アミ語とは? わかりやすく解説

アミ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 10:02 UTC 版)

アミ語
阿美語
パンツァ語
邦査語
Pangcah
話される国 台湾
地域 台湾
民族 アミ族
話者数 137,651人2002年行政院
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 台湾 (台湾原住民地区の国家語
統制機関 台湾原住民族委員会
言語コード
ISO 639-3 ami
紫色部分
消滅危険度評価
Vulnerable (Moseley 2010)
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アミ語
各種表記
繁体字 阿美語
簡体字 阿美语
拼音 Āmĕi Yŭ
注音符号 ㄚ ㄇㄟˇ ㄩˇ
発音: アーメイ ユー
英文 Amis
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アミ語(アミご)は、台湾で使用される言語の一つ。パンツァ語パンツァー語パンツァハ語とも呼ばれる。アミ語という名称の漢字表記は阿美語パンツァ語という名称の漢字表記は邦査語である。アミ語でsowal no Pangcah / 'Amis、またはcaciyaw no Pangcah / 'Amisである。台湾東部の原住民族・アミ族の母語で、アミ族人口が多い花蓮県台東県屏東県を中心に話されている言語である。オーストロネシア語族に属し、現在台湾南島言語の中で最も話者の多い言語である。また、花蓮駅台東駅知本駅などではアミ語による放送が実施されている。

'amisとは「北方」の意味のアミ語。北部アミ語(南勢アミ語)、中部アミ語(秀姑巒アミ語)、海岸アミ語、馬蘭アミ語、恒春アミ語などの方言が存在している。[1]

方言

  • 南勢アミ語(北部アミ語)('Amisay )
  • 秀姑巒アミ語(中部アミ語)(Siwkolan)
  • 海岸アミ語 (Pasawalian)
  • 馬蘭アミ語 (Falangaw)
  • 恆春アミ語 (Palidaw)

文字

国際的にはラテン文字を用いられているが、台湾では注音符号を用いた表記も行われている。

音韻

カッコ内はラテン転写時の表記。

母音

母音
/i/ /u/
/ə̆/ ⟨e⟩
/a/

超短シュワー子音クラスターを分割する。シュワーの有無によるミニマルペアは確認されていない。

子音

子音
両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 喉頭蓋音 咽頭音
破裂音 /p/ // ⟨t⟩ /k/ /ʡ/ ~ /ʢ/ ⟨'⟩ /ʔ/⟨^⟩
摩擦音 /v/ ⟨f⟩ /ð/ ~ /ɮ̪/ ⟨d⟩ /s/ (/ɣ/) ⟨g⟩ /ʜ/ ⟨hまたはx⟩
破擦音 /t͡s/ ⟨c⟩
鼻音 /m/ // ⟨n⟩ /ŋ/ ⟨ng⟩
ふるえ音 /r/
側面音 /ɺ̠/ ⟨l⟩
接近音 /w/ /j/ ⟨y⟩

有声軟口蓋摩擦音[ɣ]は一部の借用語のみに現れる。

強勢

強勢は必ず最後の音節に置かれる。[2]

文法など

語順としてはVSO式となるので、日本語話者には難しい部分も多々ある。同じVSO式の語順の言語としてウェールズ語や、同じオーストロネシア語族のフィリピン諸語などがある。

語彙例

  • アラリウ-歌
  • イセプ-檳榔
  • イソル-
  • イナ-母親
  • イリシン-豊年祭
  • オラド-雨
  • カキタアン-村おさ
  • カスィ-薪
  • カッパー-青年
  • カワス-神
  • キラン-樹木
  • シカワサイ-巫女
  • タルアン-集会所
  • タオン-尊敬する
  • チダル-太陽
  • ティレン-体
  • トロン-神前に供える
  • デワス-神酒を盛る器
  • ナノム-水
  • ニヤロ-村
  • ハクハク-飯
  • パカロガイ-少年
  • パタロマ-結婚
  • パナイ-米
  • ハファイ-
  • バブイ-豚
  • バイナヤン-男
  • ババヒヤン-女
  • ファリ-風
  • ブヌス-刀
  • フラド-月
  • ポロル-篭
  • マガヤウ-首狩り
  • マトアサイ-老人
  • マパタイ-死ぬ
  • マルネン-鹿
  • ママ-父親
  • ママノカッパ-青年団長
  • マリクダ-輪踊り
  • ミフティ-眠る
  • ラマル-火
  • リヤイ-海辺
  • ワワ-幼児

脚注

  1. ^ 國立台灣師範大學進修推廣學院,"100年度原住民族語言能力認證考試":[1] アーカイブ 2014年7月14日 - ウェイバックマシン,臺北市,2011.
  2. ^ Maddieson, Ian; Wright, Richard (October 1995). “The Vowels and Consonants of Amis — A Preliminary Phonetic Report” (英語). Fieldwork Studies of Targeted Languages III. UCLA Working Papers in Phonetics Volume 91. pp. 45–65. https://escholarship.org/content/qt3h25w3h3/qt3h25w3h3.pdf#page=48 

参考文献

関連項目

外部リンク


アミ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/03 08:37 UTC 版)

台湾の諸言語訳聖書」の記事における「アミ語」の解説

アミ族台湾原住民の中で一番多いといわれていて、台湾東部一帯花蓮県・台東県屏東県在住する。アミ語訳聖書は、はじめ1957年注音符号で「雅各書」(ヨハネによる福音書)が出版されて、1963年以降ピン音改めて、1997年には新旧全書出版された。

※この「アミ語」の解説は、「台湾の諸言語訳聖書」の解説の一部です。
「アミ語」を含む「台湾の諸言語訳聖書」の記事については、「台湾の諸言語訳聖書」の概要を参照ください。

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アミ語

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 02:05 UTC 版)

言語コード
ISO639-1 -
ISO639-2 -
ISO639-3 ami
SIL -

名詞

アミ (あみご)

  1. 台湾原住民であるアミ族が話す言語オーストロネシア語族台湾諸語パイワン語群に属する。


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