第3シリーズ / レッドスクランブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 05:08 UTC 版)
「9番目のムサシ」の記事における「第3シリーズ / レッドスクランブル」の解説
アンジー・バートン 「Mission1」で、テロ組織「R・R」のボス「ネロ」の独占インタビューに指名されたフリー・ジャーナリスト。他者を自身より下だと思い、子供というだけで見境なく同情する悪い癖がある。野球が好きで「ヤンキース」のファン。アメリカ軍が行ける山間の村を目指す途中、砂漠地帯で盗賊団の襲撃に遭って乗っていたジープを爆破され、地元のガイドであるコウ(篠塚)に救われる。コウを雇った傭兵部隊の目的は「R・R」に誘拐されたボランティアの人々の救出であるため、お荷物でしかないと拒絶されるが、一緒に行くことがガイドを続ける条件だとのコウの脅迫に負けた傭兵たちに渋々と同行を許される。自己中心的な言動で波風を起こすも一般人ゆえに体力が無く足手まといになってしまうが、インタビューに固執して傭兵たちを危険に晒してしまう。また、コウを10代半ばの貧しい地元の少年だというだけで憐み、貧困につけ込まれて利用される子供だと思い親元に帰そうとトラブルを起こす。待ち伏せされて傭兵たちと共に窮地に陥るが、地元のガイド「コウ」を装う芝居をやめて「R・R」壊滅の任務を遂行すべく正体を明かした篠塚により救われる。現地の女性がガイドについてくれるという話は冒頭でアメリカ兵から聞かされていたが、篠塚を少年だと思い込んでいたため、女装するまで彼女が女性だと気づかなかった。しかし、その時は少女だと知っただけであり、篠塚が成人女性だということまでは知らなかった。篠塚に協力するも彼女が表に出られぬため、「R・R」壊滅を自身の手柄だと思い込んだ世間により残党に狙われるが、矛先を反らそうとした篠塚の申し出を断り、残党一掃を速やかに遂行するには囮が必要だと理解して「UB」に協力した。 「Mission6」に再登場し、完璧すぎる事後処理で「UB」の存在に気づいた日野倉に警告した。最後の「R・R」の残党がレインボーブリッジで篠塚が呼んだ日本警察に逮捕されて一掃されたため、囮役を終えたので日野倉に見送られて日本を去った。 アントニー・アルヴェリ 「Mission1」で、人質奪還に赴く傭兵部隊の1人。愛称は「トニー」。イタリア人。カプチーノが大好き。何かと声を荒らげるグレッグの攻撃からコウ(篠塚)とアンジーを庇い、敵の手先だとコウを処刑しようとするのにも反対した。 グレッグ・カーター 元グリーンベレーで、一応は人質救出に赴く傭兵たちのリーダー格。現地のガイドを必要とするも危険すぎて現地の人間に拒絶され、駐屯しているアメリカ軍のお偉いさんを介して別の誰かの紹介という間に2人を挟んだ正体不明のコウ(篠塚)を雇うが、語学に堪能・地理に明るい・医学の知識がある・度胸があるとすべてにおいて普通ではないため、しかも自身の能力を上回る高水準の戦闘力を持つこともあり篠塚にひがみと疑惑を抱く。 ジョン・クーガー トニーの仲間。上官を殴って海兵隊をクビになった。 ルイ・マリー・アルノー トニーの仲間。フランス軍特殊部隊出身のスナイパー。 アラム・アシリア 「Mission2」で、クーデターの首謀者が自身を敵視する軍司令官だとは知らないが、クーデター計画と戦争を阻止しようと「UB」により脱出ルート・偽造証明書を与えられ、ハリウッド並の変装術で欧米人「ジョン・スミス博士」と名乗り、世界に軍部のクーデターを告発すべく来日した外務大臣。キャビンアテンダントに扮した篠塚が証拠のチップを受け取ろうとするが、自身が「UBのNo.9」の顔を知らないにも関わらず「No.9以外の人間には渡せない」と当の「No.9」に渡すのを拒もうとした。 