雲出川とは? わかりやすく解説

くもず‐がわ〔くもづがは〕【雲出川】

読み方:くもずがわ

三重県中部流れる川。三重奈良両県の県境にある高見山地三峰(みうね)山(標高1235メートル)に源を発し北東流して伊勢平野抜け津市香良洲(からす)町で伊勢湾に注ぐ。最上流域室生(むろう)赤目青山国定公園属する。


雲出川

歴史と文化育む雲出流れ
雲出川は、三重県美杉村奈良県御杖村の境にある三峰山にその源を発し幾つも渓流合わせながら、白山町山間の地を離れ伊勢平野出て一志町久居市内の田園地帯を東に流下し、波瀬川中村川合わせ香良洲町の手前で雲出古川分派し伊勢湾注いでいる流域面積550km2幹川流路延長55kmの河川です。

伊勢湾に面した雲出川河口
伊勢湾面した雲出川河口

河川概要
水系雲出川水系
河川名雲出川
幹川流路延長55km
流域面積550km2
流域内人9万人
流域関係都県三重県

雲出川流域図
○拡大図
1.雲出川の歴史
"雲出川は、比較的優しい河川ですが、ひとたび洪水となれば一面川原化しましたこのため人々高台移り住み田畑比較安価でできる霞堤築造守ってきました。現在でも多く霞堤残ってます。"

 
常夜燈(香良洲町)
常夜燈香良洲町
北畠氏館跡庭園(美杉村)
北畠氏館跡庭園美杉村
雲出川は、三重県奈良県県境布引山地三峰山(みむねやま)にその源を発し支川合わせ伊勢平野至り波瀬川中村川などと合流し伊勢湾に注ぐ長さ55kmの川です。
雲出川の名は、河口部一帯にある塩田塩釜から立ち上がる煙の様子のように見えたことからと言う説と、上流山地部多く渦を巻く様子下流からよく見えたという説があります。雲出川はまた、古来より大和国より伊賀経て伊勢東国へ向かう重要な交通路にもあたっていましたこのため中・下流部には大和との文化交流裏付ける古墳・遺跡や、伊勢国司として一大勢力誇った北畠氏関連史跡多数残されています。また、下流香良洲町には、「伊勢参りをして香良洲詣でぬは片参宮と言われ香良洲神社があり、そこに向かう香良洲道と、雲出川の合流する場所には、古くから常夜燈立っていました
雲出川は、比較的優しい川であったことから古来より船運が盛んで、街道沿いには渡し造られたほか、上流からは筏による木材運搬中・下流部においては米・お茶・炭・塩などの運搬利用されいました
しかし、ひとたび洪水がおこれば下流部一面川原化しますこのため人々洪水から逃れるため低地から高台へと移り住むようになりました洪水等によってできた平野宅地などといった高度な土地利用困難でしたが、優良な農地としての可能性秘めていたのです。このため人々次第開田進め同時に自らの農地を守るための堤を造っていきました。しかし、雲出川の下流には大きな城下町があるわけでもないので、計画的な築堤工事行ったのでなく、農地を守るための比較安価でできる連続しない霞堤による築堤が行われ、それが現在も残ってます。
また、開田とともに雲出井用水開削をはじめとし多くの堰が作られ、その用水により田園地帯潤し有名な一志米を産出してきました
2.地域の中の雲出川
"上流部は、豊かな渓谷美を有しキャンプ場釣り場として利用されています。下流部河川敷利用し公園キャンプ場テニスコート等が整備され地域憩いの場となってます。また、水辺ではカヌー遊び等も行われてます。河口部においては干潟発達し潮干狩り海水浴などが行われています。また、冬にはシラス採りが行われ雲出川の風物詩となってます。"

鈴鹿川の上流域鈴鹿国定公園指定されていて、内部川上流宮妻峡御幣川上流小岐須渓谷安楽川上流石水渓等は、渓谷美を背景キャンプ場施設整備され四季通じて行楽賑わい見せてます。
また、猿田彦大社総本社といわれる椿大神社のほとりを流れ鍋川上流には椿渓谷があり、キャンプ場としても親しまれています。
君ヶ野ダム(美杉村)
君ヶ野ダム美杉村
その他、夏には納涼花火大会関町鈴鹿川河川敷行われ多くの人でにぎわいます
雲出川中・上流部の美杉町から白山町にかけては、一志峡、亀ヶ広、家城ライン等があり渓谷美を楽しむ景勝地として、あるいは釣り場キャンプ場として利用されています。
君ヶ野ダム周辺桜並木観光名所として有名で、レジャー施設整っている他、マラソン大会等イベント等数多く開催されています。
また、仁徳天皇岩野姫を祀る若宮八幡宮は、拝殿近くに雲出川水源のみそぎの滝があり、行者の姿も数多くうけられます。
支川八手俣川では、君ヶ野ダム水面利用した村営レジャー施設があって、雲出川上流部観光の要となってます。
雲出川本川下流部概して広い高水敷有していて、公園キャンプ場テニスコート野球場等様々な利用がされているほか、水辺ではカヌー遊びなどにも利用されています。また、河口部では干潟発達し、春から初夏潮干狩り夏の海水浴、冬のシラス取りが雲出川の風物詩となってます。
支川中村川では、右岸つつみがあり、良好な景観あいまって花の季節には賑わい見せます

