デザイン デザインの概要

デザイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 06:47 UTC 版)

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また、オブジェクトシステム図画設計図回路パターンなど)を構築するための計画、または作成する行為[1]など、「デザイン」はさまざまな分野で異なった意味として用いられている(#デザイン分野を参照)。

輸入概念である日本では「応用美術」「意匠設計」「造形デザイン」「芸術工学」などと訳語される。

英語では意匠については「スタイル」という語があるためそちらが使われる場合・分野もあり、例えば日本でいう「建築様式」に近いフレーズとして architectural style がある。

語源

デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。

また、デザインとは具体的な問題を解き明かすために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。

日本では図案意匠などと訳されて、単に表面を飾り立てることによって美しくみせる装飾(デコレーション)と解されるような社会的風潮もあったが、最近では語源の意味が広く理解・認識されつつある。

形態に現れないものを対象にその計画、行動指針を探ることも含まれ、企業広告などの就職に関するキャリアデザイン生活デザイン等がこれにあたる。ただし、これは意味の転用でありデザイン本分を指すものではない。

定型

英語では次のようにより正式な定型が示されている。

(名詞)制約に従って一連の要件を満たす原始的な〔大きな構造の〕構成要素設定がなされ、特定の環境で目標を達成することを目的としたエージェントによって明示されたオブジェクトの仕様。

(動詞、他動詞)環境においてデザインを作成するために(デザイナーが働く所)[2]

デザインの定型でもう一つは誰かにユニークな期待をし達成するためのロードマップまたは戦略的アプローチであり、その目的を達成するための法的、政治的、社会的、環境的、安全上および経済上の制約の中での、仕様、計画、パラメータ、コスト、活動、プロセスである。[3] ここで「仕様」は計画または完成品のいずれかとして明示することができ、「プリミティブ」は設計オブジェクトを構成する要素である。

そのような広い意味で、すべての分野のデザイナーのための普遍的な言語や統一見解は存在しない。このことは、主題に向け異にする哲学と多岐に渡るアプローチを可能にする(下記の「#哲学とデザインの研究」を参照)。

通常、どの範囲で扱うかを規定され多岐にわたるデザイン範囲のうちの1つにおいて、専門的に活動する人々のために使われた用語でもある。

デザイナーと呼ばれるのは通常、ファッションデザイナー 、コンセプトデザイナー、ウェブデザイナー、インテリアデザイナーなど、どの範囲で扱われているかを指定するさまざまなデザイン分野の1つで専門的に働く人々のための用語。デザイナーの一連の活動はデザインプロセスと呼ばれ、デザインの科学的研究はデザイン科学と呼ばれている。[4][5][6][7]

デザインの別の定型はオブジェクトシステムコンポーネントまたは構造を製造することを計画することである。 このため、「デザイン」という言葉は、英語では名詞だけでなく動詞としても使用されている。 より広い意味では、デザインは技術と統合された応用芸術工学である。

上記訳文。

デザインの定義は広いものの、“デザイン”という語そのものはヨーロッパ美術から広まったものであり、この語の意味の内には美術由来の“近代性”を含んでいる。

芸術・美術からの視点

形態、特に図案や模様を計画、レイアウトすることを含むことから、美術的な意味を有すると言える。美術を実用品に応用するため、応用美術とも言う。また、商業的なデザインを商業美術とも言う。

産業革命の影響により、デザインの意識が高まり、アール・ヌーヴォーなどの流行、バウハウス機能主義など、常に時代の象徴を創造し続けている。その対象は、非常に多岐にわたり、さらに細分化される流れにある。

デザイン界ではアーツ・アンド・クラフツ運動によって生活と芸術の統一が課題になり、それを受け継いだドイツ工作連盟によって芸術と産業の統一が意図され、その重要性が認識されるようになる。

この分野では、様式スタイルと訳し個々の作品の形をデザインと呼ぶ。

ランドスケープデザイナーのカール・スタイニッツは日本造園学会誌に寄稿した論文でハーバート・サイモンの著作[8]にある「デザインとは, 現状を少しでも望ましいものに変えようとするための一連の行為である。」を引用し、ランドスケープのデザインの仕事を表現するのにこの定義だけでは十分でないかもしれないとし、それはデザインにおいてはスケールとサイズが常に問題となるからで、私達の仕事は,住宅の設計などの小さなスケールのものから,地域環境の保全計画などの大きなスケールのものまで様々なものを扱っているからとしている。

建築家は建築のデザイン(意匠)を行っているものは、デザイナーと呼ばれる。建築家はデザイナーをも兼業し、デザイナーが建築家を兼務することもある。例として近代ではペーター・ベーレンスヘリット・リートフェルトらが挙げられる。

日本でも近年、組織によっては(欧米式にならい)その人の経験によって「ジュニア・デザイナー」、「シニア・デザイナー」、「プロジェクト・チーフ」あるいは 「意匠設計者」「アーキテクチュラル・デザイナー」などと称している例がある。

