そく‐おんびん【促音便】
促音便
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 06:04 UTC 版)
詳細は「促音」を参照 イ段の音が「ッ」音(つまる音)に変化する音便を促音便(そくおんびん)という。 促音便はカ行、タ行、ラ行、ハ行の音(つまり「キ」 「チ」 「リ」 および 「ヒ」(現代の「イ」))に生じる現象であり、またその性質上、語末には立たず、後続の音はカ行、サ行、タ行、ハ行のいずれかである必要がある。 タ行、ラ行、ハ行の五段動詞(四段動詞、ラ変動詞)のテ・タ形に見られる。 「打ち-て」 ウチテ → ウッテ 「打って」 「言ひ-て」 イヒテ → イッテ 「言って」 「散り-て」 チリテ → チッテ 「散って」 「あり-て」 アリテ → アッテ 「あって」 また、カ行の五段動詞(四段動詞)のテ・タ形は通常イ音便化するのだが、例外的に「行く」だけは促音便の形をとる。 「行き-て」 イキテ → イッテ 「行って」 ラ変動詞の例「あって」 「あった」に類縁のものとして、形容詞の過去表現「高かった」などの形は、「あり」に由来する「カリ活用」(ただし、古語の「あり」は「たり」を接続することは出来ない。なぜなら、「あり」はラ行変格活用だから。現代語の「ある」は「たり」を接続することはできる)に、さらに「タリ (< て-あり)」の連体形「タル」が付いて促音便化し、更に語尾の「る」を落としたものである。 すなわち、「タカカリタル→ タカカッタル → タカカッタ」のごとき変化を経ていると考えられる。 また、「静かだった」のような形容動詞の過去表現も類例である。 ただしこちらはより時代が下って以降、「静かで+あった」あるいは「静か+だった」のごとき一種の再構成を経ている。つまり、静かにてありたる→静かにてあったる→静かにてあった→静かであった→静かだった ほかの典型例として、動詞+動詞の合成語中に見られることがある。 このタイプでは「シ」が促音便化した例も見られる。この形のものには中世以降に生まれた比較的新しいものが多い。 「衝き-立てる」 ツキタテル → ツッタテル 「突っ立てる」 「掻き-攫ふ」 カキサラフ → カッサラウ 「かっさらう」 「とり-かへる」 トリカヘル → トッカエル 「とっかえる」 「追ひ-払ふ」 オヒハラフ → オッパラウ 「追っぱらう」 「差し-引く」 サシヒク → サッピク 「さっ引く」
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促音便
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 23:39 UTC 版)
音便化した語末の子音の直後に無声子音から始まる単語が続く場合、無声子音を長子音として発音する。
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