中立主義とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 概念 > 主義 > 中立主義の意味・解説 

ちゅうりつ‐しゅぎ【中立主義】

読み方:ちゅうりつしゅぎ

戦時平時問わず国際関係の上中立維持することを基本とする外交上の立場


中立主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/05 09:10 UTC 版)

中立主義(ちゅうりつしゅぎ、: Neutralism)とは、国際関係の上で戦時平時を問わず中立を維持することを基本としている外交上の立場である[1]

概説

通常は特定の軍事同盟などに加盟せず、他国間の国際紛争にも介入しない状態を維持する。

中立主義を外交の基本方針としている国家のことを永世中立国と呼ぶ。このうち武装しての中立は武装中立に、武装しない中立は非武装中立に分けられる。類似の概念には孤立主義などの相互不干渉主義、東西冷戦期の非同盟主義などがある。なお、戦時国際法では中立国の中立法規が定められている。

中立主義の目的は、平和主義国際主義の他、大国間のバランスにより自国の独立や地域主義を守るなど、時代や地域や立場によってさまざまである。

スウェーデンの例

スウェーデン王国においては、1843年にイギリスロシア帝国に対して中立政策を表明したことがその源流となった[2]。スウェーデンでは、これを中立外交と呼んでいるが、以後およそ180年に渡って中立主義を維持してきた(ただし、19世紀半ばは瀬戸際外交、第二次世界大戦期には、中立義務違反を犯している)。これを「戦時の中立のための非同盟」または「中立国スウェーデン」と言う。

中立国スウェーデン(Neutrala Sverige)は、スウェーデン側でも用いられてきた経緯があり[3]、中立主義は、スウェーデンの伝統とも言うべき外交政策であった。また、20世紀中には外交政策に加え、武装中立政策を推進していた[4]。冷戦終結後のスウェーデンは、事実上この政策を放棄しており、中立外交も大きく変質している。完全に中立主義を放棄したわけではないが、公に中立政策の語を使用しないことをスウェーデン政府は決議した[5]

脚注

  1. ^ ニュートラリズムとは - コトバンク
  2. ^ 北欧の外交、スウェーデン外交関連年表、p285。
  3. ^ 北欧の外交、スウェーデン外交史、p4 - p15、p87。
  4. ^ 北欧の外交、スウェーデン外交史、p25 - p82。
  5. ^ 北欧の外交、スウェーデン外交史、p91 - p96。これはスウェーデンがEUに加盟したことも関係している。EUは軍事同盟ではなく政治同盟なので政治と軍事はこの過程で分離されるが、安全保障の面でのEU諸国との協力関係を重視した。

参考文献

関連項目


「中立主義」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



中立主義と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「中立主義」の関連用語

中立主義のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



中立主義のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの中立主義 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS