留萌川とは? わかりやすく解説

るもい‐がわ〔‐がは〕【留萌川】

読み方:るもいがわ

北海道北西部流れる川。天塩(てしお)山地南端ポロシリ山標高731メートル)に源を発し留萌市流れ日本海に注ぐ。長さ44キロ


留萌川

丘陵地帯緩やかに流れ交易拠点留萌港」に注ぐ川
留萌川は、北海道留萌市小平町の境にあるポロシリ山にその源を発し幾つも渓流合わせながら、留萌市中心西北流下し、大和田遊水地通り留萌市街部で日本海注いでます。途中支川合流させると流域面積270km2流路延長44kmの河川です。

河口より~留萌港を抱く留萌市街地
河口より~留萌港を抱く留萌市街地

河川概要
水系留萌川水系
河川名留萌川
幹川流路延長44km
流域面積270km2
流域内人28,000
流域関係都県北海道

留萌川流域図
○拡大図
1.留萌川の歴史
"留萌川は江戸時代アイヌの人々との交易のため開かれた留萌港から内陸への輸送経路として産業の発展支えましたその後も、役割変えながらも河口留萌港と共に留萌市発展基盤成してきました。"

留萌川の名前の由来は、この川が大きく蛇行し水の流れ緩やかだったため、潮が上流奥深くまで遡っていたという昔の姿をアイヌ語で「ルルモッペ」(潮が静かに入る川)と呼んでいたことからから来てます。 また、留萌川は、天塩山地にある源流部から日本海に注ぐ河口までの全区間が、この川の名前から名付けられ留萌市1市のみを流れているという、留萌市民にとって特別な川です。


大正初期の留萌川河口部
大正初期の留萌川河口部
留萌港要覧より 昭和8年8月
北海道庁河港発行
留萌は、江戸時代アイヌの人々との交易の場として栄えました。
また、明治以降北部日本海漁業基地として発展し流れ緩やかな留萌川を利用した港は、積み荷上流内陸部まで遡って陸揚げすることができたことから、陸路未整備だった時代地域産業の発展支えてきました


留萌町事業計画一般図(大正初期)
留萌町事業計画一般図
大正初期
その後鉄道開通による物資輸送が盛んとなり、留萌港機能拡充のため、下流市街部大蛇行して流れていた留萌川は、現在の新水路に切り替えられましたが、この旧川埋め立てられ商用地や宅地として供給されたことで、留萌市発展骨格形成されました。



黄金岬と夕日
黄金岬と夕日
留萌市小樽稚内を結ぶ観光ルート日本海オロロンライン」の中心部位置し、西には日本海南北には暑寒別天売焼尻国定公園連なる風光明媚なまちです。
また、河口近くには、かつてニシン群れ夕陽浴びて黄金色輝きながら押し寄せたという黄金岬があり、全国生産高の約5割を占めカズノコ生産はじめとする水産加工などが盛んです。
2.地域の中の留萌川
"山あい流れ上中流部豊かな自然景観残されています。留萌市街地を流れ下流部施設整備進んでおり、地域貴重なオープンスペースとして、散策ジョギングまつりやイベントを行う場として有効に利用されています。"


留萌川まつり
・留萌川まつり
留萌市民を襲った昭和63年洪水被害から復旧された留萌川を、市民ふれあいの場として広めようと、有志の手始められ祭りです。平成15年天候にも恵まれ大盛況でした。


河川敷画廊
河川敷画廊
留萌出身版画家阿部貞夫氏の版画作品レリーフ高水敷護岸飾り、留萌川まつりの舞台になってます。


幌糠水辺の楽校
幌糠水辺の楽校
旧川跡を利用した水辺空間整備により、子供たち自然観察体験学習の場として利用されています。


・緑の回廊、サイクリングロード
緑の回廊サイクリングロード
留萌市等と連携し河川その周辺整備行ってきており、市民散策サイクリング等の憩い空間として利用されています。
3.留萌川の自然環境
"流域大部分山地占められる留萌川の上中流域では、背後山地から連なる豊かな自然が残されており、また、感潮域となる下流部は、市街地ありながら多様な生物生息する環境維持してます。"


留萌川は、河川横断する構造物がなく、下流市街地をぬけると背後山林がせまり、河川水際まで植生繁茂する自然のままの景観多く見られるなど、地域自然環境基盤生物貴重な生息空間となってます。