トモ、ベリ、ピーすけ 篠塚に一目惚れした「青陵女子高校」の女子高生3人組。トモは「宮原智香(みやはら ともか)」、ベリは「苺沢久美(いちごさわ くみ)」、ピーすけは本名不明。敵を罠に嵌めるためのカフェで待ち伏せる篠塚の任務を邪魔してしまったため、実行犯にトモが誘拐される結果を招いてしまう。そのため、篠塚に作戦変更を余儀なくさせる原因となった。 坂上(さかがみ) 2高の元生徒。ボクシングでインターハイの選手になったことがあるが、素行が悪くて退学処分になった。後輩と共にレイナ(No.33)に協力した。事件解決後、トモたちと仲良くなり、春の学園祭に招かれる。 軍司令官 アラム・アシリア大臣の政敵。大量殺戮兵器を使ってクーデターを起こし、故国をテロ国家に変えて戦争を起こそうと企む。 イワン・アントーノフ その筋からは「暁の暗殺者」と呼ばれる男。実行犯たちとは異なり、裏社会に知られる「UB」の実在と恐ろしさを知っており、潔く敗北を認めて捕縛される。 木原武人(きはら たけと) 「Mission3」に登場した高2の少年。ある高校の2-Aに転入したが、クラスメイトの変人オタ (No.1009) と隣の2-Bに1週間前に転入してきた篠原(篠塚)に関心を抱く。ファーストレディ(大統領夫人)の誘拐を企んだテログループの犯行に巻き込まれる。隣家が全焼し、焼け跡から一家3人の遺体が発見されるも火災の前に殺害されていた事件で、男性とは「喧嘩するほど仲がいい」間柄で一家を殺す動機自体が無いにも関わらず、18歳の一人娘にストーカー行為を繰り返す真犯人が有力者の息子ということで目撃証言を無視され、喧嘩を表面上でしか捉えなかった警察により放火殺人の冤罪で父親を誤認逮捕されてしまう。そのため、世の中を恨んでいた。事件解決後、自身にイジメを働いた板倉たちと秘密を共有することで友人になった。テログループが一掃された後、裏で「UB」が動いてくれたため、警察の謝罪と共に父親が帰宅した。 板倉(いたくら) 木原の父親の事情を知って仲間2人と共に嫌がらせをするクラスメイト。幾度となく嫌がらせを繰り返すが、テログループと大蔵たちの戦いの後に木原と和解した。 ハワード・リー 「Mission4」で、中国系アメリカ人の闇の武器バイヤー。周囲には「ミスターC」と呼ばれる。元CIA局員でアジア支局に所属していたが、金に絡む不祥事で解雇された後、コネを活かして武器商人になった。 ウォード ミスターCの傭兵部隊「ブラック・タイパン」のリーダー。目的のためには手段を選ばず、その残虐な行為により潰された街や村は少なくない。ミスターCの邪魔者を消し、ボスが金とコネで揉み消すという互恵関係で結ばれていた。 ジョナ・エマーソン 篠塚に同行を無理強いし、危険な傭兵部隊に追われる彼女の重荷になってしまった少女。実は、寂れていく故郷の街をどうにかしようと旅立ち、ベガスのギャンブルで金儲けしようと甘い夢を見ていた。 ホーン、レオ 暴走族。当初、ジョナに絡んで篠塚に撃退されたことでゴーストタウンで待ち伏せするが、成り行きで深手を負って身動きできない篠塚を助けた。最終的にジョナとも友人に。説明を求めて応急手当で半裸になった篠塚の胸を目撃してしまいホーンは絶叫するが、肩に担ぎ上げて彼女を運んだことでレオは胸の感触で彼女が女性だと知っていた。 里美(さとみ) 慎悟に憧れを抱く女子高生の一人。慎悟と親しげに話す森谷桃子 (No.3001) に嫉妬して反発するが、二人の危機を知り駆けつけた。 ミッチョ 里美の友人。スーパーヤマダに勤務する母親とその同僚から話を聞き、「カーチャンズ(かーちゃんアンド友達(フレン)ズ)情報」で慎悟の名や彼に迫る危険を里美に報せた。 青木一志(あおき かずし) 里美らと同じ高校に通う高3の不良。