活用など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 00:23 UTC 版)
動詞 「ゆうて(言って)」「こおた(買った)」のようなア・ワ行ウ音便が起こるほか、奥吉野の各地に特殊な音便が存在する。十津川村・下北山村には「かあて(書いて)」「なあて(泣いて)」のような音便がある。天川村洞川には「とんだ(研いだ)」「つんだ(注いだ)」のようなガ行撥音便があり、天川村坪内にはその前段階とみられる「といんだ」がある。十津川村・旧大塔村・下北山村には「のおで/のおんで/のおんで(飲んで)」のようなバ・マ行ウ音便がある。またサ行イ音便は、天川村洞川では徹底して音便化する。 奥吉野では「見らん(見ん)」「見れ(見よ)」「見ろお(見よう)」のような一段動詞の五段活用化が進んでいる。一方で十津川村では「起くる」「笑わるる(受身)」「見さする(使役)」「飛ばるる(可能)」のような二段活用の残存がある。 形容詞 全県で「あこおなる(赤くなる)」「よおない(良くない)」のようなウ音便がある。天川村洞川では「良い」の語幹がすべて「え」となり、「えかった(良かった)」「えけりゃ(良ければ)」「えかろお(良かろう)」などと活用する。
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活用など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 05:10 UTC 版)
用言の活用などは概ね京言葉と同じである。仮定形は「読んだら」「赤かったら」のような「連用+たら」で表すことが多い(形容詞に関しては、湖北では仮定形も一定の勢力を保つ)。形容詞の未然形も、推量は「赤いやろ」のような「終止+やろ」で表すことが多い。 動詞 特殊活用は「おます」「おす」「わす」の3語(「#待遇」も参照)。「借る」「足る」「染む」などは五段活用の形を比較的保っている。また「蹴る」の下一段活用が「けます」「け合う」など限られた用法で残っており、旧朽木村など一部地域の高齢層では「死ぬる」のようなナ変活用も残る。 「言うた」「買うて」のようなア・ワ行五段動詞の連用形ウ音便は江州弁でも盛んである。3音節語では「思うた→おもた」「笑うて→わろて」のように音便を短音化することが多い。 一部の高齢層では、中世・近世に盛んだった「落といた」「貸いてくれ」のようなサ行五段動詞の連用形イ音便を現在も用いる。また、湖東から湖南にかけて、サ行五段動詞の連用形が「落とイサ」「貸イセくれ」と特殊な音変化を起こすことがある。同様の音変化は「明日→あイサ」「あの人→あのシと→あのイソ」のように特定の語彙でも起こる。近畿地方の限られた地域にのみ点在する、全国的にも珍しい音変化である。 未然未然(意志)連用連用音便終止・連体仮定命令五段読むよま-ん よも-(ー) よみ-ます よん-だ よむ よみゃ(ー) よめ 上一段見るみ-ん み-よ(ー) み-ます みる みりゃ(ー) みよ、みい 下一段寝るね-ん ね-よ(ー) ね-ます ねる ねりゃ(ー) ねよ、ねえ カ変来るこ-ん、き-やはる こ-(ー)、こ-よ(ー) き-ます くる くりゃ(ー) こい サ変するせ-ん、さ-す、し-やはる しょ-(ー)、し-よ(ー) し-ます する すりゃ(ー) せよ、せー 特殊おますおませ-ん、おまへ-ん おまし-た おます おましゃ※ おすおせ-ん、おへ-ん おし-た おす おしゃ※ わすわせ-ん わし-た わす わしゃ※ ※は稀な用法。 形容詞 特殊活用は「無い」「良い」「憂い」の3語。京都と同様、連用形でウ音便があり、詠嘆には「あー、こわー」「あっつー!」のような語幹用法と「さっむい寒い」「さっむ寒い」のような畳語を多用する。「さびしない/さぶしない(淋しい)」「いとしげない(愛おしい)」のような一見否定形に思える形容詞がいくつかあるが、これは「せわしない」などの「ない」に類するものである。 未然連用促音便連用ウ音便終止・連体仮定通常赤いあかかろ-(ー) あかかっ-た あこ(ー)-て あかい あかけりゃ(ー)、あかけら 欲しいほしかろ-(ー) ほしかっ-た ほしゅ(ー)て、ほし(ー)て ほしい ほしけりゃ(ー)、ほしけら 特殊無いなかろ-(ー) なかっ-た のー-て ない なけりゃ(ー)、なけら 良いよかろ-(ー) よかっ-た よー-て よい、ええ よけりゃ(ー)、よけら 憂いうーかろ-(ー) うーかっ-た うー-て うい うーけりゃ(ー)、うーけら 形容動詞 終止形の「だ」が「や/じゃ」に換わるほか、「いつも達者な(=達者だなあ)」のような軽い詠嘆を表す連体終止法がある。「静かやのに」と「静かなのに」の併用など、終止形と連体形の使い分けが不明確な場合がある。 未然(推量)連用連用音便終止連体仮定静かやしずかやろ-(ー) しずか-でしずか-に しずかやっ-た しずかや しずかな しずかなら
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活用など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:02 UTC 版)
動詞 全県で「ゆうて(言って)」「こおた(買った)」のようなア・ワ行ウ音便が起こるほか、黒滝村桂原には「とんだ/といんだ」(研いだ)のようなガ行撥音便がある。サ行イ音便は、一部の高齢層に「さいて(差して)」があるのみである。 また南和地方ではナ変の「死ぬる」「いぬる(帰る)」が終止・連体形で残っている。 形容詞 「あこおなる(赤くなる)」「よおない(良くない)」のようなウ音便があり、「あこなる」のように短音化が起こる。
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