マダガスカル語とは? わかりやすく解説

マダガスカル語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 14:17 UTC 版)

マダガスカル語
Malagasy
話される国 マダガスカル
レユニオン
マヨット
地域 西部インド洋
話者数 1900万人以上(第一言語)
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 マダガスカル
統制機関 マラガシ・アカデミーフランス語版マダガスカル語版
言語コード
ISO 639-1 mg
ISO 639-2 mlg
ISO 639-3 mlgマクロランゲージ
個別コード:
bhr — バラ・マダガスカル語
bmm — 北ベツィミサラカ・マダガスカル語
bzc — 南ベツィミサラカ・マダガスカル語
msh — マシクル・マダガスカル語
plt — プラトー・マダガスカル語
skg — サカラヴァ・マダガスカル語
tdx — タンドゥルイ=マハファリ・マダガスカル語
tkg — タイサカ・マダガスカル語
txy — タノシ・マダガスカル語
xmv — アンタンカラナ・マダガスカル語
xmw — ツィミヘティ・マダガスカル語
テンプレートを表示

マダガスカル語(マダガスカルご、Malagasy、マラガシ)はアフリカ東部のインド洋に浮かぶマダガスカル島で話される言語マダガスカル共和国の国語であると共に、フランス語と並んで同共和国の公用語となっている。マダガスカル人は自分たちの言語をmalagasyと呼ぶことから、マラガシ語と呼ぶこともある。英語でもこの言語をMalagasyと呼ぶ。

概要

マダガスカル語はオーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派に所属する。紀元5世紀頃にマレー諸島からインド洋を越えて移住した結果とされる。この移住について歴史上の記録は一切ないので詳細は不明だが、言語学的には、バリト諸語英語版ダヤク族の言語)に含まれ、ボルネオ島マアニャン語英語版に近いとされ、いわゆる言語島にあたる。

マダガスカル語 マアニャン語(バリト諸語)
vatana "体" watang
elatra "羽" elat
vitsika "アリ" wisik
hena "肉" kenah "魚"
afo "火" apui
rano "水" ranu

その後、アフリカ大陸海岸部から来たバンツー族や交易目的で来たアラブ人などと混血しているため、オーストロネシア語を基調としつつもバンツー語系の単語、アラビア語系の単語、サンスクリット語系の単語が混じる。

音韻

/a/、/i/、/e/、/u/、/o/ の4つの母音がある。つづり字の o は通常 [u] と読まれ、[o] は ô と綴られる[1]

子音 ñ は [​ŋ]、nj は [ndz]、ndr は [ndr ~ nr ~ nɖ]、ng が [ŋɡ]、j は [dz]、dr は [dr ~ ɖ]、tr は [tr ~ ʈ] と発音される[1]

文法

語順は、能動態(行為者焦点)の場合、VOS(動詞―目的語―主語)である。

文例 Mamaky boky aho. 「読む+本+私」

この能動態文例の場合、主格を文頭に置くことも可能である。

文例 Izaho dia mamaky boky. 「私+は+読む+本」 主格の aho が文頭に置かれた場合には、izaho となる。

主格を強調する、能動態の場合には、下記の語順になる。

文例 Izaho no mamaky boky. 「私+が+読む+本」

同じ文例を、受動態(対象焦点)構文にすると、下記のようになる。

文例 Vakiko ny boky. 「私によって読まれる+本」

マダガスカル語には、相(aspect)(完了相・未完了相・指向相:それぞれ過去形・現在形・未来形ということもある)があり、時・場所・手段などを強調する構文(焦点という:行為者焦点・対象焦点・場所焦点・事情焦点)をとる。動詞は3つの相と4つの焦点に応じて形が変わる。

文例 Tsy azo anariana fako eto. 「否定辞+できる+捨てられる+ゴミ+ここ」→ 「ここに、ゴミを捨てることはできません」 最後尾の 「ここ」(eto)と言う場所が強調される構文である。

脚注

  1. ^ a b Kikusawa, R. (2009). “Malagasy”. In Brown, Keith; Ogilvie, Sarah. Concise Encyclopedia of Languages of the World. Oxford, UK: Elsevier. p. 675. ISBN 978-0-08-087774-7. NCID BA8807065X. https://www.google.co.jp/books/edition/Concise_Encyclopedia_of_Languages_of_the/F2SRqDzB50wC?hl=ja&gbpv=1&dq=Malagasy+dr+phonology&pg=PA675 

関連項目

外部リンク


マダガスカル語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 06:34 UTC 版)

トレマ」の記事における「マダガスカル語」の解説

軟口蓋鼻音 /ŋ/ の音を表記するために、n の上トレマ付すことがある)。硬口蓋鼻音 /ɲ/ を表す ñ と混同しやすい上、"ng" と表記することで代用できるため、次第用いられなくなっている。

※この「マダガスカル語」の解説は、「トレマ」の解説の一部です。
「マダガスカル語」を含む「トレマ」の記事については、「トレマ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マダガスカル語」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

マダガスカル語

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 00:47 UTC 版)

言語コード
ISO639-1 mg
ISO639-2 mlg
ISO639-3 mlg
SIL {{{4}}}

名詞

マダガスカル (-ご)

  1. オーストロネシア語族属す言語マダガスカル公用語である。

翻訳

  • 英語: Malagasy

「マダガスカル語」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マダガスカル語」の関連用語

マダガスカル語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マダガスカル語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマダガスカル語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのトレマ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのマダガスカル語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS