畿地区は7校選出が確定した。
なお今大会よりタイブレーク は延長10回から適用となる。試合前の練習では女子部員がノッカー を担当することが可能となる[ 2] [ 3] [ 4] 。
日程
2022年
2023年
1月13日 - 入場行進曲 が『アイラブユー 』に決定した[ 6] 。
1月27日 - 出場校選考委員会が開かれ出場36校が選出された。なお、選出校への出場決定の電話連絡は今大会から廃止となる[ 注釈 2] 。
3月10日 - 組み合わせ抽選会。
3月18日 - 開幕。開会式と第1試合『山梨学院 対東北 』が雨天のため、当初の予定より1時間30分遅らせて実施。また、開会式は2019年 の第91回大会 以来4年ぶりに全校が参加しての入場行進を行った。
3月23日 - 雨天中止。
3月26日 - 雨天中止。これにより準決勝翌日の休養日が消滅。
3月30日 - 休養日。
4月1日 - 決勝戦が行われ、山梨学院が報徳学園 を7-3で破り初優勝。山梨学院は大会初となる6勝を挙げての優勝となった。また、山梨県勢は選抜と選手権の両大会を通じて初の優勝を果たした。
選出校
一般選考
21世紀枠
地区
選出校
出場回数
関東
石橋
栃木
初出場
北信越
氷見
富山
30年ぶり2回目
四国
城東
徳島
初出場
組み合わせ・試合結果
1回戦 - 3回戦
-
2回戦
3回戦
3月19日(2)
大分商
6
作新学院
8
3月25日(3)
作新学院
9
英明
8
3月19日(3)
英明
3
智弁和歌山
2
1回戦
2回戦
3回戦
3月22日(1)
光
2
彦根総合
0
3月27日(1)
光
1
山梨学院
7
3月24日(2)
氷見
1
3月18日(1)
山梨学院
4
東北
1
山梨学院
3
1回戦
2回戦
3回戦
3月18日(2)
北陸
1
3月24日(3)
高知
4
高知
3
履正社
2
3月27日(2)
高知
4
専大松戸
6
3月22日(2)
常葉大菊川
0
専大松戸
3
-
2回戦
3回戦
3月20日(1)
海星
5
社
1
3月27日(3)
海星
2
広陵
3
3月20日(2)
二松学舎大付
0
広陵
5
-
2回戦
3回戦
3月20日(3)
敦賀気比
1
大阪桐蔭
3
3月28日(1)
大阪桐蔭
1
能代松陽
0
3月21日(1)
能代松陽
3
石橋
0
1回戦
2回戦
3回戦
3月22日(3)
城東
2
東海大菅生
5
3月28日(2)
東海大菅生
1
沖縄尚学
0
3月25日(1)
クラーク国際
1
3月18日(3)
沖縄尚学
3
大垣日大
3
沖縄尚学
4
1回戦
2回戦
3回戦
3月19日(1)
東邦
6
3月25日(2)
鳥取城北
3
東邦
6
高松商
3
3月28日(3):延長10回 TB
東邦
4
報徳学園
5x
3月24日(1)
健大高崎
2
報徳学園
7
-
2回戦
3回戦
3月21日(2)
龍谷大平安
4
長崎日大
3
3月28日(4)
龍谷大平安
1
仙台育英
6
3月21日(3):延長10回 TB
仙台育英
2x
慶応
1
準々決勝 - 決勝
準々決勝
準決勝
決勝
3月29日(1)
作新学院
3
3月31日(1)
山梨学院
12
山梨学院
6
3月29日(2)
広陵
1
専大松戸
2
4月1日
広陵
9
山梨学院
7
3月29日(3)
報徳学園
3
大阪桐蔭
6
3月31日(2)
東海大菅生
1
大阪桐蔭
5
3月29日(4):延長10回 TB
報徳学園
7
報徳学園
5x
仙台育英
4
決勝戦スコア
4月1日(試合開始:12時32分)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
H
E
報徳学園
0
0
0
2
0
0
0
1
0
3
6
1
山梨学院
0
0
0
0
7
0
0
0
X
7
7
0
(報):間木、今朝丸、星山 - 堀 (山):林 - 佐仲 本塁打 (山):佐仲審判 [球審]大槻 [塁審]鈴木・大屋・前坂試合時間:1時間48分
報徳学園
打順 守備 選手
1 [左] 山増達也(3年)
2 [中] 岩本聖冬生(3年)
3 [捕] 堀柊那 (3年)
4 [右] 石野蓮授(3年)
5 [一] 辻田剛暉(3年)
6 [三] 西村大和(2年)
7 [二] 林純司(3年)
8 [遊] 竹内颯平(3年)
9 [投] 間木歩(2年)
投 今朝丸裕喜 (2年)
打 福留希空(2年)
投 星山豪汰(2年)
山梨学院
打順 守備 選手
1 [右] 德弘太陽(3年)
2 [中] 星野泰輝(3年)
3 [左] 岳原陵河(3年)
4 [一] 髙橋海翔(3年)
5 [捕] 佐仲大輝(3年)
6 [遊] 進藤天(3年)
7 [二] 大森燦(3年)
8 [投] 林謙吾(3年)
9 [三] 伊藤光輝(3年)
大会本塁打
1回戦
2回戦
第2号:石野蓮授(報徳学園)
