食肉に関する規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 14:06 UTC 版)
「en:Dhabihah」も参照 牛肉など食肉に関しては以下の規則を守らなければならない。 餌 その家畜が食べた餌にハラールに違反するものが入っていてはならない。 屠畜 クルアーン5章5節において『啓典を授けられた民の食べ物は、あなたがたに合法(ハラール)であり、あなたがたの食べ物はかれらにも合法(ハラール)である』と記されており、この啓典を授けられた民とはユダヤ教徒、キリスト教徒を指す。 「ビスミッラーヒルラッフマーニルラヒーム(神の御名において)。アッラーフ アクバル(神は偉大なり)」と唱えながら屠ると誤解されがちだか、この意味はその個人の信仰心があるかないかを表すものであり、口先で唱えることを意味しない。 屠る時は鋭利なナイフで喉のあたりを横に切断しなければならない。 電気ショック、絞殺や撲殺は禁忌である。なんらかの事故や病気で死亡した家畜の死体を食肉とすることも禁忌であるが、怪我をした動物などの最後のとどめを刺したのが啓典を授けられた民の場合はハラールである。ただし多神教徒がいくら神の名を唱え首を切ったとしてもそれは非合法(ハラーム)であり、そのような肉に何を唱えても(アラーフ アクバルやアスタグフィルラー、ビスミッラーなど)ハラームのままである。 ただし搬送などの手伝いは異教徒が行っても良い。 通常、牛の屠殺では、まずボルトガン(家畜銃)で気絶させてから頚動脈を切断する、という方法はがとられるが、ハラールで屠殺時の気絶処理が認められていないため、動物福祉が問題視されている。 気絶なしで行われる皮膚・筋肉・気管・頚動脈など多数の神経と頸動脈の切断は、意識のある動物の脳へ知覚情報を引き起こし、無感覚に至るまでに大きな痛みと苦悩を与える。 —Farm Animal Welfare Council、(2003) Report on the Welfare of Farmed Animals at Slaughter or Killing, Part 1: Red Meat Animals また、気絶が行われない場合意識の消失までに時間がかかり、首の切断から意識の消失までに要する時間は牛で2分、家禽で2分30秒とされている。 こういった背景から、デンマーク、マルタ、スロベニア、スウェーデン、キプロス、フィンランド、ルクセンブルク、スイス、ノルウェー、アイスランド、ベルギーのワロン地域とフランダース地域、ニュージーランド、ギリシャは、宗教屠殺であっても気絶処理なしの屠殺を禁じている(EU規制では、宗教屠殺の場合の気絶処理無しは認められている)。 解体処理 牛の頭をキブラの方向に向けて完全に血液が抜けて死んでから行う。血を食することは禁忌であるため完全に血を抜かなければならない。 輸送保管 保管場所や輸送する乗り物に豚が一緒になってはいけない。 冷蔵庫からトラックまで全て別にする必要がある。 野菜や穀物であっても肥料に豚の糞などが使用された物は禁忌と解釈されることがある(特にシャリーアに規定があるわけではない)。
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