獣害と駆除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 19:10 UTC 版)
オーストラリアではカンガルーをはじめとする野生動物が突然道路に飛び出してくるため、自動車との衝突事故が多発している。事実、田舎の高速道路の道ばたには、カンガルーやその他野生動物の死体を見かけることが多い。このような事故から車体の損傷の被害を最小限に抑えるためにバンパーを取り付ける車もあり、バンパーのことはルー・バー (Roo Bar) と呼ばれている。 オーストラリアではいくつかの種が絶滅、あるいは絶滅の危機に瀕している中、一部のカンガルー類はその生息数を増やし続け、現在の生息数は主要な4種だけで5000万頭以上とも言われている。そのために、環境や農業へ被害を与えているともいわれ、特に近年は、旱魃の影響により、人の生活圏の側までカンガルーが進出してきたと問題になっている。また、気候変動の影響を指摘する声もある。 オーストラリア国防省は、2007年5月14日に旱魃の影響を受けた地域で野生のカンガルーによる深刻な被害が出たとして、キャンベラ近郊の軍用基地 2カ所で 3200 匹前後の駆除を発表した。これに対し動物保護団体からは抗議の声が挙がった。一度は撤回したものの、翌2008年5月に、オオカンガルー514頭が駆除された。王立動物虐待防止委員会 (RSPCA) を含む動物管理の専門家の協力で安楽死による駆除が実行されたものの、動物保護団体や動物愛護運動家から猛反発が起きており、この際にも10人以上の動物愛護運動家が逮捕されるなどした。
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