埼玉県行政文書とは? わかりやすく解説

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埼玉県行政文書

主名称: 埼玉県行政文書
指定番号 155
枝番 0
指定年月日 2009.07.10(平成21.07.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 11259点
時代区分 明治昭和
年代
検索年代
解説文: 埼玉県域は、慶応4年18686月以降江戸時代領有関係引き継ぎ複雑に入り組んだ管轄地域をもつ多数県・藩併置される状況であった廃藩置県後明治4年(1871)11月、ほぼ現県域東部埼玉県西部入間県編成され、はじめて広域な行機関成立した。同6年入間県熊谷県(現埼玉県西部及び群馬県域)となるが、同9年熊谷県廃止により同県内の入間県域と埼玉県統合され、ほぼ現在の県域が確定した
 本件このような行政機構の変遷をたどる埼玉県及びその前身県・藩行政機関において作成収受保管され近代地方行政文書群である。
 埼玉県行政文書の保管は、明治28年12月制定された「文書保存規則」に負うところが大きい。各文書行政組織事務分掌基づいた部・類別に分類されるとともに保存年限決定され件名目録付したうえで簿冊編綴保管するように定められた。
 今次指定対象とする文書は、「文書保存規則」で永年保存とされた戦前期行政文書11036点を中心とし、これに「戦後期文書」のうち社寺明細帳52点及び県報171点を加えたのである年代は、既に重要文化財指定され京都府行政文書山口県行政文書同様に地方自治法公布施行をもって昭和21年度までとする。
 主な内容部類別にみれば、県治部地方部は、地方制度地方税県会備荒儲蓄などに関する文書があり、旧藩引継書類などと併せ江戸時代支配体制から近代行政機関への移行過程近代地方制度の変遷伝える。官房部・庶務部は機密人事職制などがあり、県政枢要をまとめた知事引継書などは注目される学務部は、学制発布後の近代教育進展を知る基礎資料位置付けられる勧業部・商工部は、輸出品として重視され生糸生産関し生産組合設立品質の向上、工場機械化など生産近代化経過具体的に伝え資料地域の特色を示す。土木部は最多2729点が分類されるなかでも日本初近代的煉瓦工場ある日煉瓦製造株式会社明治20年に現深谷市開業したことから、樋門などの煉瓦構造物資料が多い点が特徴的である。このほか明治17年発生した最大規模農民騒擾である秩父事件足尾鉱毒被害調査明治43年水害大正12年関東大震災など社会的に重要な事件資料がある。
 以上のように、埼玉県行政文書は近代における同県基本政策や行機構を知るうえでの基本資料であるとともに首都東京隣接した地域社会が行政との関係のなかで近代化する過程具体的に伝え近代史研究地方行政研究上に重要である。また、戦前の「文書保存規則」に基づく文書保管の状態を比較良好に今日伝える点は、府県行政文書史料学上に貴重である。



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