中村川さくら堤(嬉野町)ラブリバー公園(三雲町)
中村川さくら堤(嬉野町ラブリバー公園三雲町
3.雲出川の自然環境
"雲出川流域豊かな自然に恵まれ、奥一志峡をはじめとする渓谷景勝地多くあります上流域にはブナなどの自然林見られますが、スギ・ヒノキなどの人工林多くありますまた、オオムラサキゲンジボタルといった貴重な昆虫宝庫ともなってます。"


三多気のさくら(美杉村)
三多気のさくら(美杉村
  雲出川流域は、山地大部分占め三峰山(1,235m)から北北東横たわる布引山脈と、局ヶ岳(1,029m)から北東分布する山々によって挟まれ典型的な扇状地です。また流域中央構造線北側位置し花崗岩主体とした地質で、流域の年平均降水量は2,000mm程度です。
雲出川上流域では、布引山地から高見山地にかけての一帯室生赤目青山国定公園に、美杉村のほぼ全域嬉野町一部赤目一志峡県立自然公園指定されています。中でも赤目一志峡県立自然公園は雲出川上流域大半占め、奧一志峡を始め渓谷景勝地見られます。赤目一志峡県立自然公園位置する美杉村は、オオムラサキギフチョウゲンジボタルムカシトンボ等の貴重な昆虫宝庫となってます。植生帯は、暖帯林(ヤブツバキクラス域)から温帯林(ブナーミズナクラス域)に属してます。
最上流部の高見山地には、ブナクラスの自然林見られ、他にもスギヒノキアカマツなどの人工林多く大半山林地が占める緑被度の高い流域形成してます。また、矢頭の大スギ東平寺のシイノキ樹叢真福院ケヤキ県指定天然記念物貝石山は国指定天然記念物となってます。

中流域丘陵地帯から平野部にかけては、発達したアカマツ林コナラクリクヌギスギヒノキ造林地、ススキ草原などの代償植生シイカシ萌芽林となってます。

家城ラインの鮎釣り(白山町)
家城ライン鮎釣り白山町
下流域は、沖積平野沿岸部干拓地形となり、水田、畑、果樹園として利用されています。
河口部砂浜海岸には、ハマヒルガオ・ハマニガナ等浜植物群落クロマツ防風林がみられ、シギチドリカモ等の水鳥の県下有数渡来地として有名です。また、津市香良洲町臨海部も、伊勢の海県立自然公園指定されています。
シロチドリ
シロチドリ
4.雲出川の主な災害

発生発生原因被災市町村被害の状況
S34,9,26伊勢湾台風津市
久居市
香良州町等
死者行方不明者 約16
負傷者 約80
被災家屋 約3,100
S40,9,17台風24号津市
久居市
香良州町等
被災家屋 約180棟
S57,8,2台風10号津市
久居市
香良州町等
被災家屋 約650
H5,9,9台風14号津市
久居市
香良州町等
被災家屋 約60

(注:この情報2008年2月現在のものです)

雲出川

読み方:クモズガワ(kumozugawa)

所在 三重県

水系 雲出川水系

等級 1級


雲出川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 08:55 UTC 版)

雲出川
八ッ山橋
水系 一級水系 雲出川
種別 一級河川
延長 55 km
平均流量 8.8 m3/s
(大仰観測所 2002年)
流域面積 550 km2
水源 三峰山(三重県)
水源の標高 1,235 m
河口・合流先 伊勢湾(三重県)
流域 日本 三重県

雲出川(百科事典 日本の川) - 国土交通省中部地方整備局 中部の河川
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雲出川(くもずがわ)は、三重県を流れる一級水系の本流である。

奈良県との県境に位置する三峰山に源を発し、伊勢湾に注いでいる。

津市香良洲町の河口にある三角州

概要

奈良県との県境に位置する三峰山を発し[1]、八手俣川や長野川、中村川などを併せ伊勢湾に注ぐ。河口には雲出古川との間に三角州がある。上流の支流八手俣川には君が野ダムがあり桜の見所として知られている。雲出川上流にはリバーパーク真見という施設及びキャンプ場があり下流には瀬戸ヶ渕と言う渓谷がある。

津市香良洲町の河口にある正三角形に近い形をした三角州は、教科書で採りあげられている事例がある。

歴史的には、江戸時代には津藩主を慰める「鮎とり行事」が催されていたといわれ、そのことから釣りで名高い川にもなっている。毎年8月1日に行われる「万灯流し」は、鮎に感謝をこめる意味合いがある。

