大井川とは? わかりやすく解説

おおい‐がわ〔おほゐがは〕【大井川】

読み方:おおいがわ

静岡県中部を南流する川。赤石山脈に源を発し駿河湾に注ぐ。長さ168キロ江戸時代東海道要所として架橋渡船禁止されたため、人足輦台(れんだい)で渡河した。


大井川

の香たつ自然豊かな大井川
大井川は、静岡県静岡市山梨県南アルプス市早川町の境にある間ノ岳にその源を発し幾つも渓流合わせながら、静岡県島田市金谷町山峡の地を離れ以後島田市藤枝市金谷町を南に流下し、大井川町吉田町にて駿河湾注いでいる流域面積1,280km2幹川流路延長168kmの急流河川です。

駿河湾に注ぐ大井川
駿河湾に注ぐ大井川

河川概要
水系大井川水系
河川名大井川
幹川流路延長168km
流域面積1280km2
流域内人9万人
流域関係都県静岡県

大井川流域図
○拡大図
1.大井川の歴史
"「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と唄われ暴れ川として全国にその名を知られた大井川。昔は、大雨が降るたびに洪水繰り返したため人々舟形三角形をした屋敷集落形成し洪水闘ってきましたが、現在では、しっかりとした堤防により洪水被害軽減されています。"

流域の歴史人々暮らし

箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川”と唄われ暴れ川として全国にその名を知られた大井川は、流れが急で川幅広く旅人一人で渡るには危険であったため古くから川越人足による川越しが行われてきました。やがて江戸時代になりけようとしましたが、技術的な問題や、人足達の仕事無くなることを恐れてまた、江戸幕府政策合わさって、ずっとけられず船による渡し許されませんでした川越し時代が進につれて川の深さにより料金決めたり川札発行するなどの制度ができ明治時代まで続きました
当時の川越しのようす(東海道五十三次之内島田) 明治12年に架橋した世界一長い木造橋(L=900m)
当時川越しのようす(東海道五十三次内島田) 明治12年架橋した世界一長い木造橋(L=900m)


昔の大井川は、大雨が降るたびに流れ変えて暴れ回り洪水繰り返し、そこに住む人たちを苦しめてきました。そこで、人々洪水被害から自分たちの人命財産を守るために考え出した知恵として、舟形三角形をした屋敷集落形成し洪水闘ってきました。現在は、しっかりとした堤防ができて洪水被害軽減されるようになってきました。大井川流域中上流部は年間降水量が3,000mm(全国年間降水量は約1,700mm)を越え静岡県内もとより日本国内において多雨地域として有名です。

舟型屋敷三角屋敷
2.地域の中の大井川
"大井川下流部整備され多目的河川敷道路は、河川敷としては国内初のフルマラソンコースとして、震災時には緊急物資等の運搬路として活用しますまた、平成14年3月完成し、「地域に開かれたダム」に指定されている長島ダムでは貯水池周辺キャンプ場整備など、観光資源地元活性化一助となるようダム周辺整備されています。"

河川整備について
大井川下流部において、島田市藤枝市大井川町の2市1町の区間河川敷多目的河川敷道路整備されており、震災時には東西に走る主要幹線南北で結ぶ緊急用道路として人員救援物資円滑に運搬することができますまた、全国でも初め河川敷のみを利用したフルマラソンコースとして、平常時には地域住民方々ジョギング散歩サイクリング等で川に親しみのもてる空間提供してます。その他、堤防補強併せて整備した大柳地区桜づつみ赤松地区のラブリバーにより河川環境良好な維持潤いのある水辺空間醸し出してます。
多目的河川敷道路ラブリバー(赤松地区)
多目的河川敷道路ラブリバー(赤松地区


長島ダムについて
長島ダム静岡県榛原郡本川根町)は平成14年3月完成した重力式コンクリートダムで、1.洪水調節川の水量を調節して下流地域洪水から守る)、2.流水の正常な機能の維持(川のはたらきを保つのに必要な量を下流に流す)、3.かんがい用水供給農業必要な下流に流す)、4.水道用水供給毎日の生活に必要な水道用水下流に流す)などの多目的な役割担ってます。
ダムは「地域に開かれたダム」に指定されており、ダム堤体開放貯水池周辺キャンプ場整備など、他のダム比べて開放的な管理行い観光資源地元活性化一助となるようダム周辺整備されています。
長島ダムダム見学会の状況
長島ダムダム見学会状況
3.大井川の自然環境
"大井川流域では、南アルプスニホンカモシカニホンザルニホンツキノワグマ等が観察され鳥類では高山地帯ライチョウ低山シジュウカラ等が分布してます。昆虫仲間カミキリムシでは日本確認されている約650種の内、実に半分近くの種が大井川の周り確認されています。"