カワセミ
カワセミ
イトヨ
イトヨ
留萌川の河川環境を見ると、上中流部山沿い森林囲まれ農地蛇行しながら流れており、河道内にはエゾイタヤシナノキ群落ヤナギヤマハンノキ群落中心とした河畔林水際まで茂ってます。河川周辺ではホオジロアオジモズカワセミオシドリオオジシギ等の鳥類見られエゾシカキタキツネ生息確認されています。魚類多くの種 が生息しており、1999年環境庁レッドリスト絶滅 カワセミ 危惧類であるエゾホトケドジョウスナヤツメのほか、日本貴重な淡水魚特定種であるイトヨ生息してます。



また、市街地流れ下流部は、堤防護岸整備進んでおり一部除き河道内に樹木見られませんが、感潮域流れが非常に緩やかであることから魚種多くカワヤツメチカシラウオメナダボラサヨリなどを始めとした周縁種が豊富に生息してます。同様に鳥類についても、アオサギ、ハクセキレイ・キセキレイ、イソシギコチドリウミネコ等が見られ下流に行くほど多く種類鳥類見られます。
アオサギ
アオサギ

4.留萌川の主な災害


発生 発生原因 被災市町村 被害状況
昭和30年8月 停滞前線 留萌市 床上浸水 1,812戸
床下浸水 1,323
昭和56年8月 停滞前線 留萌市 床上浸水95
床下浸水 125
昭和63年8月 停滞前線 留萌市 床下浸水 1,270
床下浸水 2,106

(注:この情報2008年2月現在のものです)

留萌川

読み方:ルモイガワ(rumoigawa)

所在 北海道

水系 留萌川水系

等級 1級


留萌川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/03 21:21 UTC 版)

留萌川
雪解け期の留萌川(塩州橋より上流方)
水系 一級水系 留萌川
種別 一級河川
延長 44 km
平均流量 13.30 m3/s
(大和田観測所 2000年)
流域面積 270 km2
水源 ポロシリ山(留萌市)
水源の標高 -- m
河口・合流先 日本海(留萌市)
流域 日本
北海道留萌市

テンプレートを表示
塩州橋にある河川名標
源流部(峠下橋付近)

留萌川(るもいがわ)は、北海道留萌市を流れ日本海に注ぐ一級河川。留萌川水系の本流。流域面積270km2は、留萌市の市域から海岸沿いの小河川の流域を除いた範囲になる。

川の名前は過去に留萌川が大きく蛇行し、水の流れが緩やかだったため、潮が上流奥深くまで遡っていたという姿をアイヌ語で表した「ルルモッペ」(潮が静かに入る川)に由来する[1]

地理

北海道留萌市北東部にある天塩山地南端のポロシリ山付近の雨竜郡沼田町との境界に源を発し南へ流れる。恵比島峠付近で西に向きを変え、留萌市幌糠町で北西に流れを転じ、留萌市元町と留萌市塩見町の境界から日本海に注ぐ。

留萌川はたびたび氾濫を繰り返し、特に1988年8月25日の洪水では浸水3,376戸という被害を出した。また、飲用水に適した取水場所がなく、留萌市の水道水は隣接する増毛町の新信砂川から取水している。これらの問題を解決するため、最大支流のチバベリ川に留萌ダムが建設された(2010年3月完成)。

支流

  • マサリベツ川
  • 高砂川
  • バンゴベ川
  • 十二線川
  • 十五線川
  • 桜庭川
  • 中幌糠川
  • チバベリ川
    • チバベリ右川
      • チバベリ右奥の沢川
    • チバベリ左川
  • タルマップ川

橋梁

  • 留萌橋
  • ルルモッペ大橋
  • 大通橋
  • 栄萌橋
  • 南九条橋
  • 東橋
  • ユードロ橋
  • 大和田橋
  • 塩州橋
  • 紅葉橋
  • 16線橋
  • 桜橋
  • 真栄橋
  • 御料橋
  • 幌糠大橋
  • 明治橋
  • 幌糠橋
  • チバベリ大橋
  • 南幌橋
  • 西幌橋
  • 東幌橋
  • 橘橋
  • 峠下橋

脚注

外部リンク




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