親戚から大臣も出ている有力者一族でやりたい放題、甘やかされて育ったことで自分の思い通りにらないとすぐキレる。恋人のいる少女に目をつけて彼女の恋人を病院送りにし、少女にはストーキングを行い彼女を一家諸共に引っ越しに追い込んだ。UBメンバーとは知らずに森谷桃子を車に連れ込もうとして邪魔をした慎悟を痛めつけようとするが、帰還した篠塚の逆鱗に触れて父親共々にきついお仕置きを受けた。 日野倉真弓(ひのくら まゆみ) 「Mission6」に登場したスクープしか頭に無く本職をおろそかにする日本の新聞記者。カナダ・オンタリオ州のオタワ・マクドナルド・カルティエ空港で起きたアジア・アジエント航空705便ハイジャック事件やその他の幾つかの事件で事後処理が完璧すぎることと被害者に取材するも全員に断られ、国際線のCAである友人・美鈴から聞いたこともあり「UB」の存在に気づくが、マトモなネタを追わずに謎の組織に目の色を変える姿に周囲の軽侮を買い、自説を確信するあまり逆に彼らを蔑んで大喧嘩に発展して「R・R」の残党に狙われる。篠塚に救われ、ハイジャック事件の取材に口を閉ざした被害者の心情を身をもって知り、調査と公表は諦めた。 美鈴(みすず) 日野倉の友人。国際線のキャビンアテンダント。ロスに滞在していた折、あるホームパーティーに招待され、元CIAから伝説の組織の話を聞いた。 蔡建明(ツァイ ジェンミン) 台湾・台北市の「スカイ製薬」の社長の息子。自身だけが正しくて、周囲は敵で間違っていると思い込んでいた。自身の自由を奪う元凶として父親を嫌い、自分たち一家を救うために来た「UB」のエージェントとは知らずに「篠原桂」と名乗る篠塚に一目惚れして周りが見えなくなり、父親に渡米を告げられるも篠塚と離れたくなくて一方的に無謀な駆け落ちを懇願するが、親の保護が無ければ生活することも不可能であるため、父の腹心・頼志強に連れ戻される。自力で生活できたとしても片想いゆえに叶うことはない恋だった。真相が明らかになり、篠塚の正体と父親の深い愛情を知って父親と和解し、任務終了により篠塚が去った時、追いかけようとして生きる世界の違いに足を止めてしまい、訣別と共に幼い恋は終わった。その後、両親と共にアメリカに渡り新生活を送る。 7年後、父親を脅迫するマフィアのボスであるミスター・ワンにより人質として刑務所に監禁されてしまう。ワンと結託する所長の脅迫に抵抗するも限界を感じ始めた矢先、任務でしか行動しない篠塚が潜入して来て再会し、昔の新型インフルエンザが再び出現して15年 - 20年効果が続く試薬段階のワクチン接種で抗体を持つ自身が必要だと知る。脱出しようとしてジョンたちが所長に殺されることを怖れて躊躇するが、獄中で篠塚の事情と世界の危機を知ったジョンとジムの説得、篠塚が部下に命じて「ブラック・ドラゴン」を壊滅させたことで脱出に同意した。篠塚と共に射殺されかけるが、外界の家族や友人を救う存在として他の受刑者たちが暴動を起こして援護してくれて脱出に成功した。事件後、仔犬に「コウ」と名付け飼い始めた。 蔡(ツァイ) スカイ製薬の社長。建明の父。新型インフルエンザウイルスを発見した矢先に盗まれ、手元に残ったワクチンをも狙われ、悪評を立てて民衆を扇動する何者かに攻撃された。アメリカでの足場を確保した上で正体不明の犯人を告発する準備を進めた渡米前夜、味方を装っていた副社長の楊と政治家の呉に強襲されるが、息子の片恋の相手の少女が半信半疑で助けを求めた「UB」だと知り驚きつつ救われた。濡れ衣は晴れて失われた名誉も「UB」により回復されたが、予定通りアメリカで新生活を送ることを決意して台湾を後にした。ところが、台湾の黒社会に対する影響力に目をつけたマフィア「ブラック・ドラゴン」に息子を誘拐されたため、再び出現した新型インフルエンザの件で来訪した篠塚に救出を懇願した。 