アジア アジアの概要

アジア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 03:47 UTC 版)

面積 44,579,000 km2 [1]
人口 4,436,224,000 (1位)[1]
人口密度 100/km2
住民の呼称 アジア人
国数 48
保護領
その他地域
標準時 UTC+2UTC+12
使用TLD .asia
最大都市 東京
ジャカルタ
ソウル
デリー
ムンバイ
上海
アジアを中心とする地域の衛星写真

古代メソポタミアのアッカド語[注釈 1] aṣû 〔アスー(アツー)〕[注釈 2](太陽が) 出る(ところ) ” が語源で、本来は “東、東方” を意味する言葉である。現在の一般的な定義は、ヨーロッパの人たちから見た東・西の区分[注釈 3]を反映したものになっている[2]

概要

アジアの地図
国連による世界地理区分

現在ではユーラシア大陸ヨーロッパ以外の地域、つまり、アジア大陸島嶼海域を含む)であり、六大州の一つ。ユーラシア大陸の面積の約80%をアジアが占め、人口は世界最多であり世界人口の60%強がアジアに住んでいるといわれている。世界の都市のうち都市圏人口上位8位まではアジアに属する都市が占めている(世界の都市圏人口の順位を参照)。

ヨーロッパとアジアの境界をウラル-コーカサスとする区分の諸説。赤線Aは国際地理学連合による定義。

アジアとヨーロッパの境界は、地理上の境界とヨーロッパ中心主義的な観点から見た人為的境界が入り交じっている。地理上の境界は、ウラル山脈ウラル川カスピ海コーカサス山脈黒海ボスポラス海峡マルマラ海ダーダネルス海峡とすることが多い。なお、アフリカとはスエズ地峡を、オセアニアとはニューギニア島西方の海峡を挟んでいるため、この両地域とは地理的境界と人為的境界が一致している。

アジアは六大州で最も大きな州であり、地理的にも多様で変化に富む。アジアの大半はユーラシア大陸に属するが、大陸内でも気候や地形に様々な差がある。また、特に大陸東側には環太平洋造山帯の活動によってできた無数の島々が点在しており、日本やフィリピン、インドネシアといった島国に多数の人口を抱える国家が存在する。アジアの東部から南部にかけては降雨が多く肥沃な土壌に恵まれることから人口が古代より非常に多く、現代においても世界最大の人口密集地域となっている。

アジア州の中でもさらに細かく、北アジア中央アジア東アジア東南アジア南アジア西アジアの六つに分けられることもある。

語源

古代メソポタミアのアッカド語で、東 / 西を「アスーaṣû(太陽が) 出る(ところ) ” / 「エレーブ」erēbu(太陽が) 入る(ところ) ” で表した[注釈 4] ことに由来する。この「アスー」にギリシャ語の接尾辞「イアー」-ίᾱ -íā が付いてギリシャ語の「アシアー」Ἀσίᾱ Asíā が生まれた[3][注釈 5] 。それがラテン語に取り入れられ、そこからヨーロッパの諸語に広がっていった。

「エレーブ」の方からは、ギリシャ語の「エウロペー」 Εὐρώπη Eurṓpē が生まれた[4][注釈 6]。これがラテン語で「エウローパ」 Eurōpa となり、ヨーロッパの諸語に入っていった。「アジア」と「ヨーロッパ」は、「オリエント / オクシデント」と同じく、本来は “東方 / 西方” という対概念であった。

亜細亜の表記は、で1602年に刊行された坤輿万国全図に現れる。官話では亜細亜を「ヤシヤ」のように発音するが、西洋人との接触が多かった華南地方の方言では亜を日本語と同様にアのように発音していたことに影響された転写とされる。


注釈

  1. ^ アッシリア語やバビロニア語などを含む総称。
  2. ^ アッカド語の s を「ス」、 を「ツ」とカナ表記することが行われているが、実際はそのような違いではなく、いずれも破擦音(「ツ」)で、s は通常の /ts/ は(おそらく)放出音の /ts’/ である。後にはいずれも摩擦音(「ス」) /s/ , /s’/ に変化した。Roger D. Woodard (ed.), The Ancient Languages of Mesopotamia, Egypt, and Aksum, Cambridge University Press, 2008, p.96.
  3. ^ 「ヨーロッパ」に注目してそれを “西” とし、「それ以外のすべて」をひとまとめにして “東” と見なすような分け方。
  4. ^ 「アスー」 / 「エレーブ」は一般的に“出る” / “入る” という意味の動詞で、太陽や月、星が東から昇る / 西に沈むということにも使われた。aṣû / erēbu は不定詞(動名詞)の形。これらの動詞から派生した名詞 「シート」 ṣītu / 「エルブ」erbu と “太陽”という意味の「シャムシュ」 šamšu による「シート・シャムシ」 ṣīt šamši “太陽の出”、“東” / 「エレブ・シャムシ」 ereb šamši “太陽の没”、“西” という表現もある。
  5. ^ -ίᾱ は形容詞を作る接尾辞「イオス」-ιος -ios の女性形で、“場所” や “地域” を意味する女性名詞「コラー」χώρᾱ khṓrā などが省略されて名詞化したものと考えられる。Liddell & Scott, A Greek-English LexiconἈσία の項を参照。
  6. ^ 「エウローペー」の語源については諸説があるが、これが有力。
  7. ^ 占領下に置くエルサレムを首都と主張。しかし世界の大多数の国はこれを認めず、テルアビブを首都とみなしている。
  8. ^ 公式な首都だが、イスラエルの占領下にある。

出典

  1. ^ a b The WorldAtlas List of Geography Facts” (英語). WorldAtlas. Worldatlas.com (2021年5月21日). 2022年10月28日閲覧。 “Continents (by population) 2016 est. #1 Asia 4,436,224,000”
  2. ^ 伊東俊太郎 2006, p. 4.
  3. ^ 伊東俊太郎 2006, p. 2.
  4. ^ 伊東俊太郎 2006, p. 2..
  5. ^ "Composition of macro geographical (continental) regions, geographical sub-regions, and selected economic and other groupings", United Nations Website、国際連合
  6. ^ International Geographic Encyclopaedia and Atlas. Springer, 24 November 1979, [1]
  7. ^ en:List_of_countries_by_GDP_(nominal)





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