獣害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 06:44 UTC 版)
獣害(じゅうがい)とは、野生動物(獣=けもの)によって起こる被害のこと[1] [2]。
俗に害獣と呼ばれるイノシシやシカ、クマ、サル、アライグマ、ヌートリア、ネズミ、ハクビシンなどの野生動物が、餌を食べる「採食行動」や、餌を探す「探求行動」などの行動によって、人間が受ける被害のことを指すことが多い。
獣害は、以下の4種類に大きく分かれる[3]。
- 農業被害 - 害獣の採食行動や探求行動により、農業が直接的または間接的に受ける被害。
- 人的被害 - 害獣が人を威嚇・攻撃し、人が死傷する被害[4] [5] [6] [7]。
- 家屋被害 - 害獣が、家屋や家畜小屋に侵入することなどによる被害。
- 生態被害 - 過剰な捕食による生物や植物の絶滅危惧や環境の破壊[8]。
密林や森林、河川、海洋等における開発や、地球規模での気候変動の影響で、野生動物の自然環境で生活する圏内で、人畜を含めた生態系の調律の崩れることを起因とする。

対策

日本では、年間150~200億円ほどの獣害被害が出ており、対策が急務となっている[9]。被害をゼロにすることは現実的ではないが、たとえば対策費を10億円ほど増やして、被害を50~70%ほどに抑える方法が考えられる。[要出典]
農家や林業などでも、独自に害獣対策を行っている所が多いが、高齢化に伴って獣害対策にまで手が回らなくなり[10]、繁殖ペースのほうが上回ってしまう地域なども少なくない。
また、駆除を請け負っている猟師・わな猟免許取得者への報酬や待遇が充分でなく、移動のためのガソリン代、弾薬代などが賄えるだけの報酬しかもらえず、ほとんど利益にならない場合もあるなどの問題点も指摘されている[11]。

脚注
出典
- ^ “獣害の種類と対策について”. イノホイ オンラインショップ. 2020年11月1日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉 コトバンク「獣害」
- ^ “獣害は害獣と違う~4つ獣害や対策について - 鳥獣対策”. www.gaijyu.net. 2020年11月1日閲覧。
- ^ 北海道ニュースUHB 2021.06/28「死ぬかと思った」市街地でヒグマが大暴れ「後ろから襲われ引きずられた」…捜索から駆除までの一部始終【動画】
- ^ 文春オンライン「イオンと小学校の間の茂みにいる!」体重158kgのヒグマは歩行者を引きずり倒して攻撃を加え…〈札幌4人襲撃事件〉
- ^ NHKニュース 2022.11/09「イノシシに襲われ小学生含む6人負傷 車とぶつかる事故3件も 徳島県小松島市」
- ^ 日テレニュース 2022.07/27「サル被害続く 負傷者は58人に… 1匹”捕獲”後も被害とまらず 山口市」
- ^ NHKニュース 2022.12/18「生態系破壊 野生のシカ 昨年度72万頭捕獲も食害が深刻化」
- ^ 農林水産省「令和3年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」
- ^ 日本経済新聞 2020.08/29「鳥獣対策、住民も広域参加 猟師高齢化、農作物に被害」
- ^ マイナビ農業「有害鳥獣駆除の報酬はいくら? 駆除に必要なことや期間も解説」
関連項目
- 罠
- 猪飢饉
- 防除
- 生物的防除
- ジビエ
- 案山子
- 農業保険法
- 野生動物管理
- 三毛別ヒグマ事件
- 石狩沼田幌新事件
- 福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件
- 札幌丘珠事件
- 十和利山熊襲撃事件
- 風不死岳事件
- エミュー戦争
- サメによる襲撃
外部リンク
- 「獣害」『世界大百科事典 第2版』 。コトバンクより2020年11月2日閲覧。
- 自治体担当者向け鳥獣被害対策マニュアル - 農林水産省
獣害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 03:13 UTC 版)
地球温暖化の影響もあり生息地が脅かされ、備蓄食料や生ごみを求め、人間の居住区域まで侵入することが増加し懸念されている。ちなみに南極でも北極と同じように生息できることが、ワシントン条約締結前の実験によって判明している。国によっては野生のホッキョクグマにえさを与えることを禁止していることがある。 2019年2月9日、- ロシア、ノヴァヤゼムリャ諸島ベルーシャ・グバでは、ホッキョクグマが市街地に頻繁に出没するようになったため非常事態宣言が発出されている。
※この「獣害」の解説は、「ホッキョクグマ」の解説の一部です。
「獣害」を含む「ホッキョクグマ」の記事については、「ホッキョクグマ」の概要を参照ください。
獣害と同じ種類の言葉
- >> 「獣害」を含む用語の索引
- 獣害のページへのリンク