第94回選抜高等学校野球大会 (だい94かいせんばつこうとうがっこうやきゅうたいかい)は、2022年 3月19日 から3月31日 まで阪神甲子園球場 で行われた選抜高等学校野球大会 である。
概要
今大会から継続試合 が導入され、降雨などで試合続行が出来ず中断となった場合は、翌日以降に中断された場面から再開となる[ 1] [ 注釈 3] 。これによりノーゲームやコールドゲームなどはなくなる。甲子園球場の入場者は、兵庫県内のまん延防止等重点措置 適用期間は1日の入場者を2万人に制限(全席指定席)し、アルプス席は出場校関係者のみ。適用解除後は入場者数の上限が撤廃される。また、ブラスバンド 応援が50人以内で可能になった[ 注釈 4] 。
選手の打撃用ヘルメット にはフェイスガードの使用が認められ、野球伝来150年記念事業 の一環として記念ロゴマークが描かれたステッカーが貼られた。
日程
2021年
9月15日 - 9月8日に大会運営委員会をオンラインで開き、開催日程などを決定したことを発表[ 2] 。
11月25日 - 第52回明治神宮野球大会高校の部 ・決勝戦が行われ、大阪桐蔭 が初優勝。近畿地区の一般選考における出場枠増枠が決定。
2022年
1月14日 - 組み合わせ抽選が3月11日 から1週間前倒しされ3月4日 に変更される[ 3] 。また、入場行進曲が『群青 』に決定した[ 4] 。
1月28日 - 出場校選考委員会がオンラインで行われ出場32校が選出された[ 5] 。なお、出場校の選考[ 注釈 5] をめぐり主催の日本高等学校野球連盟 や毎日新聞社 に多くの意見が寄せられたことから、2月4日付の毎日新聞 朝刊では「センバツ出場校について 毎日新聞からのご説明」が掲載された[ 6] 。
3月4日 - 組み合わせ抽選。前年同様抽選は同一都府県が2校の場合は決勝まで対戦しないよう考慮し[ 注釈 6] 、その他の学校はフリー抽選を行った。開会式での選手宣誓は開幕日に出場する6校の主将による抽選[ 注釈 7] によって選ばれた。
3月7日 - 前年度優勝校の東海大相模 (今大会では補欠校)の優勝旗・優勝杯返還式を同校で実施[ 7] 。
3月11日 - 前年度準優勝校の明豊 の準優勝旗返還式を同校で実施[ 8] 。
3月17日 - 出場予定だった京都国際 の野球部内で新型コロナウイルス 集団感染が発生したため、大会本部に出場辞退を申し入れた[ 9] 。これにより、近畿地区の補欠1位校の近江 が繰り上がりで出場することとなり、大会2日目に京都国際に代わり長崎日大と対戦する[ 10] 。京都国際の大会出場回数はカウントされない。この他に大会前のPCR検査で3校の計6人が陽性だったが、個別感染のため各校とも出場可能とした。
3月18日 - 開会式および初日の3試合が雨天順延となる。開会式も含めて雨天順延となったのは、1992年 の第64回大会 以来30年ぶりで通算7回目[ 11] 。
3月19日 - 開幕。
3月22日 - 雨の影響により9:00開始予定の第1試合を3時間30分遅れの12:30開始とした。第3試合の只見対大垣日大戦は18:26試合開始、20:19試合終了となり開始・終了時刻とも大会史上最も遅い記録となった。
3月25日 - 広島商 の野球部内で新型コロナウイルス集団感染が発生したため、大会本部に出場辞退を申し入れ、受理された[ 12] 。大会開幕後に出場校が辞退するのは初となる。これにより、2回戦で対戦予定だった大阪桐蔭は不戦勝で準々決勝へ進む。
3月26日 - 雨天中止。順延が2日間になったため、準決勝翌日に予定されていた休養日がなくなった[ 13] 。
3月29日 - 休養日。
3月31日 - 決勝戦 が行われ大阪桐蔭が近江を18-1で下し、2018年 の第90回大会 以来4年ぶり4回目の優勝。大阪桐蔭は2回戦が不戦勝となったため実質4試合で選抜大会優勝となったが、これは1979年 (第51回大会 )の箕島 以来43年ぶりとなる。また近江も選抜大会では滋賀県勢で初めて決勝戦に進出し、代替校としても過去最高の準優勝だった。
選出校
組み合わせ・試合結果
1回戦 - 準決勝
1回戦 2回戦 準々決勝 準決勝
3月19日(1)
浦和学院 4
3月24日(2)
大分舞鶴 0
浦和学院 7
3月19日(2):延長11回
和歌山東 0
和歌山東 8
3月28日(1)
倉敷工 2
浦和学院 6
3月19日(3):延長10回
九州国際大付 3
クラーク国際 2
3月24日(3)
九州国際大付 3x
九州国際大付 4
3月20日(1)
広陵 1
広陵 [ 注釈 9] 9
3月30日(1):延長11回
敦賀気比 0
浦和学院 2
3月20日(2):延長13回 TB
近江 5x
長崎日大 2
3月25日(1)
近江 6
近江 7
3月20日(3)
聖光学院 2
二松学舎大付 3
3月28日(2)
聖光学院 9
近江 6
3月21日(1):延長13回 TB
金光大阪 1
山梨学院 1
3月25日(2):延長13回 TB
木更津総合 2x
木更津総合 3
3月21日(2)
金光大阪 4x
日大三島 0
金光大阪 4
1回戦 2回戦 準々決勝 準決勝