知的で冷静、目的達成のためには手段を選ばない人物だったが、息子の誕生を機に冷酷さを捨てて人間らしい人物に変貌した。 頼志強(ライ ジーチャン) 蔡社長とその家族に絶対の忠誠を捧げる部下。 楊志明(ヤン チミン) スカイ製薬の副社長。世界の危機に繋がりかねないウイルスをバラ撒き、ワクチンでボロ儲けを企む。篠塚により捕縛された。 呉(ウー) 蔡社長の味方の政治家を装った敵。楊と共謀し、渡米しようとした蔡一家の皆殺しを強行する。楊と共に捕縛された。 リチャードソン 砂漠にある「ホープヒル刑務所」の所長。マフィアと州議員をバックに同刑務所を支配し、受刑者の労力を貸し出して利益を貪る独裁者である。受刑者ではない人間を監禁する「特別房」での自殺や病死の言い訳に「薬欲しさに特別房に忍び込んだ奴が殺した」というストーリーを捏造し、家族の人質に受刑者を犯人役に仕立て上げる。殺す側も殺される側も事前に手を回して逆らえない傀儡として保身を図っていた。篠塚と建明の脱出後、逮捕された。 ミスター・ワン N.Y.のチャイニーズ・マフィア「ブラック・ドラゴン」のボス。リチャードソンの雇い主。台湾の組織を手に入れようと建明を誘拐して父親の蔡を脅迫するもパンデミックを阻止しようとする篠塚により30分で組織を潰され、自身も逮捕された。 バローズ ワンの弁護士。彼の使者として刑務所にやって来たが、悪事が露見し逮捕された。 パターソン、ジョンソン 所長の直属の部下。所長の他に「特別囚人」である建明の存在を知る人間である。刑務所閉鎖と同時に逮捕された。 ジョナサン・カートウィッチ 「Mission7:episode5」に登場した受刑者。28歳。アフリカ系アメリカ人。愛称は「ジョン」。警察官を殴って15年くらった。「懲罰房(ホール)」の常連。ワクチンを体内に有する建明救出のために入所した刑務所で、自身が「懲罰房」に入っている間に入所した篠塚が同房になっていた。 陽気で世話好きな性分のため、篠塚に1人は危険だと忠告し、グループ(プリズン・ギャング)のどれかに入って守って貰った方が安全だから口をきいてやる等々と同房の誼で何くれとなく世話を焼くようになる。重病や重傷を負った受刑者を収容する「特別房」の黒い噂を伝えた。チャームポイントは後ろで編んだ三つ編み。勝手に調べられて不快になり篠塚と縁を切ろうとするが、ほぼ全裸の身体を見せられて篠塚の目的と秘密組織の女性エージェントであることを知らされ、建明の捜索と救出に協力する。パンデミック阻止に協力した功績により、即時釈放となった。ジムの釈放が決まった日、弁護士の依頼人としてフェミニンなドレスを纏った後ろ姿で振り返る篠塚が現れ、別れ際に「本当の姿(=女性)のお前が見たい」という自身の願いを叶えてくれたことを知り、涙を浮かべながら去りゆく篠塚を見送った。 シングルマザーの母親は蒸発し、親戚一同にそっぽを向かれたため、施設送りになった。そこで親友のジムと出会い、面倒見の良い兄貴分として、頭脳明晰で落ち着きがあり相談役だったジムと共に施設の他の子供達に慕われた。義妹を襲った男に怪我を負わせた罪をジムの身代わりとなって自首し、それまでに別の友人を庇って2回服役していたことで3回目がより重くなる「スリーストライク法(三振法)」に引っ掛かってしまった。身代わりになることが友情だと誤解している。密かに篠塚に淡い想いを抱いていた。 バルトロ・バルドリーニ バルドリーニ・ファミリーのドン。マフィアの大ボスだけあって、専用のサロンで生活していた。あと2年で刑期を終えて出所できる筈だったが、敵対するマフィアのボスに賄賂を貰った所長に治療と医療刑務所への移送を拒絶され、部下の努力も虚しく「特別房」で手当ても受けられずに心停止に陥ってしまう。