サステナビリティ
「サステナビリティ」とは・「サステナビリティ」の意味
「サステナビリティ」(sustainability)は、「持続可能性」という意味を持つ言葉で、社会と地球環境全般の持続可能な発展を目指す考え方や取り組みのことを指している。サステナビリティの英語表記であるsustainabilityは、「持続する」「保つ」という意味を持つSustainと、「能力」を意味するAbilityを組み合わせてできた単語である。経済や政治、文化、そして環境など、様々な分野が含まれる。その中でも特に、環境問題やエネルギー問題に対して用いられることが多い。格差や人権、ジェンダー、食生活、そして教育や人権など、人間を取り巻く様々な問題に対しても使われている。
1970年代ごろから、欧米では、それまでの人間活動の成長が見直され、環境問題などが注目されるようになった。目先の利益や成果を求めるような取り組みや仕組みは、意味がないとされたのである。その後、環境に対する関心が高まり始めた。1987年に、国連の「環境と開発に関する世界委員会」が公表した最終報告書に、サステナブル・ディベロップメント(Sustainable Development)という理念がうたわれたことで、一気に注目を集めるようになったのである。その後、2015年に開催された国連サミットでは、SDGs(Sustainable Development Goals)が国際目標として掲げられるようになった。それによって、様々な取り組みや、社会貢献活動を行う企業が増え、社会全体に広く浸透していったのである。「サステナ○○」など、サステナビリティと組み合わせた商品やサービスなども登場している。
なお、SDGsとサステナビリティは全く異なる意味合いを持つため、注意が必要だ。SDGsは持続可能な開発のための2030アジェンダに記載されている世界共通の目標であり、「サステナビリティ」と全く同じ意味ではない。具体的な17のゴールが設定されていることも、特徴と言えるだろう。一方、「サスティナビリティ」はあくまでも持続可能な発展に向けて行われる取り組みや考え方のことである。
「サステナビリティ」の熟語・言い回し
ここでは、「サステナビリティ」の熟語や言い回しについて解説していく。サステナビリティ経営とは
社会の持続可能性に配慮した経営のことを、サステナビリティ経営という。環境、社会、経済という3つの分野を指すことが多い。例えば、地球環境へ配慮し、廃棄物を削減するような事業や、ジェンダーやLGBTQに配慮した人材活用などが挙げられる。
サステナビリティの3つの柱とは
サステナビリティの3つの柱とは、経済発展、社会開発、環境保護を指す。経済発展とは、それぞれの企業や経済全体が社会貢献し、かつ、利益を出して成長し続けられるような発展のことである。社会開発は、住宅や交通、社会福祉や医療、そして教育など、様々な社会サービスを見直し、発展させていくことである。格差や不平等などのない、社会的な公平性維持も重要視されている。環境保護はサステナビリティの中で最も注目されている分野であり、現在の地球環境を未来に残していくための活動を指す。再生可能エネルギーの活用や脱炭素社会への取り組み、海洋汚染対策など様々なものが挙げられる。
企業のサステナビリティとは
目先の利益ではなく、持続可能な発展に配慮した企業の取り組みや事業のことを指している。この場合、長期的な運営を目指す。また、企業のサステナビリティを測る指標としては、GRIスタンダードという国際基準を用いられることが多い。
「サステナビリティ」の使い方・例文
「サステナビリティ」を使った例文をいくつか挙げていく。・彼は、サステナビリティとSDGsとの違いをうまく説明してくれた。
・今後は、サステナビリティ経営について、早急に検討する必要がある。
・サステナビリティの考え方を取り入れた企業は、企業価値の向上が期待できるだろう。
・サステナビリティの本質をしっかり理解しておくことが大切だ。
・地球温暖化や気候変動、海洋汚染などの環境問題は、サステナビリティの中で最も注目されている。
・フードロスの削減や、プラスチックごみの削減など、私たちが個人的にできるサステナビリティな取り組みは意外と多い。
・CSRを知る前に、まずはサステナビリティという言葉の意味を知っておくべきだ。
・サステナビリティを意識した提案を、次のミーティングまでに提出しよう。
・世界中の人々が、サステナビリティに関心を寄せている。
・この取り組みは、サステナビリティに注目したものとは言い難い。
サステナビリティ
サステナビリティ
【英】sustainability
サステナビリティとは、何かの物事について、現在から将来にわたってそれを持続することが可能である、という概念である。
サステナビリティの定義として現在一般的に用いられている表現は、「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たす」というものである。これは、国際連合の「環境と開発に関する世界委員会」(WCED)から1987年に発行された報告書において言及されている。
サステナビリティは、WCEDにおいては地球環境や資源開発における概念として提唱されたが、近年はビジネスシーンにおいても考慮されることが多い。経営戦略や商品の提供などにおいてサステナビリティを確保することは、企業の社会的責任(CSR)の観点からも近年重要視されつつある。
持続可能性
(サステナビリティ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/24 07:18 UTC 版)
持続可能性(じぞくかのうせい、英: sustainability〈サステナビリティ、サステイナビリティ〉)は、将来にわたって現在の社会の機能を継続していくことができるシステムやプロセスのこと。
- ^ Report on the World Commission Environment and Development
- ^ http://www.daiwa-grp.jp/csr/publication/pdf/060807csr.pdf
- ^ “「ミートレス」の破壊力 200兆円食肉市場を脅かす” (日本語). 日本経済新聞 (2019年12月2日). 2021年10月5日閲覧。
- ^ 2014 Florence Declaration on Culture, Creativity and Sustainable Development UNESCO(英語) (PDF)
- 1 持続可能性とは
- 2 持続可能性の概要
- 3 廃棄物処理の持続可能性
- 4 参考文献
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