語源

川の名前の由来については主に2つの説がある[1]

  • 河口部一帯にある塩田の塩釜から立ち上るの様子がのように見えたことから。
  • 上流山地部に雲が多く、を巻く様子が下流部からよく見えたから。

流域の自治体

三重県
津市松阪市

並行する交通網

主な支流

一級河川のみを下流側から順に記載するが[2][3]、一部例外として支川の合流先を明確にするために一級河川以外を灰色着色で記載している。

河川 よみ 次数 管理者 主な経過地 河川延長
(km)
備考
雲出川
はしご谷川
くもずがわ
はしごだにがわ
本川 中部地方整備局
三重県
津市
津市、松阪市 55
雲出古川 くもずふるかわ 1次支川 中部地方整備局 津市 分流[注 1]
中村川 なかむらがわ 1次支川 三重県 松阪市 25.4 [注 2]
赤川 あかがわ 2次支川 三重県
津市
松阪市、津市
駒返川 こまがえりがわ 2次支川 三重県
松阪市
松阪市
大谷川 おおたにがわ 2次支川 三重県
松阪市
松阪市
井置川 いおきがわ 2次支川 三重県
松阪市
松阪市
岩倉川 いわくらがわ 2次支川 三重県 松阪市
飯福田川 いぶたがわ 2次支川 三重県 松阪市
柚原川 ゆのはらがわ 2次支川 三重県 松阪市
波瀬川 はぜがわ 1次支川 中部地方整備局
三重県
津市
津市 [注 3]
蛇川 じゃがわ 1次支川 三重県 津市
長野川 ながのがわ 1次支川 三重県
津市
津市 [注 4]
榊原川 さかきばらがわ 2次支川 三重県 津市
安子谷川 あごだにがわ 3次支川 三重県
津市
津市
かよう川 かようがわ 4次支川 三重県
津市
津市
谷杣川 たにそまがわ 3次支川 三重県
津市
津市
八壺川
五百野川
やつぼがわ
いおのがわ
2次支川 三重県
津市
津市
柳谷川 やなだにがわ 2次支川 三重県
津市
津市
南長野川
瀬戸川
みなみながのがわ
せとがわ
2次支川 津市 津市 準用河川
桂畑川 かつらはたがわ 3次支川 三重県
津市
津市
三ヶ野川 みつがのがわ 1次支川 三重県 津市
大村川 おおむらがわ 1次支川 三重県 津市
佐田川 さたがわ 2次支川 三重県 津市
弁天川 べんてんがわ 1次支川 三重県
津市
津市
大広川 おおひろがわ 2次支川 三重県
津市
津市
小野谷川 おのたにがわ 2次支川 三重県
津市
津市
垣内川 かきうちがわ 1次支川 三重県 津市
山田野川 やまだのがわ 1次支川 三重県 津市 3.2
瀬戸ノ谷川 せとのだにがわ 1次支川 三重県
津市
津市
藤川 ふじかわ 1次支川 三重県 津市
城立川 じょうりゅうがわ 2次支川 三重県 津市
八手俣川 やてまたがわ 1次支川 三重県 津市 [注 5]
新谷川 しんたにがわ 2次支川 三重県 津市
立川川 たちかわがわ 2次支川 三重県 津市
城古谷川 じょうこだにがわ 3次支川 三重県 津市
神河川
神しろ川
このこがわ
かみしろがわ
1次支川 三重県
津市
津市
老ヶ野川 おいかのがわ 1次支川 三重県 津市
伊勢地川 いせじがわ 1次支川 三重県 津市、御杖村
坂本川 さかもとがわ 1次支川 三重県 津市
雲出川に設けられた南家城川口井水の石積み堰
その他

脚注

出典
  1. ^ a b 雲出川について”. www.cbr.mlit.go.jp. 2021年5月15日閲覧。
  2. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川コード表編)” (PDF). 2023年6月12日閲覧。
  3. ^ 国土交通省中部地方整備局. “河川コード台帳(河川模式図編)” (PDF). 2023年6月12日閲覧。
注釈
  1. ^ 津市雲出伊倉津町と同市香良洲町の境界となる、香良洲橋付近から分流する。
  2. ^ 近鉄名古屋線伊勢中川駅から桃園駅間にある本川鉄橋付近で合流する。
  3. ^ 津市須ヶ瀬町付近で合流する。近鉄大阪線川合高岡駅から伊勢中川駅およびJR名松線一志駅から伊勢八太駅間には、渡河のための橋梁が敷設されている。
  4. ^ 長野峠付近に源を発し、津市庄田町付近で合流する。津市の上水道取水源である。
  5. ^ 津市美杉町竹原付近で合流する。JR名松線の伊勢竹原駅以南にある。

関連項目

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