しかし、建明捜索のために「特別房」に潜入した篠塚が部下達に手伝わせて心肺蘇生を行って一命を取り留めた。医療機関による適切な処置を要するため、篠塚がUB本部を介して州知事を動かし「コロラド医療刑務所」に移送された。何者なのかと訝るも恩返しにとホープヒル刑務所での篠塚の安全を保障し、ユニットGのサロンにいる部下に篠塚を守るよう命じた。 ジェイムズ・ラッセル ジョンの親友で、同い年の28歳。愛称は「ジム」。施設で出会い実の兄弟以上に強い絆で結ばれた親友であり、14歳の時に里親に引き取られ、後に引き取られた義妹と4人家族で幸せに暮らし、義妹を襲った有力者の息子をバットで殴り重傷を負わせてしまう。 篠塚と建明の脱出後、マフィアの後ろ盾でやりたい放題だった所長と看守の悪事が暴かれてホープヒル刑務所が閉鎖され、脱出を助けた功績により暴動の罪に問われることなく他の受刑者と共に快適な刑務所に移送された。「UB」により事件の再調査と真相が明らかにされ、義妹を襲った犯人と彼を庇った連中の罪が証明されたため、あと3年の刑期が残っていて罪は罪だと主張するも大統領恩赦により釈放された。 ロイド 弁護士。篠塚の依頼を受け、大統領恩赦により釈放だとジムに告げた。 DIV(ディーフォー) 「Mission8」で、暗殺組織「赤い馬」のトップの暗殺者。Dナンバー。アジア系で、日本人かあるいは日本人によく似た民族の出身である。高身長。シルバー・チェーンに繋いだ銃弾を首に掛けている。組織内では「死神をも殺す死神」と称される人物で、幼いころから機械のように命令を遂行するよう育成された。無表情でおよそ感情らしきモノは見受けられないが、無意識下で死による解放を望んでいるため、銃弾を見つめる時だけは僅かにやすらいだ表情になる。慎悟と出逢ったばかりのころの篠塚に内面が酷似しており、幼いころから頭角を現したという生い立ちや仕事ぶりも彼女に重なるが、単なる手がかりとしか思っていなかった慎悟に心を揺り動かされ、かつての篠塚のように何が起きているのか理解できずに自身の内面の変化に戸惑う。 組織内の特殊教育を施されたDナンバーの一員で、感情を失うよう教育された。しかし、自他共に失われたと思い込んだ感情は脈動しており、慎悟とのふれあいで感情が息を吹き返したことで周囲の色彩を色彩として認識できるようになる。実は、まだ養成所の生徒だったころ、すでにDナンバーとして活動していたが、暗殺任務に役立つと実習の1つとしてディエスたちを脱走させた過去がある。 テロ組織「KK解放軍」の依頼で取引の邪魔と組織壊滅を図る謎のアジア人(篠塚)の殺害を命じられたが、依頼主の「KK」は取引相手と共に滅び依頼だけが残り、日本在住の関係者(慎悟)の存在を知って、食いつめた男を装い山の上の廃村で暮らす慎悟に近づき篠塚殺害を企む。元々名前が無いこともあり名無しの権兵衛を決め込むが、無心に空を見上げる姿が印象的だと慎悟により「空(そら)」と命名された。「氷の兄弟」の襲撃で自身を庇って慎悟が重傷を負ったため、他人を信じない暗殺者の性で医療機関に近づかない禁忌を破って病院に運び込んだ際、彼の従兄弟「橘空(たちばな そら)」と名乗る。 慎悟が傷つくことを怖れる自身の安心を得るために自身に対する「Dコール」発令を招き、ギリギリまで一緒に生きると見せかけて土壇場で慎悟を無理やりに篠塚に引き渡し、自身が仕組んだ「Dコール」により殺到した「赤い馬」の支柱であるDナンバー全員を自爆により皆殺しにした。最初から自殺しか考えず、1年を経ても「JBF」には未だに死んだと思われている。実は起爆装置を作動させる直前、かつて逃がしたディエスたちに救われ篠塚の指示でホームの下のシェルターに連れ込まれて生き永らえた。その後、FBIと取引してボストンの隠れ家に潜むジェイデンとヤンを「異端のD」と共に殺害する。