大井川は、流域多雨地域ありながら上流から下流まで平常時水量多くありません。これは急流河川であるとともに多くダム発電所流下した農業用水上水道利用され川に戻る量が少ないため、下流部においても網状の細かい流れとなり、広い河川敷いっぱい発達した砂州特徴的な景観となってます。中流部隆起作用地面盛り上がる作用)と下刻作用河床掘り下げる作用)などの影響により、家山付近の“鵜山七曲り”に代表されるように蛇行し河川により両岸河岸段丘形成され茶畑発達してます。上流部では、隆起著しい山地と流水による浸食激し河川との結合結果V字型の急峻な地形となった接岨峡寸又峡形成され自然の造形美良好な景観をつくり出しています。

鵜山の七曲り
鵜山七曲り


流域内にパルプ工場等を持ち、かっては汚濁していた大井川の水質昭和47年以降徐々に改善され、現在では約2mg/L前後維持してます。
大井川での動物類は南アルプスニホンカモシカニホンザルニホンツキノワグマ等が観察され鳥類では高山地帯ライチョウ低山シジュウカラ等が分布してます。昆虫仲間カミキリムシについては日本生息する650種の内、実に半分くらいが大井川周辺生息してます。
4.大井川の主な災害

発生月日発生原因被災市町村被害状況
昭和44年8月5日台風7号中川根等浸水面積25ha
浸水家屋92
昭和54年10月19日台風20号下流部浸水面積54ha
浸水家屋62
昭和57年8月3日台風10号金谷町浸水面積92.1ha
浸水家屋204
昭和60年7月1日台風6号島田市浸水面積17.4ha
浸水家屋9戸
平成3年9月19日台風18号
秋雨前線
本川根町浸水面積2827ha
浸水家屋78

(注:この情報2008年2月現在のものです)

大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 愛知県

水系 矢作川水系


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 京都府

水系 由良川水系


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 京都府

水系 淀川水系大堰川


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 兵庫県

水系 夢前川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 山口県

水系 大井川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 山口県

水系 大井川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 高知県

水系 渡川水系

等級 1級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 高知県

水系 渡川水系

等級 1級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 福岡県

水系 釣川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 熊本県

水系 菊池川水系


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 沖縄県

水系 大井川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 茨城県

水系 那珂川水系

等級 1級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 東京都千葉県埼玉県

水系 利根川水系江戸川


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 新潟県

水系 落堀川水系

等級 2級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 富山県

水系 小矢部川水系

等級 1級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 静岡県

水系 大井川水系

等級 1級


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 愛知県

水系 大井川水系


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 愛知県

水系 矢作川水系


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 高知県高岡郡四万十町


大井川

読み方:オオイガワ(ooigawa)

所在 高知県幡多郡黒潮町

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

大井川

読み方
大井川おいかわ
大井川おおいがわ

大井川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 03:49 UTC 版)

大井川(おおいがわ)は、静岡県を流れる河川一級水系大井川の本流。


注釈 

  1. ^ 文献により、「江戸城の外堀」「駿府城の外堀」といった表現が散見されるが、現実の外堀は別に存在するわけで、これらは象徴的な表現と考えてよい。
  2. ^ 当時の大井川は平均水深が76 cmあり急流であった[7]
  3. ^ 架橋の禁止については江戸防衛の観点によるものであるかどうかについて疑問ももたれている。実際、1600年(慶長5年)には東海道多摩川下流六郷川)に最初の六郷橋が架けられたが、その後の多摩川の度重なる氾濫により幾度も橋は流されしてしまった。この六郷橋は、1688年貞享5年)の橋の流出を最後に、1873年明治6年)になるまで再建されなかった。もし大井川への架橋禁止の目的が江戸防衛であったとするならば、江戸直近の多摩川に架橋が許されたことは不合理といえる。この多摩川の例でわかるように、江戸当時の技術では川の氾濫に耐えられる恒久的な橋を東海道の大井川や天竜川、富士川に建設することはできず、また、川の氾濫で流された橋をその度に再建することも経済的には無理なことであった。むしろ江戸防衛という観点からより効果的な江戸防衛策として、これらの川の沿岸の村々には舟の所有が禁止されていた。[9]
  4. ^ 入船屋敷入船式屋敷'とも呼ばれる。盛土の形状が三角の場合は三角屋敷と呼ばれる。
  5. ^ 2000年に漢字を変更。地元紙の静岡新聞が、用字制限の基準がわりと厳し目であるために「大井川鉄道」表記のままであることから、地元ではこの変更を知らない者も多い。[独自研究?]
  6. ^ 本来介在するトンネルの覆工コンクリートについては言及なし。
  7. ^ 掘削部分に直接コンクリートを吹き付け、ボルトを固い岩盤まで打ち込むことで地山とトンネルを一体化させる工法。

