食肉 食肉の生産

食肉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 14:09 UTC 版)

食肉の生産

21世紀初頭では、主に畜産によって生育させられた動物は、屠畜場(食肉工場)へ送られ、屠殺(屠畜、屠鳥)され解体され、食肉が製造される[8]。そして必要に応じて熟成を施したり、ハムなど加工肉の原料となる。

ジビエ(野生動物の狩猟による肉)の料理を提供するレストランのシェフのもとに直接に届けられることも多かったが、ジビエ類の解体・熟成を専門に行う業者もいる。

肥育

肥育とは、食肉を得ることを目的として家畜を飼養管理することである。誕生直後から肥育を行うことはあまり無く、一般的に肥育に適する月齢まで育成したものを肥育に供する。肥育期においては、肉が十分つくだけでなく、肉質が十分高まるような管理が行われる。牛肉1キロを得るためには、その10倍の穀物が必要とされている[9]

もともと乳牛であったものがその用途に適さなくなり、食肉として出荷する廃用牛であっても、そのまま出荷せずに一定期間の肥育を行ってから食用とされることがある。

肉質は遺伝的因子や飼料成分、および飼養環境などにより変動する。

熟成

熟成は、死後硬直したままの肉では食用に供せないため行われる製造工程である。硬直中の肉はさらに低温で保存すると、再び軟らかくなり(解硬)風味が増す。これは筋肉細胞に残存するタンパク質分解酵素プロテアーゼにより筋源繊維が小片化するためであると考えられているが、その他にも筋肉中のCa2+イオンが関与しているとする説もある[10]。熟成は基本的に枝肉の段階で行われる。

熟成に要する期間は畜種ごとに異なる。2〜5℃で貯蔵した場合、牛は7〜10日、豚は3〜5日、鶏は半日ほどで解硬される。ウシなどの場合は、解硬のみならず、熟成によって生じる独特な香気を十分に発生させるため、十分解硬した後もさらに長期に熟成させることもある[11]


注釈

  1. ^ USDA yield gradeとUSDA quality gradeがある[12]
  2. ^ 日本食肉格付協会 により規格化および運用されている。

出典

  1. ^ 「食肉」『広辞苑』
  2. ^ 肉の生食に注意! 埼玉県ホームページ(2018年3月17日閲覧)
  3. ^ a b 国際がん研究機関 (2015-10-26). IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat (Report). http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2015/pdfs/pr240_E.pdf.  WHO report says eating processed meat is carcinogenic: Understanding the findings”. ハーバード公衆衛生大学院英語版 (2015年11月13日). 2017年5月6日閲覧。
  4. ^ 厚生省保健医療局健康増進栄養課『健康づくりのための食生活指針-解説と指導要領』第一出版、1986年5月。ISBN 978-4-8041-0327-3
  5. ^ 国立健康・栄養研究所監修『食生活指針』 第一出版、2版、2003年9月。ISBN 978-4-8041-1076-9
  6. ^ 「食生活指針」の策定について (厚生労働省)
  7. ^ 千国幸一、「食肉の特性と利用」 日本調理科学会誌 2007年 40巻 1号 p.33-36, doi:10.11402/cookeryscience1995.40.1_33
  8. ^ 石田正昭「食肉工場の衛生改善と生産性向上」『三重大学生物資源学部紀要』第21号、1999年1月、 17-30頁、 NAID 110000506896
  9. ^ 三橋貴明『経済ニュースの裏を読め!』 TAC出版、2009年、213頁。
  10. ^ 『現代の食品科学(第2版)』三共出版、1992年、p.260〜261、ISBN 978-4-7827-0277-2
  11. ^ 松石昌典、西邑隆徳、山本克博編『肉の機能と科学』《食物と健康の科学シリーズ》p71 朝倉書店、2015年4月5日初版第1刷
  12. ^ USDA quality standards
  13. ^ ジビエ(野生鳥獣の肉)はよく加熱して食べましょう 厚生労働省
  14. ^ E型肝炎ウイルスに対する安全対策へのご協力のお願いについて 日本赤十字社 2018年3月9日告知
  15. ^ エルセビア・サイエンス社 Meat Science誌
  16. ^ International Congress of Meat Science and Technology
  17. ^ 日本食肉研究会
  18. ^ Meat Atlas 2014 – Facts and figures about the animals we eat , page 46, download as pdf
  19. ^ Meat Atlas 2014 – Facts and figures about the animals we eat , page 48, download as pdf
  20. ^ a b c d e f g h i j k l m [1]
  21. ^ 「肉の機能と科学」(食物と健康の科学シリーズ)p19 松石昌典・西邑隆徳・山本克博編 朝倉書店 2015年4月5日初版第1刷
  22. ^ 「肉の機能と科学」(食物と健康の科学シリーズ)p24 松石昌典・西邑隆徳・山本克博編 朝倉書店 2015年4月5日初版第1刷
  23. ^ a b 「肉の機能と科学」(食物と健康の科学シリーズ)p25 松石昌典・西邑隆徳・山本克博編 朝倉書店 2015年4月5日初版第1刷
  24. ^ 「世界の食肉生産はどうなるか 2018年の展望」p4 ハンス・ヴィルヘルム・ヴィントフォルスト著 杉山道雄・大島俊三編訳著 平光美津子・鷲見孝子訳著 筑波書房 2011年6月20日第1版第1刷発行
  25. ^ 「食肉・鶏卵生産のグローバル化 2021年までの展望」p1 ハンス・ヴィルヘルム・ヴィントフォルスト、アンナ・ヴィルケ著 杉山道雄・大島俊三編訳著 平光美津子・鷲見孝子・棚橋亜矢子・松野希恵・高山侑樹共訳 筑波書房 2011年6月20日第1版第1刷発行
  26. ^ FAO (2009): FAOSTAT. Rom.
  27. ^ a b https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000814.html 「食肉の消費動向について」独立行政法人農畜産業振興機構 2015年7月6日 2016年4月29日閲覧
  28. ^ 牛肉取引禁止令差し止め インド最高裁 日本経済新聞ニュースサイト(2017年7月13日)2018年3月17日閲覧
  29. ^ 「肉の機能と科学」(食物と健康の科学シリーズ)p9-10 松石昌典・西邑隆徳・山本克博編 朝倉書店 2015年4月5日初版第1刷
  30. ^ [2]
  31. ^ 植物性たんぱくに脚光 三井物産、エンドウ豆で食肉風 日本経済新聞・電子版(2017年10月30日)
  32. ^ 「植物肉」は“ほぼ”肉の味だった日経ビジネスオンライン(2017年5月17日)2018年3月17日閲覧
  33. ^ 北村真理・屋良佳緒理(日本語版監修)「食べ物の仕組みとはたらき図鑑」創元社・2020年1月24日閲覧・233頁
  34. ^ Solan, Matthew (2022年7月1日). “Eating less meat may lower overall cancer risk” (英語). Harvard Health. 2022年6月22日閲覧。
  35. ^ Godman, Heidi (2022年6月1日). “Protein intake associated with less cognitive decline” (英語). Harvard Health. 2022年6月22日閲覧。
  36. ^ Eat more plant-based proteins to boost longevity” (英語). Harvard Health (2020年11月1日). 2022年6月22日閲覧。






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