慎悟を「UBエージェントの恋人」という色眼鏡でしか見ておらず、元暗殺者の自身が彼と共に生きられるわけはない、慎悟のそばにいることなど許されないと思い込んでしまう。そのため、ジェイデンたちの隠れ家の向かいの住宅の監視カメラの映像が「UB」が入手し、慎悟に贈られた木彫りの野苺のペンダントトップを身に付けていたことで「生きていた空(DIV)」だと慎悟が得た微かな希望を打ち砕くことばかりを企む。また、慎悟に「逃げたら全力で追う」と宣言されて自身の生存を知れば彼は必ず行動し、篠塚がそれを容認することを察してジェイデンたちの処刑直後に自身の生存は慎悟に隠して欲しいと篠塚に依頼し、自身のことを忘れさせようと爆死偽装を仕組んで慎悟を苦しめる元凶。変装して慎悟のマンション周辺に出没し、篠塚と連絡を取り合って慎悟を自身の思い描く通りにコントロールするべく手を打つ。 第4シリーズではリド王国クーデター未遂事件が解決して一段落したころ、「Mission1:episode8」のラスト2ページにディエスたちと3人で徘徊する姿がシルエットで初めて描かれた。中途半端に生死を隠すから慎悟の心の傷は癒えないと判断し、明確に自身の「死」を認識させれば古傷が少しは痛んでもすぐに忘れ、今なら慶太という良薬もあるので問題はないと考える。誰も他の誰かの代わりにはなれず、忘れるか否かは本人の心の問題だと理解できない。自身の存在を完全に慎悟から排除することが彼のためだと信じて篠塚に協力を求め、断れば今度こそ自殺を遂げるかもしれないと慎悟を裏切る協力を承諾した彼女に慶太の警護と偽りの真相をと言われるが、慎悟に「DIVの死」を伝えさせるために利用されたことに気づいた慶太に伝言を拒絶されてしまう。そのため、自分たちで伝えることになり、ディエスたち「異端のD」にペンダントを形見として慎悟に渡させ、自身も前髪を左で分けたセミロングの金髪と青い瞳の青年「セロ」に変装して彼らの1人として「DIVは死んだ」と告げるが、慎悟には再会してわずかの間に「セロ」が自身の変装だと見破られてしまう。正体を明かさないばかりか、自身の死を信じ込ませようとしたことで慎悟の信頼を完全に失う。2人で協力して切り抜けるという発想が無く、慎悟を危険から隔離して元の世界に戻すことしか頭にない思考まで篠塚に似ており、慎悟が自身の死に心を引き裂かれる苦痛と悲しみを考えなかった。また、大切に思っても慎悟の言葉にすら耳を傾けることは無い性格であり、他者を下に見る傾向と1年前の出来事が原因で篠塚に慎悟を裏切らせる結果を招く。「UB」も「異端のD」も容認する人間しかいないが、真相が暴露され慎悟の悲しい拒絶に「篠塚を巻き込んで悪かった」と謝罪するも篠塚を共犯者にしたことに対してであり、1年前の裏切りから続く慎悟に対する過ちを悟ったのか否かは不明。「JBF」の要塞島に乗り込み、篠塚に迫ろうとしたJBFメンバーを鎖で繋いだ剣を額に刺し貫いて倒し、レイヴンたちに衝撃を与える。脱出間際のレイヴンが篠塚に手を出そうとした際、レイヴンを惨殺した。「JBF」壊滅後、「異端のD」と共に篠塚の直属の部下となり、彼女と共に任務を遂行することになる。普段は慎悟の警護として彼と共に村で暮らす。 ファドリケ・アルバ・バハモンテ 暗殺組織「赤い馬」のボス。部下には「ドン・バハモンテ」と呼ばれる。眼鏡を掛け、称号はないもののスペインの名門貴族を父に持つ庶子。老体に鞭打って組織を指揮してきたが、遂に限界を迎えベッドの生活に。そのため、慎悟の誘拐履歴に名を連ねる巨大組織の名に色めき立つ幹部を抑えることは叶わず、方針重視を時代遅れと蔑む彼らの離反を招いてしまう。組織をフランツに託して他界した。生前、「UB」の存在をフランツに語っていた。 