マダガスカル沖での活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:54 UTC 版)
「ピンギン (仮装巡洋艦)」の記事における「マダガスカル沖での活動」の解説
8月26日、マダガスカル沖で、イギリス機に偽装した「トール」搭載機はノルウェーのタンカー「Filefjell」(6901または7616トン)を発見しイギリス士官によるものと称する文書を投下した。それは「トール」のいる方向へと向かうよう指示するものであったが、下手な英文であったため偽物と見破られた。「Filefjell」が現れないため、クリューダーは再度飛行機を派遣。同機は「Filefjell」を再発見すると、アンテナを破壊してから船橋を銃撃し、「Filefjell」を停船させた。その後「トール」が現れ、「Filefjell」は拿捕された。翌日未明、タンカー「British Commander」(5008トン)が出現。同船は「トール」の停船命令に応じたが、通信士は無線を発信し続けた。「British Commander」が沈められた直後、今度はノルウェー船「Morviken」(7616トン)が現れた。「Morviken」は警告射撃を受けると停船し、沈められた。さらに、「Filefjell」から貨物船を発見したとの報告が入ったが、「British Commander」の発した信号が陸上局で受信されていたことから、クリューダーはその船は放置し、また「Filefjell」は沈めることにした。実際、イギリス側は巡洋艦「ネプチューン」、「コロンボ」、仮装巡洋艦「Arawa」、「カニンブラ」を動員しており、「カニンブラ」は現場で油膜などを見つけている。これらの出来事の後、「ピンギン」が偽装していたようなギリシャ船はこの海域にはいない、とのあるノルウェー人の発言を受けて「ピンギン」の偽装はWilhelmsen Lineの「Trafalgar」へと変えられた。 9月5日、「ピンギン」の搭載機が失われた。飛行機はもう1機あったものの、組み立てが必要ですぐに使えるものではなかった。 9月12日、麻や生ゴムを積んだイギリス船「Benavon」(5872トン)を沈めた。「トール」の停船命令と警告射撃に対して「Benavon」は撃ち返し、1発が「ピンギン」に命中。船体を貫通して機雷保管場所近くに至ったものの、幸いにも不発だった。その後、「トール」の砲撃で「Benavon」では船長以下21(24)名が死亡した。この3日後、クリューダーはオーストラリア方面へ向かうことを決めた。
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