出典 

  1. ^ 大井川について”. www.cbr.mlit.go.jp. 2019年9月6日閲覧。
  2. ^ a b c いのちの水, p. 2.
  3. ^ a b 大井川水系河川維持管理計画 2018, p. 2.
  4. ^ 『静岡県史』通史編1(原始・古代編)481-484頁。
  5. ^ 川越制度 - 島田市公式ホームページ”. www.city.shimada.shizuoka.jp. 2019年9月6日閲覧。
  6. ^ 箱根馬子唄”. NHK. 2013年3月14日閲覧。
  7. ^ a b 大いなる川、よみがえれ”. ダムの書誌あれこれ(15) ~大井川水系のダム(井川・畑薙・長島)~. 一般社団法人日本ダム協会. 2020年3月14日閲覧。
  8. ^ 2016年3月-5月の貴重書展示 大井川”. 静岡県立中央図書館. 2017年6月23日閲覧。
  9. ^ 青木栄一 2006, p. 139.
  10. ^ 「わが街道」宮本常一監修 建築資料研究社
  11. ^ 南アルプス学 2010, p. 58.
  12. ^ a b c d 南アルプス学 2010, p. 59.
  13. ^ a b c d e f g 名古屋大学鉄道研究会 1998, 大井川鉄道の歴史.
  14. ^ a b 住田至朗. “大井川鐵道大井川本線 その1”. 私鉄に乗ろう. 鉄道チャンネル. 2020年3月15日閲覧。
  15. ^ いのちの水, p. 5.
  16. ^ a b c いのちの水, p. 6.
  17. ^ 大井川用水農業水利事業所”. 関東農政局. 2020年3月15日閲覧。
  18. ^ a b 大井川水系河川維持管理計画 2018, p. 10.
  19. ^ a b c d e 西田直晃 (2019年1月4日). “「放水足りぬ」地元切実 大井川 水返せ運動30年”. 中日新聞. https://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2019010402000087.html 2020年3月11日閲覧。 
  20. ^ 田淵直樹 2002, pp. 1–2.
  21. ^ a b 田淵直樹 2002, p. 2.
  22. ^ 蔵治光一郎 & 溝口隼平 2007, p. 303.
  23. ^ a b c d e f g 蔵治光一郎 & 溝口隼平 2007, p. 306.
  24. ^ 田淵直樹 2002, pp. 4, 6.
  25. ^ 田淵直樹 2002, p. 4.
  26. ^ 住田至朗. “大井川鐵道大井川本線 その5”. 私鉄に乗ろう. 鉄道チャンネル. 2020年3月15日閲覧。
  27. ^ “大井川とリニア 水と生きる(中)「水返せ」の思い今も”. 静岡新聞. (2019年8月30日). https://www.at-s.com/news/article/special/linear/005/720930.html 2020年3月15日閲覧。 
  28. ^ 中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月) 静岡県 第8章 環境影響評価の調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果”. 東海旅客鉄道 (2014年8月26日). 2020年6月28日閲覧。
  29. ^ 安藤剛 (2017年8月17日). “リニア南アルプストンネル、水資源維持に残る不安”. 日経コンストラクションweb. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20075460X10C17A8000000/ 2017年8月24日閲覧。 
  30. ^ 第4回大井川水資源検討委員会 説明資料”. 東海旅客鉄道 (2015年11月27日). 2020年6月28日閲覧。
  31. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川コード表編)” (PDF). 2023年6月16日閲覧。
  32. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川模式図編)” (PDF). 2023年6月16日閲覧。
  33. ^ しずおか河川ナビゲーション. “大井川水系 川の紹介”. 2023年7月13日閲覧。


「大井川」の続きの解説一覧

大井川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 02:27 UTC 版)

大井」の記事における「大井川」の解説

大井川 - 静岡県流れ一級河川大井川 (沖縄県) - 沖縄県本部半島流れ二級河川

※この「大井川」の解説は、「大井」の解説の一部です。
「大井川」を含む「大井」の記事については、「大井」の概要を参照ください。

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