日本技術者教育認定基準における建築系学士修士課程の認定種別では、基準1:学習・教育到達目標の設定(プログラムが保証する具体的な学習・教育の成果(水準を含む))の(2)で、プログラムが育成しようとする自立した技術者像に照らして、プログラム修了時点の修了生が確実に身につけておくべき知識・能力として学習・教育到達目標が設定されていることとし、学習・教育到達目標を設定する際に9項目が定められて、これに関して個別基準に定める事項が考慮されている。このうちの一つの項目が、種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力、を要求。ここでいう「デザイン」とは、「建築デザイン[9]」、「都市デザイン[10]」、及び「エンジニアリング・デザイン[11]」を指すとした。注意すべきは、これらが単なる設計図面制作ではなく、「必ずしも解が一つでない課題に対して、種々の学問・技術を利用して、実現可能な解を見つけ出していくこと」とした上で、そのために必要な能力が「デザイン能力」であるとしている。

デザイン教育は技術者教育を特徴づける最も重要なものであり、対象とする課題はハードウェアでもソフトウェア(システムを含む)でも構わないとし、実際のデザインにおいては、構想力/課題設定力/種々の学問、技術の総合応用能力/創造力/公衆の健康・安全、文化、経済、環境、倫理等の観点から問題点を認識する能力、及びこれらの問題点等から生じる制約条件下で解を見出す能力/結果を検証する能力/構想したものを図、文章、式、プログラム等で表現する能力/コミュニケーション能力/チームワーク力/継続的に計画し実施する能力などを総合的に発揮することが要求される。

このようなデザインのための能力は内容・程度の範囲が広いことを踏まえ、項目(e)では、社会の要求などを考慮し、個別基準に定める次の内容も参考にして適切かつ高度な学習・教育到達目標を具体的に設定することが求められるとして、解決すべき問題を認識する能力、公共の福祉、環境保全、経済性などの考慮すべき制約条件を特定する能力、解決すべき課題を論理的に特定、整理、分析する能力、・課題の解決に必要な、数学、自然科学、該当する分野の科学技術に関する系統的知識を適用し、種々の制約条件を考慮して解決に向けた具体的な方針を立案する能力、立案した方針に従って、実際に問題を解決する能力、と定めている。




  1. ^ Dictionary.com(特に1-5と7-8の意味)とAskOxford https://www.oxforddictionaries.com/?view=uk (特に動詞)の http://dictionary.cambridge.org/search/english/?q=design 英ケンブリッジ辞書での意味。
  2. ^ Ralph, P. and Wand, Y. (2009). A proposal for a formal definition of the design concept. In Lyytinen, K., Loucopoulos, P., Mylopoulos, J., and Robinson, W., editors, Design Requirements Workshop (LNBIP 14), pp. 103?136. Springer-Verlag, p. 109 doi:10.1007/978-3-540-92966-6_6.
  3. ^ Don Kumaragamage, Y. (2011). Design Manual Vol 1
  4. ^ Simon (1996)
  5. ^ Alexander, C. (1964) Notes on the Synthesis of Form, Harvard University Press.
  6. ^ Eekels, J. (2000). “On the Fundamentals of Engineering Design Science: The Geography of Engineering Design Science, Part 1”. Journal of Engineering Design 11 (4): 377?397. doi:10.1080/09544820010000962. 
  7. ^ Braha, D. and Maimon, O. (1998) A Mathematical Theory of Design, Springer.
  8. ^ : The Science of Artificial、1968年
  9. ^ : architectural design
  10. ^ : urban design
  11. ^ : engineering design
  12. ^ Heskett, John (2002). 歯磨き粉とロゴ:日々の生活の中でのデザイン. Oxford University Press 
  13. ^ First Things First 2000 a design manifesto. manifesto published jointly by 33 signatories in: Adbusters, the AIGA journal, Blueprint, Emigre, Eye, Form, Items fall 1999/spring 2000
  14. ^ Simon (1996), p. 111.
  15. ^ 「設計はご存知の通り英語で Design ですが,日本語と英語ではニュアンスがちょっと違うようです。日本では設計とデザイン(景観や造形)を分けて考える,つまり使い分ける傾向がありますが,本来 Design は両方を含みます。したがって,この講座で設計はこの Designと同義語だと考えてください。実際に筆者自身,海外の方から,「あなたは Bridge Engineer ではなく Bridge Designer だ」と言われたことがあります。それは,ある橋を案内した時に設計だけでなく施工法や形,色まですべて決めると説明した時です。それから自己紹介する時は「Bridge Designer」ということにしています」 春日昭夫、「設計入門 ①基礎編-設計って何?- コンクリート工学 2010年 48巻 10号 p.10_54-10_59, doi:10.3151/coj.48.10_54
  16. ^ : HfG Ulm
  17. ^ : Mark Getlein
  18. ^ : American Heritage Dictionary





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