フランツ・アルベルト・フィッシャー 「赤い馬」の一員で次代のドンに指名されたバハモンテの秘書。バハモンテに息子のように可愛がられており、彼に忠誠を誓っている。しかし、秘書ゆえにトップを目指すジェイデンらには疎まれている。既知のパスカーレに関連したマフィアのトラブルに偽装して拉致・監禁されるが、篠塚に救出された。彼女が「UB」のエージェントだと知り、最愛の恋人・慎悟に手を出したことで組織の命運が尽きていたことを悟りDIVに除名を伝える。 第4シリーズで篠塚により「UB」に招かれ、元「赤い馬」のメンバーであり、第2の「赤い馬」を目指す暗殺集団「JBF」を自身のネットワークを駆使して調査し情報を篠塚に伝える。計画が変更され、篠塚が虜囚という形で「JBF」に潜入して以降の人質奪還を「異端のD」のみで実行する旨をイックたちに告げた。 ジェイデン・ウィリアム、ヤン 「赤い馬」のNo.2のアフリカ系幹部とNo.3のアジア系幹部。利益重視で組織の拡大を願っておりバハモンテとは意見が異なるため、慎悟の利用価値を知った時点で衝突した。バハモンテの死後、フランツとパスカーレを拉致し暫定的なドンとその補佐になった。自分たちの支配の礎を盤石なものにすべくDIVの口封じと謎の敵の弱点として慎悟の確保を企んだ。失敗時にジェイデンを風よけの盾にするという打算がヤンにはあるため、ジェイデンに頼りになる補佐役だと印象づけるために行動する。慎悟を傷つける結果を齎す命令を下したため、証人保護プログラムを受けて再起を企むもDIVの怒りを買ってボストンの隠れ家で斬首された。 老夫婦 山の中腹で雑貨を取り扱う小さな商店を営む。慎悟とも親しくなるも姿を見せなくなって心配していたが、第4シリーズで慎悟の暮らした山の上の廃村を目指す慶太から慎悟の無事を知り安心した。慶太を家出人として捜す探偵と称する輩を警戒し、慎悟の友人に変な奴を近づけまいと山を下りたと嘘を告げて誤魔化した。 BEVII(ビーイーセブン) DIVと同じ組織の暗殺者。女性。腕は立つがDIVよりは格段に下がる。実は外部で暗殺者として活動しており、志願かスカウトされるかして「赤い馬」に加入したメンバー。別名「毒針のBEE」で、爪に仕込んだ毒薬を標的に注入し殺害するのを得意とする。DIVを毒殺して慎悟を本部に連行しようと企むが、それを察していたDIVの返り討ちに遭い片腕を切断されてテラスから転落し、体内の爆弾を爆発させられて死亡した。 グイド・パスカーレ ボストンのマフィア「パスカーレ・ファミリー」のドン。バハモンテやフランツとは既知の友人で、次代のドンであるフランツを高く評価している。バハモンテの葬儀に出席すべくスペインにやって来るが、フランツと共にDの養成所に監禁されてしまう。後に「UB」により救出された。 DVI(ディーシックス)、DVII(ディーセブン) 「赤い馬」のDナンバー。2人とも年齢はDIVと同じくらいで、彼より2期後の卒業生。組織内で「氷の兄弟」と呼ばれ、標的の殺害時における残虐さは少々不評である。ロシア某所の組織を殲滅後、ジェイデンの命令で慎悟の本部連行とDIV殺害の任に就く。DVIは明るい色の髪で顔の左側に刺青があり、DVIIは相方より少々背が高く暗い色の髪で左耳にイヤリングを付けている。最初のコンタクトの際、DIVに感情が芽生えたことを知る。嵐の夜に襲撃するも誤って慎悟を傷つけてしまい、DVIの死後、慎悟が「DIVという怪物を閉じ込めて人間たらしめる封印」であり、それを破ってしまったからこそ自分たちは失敗したことを悟ったDVIIは最後の連絡の際、ジェイデンに人質(慎悟)のことは諦めるよう言い残した直後にDIVに惨殺された。
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