坤輿万国全図とは? わかりやすく解説

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こんよばんこくぜんず〔コンヨバンコクゼンヅ〕【坤輿万国全図】

読み方:こんよばんこくぜんず

1602年中国刊行され世界地図マテオ=リッチ原図をもとに李之藻北京刊行。六幅から成る


坤輿万国全図〈(版本)/〉

主名称: 坤輿万国全図〈(版本)/〉
指定番号 55
枝番 0
指定年月日 1990.06.29(平成2.06.29)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書 万暦三十七月刊記
員数 6幅
時代区分
年代 万暦30年
検索年代
解説文: 坤輿万国全図はイエズス会宣教師利瑪竇りまとう】が原図作成し利瑪竇親交深かった李之藻りしそう】の協力で明の万暦三十年(一六〇二)に北京刊行した木版刷り大型世界図である。世界的に伝存するものは少なく日本では内閣文庫京都大学附属図書館のものがあるが、本図イエズス会会章存する完本である。
 利瑪竇当時通行していたヨーロッパ世界図に範をとり本図作成したが、太平洋が図の中央に来るように改め東アジア部分中国得られ資料により描いた
 本図は六幅で一面の図となるが、その内容は、卵型の主図とその周囲天文学地理学記述部分分かれる。主図は「亜細亜アジア】」「利未亜リビア】」「欧邏巴【ヨーロツパ】」「北亜墨利加【きたアメリカ】」「南亜墨利加【みなみアメリカ】」「墨瓦蝋泥加メガラニカ】」の五大陸区分され仮想南方大陸メガラニカ以外はほぼ正し位置形態を示す。約一一〇〇余の地名があるが、その内四六パーセントアジア占め、「大明一統【だいみんいつとう】」と記される中国一五の省名をはじめ多数都市名記載されている。地名以外各地気候風土物産住民風俗記した短い地誌注記利瑪竇刊記李之藻跋語【ばつご】等がある。
 主図の周囲には長文地球球体説周回説、気候帯説等が記されアリストテレス天体構造論に基づく九重天説、日月食図、天地儀図、南北半球図等があり、ヨーロッパ新し天文学地理学知識紹介兼ねている。なおイエズス会会章右端第一幅に二、左端第六幅に一ある。
 本図漢字書かれ理解しやすい世界図として中国広く受容され、明末地理的知識豊かにした。日本へも間もなく移入され写し作成され渋川春海地球儀作製資料となり、本図流れを汲む地図次々と刊行される大きな影響もたらした
 本図世界的に希少な地図として、また東西文化交渉史、地理学史研究上等に貴重である。
 なお「坤輿万国全図」を模写し着色したもので原図とともに伝来した図を、日本での受容あり方を示す例として併せ一括保存をはかることにした。

坤輿万国全図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 08:39 UTC 版)

坤輿万国全図(こんよばんこくぜんず、正字: 坤輿萬國全圖)は、末にカトリック宣教師マテオ・リッチ(利瑪竇)が作成した世界地図。「亜細亜」「赤道」など、漢語に翻訳されたヨーロッパ地理用語や地名などが記されている。「坤輿」は大地や地球の意。


  1. ^ a b 【大航海時代の絵画十選】(7)「坤輿万国全図」(旧大陸図)東京国立博物館主任研究員・鷲頭桂『日本経済新聞』朝刊2018年11月22日(文化面)2018年11月23日閲覧。
  2. ^ 外務省 (2015年5月15日). “日本海~国際社会が慣れ親しんだ唯一の名称~” (PDF). 外務省. p. 3. 2017年6月21日閲覧。
  3. ^ 海上保安庁 海洋情報部 (2016年8月22日). “日本海呼称について|海上保安庁 海洋情報部”. 海上保安庁. 2017年6月21日閲覧。


「坤輿万国全図」の続きの解説一覧

坤輿万国全図 (1602年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 02:40 UTC 版)

初期の世界地図」の記事における「坤輿万国全図 (1602年)」の解説

坤輿万国全図はイタリア宣教師マテオ・リッチ作成した漢訳世界地図であり、当時中国人世界観大きな影響与えた1602年北京刊行され鎖国時の日本に輸入され世界について知識典拠となった。右の地図東北大学附属図書館狩野文庫所蔵のもので中国語読み仮名がふってある。

※この「坤輿万国全図 (1602年)」の解説は、「初期の世界地図」の解説の一部です。
「坤輿万国全図 (1602年)」を含む「初期の世界地図」の記事については、「初期の世界地図」の概要を参照ください。

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