第3号:岡本昇磨(東邦)
3回戦
第4号:百々愛輝(英明)
第5号:武藤匠海(作新学院)
第6号:広川陽大(専大松戸)
第7号:林純司(報徳学園)
第8号:山口翔梧(龍谷大平安)
準々決勝
第9号:髙森風我(作新学院)
第10号:吉田慶剛(専大松戸)
第11号:佐藤夢樹(大阪桐蔭)
決勝
記録
いずれも、今大会終了時点における記録。
個人
記録
選手名
補足
最多登板試合数
6
林謙吾(山梨学院)
大会タイ記録(2人目)[ 注釈 3]
チーム
記録
校名
補足
最多試合数
6
山梨学院
大会タイ記録(3チーム目)[ 注釈 3]
最多勝利数
6
山梨学院
大会新記録
その他の主な出場選手
備考
本大会の第1日(3月18日)の第1試合で、1回表の東北 の攻撃で相手のエラーにより出塁した際、打者走者やベンチにいた選手がペッパーグラインダー[ 注釈 4] をしたところ、攻撃終了後に一塁塁審から注意を受ける出来事があった[ 9] 。これについて東北の佐藤洋 監督は試合後の会見で「なぜ注意を受けるのか分からない。日本中が野球で盛り上がって一つになっている。子供たちは楽しんでやっているのに、なぜ大人が止めるのか。理由を聞きたい」と反論した[ 9] 。東北の主将も「相手を侮辱するものではない。注意を受けて、少し嫌な雰囲気になった」と話した[ 10] 。これについて主催者の日本高等学校野球連盟 (高野連)は「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは、従来より慎むようお願いしてきた。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できるが、プレーで楽しんでほしい」という見解を発表している[ 11] 。
第4日(3月21日)の午前中は大会と並行する形で2023 ワールド・ベースボール・クラシック (WBC)の準決勝が行われ、日本代表 も出場していたことから甲子園球場でもスマートフォン などで準決勝の試合経過を確認しながら観戦する客が見られた。そのため、第2試合の試合中に日本代表 がWBC準決勝でサヨナラ勝ちした際は球場の試合内容とは関係のない場面で観客が歓声と拍手を始めたことから、球審がタイムをかけようとするなどの影響が発生した[ 12] [ 13] 。
第5日(3月22日)の午前中も日本代表が出場したWBCの決勝が大会と並行する形で行われたため、前日と同様にスマートフォンなどで決勝の試合経過を確認しながら観戦する客が見られた[ 14] 。第2試合の試合中に日本代表がWBC決勝で勝利し、優勝した際はスタンドから拍手と歓声が沸き起こったが、前日とは違い、試合進行に影響する程では無かった[ 15] [ 16] 。また、第2試合のイニング間には甲子園球場の電光掲示板に日本代表優勝を祝福するメッセージが表示された[ 15] [ 16] [ 17] 。
脚注
注釈
^ 新型コロナウィルス のため取りやめ(当初の出場予定校は『2020年甲子園高校野球交流試合 』として夏季に試合を行った)。
^ これまで、出場校選定審査後、出場内定となった学校にはその校長 に電話連絡をするのが恒例であったが、この電話連絡は今回から廃止され、審査後にGAORA やTver などで配信される特別番組を通しての出場校決定発表となった。これは電話は儀礼的な意味が強かったとされたが、主催者の毎日新聞大阪本社 ・日本高等学校野球連盟 は、「日本高野連傘下の各都道府県連盟が推薦する段階で、選出された場合は(選抜の全国)本大会に出場するという承諾を推薦校から事前にいただいており、承諾を確認するための電話はかける必要がない」としたためである[ 7] [ 8] 。
^ a b 1991 年に優勝の広陵 はトーナメント上は最多5試合であるが、1回戦で9回同点の状態で降雨再試合となり、1試合増となった。しかし6試合全てに登板した投手はいなかった 。一方、1938 年に準優勝の東邦商 も6試合行っているが、1回戦が5回同点の状態で日没コールド再試合となった。しかし、個人の登板試合数はカウントされ、コールドの試合を含め全試合に登板した久野欽平は6登板試合の大会タイ記録 となる。したがって個人記録としては2人目、チーム記録としては3チーム目 の大会タイ記録となる。
^ ペッパーミルでコショウ を挽くポーズ。2023 ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表 が得点をした際にパフォーマンスでおこなっていた。
出典
関連項目
外部リンク
1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 地方別成績 秋季大会 楽曲 関連項目
1942年から1946年は中断。取り消し線は開催中止。