3月21日(3)
高知 4
3月25日(3)
東洋大姫路 2
高知 3
3月22日(1)
国学院久我山 6
国学院久我山 4
3月28日(3)
有田工 2
国学院久我山 4
3月22日(2):延長11回
星稜 2
星稜 5
3月27日(1)
天理 4
星稜 6
3月22日(3)
大垣日大 2
只見 1
3月30日(2)
大垣日大 [ 注釈 10] 6
国学院久我山 4
3月23日(1)
大阪桐蔭 13
花巻東 4
3月27日(2)
市和歌山 5
市和歌山 2x
3月23日(2)
明秀日立 1
大島 0
3月28日(4)
明秀日立 8
市和歌山 0
3月23日(3)
大阪桐蔭 17
丹生 7
広島商 [ 注釈 9] 22
広島商
3月24日(1)
大阪桐蔭 (不戦勝)
鳴門 1
大阪桐蔭 3
決勝
3月31日(試合開始:12時30分)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
H
E
大阪桐蔭
1
1
3
0
1
4
4
4
0
18
16
1
近江
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
4
4
(大):前田、川原 - 松尾 (近):山田、星野、平井 - 大橋 本塁打 (大):松尾、田井、海老根、谷口審判 [球審]美野 [塁審]鈴木・前坂・永井試合時間:2時間10分
大阪桐蔭
打順 守備 選手
1 [三] 伊藤櫂人(3年)
2 [右] 谷口勇人(3年)
3 [捕] 松尾汐恩 (3年)
4 [一] 丸山一喜(3年)
5 [中] 海老根優大 (3年)
6 [左] 田井志門(3年)
7 [二] 星子天真(3年)
8 [遊] 鈴木塁(3年)
9 [投] 前田悠伍 (2年)
打 工藤翔斗(3年)
投 川原嗣貴(3年)
近江
打順 守備 選手
1 [二]遊 津田基(3年)
2 [遊] 横田悟(2年)
打三 福西結世(3年)
3 [三]二 中瀬樹(3年)
4 [一] 岡﨑幸聖(3年)
一 石浦暖大(3年)
5 [捕] 大橋大翔(3年)
6 [左] 川元ひなた(3年)
7 [右] 清谷大輔(2年)
8 [中] 西川朔太郎(3年)
中 藤原秀太(3年)
9 [投] 山田陽翔 (3年)
投 星野世那(3年)
投 平井創大(2年)
大会本塁打
1回戦
2回戦
第2号:金田優太 (浦和学院)
第3号:若狭遼之助(星稜)
準々決勝
第4号:伊丹一博(浦和学院)
第5号:鍋倉和弘(浦和学院)
第6号:下川邊隼人(国学院久我山)
第7号:谷口勇人(大阪桐蔭)
第8号:星子天真(大阪桐蔭)
第9号:伊藤櫂人(大阪桐蔭)
第10号:工藤翔斗(大阪桐蔭)
第11号:伊藤櫂人(大阪桐蔭)
第12号:海老根優大(大阪桐蔭)
準決勝
第13号:大橋大翔(近江)
第14号:松尾汐恩(大阪桐蔭)
決勝
第15号:松尾汐恩(大阪桐蔭)
第16号:田井志門(大阪桐蔭)
第17号:海老根優大(大阪桐蔭)
第18号:谷口勇人(大阪桐蔭)
記録
いずれも今大会終了時点における記録
個人
記録
選手名
対戦校
補足
1試合最多本塁打
2
伊藤櫂人(大阪桐蔭)
準々決勝・市和歌山
大会タイ記録(26人目)※1イニング2本塁打は大会初
最多連続打数安打
8
丸山一喜(大阪桐蔭)
-
大会タイ記録(6人目)
チーム
記録
校名
対戦校
補足
1試合最多本塁打
6
大阪桐蔭
準々決勝・市和歌山
大会タイ記録(2度目)
1試合最多塁打
43
大阪桐蔭
準々決勝・市和歌山
大会新記録
1イニング最多本塁打
3
大阪桐蔭
準々決勝・市和歌山(6回表)
大会タイ記録(2度目)
大会最多本塁打
11
大阪桐蔭
-
大会新記録
その他の主な出場選手
脚注
注釈
^ 内1試合は広島商 が試合参加を辞退したことにより、不戦勝・不戦敗となった。
^ 新2年生の閉会式司会起用は初めて。
^ 今大会での適用事例はなかった。
^ 第101回全国高等学校野球選手権 (2019年の選手権大会)以来。選抜大会では2019年の第91回大会 以来となる。
^ 東海地区において、前年の秋季東海大会で準優勝した聖隷クリストファー (静岡)が選出されず、4強止まり(優勝した日大三島 (静岡)に敗戦)の大垣日大 (岐阜)が選出された。
^ 予備抽選番号の若い順にトーナメントの梯子(XとY)を2択のくじ(「都府県名1」と「都府県名2」)で選んだ後、選んだ梯子に入っている番号を選ぶ。
^ 予備抽選番号の若い順に、抽選ボードに書かれている番号を選び、番号の下に隠れているくじを一斉に引っ張って「選手宣誓」と書かれたくじを引いた学校が担当する。
^ 京都国際の出場辞退により、近畿地区補欠校順位第1位からの繰り上げ出場。
^ a b この試合の勝利で大正・昭和・平成・令和の4元号での甲子園勝利を記録。
^ 大垣日大監督の阪口慶三 は史上初となる昭和・平成・令和の3元号での甲子園勝利を記録。
出典
関連項目
外部リンク
1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 地方別成績 秋季大会 楽曲 関連項目
1942年から1946年は中断。取り消し線は開催中止。