山口県行政文書
主名称: | 山口県行政文書 |
指定番号: | 140 |
枝番: | 0 |
指定年月日: | 2005.06.09(平成17.06.09) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 13549点 |
時代区分: | 江戸~昭和 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 「山口県行政文書」は、山口県に伝来した慶応三年(一八六七)から昭和二十二年までの行政文書で、調査・編纂物や旧郡役所からの引き継ぎ文書なども含んでいる。内容は多岐にわたっているが、明治維新の動乱から瀬戸内側の工業地帯の形成、日本海側の農林水産業の発展という現代に至る山口県の政治、経済、文化を知りうる基本資料である。 県庁文書は、維新期の士族反乱として著名な「萩の乱」に関する資料「萩地変動県庁往復録」や、朝鮮半島に近い地理的な特徴を示す朝鮮蔚陵【うつりょう】島への渡航者調査など県庁で保管されてきた文書のうち中核的な資料群からなる。また、明治期県政の全体像を現す好資料として「明治期山口県布達類」や県と中央政府との関係を知ることのできる「明治期政府布達類」なども含む。 郡役所文書は、大正十二年(一九二三)の郡制廃止に伴い、県が各郡役所から供出させ保存してきた文書である。ここには移民県として知られる山口県の特徴を示す「布哇【ハワイ】国出稼録」や山口県の近代工業の先駆けといえる「義済堂製糸工場」と士族授産の実態を伝える「岩国士族製糸伝習場ニ関スル雑録」等が含まれる。 これら山口県行政文書が質量ともに良好な状態で保管されてきたのは、戦前からの県立山口図書館を中心とした郷土資料の収集や修史事業、あるいは県庁文書課の努力と、全国に先駆けて設立された山口県文書館の存在がきわめて大きかったといえる。また行政文書を作成・保管してきた旧山口県庁舎(大正五年竣工)が火災に遭うことなく第二次大戦の空襲の被害を免れたことも特記される。旧山口県庁舎は昭和五十九年に重要文化財の指定を受けているが、そこで作成され伝来した行政文書の指定により総合的な保存活用を期待したい。 「京都府行政文書」(平成十四年指定、重文)に次いで、地方行政文書として二例目の指定となるが、近代史研究、地方行政史研究を進める上で貴重な資料群といえる。 |
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